ご近所物語(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ご近所物語』とは1995年から矢沢あいが雑誌『りぼん』で連載した漫画、及びそれを原作としたアニメ作品である。自分のブランドの店を持つことが夢の実果子。矢澤芸術学院(通称:ヤザガク)でファッションに関する勉強に励んでいる。実果子は幼馴染で同級生のツトムとは友達以上恋人未満の関係。二人を中心に個性豊かなキャラクターたちが、夢のためにどう生きていくか、愛とはなにかなどを学んでいく。大人になる途中の男女が、将来のために何をしていくべきなのかを考えながら成長していく青春恋愛バラエティ漫画。

『ご近所物語』の概要

『ご近所物語』は1995年から矢沢あいが雑誌『りぼん』で連載した漫画およびそれを原作としたアニメ作品である。
主人公の幸田実果子は、矢澤芸術学院(ヤザガク)の服飾科に通う高校1年生。自分のブランドを持つために、誰よりも服飾の授業に情熱を注いでいる女子高生。実果子の家の隣に住んでいる、幼馴染で同級生の山口ツトムは、そのルックスから超モテるが、幼いころからツトムを見ている実果子にはその魅力がわからない。授業後実果子家に帰ると、ツトムが前年の学園祭のミス・ヤザガクの中須茉莉子にキスをされている。ツトムは茉莉子と付き合ってみるが、実果子のことが好きだということを改めて知る。実果子らが2年生になるとツトムを中心に、自由にものを作って売るサークル団体『AKINDO』(アキンド)を始める。実果子はアキンドを通じて、自分の作った服を作ることや売ることの大変さと楽しさを学ぶ。加えて、アキンドでの活動を通じてツトムの思いに気づき、実果子はツトムと付き合い始める。ヤザガクの学園祭の服飾科のショーで、実果子はウェディングドレス姿で登場し、個人賞グランプリを獲得する。実果子は能力が認められ、ロンドンで服飾の勉強するための権利を得る。ツトムと離れたくないことと、夢を叶えるためには留学をするかということで思い悩む。最後に実果子は、ツトムにも背中を押されロンドン留学を決心する。

略称は「ご近所」。少女漫画家矢沢あいの代表作の一つ。『ご近所物語』に登場する人形のスドーザウルスは、同一著者の作『天使なんかじゃない』から登場している。テレビアニメ版では実果子役を宍戸留美が担当し、主題歌も歌った。『りぼん』で掲載された誤記・誤字がたびたび読者によって指摘され、コミック版で訂正している。キャラクター達はまれに「少女マンガなのでお見せできません」などとメタ発言をする。1990年代の作品であり、公共の場で当たり前のようにたばこを吸っていたり、ポケベルが登場したりする。
コミックは全7巻、文庫版と完全版が出版されている。
また、東映アニメーション制作でアニメ化もされ、1995年9月から翌年の1996年9月まで朝日放送とテレビ朝日にて毎週日曜日8:30~9:00 にテレビ放送されていた。

単行本7巻の最後には「復活編」と題して、広彦と留里子の間に生まれた、実果子の妹・実和子を主人公にした後日談が描かれている。
番外編に「ご近所裏物語1、2」、「カラフル」、『ご近所物語』のメインキャラクターの子供たちが登場する続編『Paradise Kiss』がある。
「ご近所裏物語1」では、作者の矢澤あいがアニメ放映されることになった『ご近所物語』のレコーディングを取材しに行く。矢澤あいは主題歌とエンディングを歌う宍戸留美に会い、宍戸留美のファッションを紹介する。
「ご近所裏物語2」では、作者の矢澤あいがアニメ放映されることになった『ご近所物語』のアフレコを取材しに行く。『ご近所物語』のキャラクターの声優とアフレコ会場の紹介、宍戸留美のファッションの紹介を行う。
「カラフル」は、実果子の同級生の瀬戸早苗から見た、実果子が中学生の時の話。クラス委員で優等生の早苗は、他人の顔色ばかりうかがっている。早苗は、ピアスなどの校則違反をしながらも我が道を行く実果子にひそかに憧れていた。服装の校則違反による3日の謹慎期間を経て戻ってきた実果子に、いじめっ子たちが悪口を言ったのを早苗が助けようとしたところ、「優等生がでしゃばるな」と攻撃の対象が実果子から早苗に向いてしまう。実果子が「委員長にあやまれ!」といじめっ子を蹴飛ばした結果、謹慎処分となりそのまま不登校になってしまう。学校に来なくなった実果子を心配した早苗はお見舞いに訪れ、そこで実果子の母親が漫画家であることを知り、漫画のことで話が合い、実果子と意気投合する。その後早苗は親の仕事の都合で関西に引っ越してしまうが、実果子と早苗をモデルにした作品で作家デビューを狙っているという便りが実果子の元に届く。
『Paradise Kiss』の主人公は早坂紫という進学校に通う高校生3年生である。彼女は徳森浩昭の子どもの浩行のと同じ学校に通う同級生である。紫は受験勉強に追われる中、ヤザガクに通う神崎リサの息子の嵐や実和子にスカウトされ、モデル業に興味を持ち始める。

