アデライン、100年目の恋(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『アデライン、100年目の恋』とは、2015年にアメリカ合衆国で製作された恋愛ファンタジー映画である。ある日、突然起きた事故により老化が止まったヒロイン「アデライン・ボウマン」は、100年の長い年月を若い容姿のまま過ごすことになる。以後、その年齢に伴わない美貌に疑問を抱いたFBIから目をつけられてしまう。その事をきっかけにアデラインは、一切の素性を隠し、長い逃亡人生を送ることになる。しかし、大晦日のパーティーで出会う男エリスと交際することになり、アデラインの人生に光が見えてくるのであった。
ジェニーが自宅へ戻ると、そこにはぐったりとした愛犬リースの姿があった。急いで動物病院に連れていくが、「老衰が原因で臓器が正常に機能できていない」と獣医は言う。「リースの年齢と現状を考えると、安楽死を選択するのが適切だと思う」と医者に告げられ、ジェニーはリースとの別れを決めた。
長年一緒に暮らしてきた愛犬リースの最期を選択してしまった自分の選択は間違っていたのではないかと、日々悲しみに暮れるのであった。そんな状況を知らないエリスから自宅へ何度も電話が入り、留守電も流れるが、ジェニーがその電話に出ることはなかった。
ジェニーの自宅前に現れるエリス
リースの死から何日か経つ頃、小さな花束をもったエリスがジェニーの自宅前に現れた。「なぜ住所を知っているの」と驚いた表情で尋ねるジェニー、エリスは「資料館で住所を聞いた」という。
その後、ジェニーは電話に出られなかった理由を説明し、「こちらから連絡するまでは待っていて欲しかった」と怒りを露わにする。アデラインを怒らせてしまい落ち込むエリスは、ジェニーへ渡すはずだった花束を通りすがりの女性に渡し、その場を立ち去るのであった。
フレミングに会いにきたジェニー
フレミングの部屋にあるアルバムを手に取り、過去のことを思い出すアデラインは、「ウソに疲れたの」とフレミングに本音を漏らす。そして、大晦日にエリスとの出会いがあったことや、エリスへひどい言葉を浴びせてしまったことも話す。するとフレミングはアデラインに、「今すぐに自分がしてしまった行動や言動が間違っていた」とエリスに謝るように言う。フレミングに背中を押される形でジェニーは考えを改め、エリスの元へ謝りに行く。
エリスに謝り、デートへ誘う
フレミングからの後押しもあり、エリスの元へ謝りにきたジェニーは、「今までの途方のない自分の人生を振り返り、エリスの優しさに気づいたの」と話す。そして、今度はジェニーから「あなたの知らない場所へ案内したい」とエリスをデートへ誘う。
古びた倉庫に連れ出すと、そこは昔、街一番の映画館と言われた場所だった。現在は、廃墟化し誰でも勝手に入る事ができる場所になっていた。そのシアターで映し出されるプラネタリウムをエリスに見せたかったのだ。その星空を眺めながら「今週末、両親の結婚40周年パーティーをやるから一緒に来てくれないか」とエリスはジェニーを誘う。
エリスの実家へ訪れる
エリスの実家へ行く事になったジェニーは、そこで思いもよらぬ人物と遭遇することになる。
エリスの実家へ行くと、エリス達のことを両親が出迎える。すると突然、ジェニーに向かって「アデライン」と、エリスの父が呼ぶ。本名で呼ばれて驚いたジェニーは、咄嗟に「アデラインは、私の母です」と嘘をつくがウィリアムとジェニーは動揺している。エリスの母や妹がその場の異様な空気を察するが、それに気づいたアデラインは「アデラインは私ではなく、6年前に亡くなった母です」と再び嘘を言う。その場の空気を読み、気を利かせた妹は「今日は疲れたから、もう寝ましょう」とその場を締める。各々、部屋に戻るとウィリアムはアデラインと交際していた時のことを思い出す。
アデラインとウィリアムの出会い
エリスの父であり、かつてはアデラインの恋人であったウィリアム。
ウィリアムがまだ大学生の頃、田舎の一本道でエンジンが止まってしまい困っている女性を助けた。その女性というのがアデライン、これが2人の出会いであった。ウィリアムのおかげで車は走りだし、2人はドライブをすることに。ウィリアムがアデラインに名前を尋ねる。
