ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ外伝IV』とは、1996年に発売されたスーパーファミコン専用ソフトで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『胎魔の鼓動(THROB OF THE DEMON'S HERAT)』。日本国産ウィザードリィの第四作である。本作はオーソドックスなハック&スラッシュでありながら、和風テイストな舞台やイベント、ホラー要素を盛り込み、数多くのNPCとの交流や勢力争いを楽しめる。緋蓮城の先代城主の死に端を発する地方の反乱を治めるため、冒険者に「三種の神器」を集めさせるというストーリー。
しかし勝利の宴ののち、輝羅は忽然と失踪してしまう。実は三賢者のうちの一人が魔族(かつて神人に討伐された異形の者たち)と結託しており、輝羅を誘拐し、古の魔王の依代に王の血を与えて復活させようとしていたのだ(賢者が何故裏切ったのか、作中で背景は説明されない)。
冒険者たちが新たに出現したダンジョン「古の洞窟」に向かうと、賢者は自ら生み出した「魔王」の完全復活を実行しようとしていた。が、王の血を与えたはずの「胎魔の魔王」は暴走。賢者は逆に魔王に攻撃され自滅(実は転移呪文で脱出している)。冒険者の活躍によって魔王の完全な復活は未然に防がれたのだった。
聖域での戦いと、ダリアの死
裏切った賢者はテレポート呪文「マロール」で脱出に成功したが、瀕死の重傷を負う。そこにダリアという少女が通りかかり、事情も知らず彼の命を救う。
賢者はダリアの肉体を乗っ取り、再び魔王復活を企んだが、聖域に乗り込んできた冒険者たちによって、またも野望は未然に潰える。しかし冒険者たちの手によってダリアは死に、それを知ったダリアの恋人である青年アガンは、彼女を復活させるべく禁断の秘術に手を染める。この事はのちにリルガミンの街を滅ぼす遠因となるのであった(この後の展開は『ウィザードリィ外伝III(闇の聖典)』のストーリーに続く)。
『ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)』のゲームシステム
本作の拠点は、物語の前半は和風の城塞都市「緋蓮城」であり、後半は「リルガミン城」である。
ゲームを進めると明らかになるが、本作は前作『外伝III』の前日譚(つまり300年前)であり、前作登場したアガン・ウコーツや、その恋人ダリアもゲスト出演する。
緋蓮城/リルガミン城の施設
弁天酒場/ギルガメッシュの酒場
訓練場に登録したキャラクターの合流や解散ができる。性格が善と悪のキャラクターは同時に選択する事はできないため、混成パーティを組みたい場合は工夫が必要(「キャラクターについて・性格」の項目を参照)。
冒険者の宿(両施設とも、名称は共通)
冒険者のHPやMPの回復、レベルアップを行うための施設。MP回復とレベルアップはここでしかできない。宿でHPを回復させようとすると時間経過が早く老化しやすいため、大抵のプレイヤーは「馬小屋」(無料。MP回復のみ。1日経過)に足しげく通う事になる。
大黒商店/ボルタック商店
アイテムの売買を行う。不確定アイテムの鑑定や、呪われたアイテムを外す事もできる。売却したアイテムが即座に倍額になって棚に並ぶ強欲ぶり。
本作後半に登場する強力な装備は、ボルタック商店にのみ並び、大黒商店へは売却のみが可能(買取はできない)。
神鳥寺院/カント寺院
状態異常の治療や、死亡・灰になったキャラクターを蘇生させる施設。寄付金が高額な上に死者蘇生は失敗する恐れもあり、しかも失敗しても返金されない。灰からの蘇生に失敗したキャラクターはロスト(埋葬され、ゲームから消失)してしまう。
「古の洞窟」クリア後、リルガミン城にワープするイベントが起こるが、その際プレイヤーキャラたちが最初に転移させられる施設が、カント寺院である。
街外れ
キャラクター作成・登録を行う訓練場や、冒険の舞台となる迷宮がある。ゲームの中断やキャラクターの転送もここで行う。
Related Articles関連記事
ウィザードリィ #5(Wizardry #5)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ #5(Wizardry #5)』とは、1988年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『災禍の中心(Heart of the Maelstrom)』。「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第5作。 世界を滅ぼす力を持つという「災禍」。これを制御できる力を持つ魔法使いゲートキーパーは、悪しき魔女ソーンに捕らえられた。冒険者たちは世界を救うためソーンを倒し、ゲートキーパーを救わねばならない。
