ボーン・スプレマシー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ボーン・スプレマシー』とは『ボーンシリーズ』の2作目で、2004年に公開されたサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンの2年後を描く。インドでマリーと暮らしていたボーンの元に暗殺者が現れ代わりにマリーが殺されてしまう。自分を追う理由を知るため動き出したボーンだが、ある事件の容疑者に仕立てられる。CIAの追跡をかわしながら自分を巡る陰謀の真相を探るボーン。トンネルの中のカーチェイスなど前作以上にスピード感あるスリリングなシーンの連続で観る者を魅了する。

出典: blog.livedoor.jp

指揮所で皆にボーンの行動について説明するニッキー(画像中央)

イタリアのナポリに来たボーンが映った防犯カメラ映像を見るパメラたち。するとボーンは隠れることなく、あえて防犯カメラを見ていた。ナポリに来たのは「思いつきかも」という声や、「カメラに気づかないドジめ」という声がパメラのチーム内であがるなか、ニッキーは「彼らはドジをしないし、思いつきもない。常に狙いがある」と言う。CIAの極秘プロジェクト「トレッドストーン」で鍛えられた、自身の状況を正確に把握し、常に先を読んで最良の手段を選択して行動する工作員たちの能力を適切に表した名セリフ。

ジャーダとの格闘

ジャーダ(画像左)との格闘でとっさに近くにあった雑誌を丸めて対抗するボーン(画像右)

ドイツのミュンヘンの家を覚えていて、そこにコンクリンを捜しに行ったボーン。そこには同じ「トレッドストーン」の工作員ジャーダが住んでいた。ボーンに拘束具をはめさせられたジャーダだがボーンの隙を見て襲い掛かる。ジャーダはキッチンのナイフを使いボーンを襲うがボーンは近くに会った雑誌を丸めて対抗する。身近なものをすぐに武器として巧みに使う、身に沁みついた格闘スキルで戦う名シーン。

ボーン「簡単だ。君の横にいる」

ボーンが捉えた部屋の中にいるニッキー

パメラを尾行し、彼女がベルリンの指揮所に入った際、指揮所の窓が見える向かいのビルの屋上に出て、ライフルで彼女を捉え様子を見ながらパメラの携帯電話に電話をしたボーン。指揮所の中に見知った顔であるニッキーの姿を見たボーンは、パメラに彼女を指示する場所に呼ぶよう言う。ボーン確保の準備をする時間稼ぎのため「彼女を捜さないと」と言うパメラだが、ボーンは「簡単だ。君の横にいる」と言って電話を切る。パメラたちは自分たちを今見ているのかと驚いて窓の外を見る。常に監視下にあることを伝え優位性を保とうとする戦術の一つであり、ボーンの得意技でもある。これは映画の最後のシーンでも使われている。ニューヨークのオフィスにいるパメラに電話をかけ、自分の本名や生年月日を教えてもらったボーンが「少し休め。疲れた顔をしている」と言う。相手を驚かせ優位性を保つだけでなく、相手との距離を縮める効果もある名セリフである。

ボーン「マリーが嫌がるから生かしておく」

グレツコフとの電話後、背後に侵入していたボーン(画像左)の気配に気づいたアボット(画像右)

共謀者であるグレツコフに見限られたアボットは、ホテルの自室に侵入していたボーンにベルリンの事件について自白する。マリーを殺した暗殺者を手配したアボットを殺そうとしたボーンだが、「マリーが嫌がるから生かしておく」と言い、アボットを殺さず、自分たちの会話のやりとりを録音したレコーダーと銃をそこに置いて去っていった。暗殺を任務としていたボーンがその過去に苦しめられているのを間近で見ていた生前のマリーは、インドのゴアに現れた暗殺者を殺そうとするボーンを必死で止めていた。それを思い出したボーンは人を殺さないと決めたのだ。この後も、モスクワに行ったボーンはマリーを射殺した暗殺者とのカーチェイスをした結果、瀕死の状態となった暗殺者に止めを刺そうとしなかった。マリーのためにも暗殺者である過去から抜け出そうとするボーンの名セリフである。

モスクワでのカーチェイス

ボーンの乗った黄色のタクシーが暗殺者の乗った車をひきずる

最初の任務であったロシアの政治家ネスキー暗殺で残った娘に真実を伝え謝罪するため、モスクワに行ったボーン。CIAから連絡を受けたロシア警察やFSB、暗殺者に追われ、タクシーを盗んで逃げる。警察車両だけでなく多くの一般車ともぶつかりながら激しいカーチェイスを繰り広げ、ボーンはトンネルに入った。暗殺者もボーンの車を追い、運転しながらボーンを銃撃する。ボーンは暗殺者の車のタイヤを銃でパンクさせ、自分の乗ったタクシーで暗殺者の車を押しながらその車を分離帯にぶつけ、暗殺者の車を大破させ逃げる。ボーンの優れた反射神経や運転テクニックなど見所満載の名シーン。

『ボーン・スプレマシー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

暗殺者キリル役のカール・アーバンは、セリフより行動で語る役に魅力を感じオファーを快諾した

『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』のエオメル役で有名なカール・アーバン。彼に暗殺者キリル役をオファーする際、登場時間は長いがセリフが極端に少ないため、監督は断られることを覚悟した。しかし、カールはセリフより行動で語る役に魅力を感じ、オファーを快諾した。

インドの撮影では望遠による隠し撮りが多く行われた結果、映像中の緊張感を増すことに繋がった

インドの撮影では、町中にカメラを設置したり交通規制をすると、何をしているのか見ようとする人がすぐに集まってきてしまった。このままでは撮影ができないことから、望遠による隠し撮りが多く行われた。これが、あえて演出効果を狙ったように映像中の緊張感を増すことに繋がった。

ボーン役のマット・デイモンに殴られたネビンス役のティム・グリフィンは本当に気絶していた

イタリアのナポリでボーンがわざと捕まった時に尋問を担当したネビンス。ボーンがネビンスを殴り、昏倒させるシーンで、ボーン役のマット・デイモンの左拳がネビンス役のティム・グリフィンの顔面に直撃し、ティムは本当に気絶してしまい、顔の骨を折る怪我をした。

ニッキーの生年月日はニッキー役のジュリア・スタイルズの生年月日と同じだった

パメラが目を通していた「トレッドストーン」のファイルに記載されていたニッキーの生年月日は、ニッキー役のジュリア・スタイルズと同じ1981年3月28日だった。

『ボーン・スプレマシー』の主題歌・挿入歌

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