呪術廻戦 渋谷事変のネタバレ解説・考察まとめ

『呪術廻戦 渋谷事変』の概要

『呪術廻戦 渋谷事変』（じゅじゅつかいせん しぶやじへん）とは、芥見下々の漫画作品『呪術廻戦』の83話から133話にかけて描かれた、“最強の術師”五条悟（ごじょう さとる）の封印に端を発する呪術師と呪霊たちによる大規模な抗争である。
これまでに登場したキャラクターの多くが参戦し、それぞれに力を尽くして倒れていく壮絶な内容で知られ、敵味方双方に多くの脱落者を出した。作者である芥見下々が語る「本作の3つの山場の1つ」であり、最終的に首都圏は壊滅。その影響で日本中がパニックに陥り、物語はさらなる大胆な展開を迎えていく。

人類殲滅を目論む自然呪霊一味は、そのための最大の障害である五条を、“帳”（とばり）という結界で閉じた渋谷駅地下に呼び出す。何万という一般人を人質にされた五条はこれに応じ、自然呪霊の1体を苦も無く祓うも、彼らの命懸けの奮闘と用意された十重二十重の策によって封印されてしまう。
これを知った虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）、伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）、釘崎野薔薇（くぎさき のばら）ら五条の教え子たちを含む人間の呪術師は、五条を奪還すべく結界で閉じられた渋谷駅一帯に突入。これを阻もうとする自然呪霊たちを相手に壮絶な死闘を繰り広げる。彼らが次々と傷つき倒れていく中、別の思惑を持つ第三者の企みが静かに進行していた。

呪術廻戦（漫画・アニメ）のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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『呪術廻戦』とは、芥見下々による呪術を題材としたバトル漫画。作者にとって初連載となる作品だが、連載開始から話題となり、週刊少年ジャンプの看板作品へと成長。アニメ化、映画化と様々なメディアミックスを果たしている。
高校生の虎杖悠仁は、ある日友人を救うために最強の呪霊両面宿儺の体の一部を取り込んでしまう。否応なく呪術の世界に巻き込まれた虎杖は、邪悪にして強大な宿儺の力に振り回されながらも、新たな学友や師と共に、時に呪霊と、時に邪悪な呪術師との壮絶な戦いを繰り広げていく。

『呪術廻戦 渋谷事変』のあらすじ・ストーリー

五条悟の封印

人類殲滅を目論む真人（まひと）や漏瑚（じょうご）たち自然呪霊にとって最大の障害は、自他共に認める“最強の術師”五条悟（ごじょう さとる）の存在だった。「まともに戦っても束になってかかっても到底敵わない」と思い知った彼らは、互いに利用し利用される間柄である謎の術師羂索（けんじゃく）から知恵を借り、五条を封印するための策を進めていく。
五条の封印とそのあとの動きに備えたものをそろえ、人間と呪霊の混血である脹相（ちょうそう）を仲間に加え、準備万端整えた自然呪霊たちは渋谷駅一帯を結界で封鎖。閉じ込められた数万人もの一般人を事実上の人質にして、五条にここに来るよう要求する。

五条は自然呪霊たちの挑戦を受け、教え子や仲間の術師たちに見送られながら渋谷駅へと向かう。その地下で自然呪霊と相対した五条は、その1体を苦も無く祓うも、彼らの命懸けの奮闘と入念に準備された策にかかって封印されてしまう。
五条の圧倒的な実力は、それ自体が呪霊や呪詛師（呪術を悪事に用いる悪党）の活動を抑える強力な抑止力となっていた。その彼が封じられたとなれば、最悪現代の日本社会は崩壊する。かつて自然呪霊たちに与した呪術師が最後に残したメッセージによって五条が封印されたことを知った人間の呪術師たちは、彼を解放するために渋谷駅一帯を覆う結界に突入していく。

呪術廻戦名勝負「五条悟 vs. 漏瑚・花御・真人・脹相・羂索」戦のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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「五条悟 vs. 漏瑚・花御・真人・脹相・羂索」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。最強の名をほしいままにする男に、これまで主人公を苦しめてきた強敵たちが団結して挑むというもので、物語中盤の山場である渋谷事変の大きなきっかけとなった。
渋谷駅一帯が結界に覆われ、内部の一般人が脱出できない状況となる。相手側の要求もあり、“最強の術師”五条がこの状況を打破すべく出撃するが、犯人の自然呪霊たちは彼を封じる必勝の策を用意していた。

