鵜堂刃衛(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

鵜堂刃衛(うどう じんえ)とは『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』に登場する人物で、明治政府の要人を暗殺していた人斬りである。凶賊「黒傘」の二つ名を持ち、幕末の頃より暗殺に従事していた。同じ人斬りであった緋村剣心との戦いに挑み、一時は好戦するほどの実力を持つ剣客であった。しかし剣心に破れ、最期は人斬りを依頼した依頼人の秘密を守るために自害する。刃衛は人を斬りたいという欲求を満たすために人斬りを行っている非常に残忍で危険な人物である。

薫を拉致する刃衛

翌朝、剣心と左之助は谷の豪邸を後にし帰路につく。剣心は自分が刃衛の標的になったことから、自分の周囲の人に危害を加えたくないために神谷道場に帰らないことにした。剣心は薫たちのことを左之助に託し、自分は河原を拠点に生活することにした。河原は幕末時代の人斬りが攻めたり逃げたりすることが容易な場所であり、拠点にすることが多かったのだ。
左之助は神谷道場に帰るなり、薫に事情を全て説明する。薫は剣心に会うために河原に向かおうとするが、左之助に引き止められる。しかし、薫は「また独りぼっちになるくらいなら、危険な目にあったほうがずっといいわ!!」と左之助に言い放つ。薫は剣心が戦った後に神谷道場に帰ってこないのではないかと心配だったのだ。薫は左之助の静止を振り切り、剣心のもとに急ぐ。
薫は怒りの形相で剣心のもとに着くと、自分も剣心と一緒にいると言う。剣心は薫に、誰かを守りながら刃衛と戦うことは到底不可能だと伝える。薫は急に立ち上がり、自身が身に着けている藍色のリボンを解き、リボンを剣心に渡す。剣心は薫の行動の意図が読めず混乱していた。すると薫は「刃衛と戦った後に忘れて旅に出たら、絶対に許さない」と剣心に言う。剣心は薫の言葉に驚きながらも「必ず返しに帰るから安心して道場で待っていてくれ」と返す。
ふたりが約束を交わした瞬間、薫の後ろから刃衛が飛び出し薫をさらう。刃衛は「この娘はお前の女と見た!!」と言い放ち、薫を拉致したのだ。剣心は刃衛の行動に怒った。刃衛は剣心を怒らせることで、剣心に人斬り時代の残忍さを取り戻させようとしているのだ。刃衛は流浪人の剣心ではなく、非情な人斬りの剣心を殺したいと考えていた。怒った剣心に、刃衛は斬奸状を投げつけその場を去った。

剣心との死闘

手前が刃衛で奥が剣心

刃衛は薫とともに山奥の神社に籠城した。斬奸状には午前0時に待つと書いてあったのだ。剣心は刃衛たちの前にちょうど0時になった瞬間に姿を現す。剣心は刃衛に怒っており、人斬りに戻りつつあった。剣心と刃衛は刀を交じらせ、間合いを取ったときに刃衛は剣心に心の一方をかける。しかし、剣心は心の一方をすぐに解き応戦する。剣心は刃衛の動きの先を読み、相手の体制を崩した。だが刃衛は得意技の背車刀(はいしゃとう)を使い、剣心に一撃を加える。背車刀とは、背面で刀を持ち替えて予想できない方向から相手に攻撃をする技である。刃衛はさらに剣心を怒らせるために、薫にも心の一方をかけたのである。さらに薫には、肺機能を麻痺させる程の強力な術をかけた。刃衛曰く、薫の命はもってせいぜい2分である。薫を助けるためには心の一方を自力で解くか、術者を殺すかしないのであった。剣心は怒りで我を忘れて、完全に人斬り抜刀斎(ひときりばっとうさい)に戻った。人斬り抜刀斎とは剣心の幕末時代の志士名であり、流浪人の剣心とは全く別人のような人間である。抜刀斎に戻った剣心は刃衛に斬りかかり「殺してやるからさっさとかかってこい!」と挑発した。刃衛は抜刀斎の様子に喜々としながら戦う。さらには刃衛は自身に心の一方影技・憑鬼の術(しんのいっぽうかげわざ・ひょうきのじゅつ)をかけた。この技は、自身に強い暗示をかけ潜在能力を全て引き出す技である。抜刀斎は刃衛に対して抜刀術で対抗しようとする。人斬り抜刀斎は抜刀術の全てを知り極めた男である。刃衛は逆刃刀(さかばとう)を使った抜刀術であればかわすことができると考え、抜刀斎に立ち向かっていく。しかし、抜刀斎は双龍閃(そうりゅうせん)を使い、刃衛の肘関節を砕き筋を断ったのだ。双龍閃とは、剣と鞘を使った二段の抜刀術である。刃衛は抵抗できずに地面に倒れ込む。抜刀斎は刃衛を始末するため「死ね」と言い、刀を振り上げる。
抜刀斎は薫の目の前で刃衛を殺すことをためらった。しかし、刃衛は「伝説の人斬りの兇刀を冥土の土産に一撃くれ」と煽るのであった。抜刀斎は次こそ刃衛を始末しようとすると、薫が「だめ!!」と叫ぶ。刃衛と抜刀斎は薫の声に驚き、瞬時に剣心は流浪人の剣心に戻った。薫は自身で心の一方を解き、命を取り留めたのだ。剣心はすぐに薫を抱きかかえ心配する。薫は呼吸は荒いものの命に別状はなかった。刃衛は残された左手で脇差しを抜きながら、剣心と薫に近づく。剣心は刃衛に「脇差し1本では勝機はない、大人しく縄につけ」と情けをかける。しかし、刃衛は「まだ後始末が残っている」と言い自身の左胸を突き刺し自害した。刃衛が自害した理由は、自分が生きて捕まれば人斬りを依頼した維新政府の人物に行き着くからであった。凶賊・黒傘は明治政府内の人物に雇われた人斬りだったのだ。刃衛は事切れる瞬間に「人斬りは所詮死ぬまで人斬りだ」と剣心に言い放った。

