天使なんかじゃない(天ない)のネタバレ解説・考察まとめ

『天使なんかじゃない』とは、矢沢あいによる漫画作品。少女漫画雑誌『りぼん』1991年9月号から1994年11号まで連載された。全8巻の単行本に加え、完全版コミックス全4巻、文庫本全6巻、さらに全8巻の小説が刊行されている。1994年にはOVA化された。創立されたばかりの私立聖(ひじり)学園の生徒会を舞台に、主人公冴島翠を中心とした生徒会の面々が繰り広げる、高校生の恋と友情を描いた青春群像劇である。ベテラン漫画家として知られる矢沢あいの出世作であり、その完成度から芸能人のファンも多い。

キャラクターモデルは第一期生徒会メンバー。
モデルとなった作品は『白雪姫』である。

役柄
シラけた姫:麻宮裕子
地上げ屋スドウ:須藤晃
密売人デビル、エンジェル:冴島翠
タキガワ王国の王子:瀧川秀一
大男:河野文太

4月9日の新入生歓迎会で行われた、生徒会メンバーによる劇。
作画は冴島翠。麻宮と瀧川をくっつけるために考案した。

1年後、第二期生徒会メンバーによってタイトルをもじった『シラけた姫と七三の小人』が催された。

美術部のPRたれ幕

新入生歓迎会にて、冴島翠と牧博子が作ったPR垂れ幕。
キャラクターは『エンジェル冴島』と『エリザベス牧』。
モデルは2年生になった冴島翠と美術担当の教師・博子である。

この垂れ幕をきっかけとし、顧問を博子に据えて美術部が発足した。
ちなみに羽の部分は立体になっている。

聖学園体育祭アイデア募集ポスター

キャラクターは「スドーザウルスとタキガワマンと生徒会メンバー」。
聖学園の体育祭「聖学園大抗争」のアイデア募集ポスターである。

これを見た第二期生たちの間でも大好評だったという。

第一期生徒会メンバー寄せ書き

『天使なんかじゃない』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「うるせえ‼ いつまでもうれしがってんじゃねえよ あんな色気のねぇケツに!」

第一回生徒会役員選挙の時、須藤晃が騒がしい全校生徒に向かって一喝したシーン。

立会演説を終え、舞台裏に帰ろうとした冴島翠に悲劇が起こる。
マイクコードに足を引っかけ、派手に転倒したのだ。
おまけにパンツを全校生徒に見られ、『赤のチェック』だとはやし立てらる。

動揺して体育館から逃げ出そうとする翠だったが、体育館の出入り口は舞台の反対。
舞台裏のドアから飛び出せば、全校生徒のさらし者になってしまう絶体絶命の状況だ。
そんな翠に晃は「ゆっくり3数えたらドアを開けろ」と声をかける。

意味を理解できない翠だったが、晃の言われるまま3つ数え、勢いよくドアを開ける。
と同時に、耳をつんざくでかい声と「いつまでもうれしがってんじゃねえよ あんな色気のねぇケツに!」と、翠は聞き捨てならない暴言を聞くことになる。

怒っていいのか感謝していいのか図りかねる翠だったが、最後に晃が自身の名前を紹介したのを聞き、やっと名前を聞くことができたと嬉しい気持ちになった。
晃は翠の片思いの相手だったのだ。

第一期生徒会メンバーのやりとり

「スドーザウルス」というキャラクターのモデルにされ、笑いものになってしまった須藤晃が元凶の冴島翠に激怒するシーン。

第一期生徒会発足直後、会長の晃は初仕事として文化祭というビッグイベントを企画した。
翠はそのアイデア募集のために、得意な絵でポスターを描いてきたのだった。

それが、晃と怪獣を掛け合わせた「スドーザウルス」と、瀧川秀一とウルトラマンを掛け合わせた「タキガワマン」とが戦っているイラストだった。
そのポスターの周りにいた生徒たちは爆笑の渦。

