シャア・アズナブル(機動戦士ガンダム)の徹底解説・考察まとめ
シャア・アズナブルとは、「機動戦士ガンダムシリーズ」に登場するキャラクターである。
天才的なパイロットにしてシリーズの初代主人公「アムロ・レイ」のライバルであり、同時に謀略家としての一面を持つ。常に仮面で顔を隠しているが、アムロにとっての敵でもあるジオン公国、それを統べるザビ家への復讐を胸に秘める。そのため時にアムロたちを利用し、時に手柄として付け狙い、やがて壮絶な私闘を繰り広げていくこととなる。
そのミステリアスな雰囲気と華々しい活躍から、シリーズ全体でも屈指の人気キャラクターである。
『機動戦士ガンダム』の概要
『機動戦士ガンダム』とは1979年から始まったテレビアニメ。
内容は今となっては当たり前だが、ロボットもので主人公の成長も見られ、人間ドラマが描かれており、当時の悪と戦うスーパーヒーローの様に描かれている「スーパーロボットもの」とは違い、後の「リアルロボットもの」という一連の流れを作った作品でもある。
また、関連作品も非常に多く漫画、小説、劇場アニメ、パチンコ、パチスロなど多くのメディアで展開されている。
シャア・アズナブルのプロフィール・人物像
本名:キャスバル・レム・ダイクン
年齢:20歳(『機動戦士ガンダム』時)
性別:男性
愛称:赤い彗星
別名:エドワウ・マス(『機動戦士ガンダム』以前)、クワトロ・バジーナ(『機動戦士Ζガンダム』時)
身長:175センチメートル(『機動戦士ガンダム』時)
出身:ジオン公国
肩書き:ジオン公国宇宙攻撃軍少佐 → 同中佐 → 同大佐(『機動戦士ガンダム時』)
CV:池田秀一/田中真弓(幼少期)/小西克幸(『ガンダムさん』)/関俊彦(『ガンダムビルドファイターズ バトローグ』)
シャア・アズナブルとは、ジオン公国の軍人である。
常に仮面で顔を隠した、金髪碧眼の偉丈夫。指揮官としてもMSパイロットとしても極めて優れた手腕を発揮し、赤くカラーリングされた専用機を駆る。
ジオン公国と地球連邦軍との間で開かれた、後に一年戦争と呼ばれる戦乱の中で驚異的な戦果を挙げ、その名を聞くだけで敵の士官も震え上がるほどの存在となった。
その圧倒的な実力から、ジオン軍の中でも高い評価を受けており、指揮官から兵士に至るまで彼を信頼する者は非常に多い。一方で新参ゆえに毛嫌いする者も少なからず存在し、特にドズル・ザビ中将からは強く警戒されていた。逆にキシリア・ザビ少将は彼の経歴の不透明さよりも能力の高さに注目し、自分の派閥に加えようと様々に働きかけている。
その正体は、ジオン共和国の創始者ジオン・ズム・ダイクンの息子キャスバル・レム・ダイクン。父を謀殺し、共和制だったジオンを公国へと歪め、権力を独占する現当主ザビ家に復讐の念を抱き、これを抹殺する野望を胸に秘めている。
地球連邦軍に所属するアムロ・レイとは、彼の初陣から続く因縁の相手。当初はパイロットとしての技量では圧倒していたが、恐るべき速度で成長する彼についには追い抜かれ、幾度となく煮え湯を飲まされる。最終的にはアムロと決着をつけることが、シャアにとって最大の目的となっていった。
ジオン公国の前身、ジオン共和国の創始者であるジオン・ズム・ダイクンが提唱した、人類を革新に導く存在「ニュータイプ」と目される人物の一人。自身よりもさらに優れたニュータイプの少女ララァ・スンを側に置き、その力を利用してさらなる高みを目指そうと画策する。しかし次第にララァの中に母性を見出し始め、彼女の力ではなく彼女自身を必要とするようになっていく。
文字通り一年間の戦争であった一年戦争の間だけでも、ザクII、ズゴック、ゲルググ、ジオングと様々な機体を乗り継ぎ、その全てを巧みに使いこなした。中でもジオングはぶっつけ本番的に搭乗した機体でありながら、その性能の高さもあって一年戦争においてほぼ無敵の存在だったアムロの乗るガンダムを相打ちの形で大破させた。
一年戦争後は7年の潜伏期間を過ごし、地球連邦軍のタカ派組織ティターンズに対抗するために結成された軍事団体エゥーゴに参加。過去の身分を隠すためクワトロ・バジーナを名乗っており、金色のMS百式を駆って、後にグリプス戦役と呼ばれるこの戦争を戦い抜いた。
エゥーゴ代表のブレックス・フォーラが戦死した後は、彼の遺言を受けてその地位を引き継ぎ、エゥーゴを牽引する立場となる。激化する戦いの中でかつてのライバルであるアムロや、新たに見出したニュータイプのカミーユ・ビダンと交流するが、自分と同等以上のニュータイプであるアムロは世をひがむだけの卑屈な男になっており、あるいはそれ以上かと期待したカミーユは、その能力の高さが仇となり戦争の中で精神崩壊してしまう。このこと(特に後者)はシャアを絶望させるに十分な出来事であり、MIAを装って行方をくらませ、再び潜伏する。