Read Article
ウィザードリィ #4(Wizardry #4)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ #4(Wizardry #4)』とは、1987年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『ワードナの逆襲(The Return of Werdna)』。 「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第4作。第1作で倒された魔術師ワードナが主役となり、魔物を召喚し、冒険者たちを殺戮しつつ地上を目指し、奪われたアミュレット(護符)を取り戻すというストーリーである。
Read Article
ウィザードリィ #1(Wizardry #1)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ #1』(Wizardry #1)とは、1981年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は「狂王の試練場(Proving Grounds of the Mad Overlord)」。6人パーティを組み、地下迷宮を探索し、モンスターを倒して宝箱からアイテムを得て、キャラクターを強化・育成する、いわゆる「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズの第一作である。
Read Article
ウィザードリィ外伝II(古代皇帝の呪い)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ外伝II』とは、1992年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『古代皇帝の呪い(CURSE OF THE ANCIENT EMPEROR)』。日本国産ウィザードリィの第二作である。 城塞都市アルマールで遺跡が発掘され、埋葬された古代皇帝の呪いが災厄となって街を襲う。その災いを取り除くべく、冒険者たちが遺跡に挑むというストーリー。
Read Article
ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)』とは、2006年にWindowsで発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。日本国産の『ウィザードリィ』シリーズの1つである。 正伝シリーズへの原点回帰をうたい、初期の5種族8職業というシンプルなゲームシステムと、前作の『戦闘の監獄』のUI(ユーザーインターフェース)を採用。ストーリーが独立した公式5本のシナリオに加え、ユーザーが作成したシナリオを遊ぶ事もできるエディタが組み込まれている事が特徴。
Read Article
ウィザードリィ外伝III(闇の聖典)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ外伝III』とは、1993年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『闇の聖典(SCRIPTURE OF THE DARK)』。日本国産ウィザードリィの第三作である。 城塞都市ダリアを治めるアガン王が、黄金の仮面の呪いを受け狂気に陥り引きこもった。呪いを解き、王を正気に戻すため冒険者たちが集められるというストーリー。
Read Article
ウィザードリィ #3(Wizardry #3)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ #3(Wizardry #3)』とは、1983年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『リルガミンの遺産(Legacy of Llylgamyn)』。 「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第3作。世界的な天変地異の原因を探るべく、偉大なる龍ル・ケブレスの守る宝珠を持ち帰る事が、冒険者たちに与えられた使命である。
Read Article
