ゴシップガール（Gossip Girl）のネタバレ解説・考察まとめ

『ゴシップガール（Gossip Girl）』の概要

『ゴシップガール（Gossip Girl）』はセシリー・フォン・ジーゲザーの小説、およびそれを原作とするアメリカ合衆国のセレブな高校生が巻き起こす騒動を描いたテレビドラマ。テレビドラマ版は2007年9月19日から2012年12月17日までThe CW系列にて全6シーズン（全121話）が放送された。最終回のみ2時間枠で放送され、そのうち前半の1時間はスタッフとキャストのインタビューをまじえた回顧特集であった。
日本では、2009年4月16日にスーパー!ドラマTV開局20周年記念番組として放送開始。2010年5月20日には日本テレビでも放送を開始した。また、Netflix、Amazonプライム・ビデオ、Hulu、U-NEXTなど多数の動画配信サービスにて、全シーズンが日本語吹き替え付きで配信された。2012年11月にオール中国人キャストによる中国版『ゴシップガール』の放送開始。
2021年7月8日にアメリカでゴシップゴールの新シーズンが放送された。キャストは総入れ替えされたリブート版である。同年8月20日にはU-NEXTで日本でも放送された。
放送されると瞬く間に人気が爆発し、ティーンエイジャーが選ぶ「ティーン・チョイス・アワード」で作品賞を含む計6部門を受賞。「米iTunesで最もダウンロードされたTVドラマ」の年間第1位に輝くなど様々な賞を総なめした。

アメリカの高級住宅街のマンハッタンにあるアッパーサイドに住むセレブな高校生が織りなす人間ドラマ。何不自由なく生活するセレブ高校生の中でも、ひと際目立つ存在のセリーナ・バンダー・ウッドセン（以下セリーナ）がアッパーイーストサイドに帰ってくるところから物語は始まる。謎の人物ゴシップガールのナレーターで物語は進行していき、匿名で様々な情報を送りそれを公開するサイトを経営するゴシップガールに翻弄されていく。

『ゴシップガール（Gossip Girl）』のあらすじ・ストーリー

セリーナの帰還

舞台はニューヨーク・マンハッタンのアッパーイーストサイド。ハイソサエティなこの街の高校生は、酒にドラッグ、パーティー、セックス、そしてお金。何でも思いのままに好き放題することができる。自分の体面さえ保てばどんなにハメを外そうと権力者の親のおかげでお咎めなしだ。そしてそんな彼らの間で人気を集めているのは、正体不明の「ゴシップガール」なる人物が管理する情報サイトである。

街の人気者に関する目撃情報で成り立つこのサイトで、今もっとも注目されているのはセリーナ・ヴァンダー・ウッドセン。1年前、何も言わずに街を去りコネチカット州の寄宿学校に転校してしまった彼女が、なんと突然舞い戻ってきたからだ。
セリーナが居ない間学園の女王として君臨していた親友のブレア・ウォルドーフ（以下ブレア）は、突然居なくなったセリーナへの怒りは収まらない。ブレアの恋人だが、セリーナのことが好きな容姿端麗で優しいネイト・アーチボルト。バス産業の一人息子であり学園の中でもトップクラスにリッチだが、その性格が災いしネイトしか友達の居ないチャック・バス（以下チャック）。リッチな学園に馴染めないブルックリンに住むダン・ハンフリー。ダンの妹でセリーナやブレアに憧れるジェニー・ハンフリー。皆がセリーナの帰還に驚いた。

身分違いの恋に落ちていくセリーナとダン。そしてブレアもセリーナとの仲を修復していく。
しかしそんな時、セリーナとネイトが浮気した事実を知ったブレアは憤慨し、ネイトと別れる。そしてセリーナを敵として攻撃をし続ける。ジェニーはブレア軍団の下っ端として仲間入りし、部外者としての疎外感を感じてきたが、女王ブレアをグループから追い出し女王の座に君臨する。
ブレアと仲違いしたセリーナは悪友ジョージーナ・スパークス（以下ジョージーナ）と再会する。悪いことはもうしないとジョージーナとの交流を拒むセリーナだったが、それを良く思わないジョージーナにハメられてセリーナはダンと別れることとなる。ネイトはダンの幼馴染のヴァネッサ・エイブラムズと距離を近づけていく。
ネイトと別れて傷心のブレアは嫌っているチャックにやけくそで初体験を捧げてしまう。その一件からチャックとブレアはお互いを意識し出す。夏に一緒に旅行を行こうと約束するが、チャックがすっぽかしてしまう。傷ついたブレアはチャックのことを忘れようと努力する。

