天使なんかじゃない(天ない)のネタバレ解説・考察まとめ

『天使なんかじゃない』とは、矢沢あいによる漫画作品。少女漫画雑誌『りぼん』1991年9月号から1994年11号まで連載された。全8巻の単行本に加え、完全版コミックス全4巻、文庫本全6巻、さらに全8巻の小説が刊行されている。1994年にはOVA化された。創立されたばかりの私立聖(ひじり)学園の生徒会を舞台に、主人公冴島翠を中心とした生徒会の面々が繰り広げる、高校生の恋と友情を描いた青春群像劇である。ベテラン漫画家として知られる矢沢あいの出世作であり、その完成度から芸能人のファンも多い。

帰ってきた将志

須藤晃、牧博子が帰りを待ち望んでいた坂本将志の登場シーン。

美味しい親子丼を作るために晃の家へ出向いていた翠。
しかし運悪く米を切らしており、晃は買い出しのために一人出かけてしまう。

その間に親子丼を作り始めようとした矢先、晃の家のチャイムが鳴り響く。
てっきり忘れ物をした晃だと思った翠が「おかえりダーリン♡」と勢いよく扉を開けると、サングラス・タバコ・ロン毛の怪しい出で立ちの男が。

男は坂本とだけ名乗り、晃の家に上がり込んでスケッチブックに何かを描き出す。
翠は困惑するが、男の持ち物や晃・博子の最近の言動から、次第にこの人物が何者であるのか分かってくる。

その時、「できたぃ!」と男が言い、スケッチブックのページを切り離して翠に渡す。

そこに描かれていたのは、勢いよく扉から出てきた時の翠のまぶしい笑顔。
そして、左端に小さく書かれた「MASASHI」の名だった。

「神様どうか その時晃が 世界一幸せにしたいと思う女の子は あたしでありますように 次の流れ星が消えないうちに 3回唱えて目を閉じるから」

夏休みのキャンプにて。
夜中にトイレに立った冴島翠が、恋人の須藤晃のカミングアウトを聞いて人知れず涙するシーン。

牧博子の恋人・坂本将司の発案で、夏休みを使ってキャンプに行くことになった翠達。
昼間に思う存分楽しんだ後、夜も更け、就寝の時間になった。

フクロウの鳴く真夜中に一人起きた翠は、猛烈な尿意に襲われてトイレに立つ。
しかし、キャンプ場のトイレはボロボロで不気味。
こんなところでとても出来ない!そう思った翠は、茂みで用を足すことに。

事を済ませた後、さて帰ろうとした翠だったが、「こんな不気味な便所入れるかよ」と怒鳴る晃と将司を目撃する。
二人との距離は目と鼻の先。
だが、運よく二人は翠に気づかず、立ちションの後に座り込んで星を眺めていた。
そして、博子と3人で北海道旅行した時の話を語りだす。
二人のすぐそばにいたので動けなかった翠は、偶然会話を立ち聞きしてしまう。

旅行の話をしばらくしていた晃と将志だったが、ふと話題は博子と将志の将来の話に移る。
「結婚しろよ」と呟き、説教臭く将志を諭す晃。
晃は、日本に一人残されて寂しい思いをしていた博子を案じていた。
そして最後に、かつて博子を好きだった事を暴露した。

そのカミングアウトに、胸が張り裂けそうになる翠。
晃の博子に対する恋心を疑っていた翠にとって、まるで今の晃すら博子にすべて持っていかれてしまったような敗北感だった。
そして、晃が幸せにしたい女性が自分ではない事を悲しみ、そして上記のように願うのだった。

ケンの登場シーン

冴島翠の大親友、中川ケンの登場シーン。

高2の夏休み。
遊び相手を探して電話をかけまくる翠だったが、運悪く皆都合があって捕まらない。

というのも、普段なら恋人の須藤晃の所へ遊びに行くのだが、晃はバイト続きで全然会えていない。
しかもこの前、晃が博子の事を好きだった過去を知ったので、なおの事寂しくなったというわけだった。

とぼとぼ自宅に帰ってきた翠だったが、母が誰かと電話している所に遭遇。
電話の相手を聞くと、なんと友達の河野文太だった。

翠が「遊んでーーっ」と泣きつくと、文太は「リボン」という喫茶店にいるから、今から来るようにと言う。
喜び勇んで向かった翠は、何と中学時代の友達のヨシ坊、なっちゃん、タマ子に再会する。

目を潤ませる翠を尻目に、文太は「あとはケンが来れば全員集合だな」と言う。
その言葉を聞きつけた翠は、「ケンも来るの!?」と笑顔を向ける。

ケンこと中川ケンは、中学時代の翠の一番気の合う男友達だった。
ケンの話題が出ると、翠達は「翠とケンの朝のお約束」というエピソードを持ち出し、げらげらと笑いあった。

「翠とケンの朝のお約束」とは、中学時代の翠が登校時に、何かの物まねでケンに挨拶をする。
そしてケンは、それに物まねで応えるというものだった。

中でも、なっちゃんとタマ子の一押しが「ルパンと峰不二子」。
ケンの容姿がルパン三世に似ていた事から、なおの事爆笑を呼ぶのだった。

翠もケンとの思い出に浸っていた時、ヨシ坊が出口の方を見て大声を出す。
すると、オーバーに手を振るケンの姿が。

翠は、あの頃と変わっていないケンの姿に思わず立ち上がり、「ルパァン♡」と挨拶をする。
それにケンはずっこけ、遅れて「ふ~~じこちゃ~ん」と、中学時代のように応えるのだった。

「マミリンの「帰ろっか」が 「がんばろうね」って聞こえた がんばろうね 好きなんだもん」

麻宮裕子の話を聞いたことで、冴島翠が元気を取り戻すシーン。

「負けるもんか 負けるもんか 負けるもんか この恋を手放してたまるもんか」

秀一命

「負けるもんか」

「オイラのあの娘 天使のほほ笑み」

博子に贈られてきたキャンパス

「さっすがマミリン頼りになるぅ♡」

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