ウィザードリィ外伝I(女王の受難)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィザードリィ外伝I』とは、1991年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『女王の受難(SUFFERING OF THE QUEEN)』。日本国産ウィザードリィの記念すべき第一作である。
女王アイラスが即位してから災厄続きのリルガミンの街。宮廷魔術師タイロッサムまでもが裏切り「呪いの穴」に立て籠もった。彼を討伐すべく冒険者たちが召集される、というストーリー。

『ウィザードリィ外伝I(女王の受難)』の概要

『ウィザードリィ外伝I』とは、1991年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『女王の受難(SUFFERING OF THE QUEEN)』。発売元はアスキー(現在は株式会社角川アスキー総合研究所)、開発はゲームスタジオ(現存する株式会社ゲームスタジオとは全く別の会社である)。モンスター及びキャラクターのデザインは池上明子が担当。シリーズ常連のモンスターはこれまでの正伝イラストを手掛けた末弥純のデザインを踏襲しつつ、新規に描き起こしている。
本作は『ウィザードリィ』正伝シリーズに対するサイドストーリーとしての意味合いが強く、ゲームシステムは『ウィザードリィ #5(Wizardry #5)』をベースとして、ストーリーは『ウィザードリィ #2 ダイヤモンドの騎士』の後日談、ダンジョンはFC版『ウィザードリィ3 ダイヤモンドの騎士』のものがベースになっている。ゲームボーイ版らしく16×16のコンパクトなマップ、EXダンジョンの走りとなる異次元階など、後の国産外伝シリーズの基本となるシステムを構築した。
『ウィザードリィ』シリーズの正伝は6作目以降、ゲームシステムが一新されSF要素も濃くなり、これまでのファンタジー要素のファンには馴染めないという声もあった。だが外伝に代表される通称「和製Wiz」シリーズは、5作目までのファンタジー要素とシステムを踏襲。またパロディ要素を極力排除し、硬派な雰囲気を重視した。ハック&スラッシュと携帯ゲーム機の相性の良さもあり、スキマ時間に気軽にプレイできるメリットも評価が高い。

『ウィザードリィ外伝I(女王の受難)』のあらすじ・ストーリー

打ち続く災厄と、姉ソークスの失踪

若きリルガミンの女王アイラスの即位式

リルガミンの女王アイラスは、即位より1年、気の休まる時がなかった。
即位の日、リルガミンの街は南西より湧き出た黒い雲に覆われて三日三晩、嵐が吹き荒れた。そして嵐が治まった時には、女王の双子の姉、ソークスが失踪していた。街を上げての捜索にも関わらず、何の手掛かりも得られなかった。
さらにはリルガミンを守護するはずの「ニルダの杖」の輝きが衰えはじめ、災いが次々に街に襲い掛かってきた。

宮廷魔術師タイロッサムの裏切り

タイロッサムの裏切りについて語る賢者たち

その上、宮廷魔術師にしてアイラスの師でもあるタイロッサムが、旧王宮の地下にある「ダバルプスの呪いの穴」に身を潜め、魔物を召喚し始めたのだった。
年若きアイラス女王は気丈にも苦難に対処してきていたが、タイロッサムの背信行為に打ちのめされた。王宮の兵士たちが迷宮に乗り込み、魔物の討伐に当たったものの、長い平和に慣らされた彼らに、それはあまりにも過酷な試練。兵たちの試みはことごとく失敗に終わった。

女王アイラスの御触れ

リルガミン王室は「裏切り者のタイロッサムを討伐せよ」と御触れを出す。街にはかつて幾多の試練を乗り越えてきた冒険者の子孫たちが集まってきた。ある者は女王を助け出すために。ある者は自身の名誉欲や金銭欲のために。またある者は血生臭い戦闘を求めて。

真相

実はタイロッサムは裏切っていた訳ではなく、失踪したアイラスの姉ソークスの秘めたる野望に気づき、彼女の行方を追うために「呪いの穴」を利用していた。
タイロッサムの遺志を引き継ぎ、冒険者たちはソークスの潜伏する異次元迷宮へと挑む。世界の破壊と再構築を目論むソークスを最終決戦の末に打ち倒し、リルガミン及び世界に平和が戻ったのだった。

『ウィザードリィ外伝I(女王の受難)』のゲームシステム

リルガミンの街はこれまでの『ウィザードリィ』シリーズでも、冒険者の拠点として登場している。
本作は『ウィザードリィ #2(Wizardry #2)ダイヤモンドの騎士』の後日談であり、冒険者たちは裏切り者の宮廷魔術師タイロッサムの立て籠もった「ダバルプスの呪いの穴」に挑む。

リルガミンの施設

拠点となるリルガミンの街

ギルガメッシュの酒場

訓練場に登録したキャラクターの合流や解散ができる。性格が善と悪のキャラクターは同時に選択する事はできないため、混成パーティを組みたい場合は工夫が必要(「キャラクターについて・性格」の項目を参照)。

冒険者の宿

冒険者のHPやMPの回復、レベルアップを行うための施設。MP回復とレベルアップはここでしかできない。宿でHPを回復させようとすると時間経過が早く老化しやすいため、大抵のプレイヤーは「馬小屋」(無料。MP回復のみ。1日経過)に足しげく通う事になる。

