ガンダムシリーズの宇宙世紀年表まとめ

『ガンダムシリーズ』の概要

『ガンダムシリーズ』は、宇宙世紀という暦が使われる世界観の「宇宙世紀シリーズ」と、それ以外の「アナザーガンダム」に分かれる。
そして、その両者は最終的に『∀ガンダム』という作品に集約されていく事になる。
ただし『ガンダム Gのレコンギスタ』という作品については『ガンダムシリーズ』生みの親である、富野由悠季が『∀ガンダム』の後に手がけた作品であり、明確に『∀ガンダム』から500年後という設定が存在するため、集約されない。

宇宙世紀とは

宇宙世紀とは『ガンダムシリーズ』で使われる架空の歴史であり、西暦の後に存在するものとされている。
設定としては、現実世界の延長線上にあるという考えであり、具体的には西暦2063年を宇宙世紀元年として捉え、そこから本格的な宇宙進出を果たした人類の歴史である。

また『ガンダムシリーズ』の制作会社であるサンライズによって、正史として扱われるものと、パラレル（もしもの世界）として扱われるものとが混在する。
基本的には映像化された作品が正史に組み込まれ、それ以外がパラレルとして扱われる。
ただし、その時々によって関わった各作品の制作スタッフの認識が上記ルールからずれている事もあり、正史かパラレルかがはっきりとされない事がある。
このため映像作品か否かという区分けルールは、完全なものとして徹底されているわけではない。

宇宙世紀の年表

黎明期

西暦から宇宙世紀へ

・西暦2009年
地球連邦政府（以下連邦）および地球連邦軍（以下連邦軍）誕生。

・西暦2063年
スペースコロニー（宇宙居住施設）第1号が火星圏に造られる。宇宙移民が開始され、この年をもって暦が宇宙世紀0001年と改められた。

・宇宙世紀0001年
地球低軌道上の宇宙ステーション内に建設された首相官邸「ラプラス」にて、西暦から宇宙世紀への改暦セレモニーがはじまる。
しかし、このセレモニー中、改暦カウントダウン終了と同時にラプラスに爆発が発生。
これによりラプラスは崩壊。
連邦はこの爆発を反連邦分子のテロ事件と断定し、即刻反連邦組織の調査および弾圧に乗り出す。
しかし、実はこのテロ事件は仕組まれたものであり連邦による要人暗殺であった。後に「ラプラス事件」と呼ばれる出来事である。

地球連邦とコロニー国家群

・宇宙世紀0050年
総人口が110億人に達する。その内の90億人はスペースコロニーへ移民し、彼らは「スペースノイド」と呼称される事になる。
また、地球に住み続ける者はレトロニム的に「アースノイド」と呼称されはじめる。
数としては圧倒的にスペースノイドが勝るため、この頃より地球周辺のラグランジュ・ポイントごとに建設された各コロニーに自治組織が誕生していく。
しかし、地球に住む者は高い地位を持っている者が多数だったため、権力構造としてはアースノイドが連邦を掌握し、その政府および軍によって各コロニーを支配下におく形となった。
ただしこのために、スペースコロニー独立国家の樹立を目指した人間達から、連邦は反感を買う事になった。

・宇宙世紀0058年
ジオン・ズム・ダイクンという人物が、地球からもっとも離れたコロニー群であるサイド3にて独立国家「ジオン共和国」樹立をさせる。
同時にジオン国防隊発足。

ジオン・ズム・ダイクンはその思想として、地球を聖地として保護し全人類が宇宙移住すべきだとする思想エレズムと、コロニー自治組織は強力な自治権を有すべきとする思想コントリズムを持っていた。
そして、この二つの思想を統合し、宇宙進出で鋭い感知・共感力を得た「ニュータイプ」と呼ばれる人種に全人類が進化してこそ、恒久的な平和を築く事が可能であるとする思想「ジオニズム」を提唱。

