ウィザードリィ #4(Wizardry #4)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ #4(Wizardry #4)』とは、1987年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『ワードナの逆襲(The Return of Werdna)』。
「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズ第4作。第1作で倒された魔術師ワードナが主役となり、魔物を召喚し、冒険者たちを殺戮しつつ地上を目指し、奪われたアミュレット(護符)を取り戻すというストーリーである。

『ウィザードリィ #4』の概要

『ウィザードリィ #4(Wizardry #4)』とは、1987年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『ワードナの逆襲(The Return of Werdna)』。
本作のシナリオは、古典RPGの名作『ウルティマ4』や『バーズテイル』を担当したゲーム雑誌『ソフトーク』の編集者ロー・アダムス(Roe.R.Adams III)によるもの。
日本語PC版への移植は1988年。1994年にはPCエンジン版(販売:ナグザット 開発:アクセス)。2001年にプレイステーション1、2002年にWindows版の移植が行われており、『ウィザードリィ #5(Wizardry #5)』も同梱された『ニューエイジオブリルガミン』というタイトルで販売している。
『ニューエイジオブリルガミン』においての本作はクラシック版とアレンジ版がある。クラシック版はオリジナル版を再現したもので、アレンジ版は召喚モンスターの追加、命令が可能になり、謎解きのヒントも多数追加され、難易度が調整されている。
これまでのシリーズと異なり、悪役だったワードナの視点から始まり、魔物を召喚して冒険者と戦うという逆転の発想、シリーズ最高クラスの難易度の高さから、ロールプレイングゲームというよりパズルゲーム、アドベンチャーゲームとしての要素が強い異色作。「これまでの『ウィザードリィ』シリーズをクリアしたプレイヤー達への挑戦状」と製作者が宣言しただけあり、難易度が高く、また本シリーズのパロディ要素も多く、当時のプレイヤー達に受け入れられたとは言い難い。日本語版への移植も他のナンバリングと比べ時間を要した、マニアックな作品。
プレイヤーは100年の時を経て蘇った魔術師ワードナとなり、地下10階からなる迷宮の最深部から地上を目指し、かつてトレボーに奪われたアミュレット(護符)をこの手に取り戻すというストーリーである。

『ウィザードリィ #4』のあらすじ・ストーリー

アミュレットを求めて

邪悪なる魔術師ワードナ(左)と、ミスリルグローブとアミュレット

遥かな昔、「忘れ去られし神々の神殿」にアミュレット(護符)が発見された。アミュレットは凄まじい力を持つが故に、長年封印され続けた。
ある時古文書が発見され、アミュレットの存在をほぼ同時に知る者が現れた。一人は狂王トレボー。もう一人は魔術師ワードナである。
アミュレットの力は強大であり、その力を抑え触れるためには「ミスリルグローブ」が必要である、と古文書には書かれていた。
二人は苦難の末にミスリルグローブを手に入れ、同時にアミュレットを求めたが、僅差でトレボーが先んじ、アミュレットを奪っていった。

トレボーからアミュレットを強奪

トレボー(左)の持つアミュレットを奪うワードナ

ワードナはアミュレットの居場所を突き止めた。狂王トレボーの城だ。ワードナは転移の呪文を使い侵入し、忌まわしき「悪魔の石」を置き土産に、アミュレットの奪取に成功する。

ワードナの地下迷宮

アミュレットを用い、地下迷宮を作り上げるワードナ

ワードナはアミュレットの力の片鱗を用い、一夜にして広大な地下迷宮を作り上げた。未だ謎に包まれているこの強力な魔法の品の、全容を解き明かすために。

ワードナの死

忍者ホークウインド(右)に倒されるワードナ

ワードナがアミュレットの研究に没頭している間、激高したトレボーは冒険者を募り、ワードナ討伐とアミュレット奪還を命じた。
やがてエルフの忍者ホークウインドの率いる冒険者パーティが、ワードナの玄室を訪れる。客分であるヴァンパイアロードを迎えていたワードナは油断しており、一刀の下に首を刎ねられた。冒険者たちが剣先にアミュレットを引っかけ、持ち去る場面が最期に見た光景だった。

封印されるワードナ

死してなお不滅のワードナ

ワードナは死に、アミュレットは奪われた。だが魔術を極めたワードナの肉体は不滅であり、いかなる手段を用いても損壊させる事はできなかった。
トレボーはワードナの復活を予期し、恐れた。アミュレットの力を以て地下迷宮を作り替え、忌々しい魔術師の亡骸を最奥部に封じ込め、来るべき時に備えて冒険者たちに墓守をさせたのである。

ワードナの復活

100年の時を経て、蘇るワードナ

トレボーは死に、100年の月日が流れ。ついにワードナは復活を遂げる。
警備に当たる冒険者を次々と殺戮し、地上への脱出に成功するワードナ。アミュレットを再びその手に取り戻し、世界を征服するために。

マルチエンディング

本作はマルチエンディングを採用している。クラシックバージョンは5種類、アレンジバージョンは7種類のエンディングが存在する。

エンディング1:王様エンド(クラシック、アレンジ版共通)

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