ウィザードリィ外伝I(女王の受難)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ外伝I』とは、1991年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『女王の受難(SUFFERING OF THE QUEEN)』。日本国産ウィザードリィの記念すべき第一作である。 女王アイラスが即位してから災厄続きのリルガミンの街。宮廷魔術師タイロッサムまでもが裏切り「呪いの穴」に立て籠もった。彼を討伐すべく冒険者たちが召集される、というストーリー。
Read Article
ウィザードリィ #2(Wizardry #2)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ #2』(Wizardry #2)とは、1982年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は「ダイヤモンドの騎士」(Knight of Diamonds)。 「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズの第二作。「ダバルプスの呪いの穴」に消えた、リルガミンの街を守護する「ニルダの杖」を持ち帰る事が、冒険者たちに与えられた使命である。
Read Article
ドラゴンクエストの元になった2作の伝説的RPGまとめ
いまや国民的RPGといえるほど有名になった『ドラゴンクエスト』ですが、まったくのゼロから作られた訳ではありません。 ドラクエの開発には、2作の伝説的なRPGがあります。
Read Article
名作から迷作まで!スーパーファミコンのRPGまとめ【ウィザードリィ ストーリーオブリルガミン他】
ここではスーパーファミコンの有名なRPGをまとめた。知名度の高い名作、メジャーとは言えない佳作、ある意味で有名な迷作まで幅広く掲載している。人気RPGシリーズ『ファイアーエムブレム』や、『ファイナルファンタジー』などの初期作品もある。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)』の概要
- 『ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)』のあらすじ・ストーリー
- 人々を異形の者より救いし太古の英雄、神人
- それぞれの神器を信奉する、3つの塔の部族たち
- 「緋蓮城」の主、輝永公の死去
- 三賢者たちの会合
- 布令「三種の神器を奪取せよ」
- 神器を得た城主の出陣
- 賢者の裏切りと、胎魔の魔王
- 聖域での戦いと、ダリアの死
- 『ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)』のゲームシステム
- 緋蓮城/リルガミン城の施設
- 弁天酒場/ギルガメッシュの酒場
- 冒険者の宿(両施設とも、名称は共通)
- 大黒商店/ボルタック商店
- 神鳥寺院/カント寺院
- 街外れ
- ダンジョン
- 不動の塔
- 幻術の塔
- 死霊の塔
- 練武場
- 古の洞窟
- サンクチュアリ
- ドラゴンの洞窟
- ゲームの流れ
- キャラクターについて
- 能力値
- 性別
- 性格
- 年齢
- AC(アーマークラス)
- キャラクターの種族
- 人間(Human)
- エルフ(Elf)
- ドワーフ(Dwarf)
- ノーム(Gnome)
- ホビット(Hobbit)
- フェアリー(Faerie)
- リズマン(Lizman)
- ドラコン(Dracon)
- ラウルフ(Rawulf)
- ムーク(Mook)
- フェルパー(Felpurr)
- キャラクターの職業
- 戦士(Fighter)
- 魔法使い(Mage)
- 僧侶(Priest)
- 盗賊(Thief)
- ビショップ(Bishop)
- アルケミスト(Alchemist)
- バード(Bard)
- レンジャー(Ranger)
- サイオニック(Psionic)
- バルキリー(Valkyrie)
- 侍(Samurai)
- ロード(Lord)
- モンク(Monk)
- 忍者(Ninja)
- 宝箱
- クリティカルヒット
- 奇襲
- ノックアウト
- エナジードレイン
- 灰になる、ロスト
- 全滅
- スペシャルパワー
- ヒーリング
- 隊列と射程
- 武器の持ち手
- 召喚呪文
- 転送と転生
- 訓練場で鍛え直し
- NPC(ノンプレイヤーキャラクター)
- ヘビーモード
