ウィザードリィ #3(Wizardry #3)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #3(Wizardry #3)』とは、1983年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『リルガミンの遺産(Legacy of Llylgamyn)』。
「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第3作。世界的な天変地異の原因を探るべく、偉大なる龍ル・ケブレスの守る宝珠を持ち帰る事が、冒険者たちに与えられた使命である。

『ウィザードリィ #3』の概要

『ウィザードリィ #3(Wizardry #3)』とは、1983年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『リルガミンの遺産(Legacy of Llylgamyn)』。
米国版オリジナルのメイン製作者はプログラマーのロバート・ウッドヘッド(Robert Woodhead)と、ゲームクリエイターにして弁護士のアンドリュー・グリーンバーグ(Andrew C. Greenberg)である。
日本語版は1987年に国産パソコン版の移植、1989年にファミリー・コンピュータ版の移植が行われ、両者とも株式会社アスキー(現在は株式会社角川アスキー総合研究所)が販売。FC版は#2と#3が入れ替わっているため、タイトルは『ウィザードリィII リルガミンの遺産』となった。FC版の移植は株式会社ゲームスタジオ(現存する株式会社ゲームスタジオとは全く別の会社である)が行い、BGMは作曲家の羽田健太郎、モンスターグラフィックのデザインはイラストレーターの末弥純が手掛けた。
1994年にはPCエンジン版(販売:ナグザット 開発:アクセス)。1998年にもプレイステーション1とセガサターン、Windowsへの移植が株式会社ローカスによって行われ、#1~#3をひとつにまとめた『リルガミンサーガ』というタイトルで販売している(なおセガサターン版のみ、オリジナルのボーナスダンジョンが追加されている)。この『リルガミンサーガ』においても楽曲は羽田健太郎、イラストは末弥純が提供している。
また1999年にはスーパーファミコン版(『ストーリーオブリルガミン』)、2001年にはゲームボーイカラー版(『ウィザードリィII』)がリリースされている。

パーティを組み、迷宮を探索し、モンスターを倒して宝箱からアイテムを得て、キャラクターを強化・育成する。いわゆる「ハック&スラッシュ」と呼ばれるスタイルを確立した古典RPGシリーズ第3作。
本作の特徴は、善専用、あるいは悪専用のフロアがあり、善悪2つのパーティで協力しなければゲームがクリアできない事にある。
また日本語版FC版では、オリジナル版#2に高レベルキャラの転送要素があり、そのままの移植は商業的に難しいと判断され、先に本作が『ウィザードリィII リルガミンの遺産』として発売される事に。(こうした経緯のため、本作は単純なナンバリングではなく、副題のイニシャルを取って「LOL」と呼称される事が多い)
#1、#2のダンジョンは地下へと降りていく形式だったが、本作の舞台となるダンジョンは地上1階から始まり、上へと登っていく形式。全6フロアあり、うち2・4階は悪のキャラクターが入れず(つまり善パーティ用のフロア)、3・5階は善のキャラクターが入れない(つまり悪パーティ用のフロア)。善悪2パーティ育成が前提となっているため、全般的に敵もアイテムもデフレ傾向にあり、序盤の経験値も控え目。この為FC版以降の日本語バージョンでは、デフレの見直しや伝統的な強いアイテムの追加、エクストラダンジョンの追加などの改善が為されている。
「世界的な天変地異の原因を探るべく、偉大なる龍ル・ケブレスの守る宝珠を持ち帰る」というのが、#3の大まかなストーリーである。

『ウィザードリィ #3』のあらすじ・ストーリー

世界を襲う災厄

天変地異に見舞われる世界

狂王トレボーが君臨していた時代からずっと後のこと。
世界各地で突如として、原因不明の天変地異が続発するようになる。
当初ほとんどの者が危機感を抱いていなかったが、アルビシアの植民島が津波で壊滅し、リルガミンの街を守護するはずのニルダ寺院が地震で倒壊するに至り、人々はようやく只ならぬ事態が起こっている事を悟った。

賢者たちの原因究明

天変地異の原因を探る賢者たち

世界が混乱する中、賢者たちは必死になって災厄の原因を探る。
決死の探求と思索の結果、とうとう一筋の光明が見つかった。

守護龍ル・ケブレスの洞窟と宝珠

守護龍ル・ケブレスの洞窟

リルガミンの街外れに、偉大なる龍ル・ケブレスが住む洞窟がある。
ル・ケブレスは凄まじい力を秘めた宝珠を守護しており、洞窟は力なき者が踏み込めばたちまち命を落とす難所。
だが龍の持つ宝珠の力を以てすれば、必ずや天変地異の原因を探る事ができるだろう。

ベイキ女王による御触れ

ベイキ女王の依頼で集まった冒険者たち

かくしてリルガミンの街にて、マルグダのひ孫ベイキ女王の布告が為される。
「ル・ケブレスの洞窟から宝珠を手に入れよ。さすれば多額の報奨金と星の称号を与えよう」
世界各地から冒険者たちが、世界を救うため、あるいは一獲千金を夢見て集う。
その中には、かつてワードナの地下迷宮で名を馳せた英雄の子孫の姿もあった。