それぞれの夏休みと高校生活の終わり

夏休みを満喫してニューヨークに戻ってきたセリーナたちの高校最後の生活がスタートした。
ブレアは旅行中に知り合った貴族のマーカスと付き合い、貴族の仲間入りが出来るかもと意気揚々。それに嫉妬したチャックは2人を別れさせようと画策し2人は別れてしまう。ネイトは脱税により家の財産が没収されるという衝撃の事実を母親から打ち明けられ、お金を得るためにリッチな年上女性キャサリンと体の関係も持つことにした。しかし、ヴァネッサへの気持ちが抑えられないネイトはキャサリンとの関係を清算しようとする。

またインターンの仕事に疲れきったジェニーは、ブレアの母でデザイン会社社長のエレノアのデザインに対する批判を本人に聞かれてしまう。一方で破局して友人関係になろうとしたセリーナとダンだが、転入生のアマンダの登場により不穏な空気になる。キャサリンからネイトとの手切れ金を渡されていたヴァネッサは、ネイトのことが諦められず小切手を返そうとキャサリンの家を訪れる。しかしそこでキャサリンとマーカスが抱き合っているシーンを目撃してしまう。
ブレアとチャック、ダン、ネイトは、志望校の一つであるイェール大学を訪問する。ひとりだけブラウン大学を訪問しようとしていたセリーナも、ブレアとの衝突をきっかけにイェール大学への訪問を決意する。

チャックの父バート・バスとセリーナの母リリー・ヴァンダーウッドセンが再婚する。門限や週1回は全員一緒にディナーとするといった新しい家族間のルール作りの提案がされたが、セリーナは反発気味だった。新居披露パーティーでも気まずい雰囲気になる。
冬休みが明けた新学期、チャックの父のバートが交通事故で亡くなってしまう。遺言状には自分の会社をチャックに継いで欲しいと記されており、自分が継ぐものだと思っていた叔父ジャックの怒りを買いトラブルに発展する。
イェール大学の合格発表日、セリーナとダンは無事合格したがブレアは補欠合格。結局ブレアは憧れだったイェール大学に入学できなくなり、自暴自棄になってしまう。しかし、再びネイトとヨリを戻すこととなる。

一方、セリーナはスペインにいった際に酔った勢いで結婚式を挙げてしまったガブリエルとの結婚が無効であると主張する。しかし結局付き合うことになるが、どことなくガブリエルの素行が怪しいと感じたブレアは尾行して事実を突き止める。その結果ガブリエルが詐欺師だったことが発覚し、お金をだまし取られたリリーはセリーナを警察に通報して解決する。

そして、ブレアが卒業した後の学園の女王になってと指名を受けて喜ぶジェニー。なかなか進展しなかったブレアとチャックの関係も、ブレアの「I love you.」という告白でついに進展する。

波乱の大学生活

大学生になりそれぞれの大学に行き始めたが、ブレアは自分の居場所を見つけられず苦しむ。セリーナはネイトのいとこのトリップと不倫関係になっていた。
ダンはヴァネッサと同じ大学に入学し、オリヴィアと出会う。そこで2人は付き合い始めるがヴァネッサとダンはお互いを思う気持ちに気付き始める。

ジェニーは女王に君臨してからどんどんと道を踏み外していってしまう。ダミアンというドラッグのディーラーと付き合い始め、周りの制止を振り切り秘密で交際を続ける。それは親や周りが手を付けられないほどになっていく。

一方チャックは叔父のジャック・バスから父から受け継いだエンパイアホテルを守るために、ブレアと交換でジャックに渡して取り返そうとした。そのことからチャックとブレアの間には亀裂が入る。しかしお互いを思う気持ちは変わらず、チャックがブレアにプロポーズしようとした瞬間にダンがチャックを殴る。事の顛末は、自暴自棄になったジェニーとチャックが体の関係を持ってしまったとのことだった。激怒したブレアとダンはその場を立ち去り、チャックはヤケになり夜の街を1人で歩いている時に銃で撃たれてしまう。
そこでチャックはエヴァという女性に助けられ、自分の地位や金銭目的ではないエヴァにチャックは心を許していく。ブレアはルイという本物の王子に交際を申し込まれ、一旦は断るがルイの気持ちの強さをみて交際することを決意する。

ネイトはジュリエットという女性と出会い交際するが謎が多くて信用しきれずにいる。ジュリエットの正体はセリーナが寄宿学校時代に交際していた先生・コリンの妹だった。コリンはセリーナとの関係がバレて未成年と交際したことにより刑務所にいる。その恨みを晴らそうとセリーナを薬漬けにして更生施設に送り込む。しかし悪事は暴かれジュリエットは町を追われることとなる。

それぞれの結末

ブレアはルイの子供を妊娠し、結婚へ向けて準備するが、ブレアとチャックがお互いにまだ気持ちがあるのではと思うあまりルイはどんどん狂っていく。
そんな中でブレアはチャックの事を好きな気持ちは無視できないと思い2人で駆け落ちするが、その途中で車が事故にあう。ブレアは子供を流産し、チャックは意識不明の重体となる。その時にブレアは神頼みして「もうチャックといれなくていいから助けてください」とお願いするとチャックは目を覚ました。一緒にいられない運命なのだと悟りチャックの元から去る。そしてダンと急接近して付き合うようになる。