- 『ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)』の登場人物・キャラクター
- 味方(依頼主)
- 輝羅
- 三賢者の二人
- NPC(ノンプレイヤーキャラクター)
- ききょう
- しゅげん・らま
- バイラス
- あやめ
- ラマ御前
- 将軍ガイラス
- さぶろうた
- げんむおう
- クローディア/ユーリア
- 竜雄
- らいぞう
- 女王フェイ・リン
- レイチェル
- きょうか
- げんごろう
- そうじろう
- ゆかり
- らん
- まじゅら
- ピエロ
- 敵キャラクター、その他
- マーフィーズゴースト
- 三賢者の一人
- 胎魔の魔王
- ダリア
- アガン・ウコーツ
- ダイヤモンドナイト
- 黄泉御前
- 『ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)』のアイテム
- 武器(短距離)
- 真っ二つの剣
- カシナートの剣
- 備前長船兼光
- 国光
- ヴァローソード
- エクスカリバー
- 村正
- 盗賊の短刀
- エンジェルスティック
- 金時の鉞(まさかり)
- 武器(中距離)
- キャットナインテイル
- ジャンヌの槍
- ファウストハルバード
- 死の杖
- 座頭市棒
- ガングニールスピア
- 降魔の槍
- 聖なる槍
- 武器(長距離)
- 手裏剣
- 三光剣
- 如意棒
- 巨人の弓
- 森の精の弓
- 八幡太郎の弓
- 鎧
- エメラルドローブ
- サファイアローブ
- スカーレットローブ
- 悪魔の胸当て
- 悪の鎧
- 氷の鎖帷子
- 炎の鎖帷子
- 女神の胸当て
- 妖精のローブ
- 法皇のローブ
- 黒糸縅(くろいとおどし)
- 聖なる鎧
- ニンジャガーブ
- 盾
- ラウンドシールド
- 守りの盾
- 中立の盾
- 悪の盾
- ミスリルシールド
- 魔法の盾
- 紋章の盾
- ドラゴンカイト
- 兜
- 魔法の頭巾
- 転移の兜
- 黄金のティアラ
- 騎士の兜
- 鬼神の兜
- 妖精の帽子
- 小手
- 手袋
- マンティスグローブ
- 才蔵の小手
- ミルダールの小手
- 妖精の小手
- ブーツ
- つらぬき
- マンティスブーツ
- セイクリッドスリッパ
- 妖精の靴
- ガラスの靴
- その他の品
- 壊れたカード
- 回復のカード
- 精神のカード
- ルビーのスリッパ
- 真珠の指輪
- 空気の魔除け
- 巫女の指輪
- 天女の指輪
- 死の指輪
- 若返りのアンク
- 緑のケープ
- 竜の牙
- トロールの指輪
- 還暦の法衣
- リュート
- 沈黙のハープ
- 癒しの竪琴
- プロメテウスの角笛
- 芳一の琵琶
- イベントアイテム
- 倉庫の鍵
- 湯飲み
- 馬の置物/鳥の置物/鼠の置物/兎の置物
- 小面
- 般若
- 魂のお守り
- 氷碧玉
- 薔薇の鍵
- 牢屋の鍵
- 香水
- 支度部屋の鍵
- 豪華な着物
- 密書
- 暗殺剣
- 剣の鍵
- からくり人形
- 酒入り湯飲み
- 香りの木片
- 赤のカード
- 青のカード
- 緑のカード
- 羽衣
- 偽のマント
- 魔法の壺
- 魂の壺
- 悪霊の壺
- 天使の羽
- 黒の鍵
- 白の鍵
- 寺院の鍵
- 猿の手
- 子供の草履
- 黄泉の鍵
- 甘い水
- 骸骨の鍵
- 盲目の杖
- 手毬
- 魔王の鍵
- 本の鍵
- 銀の鍵
- 銅の鍵
- 狸の彫像
- 河童の彫像
- 金の鍵
- ピンクリボン
- 蛇の鍵
- 楽譜
- 神殿の鍵
- 魔導の書
- 破壊の剣
- 精霊のマント
- 死者の書
- 印籠
- ダリアのペンダント
- 魔法の魔除け
- 魔物の書
- 転生の書
- 『ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)』の用語
- 石の中にいる
- *おおっと*
- *さわってしまった!*
- A.C.
- カント寺院
- ギルガメッシュの酒場
- ボルタック商店
- リルガミン
- ニルダの杖
- ワードナの魔除け
- 『ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- やり直しの基本、リセット技
- エナジードレインを利用した能力値上昇・経験値調整
- 解呪呪文「ジルフェ」に関するセーブデータ破壊バグ
- アイテム「死者の書」を取ると発生するHP急増バグ
- 三種の神器の持ち帰り方
- 「胎魔の魔王」で経験値稼ぎ
- アガン・ウコーツの元ネタはプロデューサーの徳永剛
- リルガミン滅亡の原因を作ったのは冒険者