モルガナ(ペルソナ5)の徹底解説・考察まとめ

モルガナとは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の第5作目に登場するキャラクターである。P5主人公達がペルソナ使いになる前からその能力を覚醒させ、認知世界で怪盗業に従事していた。猫の姿をしているが、本人曰く「ニンゲンである」とのこと。とある事件で生身を失い、それを取り戻すべくダンジョン「パレス」内にあるオタカラを求めているのだという。P5主人公達と出会ってからは、「心の怪盗団」の先導役として現実世界の悪人の「改心」を行っていく。怪盗団内でのコードネームは「モナ」。

予想外の事態に驚くモルガナと怪盗団の面々。しかし事態はそれだけでは収まらなかった。オタカラを盗む為、あらじかめ出していた「予告状」の存在により、怪盗団が奥村の「改心」を行った事を知っていた世間の人々は、今回の事件の犯人は怪盗だなのではないか、と考え始める。その事が起因し、以降、世間からの「心の怪盗団」への批判的意見が増える事になってしまう。

この現状の打破を考え始めるモルガナと怪盗団の面々。そんな時彼らの前に現れたのは、探偵王子の肩書で世間に名を馳せている明智吾郎(あけち ごろう)だった。明智はずっと怪盗団の動向を追っていた探偵であった。しかし怪盗団の前に現れた彼は、自身がペルソナ使いである事を明かす。最近ペルソナ使いになったという彼は、調査の中で怪盗団がペルソナ使いである事を知ったのだという。そうして怪盗団にこの現状を打破するきっかけにいるのが、女検察官の「新島冴」である事を告げる。冴は怪盗団のメンバーでもある新島真(にいじま まこと)の姉であったのだが、検事として怪盗団を捕まえる為にその動向を探っても居る立場だった。

「探偵」である明智吾郎に対する疑惑は拭えないものの、真自身が怪盗団捜査を始めるようになってから、以前とは雰囲気が変わってしまった冴に対して疑念を持っていた事もあり、彼の言う通りに冴の改心に怪盗団は臨む事になる。明智も仲間に入れ、認知世界上の冴のパレスの攻略を行うモルガナと怪盗団の面々。結果として、怪盗団は無事にオタカラを手にするが、その直後、ダンジョン内外に多くの敵が出現。P5主人公の提案により、P5主人公を囮にする形で怪盗団の面々はバラバラに現実世界へ逃げ帰る作戦に出る。モルガナもその作戦に乗り、なんとか現実世界へ帰還。しかしP5主人公の方は、どこから漏れた情報により現実世界でP5主人公がやってくるのを待ち構えられていた警官たちに捕まり、取り押さえられてしまう。

捕らえられたP5主人公

明智吾郎が裏切り者である事に気づくきっかけとなった、モルガナの発言。

捕らえられたP5主人公の身を案じつつ、怪盗団のメンバーである事が周囲にバレないように日々を過ごす怪盗団の面々。もちろんモルガナも、喫茶店ルブランにてただの「猫」として、日々の生活を何事もないように送り続ける。そんな中、怪盗団として捕らえられた少年が自殺したというニュースがモルガナ達の耳に入る事になる。だが、実はそのニュースすらも含め、全ての出来事は「怪盗団」のメンバーが想定していた出来事であったのだった。

実は明智が怪盗団の前にペルソナ使いとして現れた当初、モルガナとP5主人公は「ある事」に気づいていた。実は以前にも一度、明智がP5主人公達の前に現れた事があったのだ。その時、彼はモルガナが喋っていた「パンケーキが食べたい」という言葉を聞き届けていた。モルガナは現実世界では猫の姿をしており、ペルソナ使い以外にはその声は全て猫が鳴いているようにしか聞こえないようになっていた。つまりその頃から明智はペルソナ使いであった事が推測されるのだが、この出来事が会ったのは数ヶ月も前の話。「ここ最近」ペルソナ使いになったという明智の話と矛盾するものがあった。

そこで怪盗団のメンバーであり天才ハッカーでもあった佐倉双葉(さくら ふたば)が明智の携帯をジャックした結果、怪盗団メンバーは、明智が怪盗団逮捕、そして自殺に見せかける形でP5主人公を殺そうとしている事を知る。さらに彼にそれを依頼していたのは政治界の大物衆議院、獅童正義(しどう まさよし)である事が判明。実は獅童は、P5主人公に傷害の濡れ衣をおわせた張本人でもあった。
明智の作戦の上を行く為、怪盗団達はある策を練る。あらかじめ、パレス内の空きスペース(セーブポイント部屋)を使い警察署と同じ空間を作り上げ、実際に「P5主人公」を殺しにやってきた時にはそこへ入るように誘導し、認知概念として存在する「P5主人公」を殺させ、現実のP5主人公を殺したと勘違いさせる、といった方法だった。

