【進撃の巨人】サシャ「コニー!勝負しましょう!」コニー「勝負?」【厳選名作SS】
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。サシャとコニーの仲良しコンビがメインのSSです。訓練中サシャから勝負を持ち掛けられたコニー。それをきっかけにサシャとコニーは互いを意識する仲になっていきます。
教官「代わりに訂正しなさい。キルシュタイン訓練兵」
ジャン「はっ」ガタン「縦1m、横10㎝です」
教官「そうだ。この弱点は巨人の大きさに関わらない。二人とも座りなさい」
コニー(くそっ、やっぱ座学じゃ俺は……)
サシャ「えへへ、間違えちゃいました」
ジャン「お前なぁ、大事なことなんだからちゃんと覚えとけよ」
コニー(……こうして見ると、ジャンとサシャって、結構バランスのいい二人だよな。サシャは少し背が高めだけど、ジャンもそこそこあるし)
コニー(俺なんてチビだし、サシャよか10㎝も背が低いんだよなぁ)
コニー(くそ……)
昼
馬術訓練
コニー「よし、やってやる!」
ライナー「何だ?随分気合いが入ってるなコニー」
コニー(座学と比べりゃ、馬術はまだいけるからな)
ジャン「あんまりやりすぎると逆に馬に遊ばれるぞ?」
コニー「お前には負けねぇかんな!」
ジャン「はぁ?またサシャと何か賭けてるのか?」
コニー「違げぇよ!とにかく負けねー!」
サシャ「ジャン!コニー!今日は三人一班での訓練ですよ!頑張りましょう!」
コニー「お、おお!」
ユミル「……これは、面白くなりそうだ」
クリスタ「だ、大丈夫かな」ハラハラ ワクワク
ライナー「何やってんだお前ら。早く行くぞ」
ユミル「うるさい黙れ」
ライナー「」
ベルトルト(ライナー……)
教官「始め!」
コニー「おらおらおらー!!」バカラッバカラッ
サシャ「わっ、コニー速いですね!」
コニー「へっ、まぁな!」
ジャン「おいコニー!飛ばしすぎだ!」
コニー「うっせ!このくらい普通だ!」
コニー(お前にばっかりいいカッコさせてたまるか!)
ジャン「お前が飛ばしても俺たちが追いつかないんじゃ班別訓練の意味がない!これは組織行動の訓練でもあるんだぞ!」
コニー「何だと、この――」
サシャ「コニーっ……待ってくださいっ……はあっ、速すぎ……!」
コニー「! サシャ!」ガカッ
ジャン「馬鹿がっ!急に止めたら!」
ヒイイィイーン!!
コニー「うわっ!待て落ち着けお前っ!落っこちちま――うわあああ!」
ジャン「ちっ!」バカラッ ガカッ
サシャ「コニー!ジャン!」
ドガアアアア!!
サシャ「コニー!ジャンー!」バカラッ
コニー「うっ……はっ、ジャン!大丈夫かっ!?」
ジャン「っつ……あ、あぁ」
コニー「お、俺、馬に振り落とされそうになって、それで……」
サシャ「ジャンが馬を後ろにつけて、助けてくれたんですよ!ジャン、立てますか?」
ジャン「あぁ、平気だ。うっ……」
サシャ「無理しないでください」
コニー「ご、ごめん!ジャン、ほんとにすまなかった!!」
コニー(くそっ、何をやってるんだ俺は……!)