夫の死後、周囲に正体を明かすことなく過ごしてきたが、ウィリアムに心惹かれたアデラインはつい本名を答えてしまう。そして、2人の交際が始まる。ウィリアムの2歳年上で、博学な上に美貌も持ち合わせていたアデラインに心底惚れていたウィリアム。付き合いも長くなり、ウィリアムはとうとうアデラインに結婚を申し込もうと指輪を用意した。
プロポーズをしようと公園でアデラインと待ち合わせをしたが、いくら待ってもアデラインが現れることはなかった。正確に言うと、アデラインは待ち合わせの公園にはタクシーで来ていたのだが、遠くからウィリアムが指輪の箱を持っていたことに気づき、自分の身体の状態をウィリアムに告げる決心が出来ないアデラインはその場から逃げるように立ち去ってしまったのだ。
ウィリアムに正体がバレる
翌朝、ジェニーが起きるとエリスの姿が見当たらないので外を探しに歩いた。すると裏庭で作業をするウィリアムの姿が見えたので「エリスはどこにいるの」とジェニーが尋ねる。「エリスはジョギングに、妻と妹は買い物に出かけている」とウィリアムは言う。すると、ジェニーの頭の上に1匹の虫が止まった。その虫をはらおうとしたジェニーの手に、かつてウィリアムが縫合した傷跡が見えた。
まだウィリアムが大学生で、アデラインと交際をしていた時のこと。2人は山の中を散策していた。楽しそうに斜面を下りていると、アデラインの手が木の枝にぶつかり、深い傷を負った。その手からは大量の血が流れ出ているが、あたりには病院はおろか人もおらず治療ができない。幸いなことに、ウィリアムが持つ荷物の中に入っていた携帯用救急セットとウイスキーで応急手当てをしたのだ。
その傷跡を目にしたウィリアムは、ジェニーの正体がアデラインだと確信した。その後、アデラインがなぜ偽名を使っているのか、本来であれば年老いているはずなのに、なぜ若い時と変わらない姿をしているのか尋ねた。
エリスの元から逃亡
ウィリアムに正体がバレてしまったアデラインは「正体がバレてしまった以上、もうここにいることは出来ない」と思い、エリスに直接理由も告げず「もう無理なの。理由は言えない」と置き手紙だけを残して、急いで家を飛び出した。
土砂降りの雨の中、あてもなくただただ車を走らせ、その場から立ち去るアデライン。しかし、運転している途中で決心をする。「本当のことを話して信じてもらえないんじゃないかと不安もあるけれど、もう現実から目を背けず、自分の本当の姿をエリスに話してみよう」と考えを改めたアデラインは、車を止めてフレミングに電話をした。「もう逃げることはしないわ」そう、フレミングに告げると、エリスの実家へと戻ろうと、再び車を走らせる。
その時、運悪く対向車がアデラインの運転していた車に衝突し、アデラインの車は路肩へと転落した。その衝撃でアデラインは車外へと放り出されてしまう。
生き返るアデライン
アデラインの車に衝突した相手の車はその場から逃げ出した。周囲は街頭などもない暗がり、誰も助けてくれるはずもなくアデラインは息を引き取った。しかし、心肺が停止した直後すぐ、運よく通行していた車に発見され、救急隊によるAED処置で一命を取り留めたアデライン。そのまま病院へと搬送された。1度とならず、2度も心肺停止したにも関わらず、幸運なことに息を吹き返したアデライン。病室で目を覚まし、ついにエリスに真実を話す決心をした。今まで歩んできた人生、自分の正体はジェニーではないということを。
ジェニー改めアデラインから真実を告げられたエリスは、アデラインの心配とはよそに、アデラインの全てを受け入れてくれた。しばらくすると心配で大慌てのフレミングが駆けつけた。すると、アデラインとエリスは顔を見合わせて戸惑う。異様な雰囲気を感じ取ったフレミングにアデラインは「エリスに全て話したの」と伝える。
長きにわたって母が苦しんでいた姿を知っていたフレミングは、エリスが母の本当の姿を全てを受け入れてくれたことに安堵し、涙を流しながらエリスと抱擁するのであった。
エリス両親の結婚40周年パーティー
アデラインに再会し動揺していたウィリアムだが、アデラインとの関係は既に過去のことと思い直した。今という時を共に過ごしたのは、40年連れ添った妻だということにと気づく。そして、改めて妻に感謝するのであった。