幽霊として登場

刃衛が死んだ後、剣心と対決した山奥の神社では、時折「うふふ」という笑い声が聴こえるようになった。周囲の人は気味が悪いと近寄らず、夜になると祠の近くには黒傘のような幽霊が漂うと言われている。

鵜堂刃衛の関連人物・キャラクター

緋村剣心(ひむら けんしん)

緋村剣心は飛天御剣流(ひてんみつるぎりゅう)の使い手で本作の主人公。幕末時代は人斬りとして活躍したが、新時代を迎えてからは二度と人を斬らないと誓い流浪人として生きている。幕末最強の人斬りと謳われていたが、同じ人斬りの刃衛とは顔を合わせることはなかった。刃衛は剣心との死闘の末に自害した。

相楽左之助(さがら さのすけ)

相楽左之助は剣心の仲間のひとりで、裏社会で喧嘩屋として名を轟かせている。幕末時代には、農民や商人たちが維新を起こそうと結成した赤報隊(せきほうたい)の一員として活躍した。情に厚く、曲がったことが嫌いな性格だ。刃衛の心の一方を受けてもある程度体を動かすことが出来たため刃衛からは感心された。

renote.net

神谷薫(かみや かおる)

神谷薫は神谷活心流(かみやかっしんりゅう)の師範代であり、剣心の思い人。薫は剣心のことを誰よりも理解しており、剣心がいなくなるといつも心配をする。刃衛にさらわれ、心の一方をかけられて死ぬ思いをした。しかし、薫の剣心を思う気持ちが術に打ち勝ち、心の一方は解けた。

renote.net

鵜堂刃衛の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「おしゃべりの時間はないんだぞ、言いたいことはその剣で言え!」

刃衛が薫をさらい剣心を怒らせたが、まだ人斬り抜刀斎に戻ることはなかったため、薫に心の一方をかけた。刃衛の非道な行動に剣心はさらに怒ったが、刃衛が剣心に「おしゃべりの時間はないんだぞ、言いたいことはその剣で言え!」と言い放ち剣心の怒りは頂点に達する。人斬り抜刀斎に戻った剣心は刃衛を本気で殺そうとする。刃衛の残忍極まりない性格が分かるシーンである。

「んーむ、この感触…いいね」

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石動雷十太(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

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石動雷十太(いするぎ らいじゅうた)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物で、実戦剣術流派「真古流」の隆盛を目論む剣豪。 次々と新しい兵器が生まれる中、剣術の意義が失われていくことを憂い、「兵器に負けないほど強力な剣士」たちによる剣術の再興を目論む。自身も古流剣術「飯綱」を修得した凄腕の剣士だが、言動のわりに中身は小物で、作中では「愚物」と吐き捨てられている。真古流のパトロンにするために刀剣商の塚山由左衛門に近づき、やがて主人公緋村剣心と対峙する。

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武田観柳(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

武田観柳(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

武田観柳(たけだかんりゅう)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場する悪徳実業家。 表向きは町外れに住む青年実業家だが、裏では医師と結託し「蜘蛛の巣」という阿片を売りさばいていた。仲間割れにより協力者であった医師を殺害してしまい、その助手を務める高荷恵を監禁し無理矢理阿片の製造に協力させた。四乃森蒼紫を御頭とする御庭番衆や私兵団を従え、阿片で得た利益を利用して武器商人となり、更なる財を築こうと企む。実写や舞台の要素を取り入れて深みが増していったキャラであり、『北海道編』で再登場する。

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エルダー=ピーベリー(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

エルダー=ピーベリー(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

エルダー=ピーベリーとは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 第零幕』の登場人物で、外国人居留地に在住する西洋人の女性医師。 若輩かつ女性ということで、西欧では信用も仕事も得られず、やむなく自分の技術を活かせる場所、必要としている人を求めて日本にやってきた。困窮する者からは金を取らない高潔な医師だが、日本においても“若い娘”というだけで色眼鏡で見る者が少なくないため、普段は男装している。主人公緋村剣心と交流し、協力して外国人居留地で起きた事件を解決した後、アメリカへと渡っていった。

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魚沼宇水(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

魚沼宇水(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

魚沼宇水(うおぬま うすい)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターで、明治政府転覆を目論む志々雄真実配下の精鋭部隊「十本刀」の一員。その中でも最強格の戦闘能力を持つ剣士で、盲目であることから「盲剣の宇水」と呼ばれている。琉球王家秘伝の武術の使い手であり、かつて対人斬り用暗殺者として腕を振るっていた。志々雄に敗れて光を失い、「隙あらばいつでも斬りかかって構わない」という条件で彼の仲間になっている。しかしすでに復讐を断念していることを斎藤一に見抜かれ、死闘を繰り広げる。

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四乃森蒼紫(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

四乃森蒼紫(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

四乃森蒼紫(しのもりあおし)とは、『るろうに剣心』の登場人物でかつて江戸城の警護を務めた御庭番衆(おにわばんしゅう)最後の御頭であり、15歳という若さでその座に就いた天才である。小太刀を用いた防御力に優れる剣術と御庭番式の格闘術を融合させた戦法で戦う。整った顔立ちの美男子だが、幼い頃より隠密として厳しい修行を受けていたため、冷静沈着な性格で表情の変化に乏しい。幕末最強と言われていた人斬り抜刀斎(現在の緋村剣心)を倒し、御庭番衆こそが真の最強である事を証明する為、剣心の前に立ちはだかる。

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