呪術師たちの奮闘

人間の呪術側の主だった戦力は、東京都立呪術高等専門学校で教職を務める五条の教え子の虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）、伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）、釘崎野薔薇（くぎさき のばら）、禪院真希（ぜんいん まき）、狗巻棘（いぬまき とげ）、パンダ、一流の呪術師である七海建人（ななみ けんと）、真希の伯父で禪院家当主の禪院直毘人（ぜんいん なおびと）、呪術高専での五条の同僚の日下部篤也（くさかべ あつや）といった面々だった。
彼らは五条が封じられた渋谷駅地下を目指して進み、道を阻む呪霊や真人たちについた呪詛師たちを蹴散らしていく。それぞれに「五条を救出する」という強い決意を胸に秘めていた一行の中、“最強最悪の呪霊”と呼ばれる両面宿儺の一片をその身に宿し、それを理由に処刑されそうなところを五条に救われた虎杖は、特に強く「自分が五条を助ける」との想いに燃えていた。

一方、五条を封じた自然呪霊たちだったが、彼の強大な呪力は簡単には封じ切れず、獄門疆を動かせなくなってしまっていた。このままでは突入してくる人間の呪術師に五条を奪還されるだけだと考えた彼らは、それぞれに別行動を取ってこれを迎撃しようと話し合う。完全ではないものの五条の封印に成功した今、虎杖の中に眠る宿儺を味方につければ、彼らの掲げる「人類殲滅」は果たされたも同然という状況だった。
しかし、ここで真人が「自分たちなら宿儺なんていなくても人間に勝てる、虎杖は殺してしまおう」と言い出す。漏瑚が驚いて反対する中、以前の戦いで同族の弟たちを虎杖に殺された脹相も真人に同調。「反論なんて聞く気はない」とばかり、2人は慌てて止めようとする漏瑚を残して飛び出していってしまう。漏瑚が頭を抱えながらこれを追いかけていく一方、羂索は渋谷駅地下に残り、五条の封印が完成するのを見届ける旨を宣言する。

虎杖 vs. 脹相

強力な抑止力として機能していた五条の存在を疎ましく思っていたのは自然呪霊たちだけでなく、一部の呪詛師もまた彼を忌まわしい人物だと捉えていた。彼らは「五条さえ封印されれば好き勝手に暴れられる」と考えており、人間でありながら自然呪霊たちに協力して虎杖たちの前に立ち塞がる。
虎杖たち人間の呪術師は協力してこれを退けていくも、敵の抵抗もあって次第に分散。五条の奪還を急がなければならない事情もあり、合流しないまま個別に渋谷駅地下を目指していく。

そんな中、虎杖は脹相と遭遇。「弟の仇」と見て鉄のように強固な殺意と共に襲い掛かってくる彼と交戦し、壮絶な死闘を繰り広げる。互いに手を尽くした肉弾戦の末、脹相がわずかに上を行き、虎杖は気を失って倒れる。
しかし、ここで脹相は「目の前で倒れている人間は自分の弟である」と直感。半分呪霊である脹相には、肉親の命の危機をなんとなく感じ取る能力があり、今まさに自分にトドメを刺されようとしている虎杖にそれを感じてしまったのだった。「人間であるはずの虎杖は自分の弟なのか、自分は弟と弟を戦わせてしまったのか」と混乱しながら、脹相は気絶している虎杖を放置して撤退する。

呪術廻戦名勝負「虎杖悠仁 vs. 脹相」戦のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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「虎杖悠仁 vs. 脹相」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。物語中盤の大きな山場である渋谷事変で描かれたもので、両者の一進一退の激しい攻防と予想だにしない結末で話題となった。
恩師でもある“最強の術師”五条悟が封印されたことを知った虎杖は、彼を救うため仲間たちと共に呪霊が待ち構える渋谷の結界内部に突入。脹相はその虎杖を“弟たちの仇”と付け狙い、仲間とはぐれた彼を襲撃。互いに技と力を尽くした末に、脹相は自分と虎杖の縁に気付いて混乱する。

父と子の邂逅

虎杖が脹相と壮絶な戦いを繰り広げていた頃、伏黒は真希や七海、直毘人と建物の中で合流して強大な自然呪霊を相手に戦っていた。戦う最中にも成長して新たな力を身に着けていく自然呪霊に一行が苦戦する中、突如謎の人影が戦場に乱入。彼こそは伏黒甚爾（ふしぐろ とうじ）、学生だった頃の、術師としてまだ未完成だった五条を死の淵へと追いやった猛者だった。
呪詛師のイタコの口寄せの術で魂を呼び出され、憑依した人間の肉体を乗っ取って疑似的な復活を遂げた甚爾は、半ば暴走しながら自然呪霊に猛攻を加える。伏黒たちとの戦いでの消耗もあって自然呪霊は撃破され、甚爾は次いで伏黒に襲い掛かり、彼を建物の外へと連れ出していく。

