浅見弘子(シン・ウルトラマン)の徹底解説・考察まとめ

浅見弘子(あさみ ひろこ)とは、『シン・ウルトラマン』の登場人物で、禍威獣特設対策室専従班の分析官。突如出現して禍威獣を撃破していった“銀色の巨人”の調査のために物語途中で禍特対に加わり、彼に「巨大人型生物ウルトラマン」という名称をつける。
頭脳明晰かつ明朗快活な才媛で、禍特対では新入りの立場ながら歯に衣着せぬ物言いで周囲に意見する。同僚の神永にウルトラマンが融合していることを知らないまま彼とバディを組み、“地球人とはどういう生き物か”のもっとも身近な実例として様々な気付きを与えていく。

浅見弘子のプロフィール・人物像

演:長澤まさみ

浅見弘子(あさみ ひろこ)とは、『シン・ウルトラマン』の登場人物で、禍特対(かとくたい)こと禍威獣特設対策室専従班(かいじゅうとくせつたいさくしつせんじゅうはん)の分析官。前歴は公安調査庁で、突如出現して禍威獣を撃破していった“銀色の巨人”の調査のために物語途中で禍特対に加わり、彼に「巨大人型生物ウルトラマン」という名称をつける。
頭脳明晰な才媛で、禍特対では新入りの立場ながら、必要だと判断すれば歯に衣着せぬ物言いで周囲に意見する。明朗快活なキャリアウーマンだが、忙し過ぎて何日も風呂に入っていないことを気にするなど特に女性らしい一面を見せることも。気合を入れる時に自分の尻を叩く癖がある。

自身の調査対象であるウルトラマンが、新たな同僚となった神永新二(かみなが しんじ)と肉体を融合していることを知らないまま、彼と仕事上のバディを組む。“地球人とはどういう生き物か”についてのもっとも身近な実例としてウルトラマンに様々な気付きを与え、自身もまた地球人のために戦い続ける彼を強く信頼するようになっていった。

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浅見弘子の来歴・活躍

公安調査室から禍特対へ

日本各地に巨大敵性生物が出現するようになり、これらは禍威獣(かいじゅう)と名付けられることとなる。悪戦苦闘しながらも禍威獣の脅威に日本人がなんとか立ち向かう中、突如宇宙から銀色の巨人が出現。禍威獣を撃破して、どこへともなく去っていく。
日本政府はこの銀色の巨人の正体を突き止めるべく、禍威獣対策の専門チームである禍特対に分析官を置くことを決定。公安調査室で辣腕を振るっていた浅見に白羽の矢が立てられる。

浅見はこの依頼を引き受け、禍特対に参加。かつて研修を受けた組織の暗号を流用し、銀色の巨人に「巨大人型生物ウルトラマン」という呼称をつける。これはあくまで便宜的なものだったが、どこからか流出したのか分かりやすさもあって作中で広く使われるようになっていった。その禍特隊では、作戦立案担当官の神永と仕事上のバディを組むこととなるが、彼からは「バディとは何か、群れとはどのようなものか」と奇妙な質問を投げかけられ唖然とする。
実はこの時、神永はウルトラマンと禍威獣の戦いの余波で生じた衝撃波から逃げ遅れた子供を守ろうとして命を落としていた。不注意によって死なせてしまった罪悪感と、神永が最後に見せた「自分より弱い者を命懸けで守る」という行動への興味から、ウルトラマンは“肉体を融合して1人分の命を共有する”という方法で彼を救う。こうして生き永らえた神永だったが、その意識はほぼ眠ったままの状態で、普段はウルトラマンが彼の肉体を動かして行動している状態だった。

“自分より弱い生き物を命懸けで助けたところで、その生き物が次の危機を乗り越えられる可能性は低いのだから意味が無いのではないか”というのが、ウルトラマンたち強大な力と叡智を持つ外星人(がいせいじん)の間の当たり前の常識だった。神永の最後の行動の意味を知るべく人間のことを調べていくウルトラマンにとって、浅見はもっとも身近な実例となった。
浅見を通して「個々が弱く未熟であるからこそ、手を取り合って助け合いながら生きていく」という地球人の生態を知ったウルトラマンは、次第に彼らに魅せられていく。