『ご近所物語』のあらすじ・ストーリー

矢澤芸術学院入学

主人公の幸田実果子は、矢澤芸術学院(通称:ヤザガク)の服飾科に通う高校1年生。自分のブランドの店を持つことを目標としている。一緒にヤザガクに入学した山口ツトムは幼馴染で実果子の家の隣に住んでいる。人気のバンドグループ「マンボー」のボーカルである中川ケンに似ており、女子から多大なる人気がある。ある日実果子が学校から帰り、家の前にたどり着くと、ツトムが色っぽい女にキスされている場面に出くわす。女は中須茉莉子。前年のミス・ヤザガクであり、別名ナイスバディ子。中学生時代と変わらずモテモテのツトムであるが、実果子のことはいつも気にかけている。しかし、実果子は16年も一緒にいる仲だからと本当にツトムが好きなのかがわからない。そんななか、ツトムの友達の勇介が実果子とバイクのカブのことで意気投合する。実果子と仲良くなったことをきっかけに、勇介は実果子に接近し始める。勇介のカブに乗って帰ろうとする実果子に対して、ツトムは勇介のカブに実果子を乗らせまいとやけになる。実果子はこれに気づき、ツトムが実果子のことで勇介に嫉妬しているということを理解する。実果子は少しずつツトムの気持ちに気がつき始める。

サークル団体『AKINDO』始動

新学期となり、学年が上がってバディ子は3年生、実果子やツトムたちは2年生になった。ツトムと勇介とジローが、自由にものを作って売るサークル団体『AKINDO』(アキンド)を始める。ツトムが実果子やリサたちに声をかけたことをきっかけに、アキンドの人数が増える。アキンド内でバディ子とうまくいかないことから、アキンドのメンバーに対する勇介の八つ当たりが起きる。その結果、勇介の八つ当たりを真に受けたツトムと勇介の間で口喧嘩が起こる。勇介に「ツトムの本命は実果子」ということを改めて言われ、完全にツトムのことを意識し始める実果子。ツトムは、アキンドの看板娘『ハッピー天使のベリーちゃん』を作り上げる。これは実果子がモデルの作品である。実果子はツトムの愛情を感じ、付き合い始める。アキンド仲間の及川歩は勇介が描いたひまわりの油絵に心揺さぶられたことがきっかけで、勇介のことが気になる。

初めてのフリマ

歩はバディ子に勇介のことが好きだということを伝える。勇介とバディ子は友達以上恋人未満の関係性であった。バディ子は初恋の相手の修のことが忘れられない上に、自分が本気で勇介のことが好きなのかわからないため、勇介と恋人関係になることを躊躇っていた。歩に勇介への想いを伝えられ、改めて勇介と恋人になるべきなのかと自問自答するが、答えを出すことができないため、バディ子は機嫌が悪い。そんな中アキンド初のフリマの日がやってくる。ジローが、実果子のマンションの管理人の陶波法司をモデルにしたパソコンゲーム「ノリジーの逆襲」をフリマに出す。これが人気で、アキンドのフリマに子供が集まる。太田麻衣ことピィちゃんはベリーちゃんをまねたぬいぐるみを出展。ツトムとバディ子の弟の中須新太郎は作った作品を輪投げの商品にして売り上げを伸ばす。アキンドの商品は小学生に大人気だが、実果子の作った服は実果子の体をモデルに作られていたのでサイズが合わず、一着も売れない。実果子はフリマを見に来たヤザガクの先生の浜田に、「着る側に自分のデザインした服を選んでもらわなきゃ」という助言をもらい、服を売るということ、自分が作った服を他人に着てもらうということについて改めて考える。そんな中唯一、実果子の作ったリュックだけが売れる。実果子は初めて自分の作ったものが売れたことにとても感動する。フリマ後、アキンドの活動場所として及川家の所有する倉庫を、アトリエを作るために使えないかと歩に打診し、許可を得る。そこからアトリエを作る計画が徐々に始まる。計画が進行する中、バディ子はインテリア科の課題に四苦八苦する。そんななか、実果子とツトムの合同誕生日会が開かれる。実果子はツトムから、誕生日に写真を入れることができるペンダントをもらう。実果子はなんの写真をいれようかと考えたとき、父親の櫻田広彦の写真が1枚もないことに気がつく。それから実果子は離婚後すぐカメラマンとしての仕事で海外に行ってしまった広彦のことで気持ちが満たされない。後日、父親がいないことをさみしがっている実果子を見かねたツトムは実果子を連れ、広彦が主催する写真展に向かい、そこで偶然広彦に出会う。お互いが仕事で急がしく、気がついたら溝ができていたという理由で離婚したと初めて知った実果子。そして実果子は、広彦が元妻の留里子と実果子のことを今でも愛しているということを知る。