逮捕後、尋問室で尋問を受けたP5主人公は、そこで己の尋問を行った冴に自分のスマホの画面を明智に見せるように仕向ける。P5主人公から「心の怪盗団」としての活動の話を聞いた冴は、その話を通して怪盗団に対する印象が変わる事になる。その結果、冴は言われたとおりに明智にP5主人公のスマホ画面を見せる。P5主人公のスマホを見た明智は、その中にあったイセカイナビによって認知の世界に連れて行かれる。そうして見事、怪盗団達の作戦にハマり、認知世界上にてP5主人公を殺したと勘違いした彼は、そのまま獅童からの指令通りに次の「仕事」へと向かうのだった。

明智との戦闘、P5主人公と獅童の因縁の決着

認知世界の影の獅童と対峙する怪盗団の面々。

こうして無事生還したP5主人公は、その後冴の助力を借りてルブランに戻る。ルブランでは怪盗団のメンバーが、P5主人公の帰りを待っていた。もちろん真も怪盗団の1人として、彼の帰りをルブランで待っていた。一連の出来事から明智や警察の上層部が獅童と癒着している現状に気づいた冴は、怪盗団の協力者になる事を宣言する。そうして新たな協力者を手にした怪盗団は、獅童を改心させる為に動き出す。

潜り込んだ獅童のパレスを巡っていると、そこで真とP5主人公達怪盗団は明智と再会する。明智は総理大臣となる為の選挙を控えた獅童から「選挙に当選する前に、不都合な真実を知る関係者達を全員始末しるように」といった命令をくだされていた。パレス内にいる認知上の彼らを殺せば、現実世界の本人達も死んでしまう。しかし明智はこれまでのそうして獅童の命令のままに人を殺し、それを隠す為に「探偵」としての皮を被って自分が起こした事件の真相を隠していたのだ。

自分が怪盗団に騙された事に怒りを抱く明智。本性を顕にした彼との戦闘を始める怪盗団。結果として怪盗団に明智は打ち破れる。しかしその時、獅童内の認知上の明智が姿を表す。そうして事が終われば始末するつもりであった事がそこで明かされる。だが実は明智も明智で、獅童の愛人の息子であり、「望まれない子供」として生まれてしまった事に対する復讐を行う為、彼の下で働きながら復讐のチャンスを狙っていた。だが本心では「父親に愛されたい」「認められたい」といった想いもあった。獅童の方は最初こそは明智の正体に気づいていなかったようだが途中からは気づいていたもよう。自分が使い捨ての駒であった事を知った明智は、真達怪盗団に父である獅童の事を任せる形で、彼と戦い相討ちになる。だが明智にその場から追い出されてしまった怪盗団は、死んだところを目撃はしていない為、本当に相討ちになったのかはわからないまま、明智は消息不明となってしまう。

明智の想いを胸に獅童のもとへ向かう真達。ラスボスである彼との戦闘を行い、その「オタカラ」を奪う事に成功する。その後、パレスの核となる「オタカラ」を奪われた事で崩壊し始めた獅童のパレスから無事に逃げ出した彼らは、現実世界で今までの罪を全て告白する獅童の謝罪会見を見る事になる。
こうして獅童は警察に逮捕され、P5主人公と獅童の因縁も無事に決着をつける事になったのだった。

真の黒幕との戦い

真の黒幕との戦いを前に、自分自身が持つ「役割」を思い出したモルガナ。

大物政治家であった獅童正義の改心を終えた怪盗団は、「改心」の結果が出る日を待つ為、つかの間の平和な時間を過ごす事になる。しかしモルガナが抱える自身への疑いは未だ消えておらず、モヤモヤとした気持ちのまま、獅童の改心の結果が現れる日まで過ごす事になる。
そうして、総理大臣の選挙当選結果の発表が行われる事になった日、ついに獅童に行った「改心」の結果が出る。自分がこれまでしてきた罪を告白し、泣き崩れる獅童。その姿に喜ぶ怪盗団。これで世間からの批評も元に戻るかと思いきや、なぜか批判はなくならなかった。