ジャン「平気だって。気にすんな」
サシャ「ジャン、肩貸しますよ」
ジャン「済まねぇ」
教官「お前たち何してる!訓練中だぞ!」バカラッ
コニー「あ、えっと、これは」
ジャン「俺が馬の制御を誤って、落馬しました」
コニー「!」
教官「キルシュタイン訓練兵か。訓練は続けられそうか?」
ジャン「ええ、問題ありませ――っつ!」
サシャ「教官! キルシュタイン訓練兵はとても馬に乗れる状態ではありません! 医務室に連れて行ってもよろしいでしょうか?」
教官「わかった。ブラウス訓練兵は彼を連れて行ったあと、直ちに報告に戻るように」
サシャ「はっ!」
コニー「ジャ、ジャン……」
ジャン「今回だけだからな」ポンッ
サシャ「ジャン、行きましょう。早く手当てしないと」
ジャン「あぁ」
コニー「……」
コニー(ほんとに何やってんだ? 俺)
コニー(サシャにいいとこ見せたくて。ジャンに負けたくなくて)
コニー(挙句の果てに、ジャンに怪我させちまうなんて)
コニー(サシャだって……)
コニー「……」
もしも。
もしもサシャが、ジャンのことが好きだったら。
俺は……
俺は、あいつに勝てないんじゃねぇか……?
夜
食堂
コニー「はぁ……」
アルミン「コニー? どうしたのさ。全然食べてないじゃないか」
コニー「なんつうか、食欲がなくてな」
アルミン「……もしかして、昨日の悩み事?」
コニー「えっ?」
アルミン「ジャンとサシャ、まだ戻ってきてないよね」
コニー「……」
アルミン「あの、僕でよかったら、また相談に乗るよ?」
コニー「ありがとなアルミン。けど大丈夫だ」
アルミン「でも……」
コニー「悪りぃ、ちょっと外の空気吸ってくる」ガタン
クリスタ「コニー……大丈夫かな……」
ユミル「……」
訓練兵舎裏
コニー「はぁ……」
コニー(医務室に見舞いに行きたいけど、なんか、行きづらいんだよな)
コニー(邪魔しちまうんじゃねぇかとか……)
コニー「ん?」
コニー「おー、すげえ星」
コニー(ちょっと座って見てるか)ストン
コニー(こんなに見えるのって久しぶりだな)
コニー「……」
コニー「……サシャと、見たかったな」
サシャ「私がどうかしました?」
コニー「はぁっ!!??」ビクッ!
コニー「なっ、なんでお前はまた唐突に現れるんだよ! サシャ!」
サシャ「丁度医務室から帰ってきたところだったんです」
コニー「あぁ、医務室って、ジャンの……」
サシャ「隣座っていいですか?」
コニー「あ、ああ」
サシャ「失礼します」ストン
サシャ「ジャン、今日はとりあえず医務室泊まりですけど、明日からは訓練に復帰できるそうですよ」
コニー「そ、そうか! よかった……」
サシャ「コニー、今日はいったいどうしたんですか?」
コニー「えっ?」
サシャ「今日のコニーは、なんだかコニーらしくなかったですよ?」
コニー「……」
サシャ「コニー?」
コニー「――なのか?」
サシャ「えっ?」
コニー「ジャンのこと、好きなのか?」
サシャ「えっ? えっ?」
コニー「いやっ、別にだからどうってわけじゃねぇんだ! ただ……」
サシャ「……ただ?」
コニー「ただ……気になるんだ」
サシャ「……」
コニー「悪りぃ、やっぱ何でもねぇ! 忘れてくれ! なっ!」
サシャ「コニー」
コニー「やっ、やっぱりちょっとここ寒いよな! そろそろ兵舎に戻るか!」
サシャ「コニー。待ってください」
コニー「な、何だよ」
サシャ「コニー、何か勘違いしてますよ」
コニー「勘違い?」
サシャ「手、出してもらえますか?」
コニー「あ、あぁ」スッ
ギュッ
コニー「!?」
サシャ「コニー。誤解しないで欲しいんです」
サシャ「あの時は、食べ物をくれた感謝にって言いましたけど」
サシャ「でも、私――」
サシャ「何とも思ってない人に、『大好きです』なんて、言いませんよ?」
コニー「えっ……?」
コニー(それって……まさか……)
サシャ「ねぇ、コニー」
ギュッ…
サシャ「私……」
サシャ「コニーのことが、大好きですよ」ニコッ
コニー「……! サシャ……!」
あぁ、やっとだ。
お前のその笑顔が。
その言葉が。
俺はずっと、欲しかったんだ。
コニー「……俺もだ」
コニー「俺も……お前が好きだ。サシャ」
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