伏黒は甚爾を「先ほどまで戦っていた自然呪霊に匹敵する脅威」だと認識して警戒するが、その甚爾は目の前にいるのが成長した自分の息子であることにようやく気が付いていた。甚爾は伏黒が幼い頃に家を出てから1度も帰らず、死の淵から生還した五条に敗れて命を落としていたが、ひたすら無頼に生きる中で唯一愛した妻との間に生まれた我が子のことだけは気に掛けていた。自分を破った五条の下で伏黒が術師として大きく成長していることを見届けた甚爾は、これ以上暴走して彼を傷つけることを良しとせず自害して果てる。
一方、伏黒を連れて建物の外に飛び出していった甚爾を追おうとしていた真希たちは、仲間の気配を感じて駆け付けた漏瑚に襲われていた。これまでの戦いで負傷していた彼女たちは、自然呪霊の中でも戦闘能力に関しては頭1つ抜けた存在である漏瑚の前にあっさりと敗れ去る。

呪術廻戦名勝負「伏黒恵・禪院真希・七海建人・禪院直毘人 vs. 陀艮・漏瑚 vs. 伏黒甚爾」戦のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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「伏黒恵・禪院真希・七海建人・禪院直毘人 vs. 陀艮・漏瑚 vs. 伏黒甚爾」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。物語中盤の大きな山場である渋谷事変で描かれたもので、目まぐるしく優劣が引っ繰り返る展開と乱入に次ぐ乱入で手に汗握る内容となった。
師でもある“最強の術師”五条悟が封印されたことを知った伏黒は、彼を救うため仲間たちと共に呪霊が待ち構える渋谷の結界に突入。強大な呪霊である陀艮に苦戦する真希たちを援護するも、予想外の新手が現れる。

宿儺の覚醒

羂索は脳だけで活動している術師で、他人の肉体を奪い続けながら1000年もの時を生き続けてきた。現在使っている肉体は夏油傑（げとう すぐる）という五条の親友だった男の遺体で、彼の仲間たちは「夏油を弄ぶな」と強い反感を抱いていた。羂索がこれに応じない姿勢を見せると、力では敵わないと見た夏油の仲間たちはそれぞれに行動を開始する。
諦めて去る者、夏油の理想の実現のためあくまで協力する者、夏油の肉体の奪還のため自分たち以外の存在の力を借りようとする者。3つ目の道を選んだ者たちは、気絶した虎杖に接触して密かに集めた宿儺の肉片を飲ませていく。これにより宿儺を虎杖の制御から解き放ち、彼の力を借りて羂索を倒すという計画だった。「宿儺に力を与えて虎杖の制御から解き放つ」というところまでは同じ考えでいた漏瑚もここに現れ、自身が集めた肉片を虎杖に飲ませていく。

かくして宿儺はかつての15／20ほどの力で覚醒し、虎杖の肉体を乗っ取って自由を得る。「俺を利用しようという考えが不快だ」と夏油の仲間たちを叩き殺した宿儺は、次いで漏瑚にも自分を目覚めさせた理由を問い質す。力を持つ呪霊が自由を得て思うまま振る舞うこと自体が“人類殲滅”という自分たちの目的に叶うと考える漏瑚は、「特にない、好きに暴れろ」と言って宿儺を拍子抜けさせる。しかし漏瑚の実力と、彼が大きな目的のために動いていることを察して、「自分に一撃入れられたら仲間になってやる」と提案。漏瑚がこれに乗ったことで、両者は交戦を開始する。
自然呪霊たちの中でも総合的な戦闘能力に秀でた漏瑚だったが、漏瑚には敵わず圧倒される。一撃を入れることもできないまま葬られるも、宿儺にとってもそれなりに満足できる戦いだったらしく、「お前は強い」との称賛を受ける。志半ばに倒れながら、遥かに格上の存在である宿儺に認められた漏瑚は、自分でもそれがなんなのか分からぬまま涙を流して散った。

呪術廻戦名勝負「両面宿儺 vs. 漏瑚」戦のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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「両面宿儺 vs. 漏瑚」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。主人公虎杖悠仁の内に潜む“最強最悪の呪霊”両面宿儺と、虎杖の師を封じた自然呪霊一味の中心人物である漏瑚の対決で、いわゆる「敵 vs. 敵」の構図となった。
漏瑚たちによる五条の封印と、その奪還を目指す術師たちの抗争である「渋谷事変」の最中、“最強最悪の呪霊”宿儺が覚醒。宿儺が漏瑚に「一撃入れられれば仲間になる」と提案し、漏瑚がこれを受け入れたことで、両者は華々しく激突する。