怒った晃は翠を見つけるや怒鳴りつけ、翠が助けを求めた瀧川は思わず「シュワッチ☆」とノッてくれて、生徒会一同爆笑するのだった。

「翠 おれコーヒー専門なんだ 覚えといて」

第一回聖祭アイデア募集ポスターの一件で、すっかりやる気をなくしてしまった冴島翠にフォローを入れに来た須藤晃。

翠が描いた「スドーザウルス」というキャラクターがウケてしまったせいで、モデルにされた晃はすっかり全校生徒の笑いものになってしまった。
放課後になってもムスッとしている晃を見て、翠も罪悪感とショックでいじけてしまうのだった。

翠は生徒会室に居づらくなり、購買でジュースを買ってくると言って出ていく。
それを見ていた瀧川は、晃を説教してすぐに翠を追うように言う。

その後、「やる気しない」と涙目で自販機に向かう翠の手元をさえぎり「翠、おれコーヒー専門なんだ」とコーヒーのボタンを押す晃。
翠はそれよりも、初めて自分の名前を呼んでくれたことに感動し、「一生忘れないわよ くやしいけど」と赤面するのだった。

「ヒロコは 彼女なんかじゃない そうだ 妹ってことにしよう! あたしには 運命の神様という強い味方がいるんだから」

須藤晃に「ヒロコ」という存在がいることを知った冴島翠が、彼女じゃありませんようにと祈るシーン。

1時間目に生徒総会を控えていた冴島翠は、早朝から生徒会室に来ていた。
まだ誰も来ていないのをいいことに、机に「スドーザウルス」と「エンジェル冴島」の相合傘を描いてしまう。

急に恥ずかしくなって消しゴムを探す翠だったが、筆箱をいくらあさっても消しゴムがない。
焦った翠は、来た時から置いてあった誰かの荷物を開けて、筆箱を探すことにした。

見つけたと思って中から取り出したのは、筆箱ではなく須藤晃から「ヒロコ」という人物宛ての誕生日プレゼントだった。
その荷物は晃の荷物だったのだ。

とその時、生徒会室の扉が開いて瀧川秀一が入ってくる。
動揺を隠して笑顔で接する翠だったが、消しゴムを探していたことをすっかり忘れており、相合傘のイラストを瀧川にばっちり見られてしまう。

慌ててイラストを隠し、消しゴムを貸してと瀧川にお願いすると、瀧川は快く消しゴムを差し出す。
瀧川はその時「消したことが現実になる魔法の消しゴム」だと言い、翠をホッとさせた。

と、いきおいよく扉が開かれて晃も登場。
瀧川の計らいで一人きりになれた翠は、本当に消したことが現実になるようにと祈りをこめ、「ヒロコ」が妹であるようにとイラストを消したのだった。

「いいかてめえらつまり校長先生はこうおっしゃった 互いに協力し合い しのごの言わずにやるときゃやれよ!」

第一回聖祭の開幕を、会長の須藤晃が宣言したシーン。

聖祭の開幕を控え、全校生徒は校庭に勢ぞろいしていた。
満を持して聖学園校長の話が始まったが、生徒たちは早く学祭を楽しみたくて話の内容は右から左。
それどころか、私語を始める者、野次を飛ばす者まで現れる始末。

生徒が騒ぎ始めたことに少々機嫌を損ねる校長だったが、それを制したのは晃だった。
笑顔で懐から拳銃を取り出した晃に、校長は肝を冷やす。

晃の登場に生徒たちから歓声があがるが、それを怒鳴って黙らせた晃は、上記のセリフを発して生徒たちの興奮を加速させた。
「(ワシの言いたかったことと)ちょっとちがう…」と苦笑した校長の目の前で、晃は拳銃、もといスターターピストルを打ち鳴らし、堂々と聖祭の開幕となった。

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@niwatori10218

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