宝珠の入手

龍ル・ケブレスの守護する宝珠

冒険者たちは善と悪、2つのパーティに分かれ洞窟を攻略。
守護龍ル・ケブレスに善悪協力の証を示し、宝珠探索の許可を得た。
そして冒険者らの活躍によって、ベイキ女王の下へ宝珠が献上されたのであった。

『ウィザードリィ #3』のゲームシステム

リルガミンの施設

リルガミンの街

前作#2でも冒険者の拠点として登場し、強力な防御アイテム「ニルダの杖」により外敵から護られてきたリルガミンの街。
本作は前作#2『ダイヤモンドの騎士』からおよそ百年後の未来の話であり、街を統治するベイキ女王も#2に登場したマルグダ王女のひ孫である。

ギルガメッシュの酒場(Gilgamesh's Tavern)

訓練場に登録したキャラクターの合流や解散ができる。性格が善と悪のキャラクターは同時に選択する事はできないため、混成パーティを組みたい場合は工夫が必要(「キャラクターについて・性格」の項目を参照)。

9kwatarus
9kwatarus
@9kwatarus

Related Articles関連記事

ウィザードリィ #5(Wizardry #5)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ #5(Wizardry #5)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #5(Wizardry #5)』とは、1988年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『災禍の中心(Heart of the Maelstrom)』。「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第5作。 世界を滅ぼす力を持つという「災禍」。これを制御できる力を持つ魔法使いゲートキーパーは、悪しき魔女ソーンに捕らえられた。冒険者たちは世界を救うためソーンを倒し、ゲートキーパーを救わねばならない。

Read Article

ウィザードリィ #4(Wizardry #4)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ #4(Wizardry #4)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #4(Wizardry #4)』とは、1987年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『ワードナの逆襲(The Return of Werdna)』。 「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第4作。第1作で倒された魔術師ワードナが主役となり、魔物を召喚し、冒険者たちを殺戮しつつ地上を目指し、奪われたアミュレット(護符)を取り戻すというストーリーである。

Read Article

ウィザードリィ #1(Wizardry #1)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ #1(Wizardry #1)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #1』(Wizardry #1)とは、1981年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は「狂王の試練場(Proving Grounds of the Mad Overlord)」。6人パーティを組み、地下迷宮を探索し、モンスターを倒して宝箱からアイテムを得て、キャラクターを強化・育成する、いわゆる「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズの第一作である。

Read Article

ウィザードリィ #2(Wizardry #2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ #2(Wizardry #2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #2』(Wizardry #2)とは、1982年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は「ダイヤモンドの騎士」(Knight of Diamonds)。 「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズの第二作。「ダバルプスの呪いの穴」に消えた、リルガミンの街を守護する「ニルダの杖」を持ち帰る事が、冒険者たちに与えられた使命である。

Read Article

ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝IV』とは、1996年に発売されたスーパーファミコン専用ソフトで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『胎魔の鼓動(THROB OF THE DEMON'S HERAT)』。日本国産ウィザードリィの第四作である。本作はオーソドックスなハック&スラッシュでありながら、和風テイストな舞台やイベント、ホラー要素を盛り込み、数多くのNPCとの交流や勢力争いを楽しめる。緋蓮城の先代城主の死に端を発する地方の反乱を治めるため、冒険者に「三種の神器」を集めさせるというストーリー。

Read Article

ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝 五つの試練(The Five Ordeals)』とは、2006年にWindowsで発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。日本国産の『ウィザードリィ』シリーズの1つである。 正伝シリーズへの原点回帰をうたい、初期の5種族8職業というシンプルなゲームシステムと、前作の『戦闘の監獄』のUI(ユーザーインターフェース)を採用。ストーリーが独立した公式5本のシナリオに加え、ユーザーが作成したシナリオを遊ぶ事もできるエディタが組み込まれている事が特徴。

Read Article

ウィザードリィ外伝II(古代皇帝の呪い)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ外伝II(古代皇帝の呪い)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝II』とは、1992年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『古代皇帝の呪い(CURSE OF THE ANCIENT EMPEROR)』。日本国産ウィザードリィの第二作である。 城塞都市アルマールで遺跡が発掘され、埋葬された古代皇帝の呪いが災厄となって街を襲う。その災いを取り除くべく、冒険者たちが遺跡に挑むというストーリー。

Read Article

ウィザードリィ外伝III(闇の聖典)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ外伝III(闇の聖典)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝III』とは、1993年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『闇の聖典(SCRIPTURE OF THE DARK)』。日本国産ウィザードリィの第三作である。 城塞都市ダリアを治めるアガン王が、黄金の仮面の呪いを受け狂気に陥り引きこもった。呪いを解き、王を正気に戻すため冒険者たちが集められるというストーリー。

Read Article

ウィザードリィ外伝I(女王の受難)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ウィザードリィ外伝I(女王の受難)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝I』とは、1991年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『女王の受難(SUFFERING OF THE QUEEN)』。日本国産ウィザードリィの記念すべき第一作である。 女王アイラスが即位してから災厄続きのリルガミンの街。宮廷魔術師タイロッサムまでもが裏切り「呪いの穴」に立て籠もった。彼を討伐すべく冒険者たちが召集される、というストーリー。

Read Article

目次 - Contents