セリーナは自分の居場所が無いと思い町を出て、サブリナという偽名でスティーブンという男性と付き合っていた。ブレア達はセリーナを探しに行くと別の生活をしているセリーナがいた。スティーブンの娘のセージとネイトが付き合いだし気まずい関係になるが、ブレアの策略によりスティーブンと破局する。

そして死んだはずのバートがチャックの目の前に現れ、今までチャックの積み上げてきた会社を奪おうとしてきた。チャックはバートと再婚したリリーにバートの犯罪の証拠捜しの協力を頼むが、拒否され行き詰っていた。ある日ビルの屋上でバートとチャックは口論になり事故でバートが転落死してしまう。その場に居合わせたブレアはチャックと共にその場を後にした。
しかし警察が動き始めその場にいたチャックを逮捕するために捜索が開始された。ブレアは配偶者であれば黙秘権を行使出来ることを知り、公園の一角で急いで結婚式を挙げる。警察のサイレンが鳴り響く中の式だったが、そこには友人達と家族が集まり幸せな空間となった。その後チャックとブレアは黙秘権を行使して釈放された。

そして今まで苦しめられてきたゴシップガールの正体がダンだと本人の口から知らされ一同驚く。転校してきた孤独な自分が目立つために始めたことだったと語る。傷つけられていたものの助けられたこともあったと振り返り、一同はダンを許した。

5年後、ダンとセリーナの結婚式が自宅で執り行われた。そこには家族とチャックとブレアの子供もいた。ネイトは結婚しておらず1人での参加となった。

『ゴシップガール（Gossip Girl）』の登場人物・キャラクター

主人公

ゴシップガール（演：クリスティン・ベル ）

吹き替え：たかはし智秋（たかはしちあき）
ゴシップ好きの高校生たちが夢中のサイト「GossipGirl.net」の管理人。アッパー・イースト・サイドの人気者たちに関する情報や事件をいち早くスクープする。嫌味と皮肉の利いた言い回しと毒舌が物語を盛り上げる。※クリスティンの出演はナレーションのみ。

セリーナ・ヴァンダーウッドセン（演：ブレイク・ライブリー）

吹き替え：甲斐田裕子（かいだゆうこ）
通称：S、SVDW、It Girl
オランダ系アメリカ人セレブの子孫。皆の憧れのパーフェクトな美人。誰に対しても分け隔てなく接するため、誰からも好かれる。
以前はアッパー・イースト・サイドの話題の中心となるパーティーガールだった。しかし一緒に薬物を摂取していた友人が薬物中毒により瀕死になった際、恐怖と自己保身から助けを呼ばずその場から逃げてしまった。その結果友人は死亡した。警察と現実から逃げるため、こっそりとニューヨークを離れコネチカットの寄宿学校に転校。1年後にニューヨークに帰ってきた。
当初は過去の過ちを反省して酒も飲まずすっかり改心したとも思われた。しかしダンと三度目の別れをして以降は、以前のように様々な男と関係を持つようになった。
母親のリリーからは「昔のセリーナに戻ってしまった」と言われたり、親友のブレアとの喧嘩した際には「誰とでも寝る女」と言われてしまう。
ブラウン大学に進学予定であったが、自分のやりたいことが分からず入学を1年延期することをリリーから許しをもらう。その後シーズン4から、進路を変更してコロンビア大学へ入学した。
ダンと結婚する。

ブレア・ウォルドーフ（演：レイトン・ミースター）

吹き替え：弓場沙織（ゆみばさおり）
通称：B、クイーンB
ドイツ系アメリカ人セレブの子孫。有名ファッションデザイナーエレノアの娘。憧れの女性はオードリー・ヘプバーンとグレース・ケリーである。高飛車で傲慢な性格。負けず嫌いで嫉妬深く意地悪であるが、それは親友セリーナに対する劣等感や母からのプレッシャーが影響している。悪知恵を出させると右に出るものはおらず、優秀な策略家でもある。それゆえ自らがその策に溺れてしまうこともしばしばある。
学校では進んで委員会や企画の議長を務める優等生である。芸術を専攻している。恋人のネイトと父親と同じイエール大学志望だったが叶わなかった。その後ダンたちと同じニューヨーク大学に通うこととなる。シーズン4から、コロンビア大学へ編入する。
ネイトに振られヤケになっていた時にチャックと一夜の関係を持ってしまう。それ以降、当初は大嫌いだったチャックと惹かれ合うようになり相思相愛の関係となる。その後様々な事件を乗り越えて最終的にチャックと結婚する。