しかし、これはアースノイドによるスペースノイドの掌握へ決別を告げるものであり、また、ジオン共和国の樹立自体も連邦を無視する形であったため、同時期より連邦からサイド3への経済的制裁が発生。ジオン共和国は経済苦に悩まされる事となる。

・宇宙世紀0068年
ジオン・ズム・ダイクン死す。暗殺が疑われたが、事件の立証はされなかった。次期ジオン共和国首相はデギン・ソド・ザビとなる。

・宇宙世紀0069年
デギン・ソド・ザビは、ジオン共和国をジオン公国（以下ジオン）とする事を宣言。
同時にデギン・ソド・ザビがジオン公王となる。
また、ザビ家独裁体制を敷くために、旧共和国派となるジオン・ズム・ダイクン派の人間はジオンより追放となる。

一年戦争

一年戦争は『ガンダムシリーズ』の大元である『機動戦士ガンダム』で描かれる事になる物語である。
その名の通り、宇宙世紀0079～0080年の間の出来事となっている。

機動戦士ガンダム（ファースト・初代）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

1979年から1980年にかけて日本サンライズによって制作・放送されたロボットアニメ。ファンが多く知名度が高い作品だが、放送当時は視聴率が振るわず打ち切りとなった。
ガンダムシリーズの1作目で「初代（ガンダム）」や「ファースト（ガンダム）」とも呼ばれる。
ガンダムに乗ったアムロやその仲間が各地を転戦しながら、宿敵シャアをはじめ様々な人々との出会いや別れ、戦いを経て成長していく物語である。

ジオン公国の独立宣言とMSの誕生

・宇宙世紀0079年1月
ジオンが連邦に対し独立を宣言すると共に宣戦布告。
サイド1、サイド2、サイド4のコロニー群を強襲。NBC兵器による無差別殺戮を繰り返す。
また、地球に対してコロニー落としを実行し、大規模破壊および災害を引き起こす。
これらによって、全人口の25%になる30億人が死亡した。

また、ジオンは新兵器「モビルスーツ」を実戦に投入し、これによって艦船・航空機・車両などの旧態以前の装備しか持たない連邦軍へ、数的劣勢をものともせず圧倒的勝利を収めた。
危機を感じた連邦軍はモビルスーツ開発・配備計画を開始する。

ガンダムの開発

・宇宙世紀0079年7月～12月
一年戦争開始時における、ジオンのモビルスーツの威力に恐れを成した連邦軍は、自前のモビルスーツ開発・配備計画である「RX計画」および「V作戦」を始動。
これにより「RX-75 ガンタンク」と「RX-77-2 ガンキャノン」を経て「RX-78-2 ガンダム」が完成。

これらのモビルスーツは連邦軍の新造艦「ホワイトベース」に搭載され運用開始。
ホワイトベース隊は地球・宇宙問わず遊撃的に戦地へ投入され、ニュータイプパイロットと目される少年兵「アムロ・レイ」の操縦するRX-78-2 ガンダムを筆頭に、投入されたすべての戦地で大きな戦果をあげ、勇名を馳せた。

また、このRX-78-2 ガンダムの稼働データを元に連邦軍主力量産モビルスーツとなる「RGM-79 GM」が完成。この大量生産を開始した事により、戦局は一気に連邦軍有利に傾いていった。

ジオン公国の敗北

・宇宙世紀0079年12月～0080年1月
ジオン宇宙要塞ア・バオア・クー陥落。
RX-78-2 ガンダムを筆頭にしたホワイトベース隊の活躍と、連邦軍によるRGM-79 GMの大量生産・大量投入により、元よりひとつのコロニー群国家に過ぎず物的にも人的にも資源に乏しいジオン公国は疲弊し、ついに敗北。
一年戦争はここに終結した。

デギン・ソド・ザビは、その息子ギレン・ザビに暗殺され、そのギレンも妹キシリア・ザビに暗殺され、そしてキシリアまでもがジオン・ズム・ダイクンの遺児シャア・アズナブルに暗殺されるという、ジオンの内紛が続いた末の結果でもあった。

デラーズ紛争