ボルタック商店

アイテムの売買を行う。不確定アイテムの鑑定や、呪われたアイテムを外す事もできる。売却したアイテムが即座に倍額になって棚に並ぶため、プレイヤーからは「ボッタクリ商店」などと陰口を叩かれている。

カント寺院

Lostoman7
Lostoman7
@Lostoman7

Related Articles関連記事

ウィザードリィ外伝II(古代皇帝の呪い)のネタバレ解説・考察まとめ

ウィザードリィ外伝II(古代皇帝の呪い)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィザードリィ外伝II』とは、1992年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『古代皇帝の呪い(CURSE OF THE ANCIENT EMPEROR)』。日本国産ウィザードリィの第二作である。 城塞都市アルマールで遺跡が発掘され、埋葬された古代皇帝の呪いが災厄となって街を襲う。その災いを取り除くべく、冒険者たちが遺跡に挑むというストーリー。

Read Article

ウィザードリィ外伝III(闇の聖典)のネタバレ解説・考察まとめ

ウィザードリィ外伝III(闇の聖典)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィザードリィ外伝III』とは、1993年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『闇の聖典(SCRIPTURE OF THE DARK)』。日本国産ウィザードリィの第三作である。 城塞都市ダリアを治めるアガン王が、黄金の仮面の呪いを受け狂気に陥り引きこもった。呪いを解き、王を正気に戻すため冒険者たちが集められるというストーリー。

Read Article

ウィザードリィ #5(Wizardry #5)のネタバレ解説・考察まとめ

ウィザードリィ #5(Wizardry #5)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィザードリィ #5(Wizardry #5)』とは、1988年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『災禍の中心(Heart of the Maelstrom)』。「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第5作。 世界を滅ぼす力を持つという「災禍」。これを制御できる力を持つ魔法使いゲートキーパーは、悪しき魔女ソーンに捕らえられた。冒険者たちは世界を救うためソーンを倒し、ゲートキーパーを救わねばならない。

Read Article

ウィザードリィ #4(Wizardry #4)のネタバレ解説・考察まとめ

ウィザードリィ #4(Wizardry #4)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィザードリィ #4(Wizardry #4)』とは、1987年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『ワードナの逆襲(The Return of Werdna)』。 「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第4作。第1作で倒された魔術師ワードナが主役となり、魔物を召喚し、冒険者たちを殺戮しつつ地上を目指し、奪われたアミュレット(護符)を取り戻すというストーリーである。

Read Article

ウィザードリィ #1(Wizardry #1)のネタバレ解説・考察まとめ

ウィザードリィ #1(Wizardry #1)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィザードリィ #1』(Wizardry #1)とは、1981年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は「狂王の試練場(Proving Grounds of the Mad Overlord)」。6人パーティを組み、地下迷宮を探索し、モンスターを倒して宝箱からアイテムを得て、キャラクターを強化・育成する、いわゆる「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズの第一作である。

Read Article

ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)のネタバレ解説・考察まとめ

ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィザードリィ外伝IV』とは、1996年に発売されたスーパーファミコン専用ソフトで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『胎魔の鼓動(THROB OF THE DEMON'S HERAT)』。日本国産ウィザードリィの第四作である。本作はオーソドックスなハック&スラッシュでありながら、和風テイストな舞台やイベント、ホラー要素を盛り込み、数多くのNPCとの交流や勢力争いを楽しめる。緋蓮城の先代城主の死に端を発する地方の反乱を治めるため、冒険者に「三種の神器」を集めさせるというストーリー。

Read Article

ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)のネタバレ解説・考察まとめ

ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)』とは、2006年にWindowsで発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。日本国産の『ウィザードリィ』シリーズの1つである。 正伝シリーズへの原点回帰をうたい、初期の5種族8職業というシンプルなゲームシステムと、前作の『戦闘の監獄』のUI(ユーザーインターフェース)を採用。ストーリーが独立した公式5本のシナリオに加え、ユーザーが作成したシナリオを遊ぶ事もできるエディタが組み込まれている事が特徴。

Read Article

ウィザードリィ #3(Wizardry #3)のネタバレ解説・考察まとめ

ウィザードリィ #3(Wizardry #3)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィザードリィ #3(Wizardry #3)』とは、1983年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『リルガミンの遺産(Legacy of Llylgamyn)』。 「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第3作。世界的な天変地異の原因を探るべく、偉大なる龍ル・ケブレスの守る宝珠を持ち帰る事が、冒険者たちに与えられた使命である。

Read Article

ウィザードリィ #2(Wizardry #2)のネタバレ解説・考察まとめ

ウィザードリィ #2(Wizardry #2)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウィザードリィ #2』(Wizardry #2)とは、1982年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は「ダイヤモンドの騎士」(Knight of Diamonds)。 「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズの第二作。「ダバルプスの呪いの穴」に消えた、リルガミンの街を守護する「ニルダの杖」を持ち帰る事が、冒険者たちに与えられた使命である。

Read Article

目次 - Contents