宿儺 vs. 魔虚羅

宿儺が漏瑚を蹴散らした時、伏黒は呪詛師の不意打ちを受けて死にかけていた。もはやこの窮地を切り抜ける術は無いと判断した伏黒は、せめて呪詛師を道連れにしようと自身の切り札である八握剣異戒神将魔虚羅（やつかのつるぎいかいしんしょうまこら）という式神を呼び出していた。
魔虚羅は伏黒を含めて歴代の術師の誰もが調伏できなかった怪物で、これを召喚して「むりやり調伏の儀に巻き込む」のが伏黒の奥の手だった。自爆に等しい行為だったが効果は絶大で、伏黒と彼を襲った呪詛師は死の淵まで追い込まれる。魔虚羅の異常な気配を察した宿儺は、それが伏黒の呼び出した存在であることを看破してこの場に駆け付けて彼を庇う。虎杖の肉体に封じられたままでは思うまま動けない宿儺は、いずれ伏黒の肉体を奪って完全な自由を得ようと画策しており、彼に死なれては困ると考えたのだった。

伏黒を助けるため、宿儺は魔虚羅の前に立ちはだかる。魔虚羅はその恐るべき力と後出しでどんな攻撃にも適応する特殊な能力で宿儺を手こずらせるも、本気を出した彼の前に敗れ去る。なんとかこの場を逃げ切るもアクシデントのような形で伏黒を襲った呪詛師が死亡する一方、宿儺は伏黒を呪術師側の救護班に届けて再び渋谷に戻る。「そろそろ虎杖が肉体の支配権を取り戻す」と考えたためで、自身が魔虚羅を倒すために行った大規模な破壊を彼に見せつけるのが目的だった。
かくして意識を取り戻した虎杖は、自分が意識を失っている間に宿儺が行ったかつてない規模の破壊とそれに巻き込まれた何千という人々の死を突きつけられて絶望。「こんなことになるなら最初から処刑を受け入れておけばよかった」と苦悩するも、だからこそ今は五条を助けなければならないと、ギリギリのところで踏みとどまって奮起する。

呪術廻戦名勝負「両面宿儺 vs. 八握剣異戒神将魔虚羅」戦のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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「両面宿儺 vs. 八握剣異戒神将魔虚羅」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。主人公虎杖悠仁の内に潜む“最強最悪の呪霊”両面宿儺と、歴代の術師の誰もが調伏に失敗した最強の式神魔虚羅が、すさまじい力をぶつけ合う壮絶な内容となった。
渋谷事変と呼ばれる人と呪霊の抗争の中、“最強最悪の呪霊”たる両面宿儺は一時の自由を得る。この時、人間の術師である伏黒恵は追い詰められた末に魔虚羅を召喚。魔虚羅の暴走による相打ちを狙うも、ここに宿儺が駆け付ける。

真人の最期

漏瑚に深手を負わされた七海は、半死半生のまま渋谷駅の中をさまよっていた。朦朧としたまま呪霊と戦い続け、漠然と己の死を悟って過去を振り返る中で真人と遭遇。ここに虎杖が駆け付けるも、彼の目の前で真人によって殺害される。信頼していた七海を殺され、虎杖は怒り狂って真人に襲い掛かる。
この時真人は「今までに散々痛めつけてくれた虎杖を徹底的に嬲り殺す」ことしか考えておらず、そのために自身の分身を放って虎杖の仲間を探していた。これを誘い出し、虎杖の前で殺すことで、彼の心を完膚なきまで圧し折ろうというのがその目的だった。果たして真人の分身は野薔薇と遭遇し、これを自身と虎杖の戦場にまで誘導。彼の目の前で致命傷を負わせて見せる。

野薔薇までも救えず、虎杖はついに思考を停止。真人は喜々として彼を痛めつけてから殺そうとするが、その直前で都立呪術高専の姉妹校である京都府立呪術高等専門学校屈指の猛者である東堂葵（とうどう あおい）が割って入る。自然呪霊に与していた呪術師は東堂たちの友人で、彼から遺言にも等しい形で渋谷で起きている事件について聞かされた彼らは大急ぎで東京に駆け付けてくれたのだった。
かつて戦友としての絆を結んだ東堂に力強く励まされ、虎杖は限界に近い心と体に鞭打って立ち上がる。真人は戦う中でさらなる進化を遂げていき、東堂に深手を負わせるも、その状態で彼が仕掛けた心理戦に引っかかって虎杖の渾身の一撃を食らう。これによってついに真人は戦闘不能になり、立ち上がる力もないほど消耗した状態で必死に逃走を図る。