呪術廻戦の御三家・禪院家まとめ

呪術界では一卵性双生児は同一人物とみなされる。
しかしもとは一つだった命と言えど、二人で産まれてきてしまえば当然各々に人格があり、生き方や考え方などが異なる。その人格による意識の違いは互いの足を引っ張り合うのだ。

禪院真依はそのことに気がついていた。
真依は真希で、真希は真依。禪院真希がどんなに強くなりたいと願っても、禪院真依が強くなんてなりたくないと願っていては意味がない。禪院真希が術式を持っていなくても、禪院真依が持っていては意味がない。禪院真依が生きているだけで禪院真希は強くなることができず、一生半端者なのだ。

そのため禪院真依は死を選ぶことになる。禪院真希が持っていたわずかな呪力を持って禪院真依が死ぬことで、引っ張り合っていた片方の力がなくなり、禪院真希の願いが叶うのだ。呪力が全くなくなった禪院真希は「天与呪縛」フィジカルギフテッドを完成させ、かつて「術師殺し」と名を馳せた伏黒甚爾／禪院甚爾に並ぶ存在になったのだ。

禪院家の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

祖先は日本三大怨霊の一つ・平将門説

築土神社旧蔵の平将門像。

御三家の一つである五条家の祖先は日本三大怨霊の一人、菅原道真（すがわらのみちざね）であることが作中で明らかになっている。しかし同じ御三家の加茂家、禪院家の祖先が誰であるかは明記されていない。そんな中、インターネット上では加茂家と禪院家の祖先も菅原道真と同じ日本三大怨霊なのではないか、という考察が出てきている。日本三大怨霊は、菅原道真、崇徳天皇（すとくてんのう）、平将門（たいらのまさかど）であり、禪院家はその中の平将門が祖先であると予想されているのだ。

平将門は平安時代の中期に実在した関東の豪族。903年に生まれたとされているが、正確な生年は不明である。平将門は939年に天皇の圧政に反旗を翻し、戦を始めた。これが有名な「平将門の乱」であり、平将門が討ち取られた戦でもある。この「平将門の乱」は長く、中央貴族の間でトラウマとなるほど大きな戦だったようだ。平将門は死後京都で首を晒されることになるが、なんと何ヶ月経っても腐ることなく、まるで生きているかのように目を見開いて、斬られた胴体を探していたという逸話が残っている。平将門が眠る「将門の首塚」はパワースポットとして有名で、スマートフォンの待ち受け画像にするとご利益があるとなどの噂もあり、現代においても平将門のパワーを感じさせられる。

歴史上、平の姓を持つ有名な人物は何人かいるが、その中でも有名なのが平清盛（たいらのきよもり）だ。平清盛は朝廷が後白河天皇方と崇徳上皇方に分かれて戦った「保元の乱（ほうげんのらん）」以降実験を握り、平家の全盛期を作ったとされている。そんな平家の全盛期を象徴するのが、「平家にあらずんば人にあらず」という言葉だ。この言葉は平家に繁栄をもたらせた平清盛が言ったと勘違いされているが、実は実際に言ったのは弟である平時忠（たいらのときただ）とのこと。また正しくは「一門にあらざらん者はみな人非人なるべし」と言っており、これを現代語訳したのが「平家にあらずんば人にあらず」という言葉なのだそうだ。

禪院家の「禪院家に非ずんば呪術師に非ず。呪術師に非ずんば人に非ず。」という格言はこの平時忠の言葉からきていると考えられている。このことから禪院家は平家との何らかの結びつきがあると考えられ、禪院家の祖先は日本三大怨霊の平将門であるという考察に至るのである。

禪院甚壱と禪院扇のモデルは『HUNTER×HUNTER』のウボォーギンとノブナガ説

出典： charasetsu.com

『HUNTER×HUNTER』のウボォーギン（中央の体の大きな男）とノブナガ（中央の刀を構えた男）

渋谷事変後に登場した禪院甚壱と禪院扇。この二人のモデルは、『HUNTER×HUNTER（ハンターハンター）』のウボォーギンとノブナガではないかと言われている。

『HUNTER×HUNTER』は、『幽☆遊☆白書』や『レベルE』などの漫画で有名な漫画家・冨樫義博の漫画作品だ。『HUNTER×HUNTER』も『週刊少年ジャンプ』1998年14号から連載が始まった冒険活劇漫画で、2021年1月時点で累計発行部数は7800万部を突破している。

この『HUNTER×HUNTER』に登場する盗賊集団「幻影旅団（げんえいりょだん）」のメンバー、ウボォーギンとノブナガ＝ハザマが禪院甚壱と禪院扇のモデルではないかと噂されている。
ウボォーギンは身長258cm、体重189kgという大男で、毛深い野性的な外見をしている。肉体の強さは「幻影旅団」の中でもトップクラスで腕相撲をしたら勝てるものはいないという超パワー型のキャラクターだ。特徴が禪院甚壱に一致している。

またノブナガ＝ハザマは身長183cm。体重75kg。身長は高いが筋肉質というよりは痩身なイメージである。名前が「ノブナガ」だけあって、容貌は侍そのもの。常に刀を所持しており、居合の達人でもある。これもまた特徴が禪院扇に一致している。またノブナガが使う技の中に「円（えん）」という感知技があり、自分を中心に体の周囲にオーラをまとい、そのオーラで敵の侵入を感知することができる。ノブナガは居合の間合いである半径4メートル程度の「円」を使用しており、オーラに触れた瞬間に相手を切るものと思われる。このノブナガを使う「円」は禪院扇が秘伝「落花の情」を居合に転用しているのと同じだ。

ここまで特徴が一致していることから、禪院甚壱と禪院扇のモデルは、『HUNTER×HUNTER』のウボォーギンとノブナガであると言われているのだ。
ウボォーギンとノブナガは、一人での戦闘でも十分に強く単独での戦いを好んでおり、時に衝突することもある。しかし一番強いのは二人が組んで大勢と戦う時だったと仲間から評価されており、大勢相手ではないが、禪院甚壱と禪院扇が二人で一緒に禪院真希と戦っていたら勝てたのではないか、という読者もいる。