シン・ウルトラマンの禍威獣まとめ

禍威獣(かいじゅう)とは、『シン・ウルトラマン』に登場する敵性大型生物。ある時を境に日本各地に出現するようになり、多大な被害を生み出した。その姿は爬虫類のようなものから鳥に似たもの、巨大な植物まで多種多様。既存の生態系から完全に独立した生物であり、放射性物質を食べたり破壊光線を発したりと個々が地球の常識では考えられない能力を秘めている。
その正体は、外星人こと地球外の知的生命体が、人類発祥以前に後に日本となる土地に不法投棄していった生物兵器。日本にしか出現しないのもこれが理由である。

透明禍威獣ネロンガ

作中で7番目に確認された禍威獣。普段は透明だが、熱量は発しているため、赤外線カメラには普通に映る。電気をエネルギー源としており、満腹になると姿を表す。禍特対の神永新二は、これを一種の示威行為だと見なしていた。
レーダーのような器官を備えているらしく、自分に向かって飛翔する自衛隊のミサイルを角から放つ高圧電流で迎撃している。この電流は15ギガジュールものエネルギー量を誇り、禍特対の科学者たちも「攻防に隙が無い」とお手上げ状態だった。
しかしこの時、突如宇宙から飛来した銀色の巨人によって苦も無く撃破される。この巨人は後に「ウルトラマン」と名付けられ、物語の主役として様々な事件に関わっていくこととなる。

元ネタは初代『ウルトラマン』に登場した透明怪獣ネロンガ。その名の通り普段は透明で、エネルギー源は電気というほぼ原典そのままの設定になっている。大きく違うのは“パゴスやガボラと同一規格の生物兵器”という設定が追加されたことで、胴体や手足の形状がこの2体に告示していることに気付いた禍特対の科学者たちが「禍威獣とは何者かがなんらかの意図で作った存在なのではないか」との推測に辿り着くきっかけとなった。

地底禍威獣ガボラ

作中で8番目に確認された禍威獣。頭部を覆うエリマキは花のつぼみのように閉じてドリルとなり、さらに背中にも2本のドリル状の触手を備えている。地底を高速で掘り進み、放射性物質を常食し、口からは放射性物質を含んだ光線を吐き出すなど、パゴスをそのまま進化させたような能力を持つ。その肉体は極めて頑強で、日本政府からの要請を受けた米軍の地下貫通爆弾による猛攻撃にも耐え切った。
パゴスと同様に体内に放射性物質が蓄えられていることが予想されたため迂闊には手出しできず、さらなる被害の拡大は免れないと誰もが絶望するが、ネロンガの前にも現れた銀色の巨人こと“ウルトラマン”により頭部を殴り割られて絶命。死体はウルトラマンによって天高く運ばれ、恐らく地球には影響を与えない宇宙空間で処分されたと思われる。ウルトラマンのこの行為を見た禍特対は、「ガボラの危険性を認識して死体を運んでいったということは、ウルトラマンは人類の味方で、あるいはコミュニケーションも可能な存在なのではないか」と考えるようになる。

元ネタは初代『ウルトラマン』に登場する地底怪獣ガボラ。放射性物質を常食としていることなど多くの設定がそのまま採用されている。大きく違うのが、「パゴスやネロンガと同一規格の生物兵器である」という設定が追加されていることで、これはもともとネロンガとガボラの着ぐるみがパゴスの着ぐるみを流用して作られたことが由来となっている。

天体制圧用最終兵器ゼットン

ウルトラマンの故郷である「光の星」で作られた、宇宙にとって害悪だと判断した種族をその星系ごと消し飛ばすための兵器。作中では“禍威獣”として分類されている様子はないが、「外星人によって作られた兵器」という意味では同質の存在である。外見は非常に無機質で、生物であるかどうかは不明。
1兆度という恐るべき熱量の火球を放ち、目標を天体ごと消滅させ、そらには半径数百光年内の全ての星の生き物を死滅させるという驚異の破壊力を持つ。「地球人は宇宙にとって将来的な脅威となる」と判断した光の星の決定によって地球に持ち込まれ、地球人を滅ぼすべく火球のチャージに入る。しかし発射直前で地球人によって攻略法を編み出され、ウルトラマンによって別の宇宙へと追放。通常の状態なら作動するはずの火球からの防御システムが働かず、自らの攻撃のエネルギーで轟沈した。

元ネタは初代『ウルトラマン』最終回に登場した宇宙恐竜ゼットン。それまでほとんど無敵を誇ったウルトラマンを造作も無く敗北に追いやり、全国の視聴者に衝撃を与えたことで有名な怪獣である。1兆度の火球は以前から設定としては存在していたものの、「そんなもの放ったら被害は太陽系だけじゃすまないし、そもそも一番最初に消滅するのはゼットン自身だ」と方々からツッコまれていた。本作ではこの火球をゼットンの切り札として設定しており、その発射を巡る駆け引きが物語のクライマックスとなっている。

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