明かされる神永の正体

変身用アイテム「ベーターカプセル」をウルトラマンから託されていたことに気付く浅見。

ウルトラマンはその後も禍威獣を撃退し続け、その際に彼が地球人への被害が少なくなるよう立ち回っていることに気付いた禍特対では、「ウルトラマンは我々の味方で、コミュニケーションも可能なのではないか」との意見と期待が取り沙汰されるようになる。そこに突如自らを外星人だと語るザラブという怪人が現れ、日本政府と友好条約を結びたい旨を申し出る。
ザラブは実際に宇宙の他天体からやってきた外星人で、地球人からすれば超常的なものにしか見えない力を持っていたが、その真の目的は「地球人との友好的交流」などではなく「地球の害獣である地球人を絶滅させる」ことだった。友好を謳った条約も、国家間の疑心を煽って大規模な戦争を誘発させる計画の一端に過ぎない。自身の目的の最大の障害となるのはウルトラマンだと睨んだザラブは、本来の力の大半をマルチバースに格納したまま神永の肉体を使って活動している彼を捕らえて監禁する。さらに自身はウルトラマンそっくりの姿に変身して都市を攻撃し、地球人の抱く「ウルトラマンは自分たちの味方である(=だからザラブとの不平等な条約を結ぶ必要は無い)」という認識を覆そうと画策する。

さらにネットに“神永がウルトラマンに変身する”ところを映した動画を拡散し、地球人を揺さぶるザラブ。浅見たち禍特対はこの時点でザラブの思惑に薄々感づいていたが証拠が無く、打つ手の無い状態となっていた。しかしウルトラマンはこの事態を見越して様々に手を打っており、自身が変身する(=マルチバースから本来の力を取り出す)ための道具であるベーターカプセルを浅見に密かに預けていた。神永のかつての同僚の力も借りてウルトラマンの監禁場所を突き止めた浅見は1人ここに乗り込み、彼を開放。ベーターカプセルを使って本来の力と姿を取り戻したウルトラマンが、ザラブを打ち倒す様を見守る。
この際、浅見は1人で行動した末にザラブに捕らえられることとなったウルトラマンに平手を食らわせている。彼なりにもっとも効率よく事態を解決することを考えて取った行動ではあったが、ここで浅見や禍特対の面々から“仲間”として本気で心配されていたことを知ったウルトラマンは、自身もまた彼女たちを“仲間”として信頼するようになっていった。

ウルトラマンとの共闘

メフィラスの処置によって巨大化した浅見。

ザラブを撃退した後、ウルトラマンが来訪する以前から地球で活動していたメフィラスという外星人に捕らえられる。メフィラスは浅見の自我を奪い、精神支配を施した上で、ベーターカプセルと同等のシステムであるベーターボックスという装置を使って彼女を巨大化。ウルトラマンにも匹敵する巨人の姿でオフィス街を歩かせる。
メフィラスは「地球人には生物兵器としての計り知れないポテンシャルがある」と考えており、これは自身の技術力の高さとそれを受け入れれば禍威獣にも外星人にも対抗できるという事実を広く知らしめるためのデモンストレーションだった。軽く街を破壊したところで精神支配を解かれ、元の大きさに戻された上で目を覚ます。巨大化した浅見の姿はネットで拡散しており、これでは晒しものだと頭を抱える。それを知ったメフィラスは、謝罪の言葉と共に巨大化した浅見の画像や動画をネット上からあっさりと消去し、喜ぶ一方で彼のすさまじい技術力に驚嘆する。