その5年後、再び世に現れた時はかつての名前であるシャア・アズナブルを名乗っていた。
自身がジオン・ズム・ダイクンの遺児であることを公にし、ジオン軍残党を中枢とするネオジオン軍を率い、地球連邦に敢然と決戦を挑む。それは表向きは「隕石落としによって地球環境を劣悪化させ、人の住めない星にすることで、宇宙移民迫害を続ける地球連邦を事実上消滅させる」というもので、ニュータイプを戦争の道具としてしか使えない人類への決別という名目を掲げてはいたが、シャアの本心は「お互い万全な状態かつ、全力を出さなければならない状況でのアムロとの決着」にあった。
アムロとの最後の戦いを経て行方不明となるが、その後も彼の影響力は大きく、シャアの名と存在はたびたび世界をも揺るがす事件に関わるものとなる。
また、ガンダムシリーズには基本的な設定だけ取り入れたパラレルワールド的な作品が多数存在するが、それらにおいてもシャアを模した“仮面をつけたライバルキャラ”は定番である。同様の造形のキャラクターがガンダムシリーズ以外のサブカルチャー作品に登場することも少なくなく、日本のマンガ・アニメ業界に計り知れない影響を与えたキャラクターだと言える。
「赤い彗星」と呼ばれるようになった経緯
「機動戦士ガンダム」本編開始前、宇宙世紀0079年に一年戦争と呼ばれる戦争がはじまり、シャアはドズル・ザビ(デギン・ソド・ザビの三男)が率いている宇宙攻撃軍に中尉として所属していた。
ルウム戦役では赤いザクIIに搭乗して、戦艦5隻を撃沈させる戦果を挙げ、この戦闘で二階級特進し階級は少佐に昇進する。
このルウム戦役での活躍や、スペースデブリを利用した高速機動や、機体の赤いカラーリングから「赤い彗星」と呼ばれるようになる。
また作中で「ザクの通常の3倍のスピードで接近しています。」というセリフがある。
シャアが搭乗するザクは多少チューンアップされているだろうが、スピードが3倍とまでとはならない。
その理由として、宇宙世紀0093時点の最新鋭機、サザビーがザクIIF型(一年戦争時の後期に作られたザクII)の約3~4倍の性能なので宇宙世紀0079の時点で、ザクIIの性能がサザビーと同等の性能になるのは不可能だからだ。
ではなぜ、彼のザクが通常のザクの3倍のスピードで接近するのか。
理由は2つある。
1つ目は、凡庸なパイロットではデブリが多くある宇宙空間でザクの機体性能が引き出せなく、最大限のスピードで移動することが出来ないから。
2つ目は、シャアはデブリを蹴って、デブリの中を最大限のスピードで移動することが出来るからだ。
この2つの理由で通常の3倍のスピードを出すことが出来る。
シャア・アズナブルの搭乗MS(モビルスーツ)
MS-06S シャア専用ザク
指揮官用ザクII(S型)
ZAKU II COMMANDER TYPE
型式番号 MS-06S
頭頂高 17.5m
本体重量 56.2t
全備重量 74.5t
装甲材質 超硬スチール合金(現代兵器に使われているものに近い性質を持った装甲)
出力 976kW
推力 51,600kg
武装 120mmザク・マシンガン(ザク用のマシンガン)
280mmザク・バズーカ(ザク用のバズーカ)
ヒートホーク(刃の部分に高熱を発生させる斧のような武器)
クラッカー(手榴弾のような投擲兵器)
ザクIIF型をもとに指揮官やベテランパイロット用に様々なチューンを施した機体。
通信を強化するためにツノが生えている。
「機動戦士ガンダム」本編では2話~10話まで登場する。
シャアが搭乗した機体で、唯一損傷をせず、「通常の3倍のスピード」と恐れられたほど、シャアが乗りこなした機体
指揮官機にはパーソナルカラーを塗ることが許可されており、有名なのがこのシャア専用ザク。
また、カラーは赤ではなくピンクとワインレッド。(THE ORIGINでは真っ赤などのため、作品によって異なる)
余談だが、パーソナルカラーを赤にしているジョニー・ライデンというキャラがいるため、赤い機体すべてがシャア専用というわけではない。
MSM-07S シャア専用ズゴック
ズゴック
Z'GOK
型式番号 MSM-07
MSM-07S
頭頂高 18.4m/19.4m
本体重量 65.1t
全備重量 96.4t/84t
装甲材質 チタン・セラミック複合材(超硬スチール合金を上回る装甲)
超硬スチール合金
出力 2,480kW
推力 35,000×2、13,000×3
総推力83,000kg
最高速度 地上:87km/h
水中:103kt/22kt