1年が経ち
エリスとパーティーへ向かうため身支度をしていると、鏡に映る自分の姿に違和感を感じた。よく見てみると、白髪が1本生えている。
2度目の事故の時に偶然が重なり、自然と老化できる身体を取り戻したのだった。107年という長い年月を苦しみながら暮らしてきたが、最後にはありのままの自分でいられる相手、エリスとの出会いにより、ハッピーエンドで終えるストーリーであった。
そして、エリスに出会うまでの苦しい状況を支えてきてくれたフレミングは、アデラインと、新たに迎えた子犬と一緒に暮らすことになった。
「『アデライン、100年目の恋』の登場人物・キャラクター」
アデラインの家族
アデライン・ボウマン(演:ブレイク・ライヴリー)
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目次 - Contents
- 『アデライン、100年目の恋』の概要
- 『アデライン、100年目の恋』のあらすじ・ストーリー
- パスポートの偽造
- チャイナタウンの自宅へ戻る
- 職場の市立資料館
- 今日までのアデライン・ボウマン
- アデライン失踪
- アデラインに迫るFBI
- 大晦日のパーティーへ
- 娘フレミングとランチ
- エリスが多大なる寄贈
- エリスと地下デート
- 愛犬の死
- ジェニーの自宅前に現れるエリス
- フレミングに会いにきたジェニー
- エリスに謝り、デートへ誘う
- エリスの実家へ訪れる
- アデラインとウィリアムの出会い
- ウィリアムに正体がバレる
- エリスの元から逃亡
- 生き返るアデライン
- エリス両親の結婚40周年パーティー
- 1年が経ち
- 「『アデライン、100年目の恋』の登場人物・キャラクター」
- アデラインの家族
- アデライン・ボウマン(演:ブレイク・ライヴリー)
- クラレンス・ジェームズ・プレスコット(演:ピーター・ J・グレイ)
- フレミング・プレスコット(演:エレン・バースティン)
- リース
- ミリアム・プレスコット(演:ジェーン・クレイヴン)
- エリスの家族
- エリス・ジョーンズ(演:ミキール・ハースマン)
- ウィリアム(演:ハリソン・フォード)
- キャシー・ジョーンズ(演:キャシー・ベイカー)
- キッキ・ジョーンズ(演:アマンダ・クルー)
- アデラインの親友
- レーガン(演:リンダ・ボンド)
- アデラインに関係する人物達
- トニー(演:リチャード・ハーモン)
- キャブ・ドライバー(演:フルヴィオ・セセラ)
- ケネス(演:ヒロ・カナガワ)
- コーラ(演:アンジャリ・ジェイ)
- スタンリー・チェスターフィールド(演:バークレイ・ホープ)
- ケイレブ(演:マーク・ガニメ)
- デール・ダヴェンポート(演:クリス・ウィリアム・マーティン)
- ラリー・レヴィン(演:レーン・エドワーズ)
- 『アデライン、100年目の恋』の用語
- FBI
- トリビア
- 「デラC1981」
- 『アデライン、100年目の恋』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- フレミング「一生、独りで暮らしていくなんて、愛する人が欲しくない?」
- アデライン「2人で共に老いていく将来がないなら、つらいだけ」
- ウィリアムとの再会
- エリスの実家でクイズゲーム
- ジェニーの左手にある傷跡を見て、アデラインだと気づくウィリアム
- アデライン「まず最初に、私はジェニーじゃない」
- アデライン「エリスへ自分の本当の姿を話したの」
- 病室で泣くフレミング
- 白髪を発見したアデライン
- 『アデライン、100年目の恋』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ヒロイン役がなかなか決まらず
- ハリソン・フォードが本作を高く評価
- GUCCIが協力
- 『アデライン、100年目の恋』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Rob Simonsen&Faux Fix Ft.Erena Tonra 『Start Again』