メフィラスは「地球人自身が禍威獣や外星人に対抗する力を身に着けるべきだ」との思想を持っており、ウルトラマンに協力もしくは静観を要請。ウルトラマンはメフィラスの意見を全否定こそしなかったものの、地球人の進化に外星人の手が加わることは可能な限り避けるべきだと主張し、2人の話し合いは決裂に終わる。メフィラスによって地球人全てが生物兵器にされてしまうことを防ぐため、ウルトラマンは禍特対に協力を要請。かつてベーターボックスで処置を受けた浅見の体臭を手掛かりにして、これを追跡することを思いつく。この際、メフィラスに捕らえられていた間も含めて数日体を洗えていなかった浅見は、仕方のないこととはいえ“匂いを嗅がれる”ことに複雑な表情を浮かべていた。
日本政府がメフィラスからの技術供与を受け入れる旨を決定し、そのための大々的な式典が開かれる中、浅見は禍特対の仲間たちやウルトラマンと共にここを襲撃。ベーターボックスを奪取する。メフィラスはこれを取り戻さんと外星人の本性を表すも、自分とウルトラマンの戦いを見守る存在に気付いて唐突に戦闘を放棄。地球を去ることを約束し、ウルトラマンからベーターボックスを受け取ると、己の言葉の通りに宇宙へと帰っていった。

ウルトラマンとの別離

ウルトラマンとメフィラスの戦いを見守っていたのは、ウルトラマンと同じ「光の星」という天体出身のゾーフィという外星人だった。メフィラスが目を付けた「地球人の生物兵器としてのポテンシャル」は、宇宙の安寧を揺るがすほどのものだと認識され、ゾーフィはそうなる前に太陽系ごと地球人を滅ぼすためにやってきたのだった。
光の星の決定に反発したウルトラマンは、浅見たち禍特対の面々に事情を説明した上で、彼らと共にゾーフィが地球を滅ぼすために持ってきた天体制圧用最終兵器ゼットンに立ち向かう。一度は敗れるも、彼がもたらしたデータを元に地球の科学者たちがゼットン攻略の作戦を編み出し、これを実行することで見事に地球を救う。ゾーフィもまた、ウルトラマンの健闘とゼットンの攻略方を見出した人類の英知に驚き、「お前の言う通り、破滅の危機を前に団結して立ち向かい続けた地球人は、ただ悪しき目的のために利用される生物兵器にはなりえないかもしれない。地球人を滅ぼそうとしたのは早計だった」と認める。

この作戦は非常に成功率が低く、また成功したとしてもウルトラマンが生還する可能性はほぼ皆無という代物だった。それらを承知で「生きて帰ってきてほしい」と願い、ウルトラマンもまた必ず帰ることを浅見たちに約束する。
ゼットン攻略の余波で致命的な深手を負ったウルトラマンは、地球人にあまりに肩入れするのも彼らのためにならないとゾーフィに諭されて光の星へと帰還することとなるが、代わりに自分の命を神永に与えていく。地上に戻され、ゆっくりと目を開ける神永を、浅見は禍特対の仲間たちと共に大喜びで迎えるのだった。

浅見弘子の関連人物・キャラクター

ウルトラマン/リピア

光の星という天体出身の外星人。彼の一族は外星人の中でも屈指の戦闘力と科学力を持ち、宇宙の調停者のように振る舞っている。
地球上でどこかの外星人が不法投棄していった生物兵器が稼働していることに気付き、未熟な知的生命体の保護のために地球に降り立つ。しかしその際の着地の衝撃波から逃げ遅れた子供を守ろうとした神永を死なせてしまい、その罪悪感と彼の最後の行動に興味を惹かれて彼と肉体を融合。普段は神永の姿で過ごしながら地球人のことを学んでいく。
浅見とは、禍特対の仕事でバディを組まされた関係もあって“もっとも身近な地球人”として認識し、彼女との対話の中で多くの気付きを得ていった。

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神永新二(かみなが しんじ)

禍特対の作戦立案担当官。元公安の刑事で、寡黙かつ実直な青年。ウルトラマンが初めて地球に現れた際、逃げ遅れた子供を着地の衝撃波から守ろうとして頭部に瓦礫を受けて死亡する。この行動に興味を持ったウルトラマンから「肉体を融合する」という方法で命を救われ、以後はほとんど眠ったような状態で過ごす。まったく意識が無いわけではないらしく、ウルトラマン自身が「自分の意志ではなく神永の意志だ」とはっきり言い切る場面がある。
ラストシーンでウルトラマンと融合した状態ではなく神永個人として目覚めた時、彼が浅見のことをどれほど覚えていたかは不明。

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