武装 6連装24cmロケット弾発射器(内蔵:弾数30)
メガ粒子砲×2(威力の高いビーム兵器)
アイアン・ネイル×2(爪のような形をした格闘用武器)
もとの機体、ズゴックから性能がチューンアップされており、可能な限りシャアの操縦の癖に合わされている。
アニメでは29話、30話に登場。
地球連邦軍の最大の拠点ジャブローで、連邦軍の新型MS「ジム」の腹部に爪状の武器「アイアンネイル」を突き刺しているシーンが有名。
MS-14S シャア専用ゲルググ
先行量産型ゲルググ(GELGOOG)
型式番号:YMS-14 / MS-14S
全高:19.2m
重量:42.1t
装甲材質:超硬スチール合金
ジェネレーター出力:1440kw
先行試作機の「先行量産型ゲルググ」のうち一機を、シャアのパーソナルカラーで塗装した機体。
ビームライフルやヒートナギナタなど、基本的な装備しか持っておらず、高機動型ゲルググなどのようなバックパックを装備していない癖のない機体になっている。
MSN-02 ジオング
ジオング(ZEONG)
型式番号:MSN-02 / MS-16X / MS-X16
全高:17.3m
頭頂高:23m
本体重量:151.2t
全備重量:231.9t
装甲材質:超高張力鋼
出力:9,400kW
推力:187,000kg
センサー有効半径:81,000m
最高速度:マッハ9
武装:
腕部5連装メガ粒子砲×2
頭部メガ粒子砲×1
腰部メガ粒子砲×2
ジオン公国軍に開発したニュータイプ(進化した人類)専用MS。
「機動戦士ガンダム」で最後に搭乗した機体。
腕部、頭部、腰部にメガ粒子砲がついており、腕部は有線でのオールレンジ攻撃が可能となっている。
また頭部は分離することができ、独立して操作することが可能。
ガンダムとジオングとのラストシューティングは有名なシーン。
また足が無いのが特徴。
RMS-099 / MSA-099 リック・ディアス
リック・ディアス
RICK DIAS
型式番号 RMS-099 / MSA-099
全高 21.6m / 18.7m / 18m
頭頂高 18.7m
本体重量 32.2t
全備重量 54.7t
装甲材質 ガンダリウムγ(月でとれるチタンのような合金を加工したもの)
出力 1,833kW
推力 37,400kg×2
総推力:74,800kg
センサー有効半径:11,500m
武装 クレイ・バズーカ
ビーム・ピストル
ビーム・サーベル
バルカン・ファランクス
トリモチ・ランチャー (トリモチや、照明弾などが射出できる)
「機動戦士Ζガンダム」では、百式と同様、クワトロ・バジーナと名乗っていた時の機体。
開発当初ガンマガンダムと名付けられたが、ガンダムを知っているシャアが、リック・ディアスの見た目が、ガンダムとは似ても似つかぬものだったので、リック・ディアスと名付けられた。
劇中では1話から登場し、高い機動性を持ちティターンズ(「地球至上主義」を唱える連邦軍の特殊部隊)のMS複数機と対等に渡り合う。
リック・ディアスは最後まで登場するが、クワトロ機は9話で不慮の事故によって失われてしまう。
カラーリングは作品序盤のうちは黒色が一般機体、赤色がクワトロ専用機となっていたが、偽装の意味合いなど含めて赤色が正式採用となった。
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目次 - Contents
- 『機動戦士ガンダム』の概要
- シャア・アズナブルのプロフィール・人物像
- 「赤い彗星」と呼ばれるようになった経緯
- シャア・アズナブルの搭乗MS(モビルスーツ)
- MS-06S シャア専用ザク
- MSM-07S シャア専用ズゴック
- MS-14S シャア専用ゲルググ
- MSN-02 ジオング
- RMS-099 / MSA-099 リック・ディアス
- MSN-100 百式
- MSN-04 サザビー
- シャア・アズナブルの来歴・活躍
- 幼少期
- 士官学校時代
- 一年戦争期
- THE ORIGIN
- アクシズ時代
- グリプス戦役時(機動戦士Ζガンダム)
- 第一次ネオ・ジオン戦争(機動戦士ΖΖガンダム)
- 第二次ネオ・ジオン戦争(機動戦士ガンダム逆襲のシャア)
- シャア・アズナブルの関連人物・キャラクター
- ライバル関係
- アムロ・レイ
- ハマーン・カーン
- 家族関係
- ジオン・ズム・ダイクン
- トア・ダイクン(アストライア・トア・ダイクン)
- アルテイシア・ソム・ダイクン(セイラ・マス)
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