実はそれには、獅童とは別の黒幕の存在が関わっていたのである。真の黒幕は、自らの目的の為に世間の人々が怪盗団を批判するように操っていたのだ。そしてその黒幕というのが、「統制神ヤルダバオト」。「メメントス」と呼ばれる、パレスとは別に存在していたサブダンジョンのラスボスである。
自らを「神」だと言う彼は、元々は世間の人々の願いを叶える「聖杯」という存在だった。しかし人々の願いが「誰かに全てを任せて、自分は特に何もせず何も考えず生きていきたい」という怠惰な願いばかりになり、人間に失望した彼は自ら人間を管理する「統制神」にその存在を変えてしまう。最終的には人間の自我を奪い、現実世界をメメントスのような場所にしようと目論んでいた。
しかしそんな彼と相反する存在がいた。それがベルベットルームの主、イゴールである。彼は人間の可能性というものを信じていた。そんな彼に対してヤルダバオトはとあるゲームを持ちかける。それぞれが選んだ人間達を使って戦わせ、世間の人々の意見を見極めようと提案したのだ。そしてヤルダバオトは自分側の人間として明智吾郎を、イゴールはP5主人公を選んだ。だが、ヤルダバオトはただゲームの流れを見ているつもりはなく、イゴールを封印し、イゴールに成り代わってしまう。「P5主人公」が出会った時点でのイゴールは、本人ではなくヤルダバオトだったのである。

メメントスの最奥にいるヤルダバオトを倒す為、戦いに挑みに行く怪盗団。その最中、モルガナは自身が何者であったかを思い出す。実はモルガナはヤルダバオトに封印されてしまったイゴールが、封印される直前にP5主人公の指針を指し示す為に送り出した存在だったのだ。自分の本当の役割を思い出したモルガナは、その役割を果たす為、そして怪盗団の仲間として、P5主人公達とヤルダバオトを倒す為、メメントスの最奥へ向かう。
ヤルダバオトと対峙したモルガナとP5主人公達は、ヤルダバオトから幾度も己等の怪盗団としての信念を否定され続けるが、怪盗団は彼と戦い続け打ち勝つ。そうして、真の平和を手に入れる。自分の役割を終えたモルガナは、まるで天に昇るように怪盗団の前から消えてしまう。

突然のモルガナとの別れにショックを受ける怪盗団。しかし後日、現実世界でモルガナと再会する事になる。実はモルガナ曰く、あの出来事のあと目が覚めたら現実世界に放り出されていたのだという。モルガナとの再会に喜ぶ怪盗団の面々。こうして全ての戦いを終え、仲間であるモルガナも戻ってきた怪盗団は、東京だけではなく全国各地にいるであろう「人の「改心」を行う事を決意。全国の悪人を「改心」させる為の旅に出るのであった。

モルガナの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「今日はもう寝ようぜ」

モルガナを代表するセリフ。
『ペルソナ』シリーズは、『ペルソナ3』以降の作品は全て「1年間」という時間の制約が設けられた作品となっている。その為、作中では主人公達の「1年間」を1日ずつ過ごしていく形で時間経過が行われる仕様となっている。このモルガナのセリフは、その日、1日の中においてP5主人公(プレイヤー)のやることがもうなくなった時に、モルガナがP5主人公に向けて口にする言葉となっている。
この言葉が出る時は、P5主人公は自室である喫茶店「ルブラン」の屋根裏から外に出ることはできなくなり、外へ出ようとするモルガナにこのセリフを言われて止められる仕様ともなっている。モルガナの言葉に逆らい、外に出ようと試みる、遊ぶプレイヤーも非常に多い為、プレイヤー間において一番よく耳にする事になるモルガナのセリフだといえる。

「威を示せゾロ!」

モルガナのペルソナ召喚時のセリフ。
ペルソナでは、戦闘時に起こす行動に合わせて、各キャラが専用のセリフを口にする仕様となっている。その中でもペルソナ使いとして、ペルソナを召喚する時のセリフというのは、各キャラクターの性格が一番によく表現されたものとなっている。セリフは各キャラ事に複数存在しており、モルガナも例外ではない。その中でもこのセリフは、プレイヤーの間で一番話題に取り上げられるモルガナのペルソナ召喚セリフとなっている。
「心の怪盗団」の中で、誰よりも長くペルソナ使いとして活動を続けてきたモルガナ。そんなモルガナが発する「威を示せ」と命を下すような言葉からは、まるで自分の意思に従わせる、思うがままにペルソナを扱う事ができるような印象を受ける事ができる。正しく、長年ペルソナ使いを続けてきたモルガナの熟練具合を垣間見る事ができるモルガナらしいセリフだといえるだろう。

「ワガハイたち、怪盗団は、相手が誰だろうと屈しない」

真の黒幕である「統制神ヤルダバオト」との戦闘で、モルガナが口にするセリフ。
大衆の歪んだ願いが原因で生まれてしまったヤルダバオト。その圧倒的な力を前に屈しかける怪盗団だったが、その時、モルガナは1人立ち上がり、ヤルダバオトと対峙する。この言葉に励まされた怪盗団達は、再びヤルダバオトと戦う為、力を振り絞り立ちあがる事になる。
モルガナのモルガナの怪盗団としての強い意思、決意、そして「怪盗団」という仲間達に対する熱い信頼と激励を感じるセリフだといえる。

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