アキンド合宿

実果子の母・留里子は、元夫・広彦とのことを思い出し、実果子とツトムのお兄さん的存在である徳森浩昭の経営するバーで酒を飲みすぎてしまう。それが原因か実果子が家に帰ると留里子が、胃潰瘍が原因でトイレで倒れている。入院が必要なほどの病状に皆が心配する中、ツトムからの電話で広彦が駆けつける。そこで広彦が留里子に2度目のプロポーズをするが返事は保留される。実果子の前では広彦にそっけない態度をとった留里子であるが、後に広彦と二人で温泉旅行に行くなど、仲が悪いわけではない様子。夏休みに入り平日はアキンドの倉庫作りに励む。夏休みの終盤にアキンドで、軽井沢のバディ子の家が所有する別荘へ。そこにバディ子の初恋の相手の修が居合わせ、勇介とバディ子の関係が悪化する。バディ子がコンタクトケースを取りに修の家に向かう。バディ子は修への思いを断ち切れず、勇介はバディ子に振り回される関係に「終わりだ」と告げ台風の予兆がある中、別荘を出て行ってしまう。別荘から出ていく勇介を心配して、歩が勇介を追う。二人が道に迷ったところで嵐が来て洞窟に避難する。一夜明けて二人は帰還する。

学園祭にむけて

アキンドのアトリエが完成して夏休みが終了する。学園祭に向けアキンドのメンバーがアトリエで各々の作品作りに取り組み始める。実果子が家に帰ると留里子の仕事のアシスタントの如月星次が家にいる。星次はツトムと同様にカッコよく、実果子が星次のことばかり話し始める。学園祭に向け、実果子のグループは「マリエ」(ウエディングドレスのこと)をテーマに、課題に忙しくなっていく。後日、実果子があまりにも星次のことばかり話すのでツトムは星次に嫉妬し、ツトムと実果子は喧嘩してしまう。実果子は喧嘩がきっかけで授業に遅刻し課題を出されるが、何とかクリア。ツトムは学園祭でやりたいことがいまいち見つからないまま学園祭が始まる。学園祭には広彦が応援に駆け付ける。実果子は、留里子と一緒に来たのではないのかと聞き、広彦は今日は二人では来られなかったと答えるが、仲が悪いわけではなく、それなりに仲良くやっていると伝える。気分屋の留里子に振り回されてはいるものの、プロポーズ以来二人の仲はうまくいっているようであった。バディ子は単位が取れず卒業できないことを察し、ヤザガク退学を決める。

将来に向けて

服飾科の2年のショーでは、実果子は自作のウェディングドレス姿で登場する。実果子はダントツで個人賞グランプリを獲得。実果子の姉貴分の神崎リサも健闘し、実果子とリサはロンドン留学の権利を得る。しかしリサは彼氏の武史と離れたくないことを理由に留学を断る。また実果子もツトムと離れたくないので、ロンドン留学に迷う。実果子は夢と恋人のどちらを選択するか、ツトムは自分がやりたいことはなんなのか、ということで各々が将来のことについて悩む。実果子がロンドン留学についていろいろな人の意見を聞く中、ツトムは広彦と話をして、広彦の仕事のアシスタントとなることを決意する。

実果子の決断

実果子の母・留里子が懐妊する。相手は広彦で、広彦は留里子とヨリを戻すことになる。。ツトムにも背中を押され、最終的に実果子は留学を決める。アキンドでの最後のフリマを経て実果子のいってらっしゃいパーティーが開かれる。場面が変わり、実果子がロンドンのデザインスクールで新しい仲間たちと仲良くしている。ロンドンでは、実果子はツトムのことを恋しく思いながらも、異国での生活に馴染んでいる。

復活編

クリスマスの日。広彦と留里子の間に生まれた、実果子の妹の実和子はサンタさんに「サンタさんへ お星さまをください。でもむりだったら うさくまちゃんがほしいです」というお願いをする。広彦はうさくまちゃんがどういうものなのかがわからない。広彦は実和子の友達の徳森浩行と永瀬嵐と協力して、うさくまちゃんと星の代わりに金平糖を用意する。

『ご近所物語』の登場人物・キャラクター

矢澤芸術学院の生徒

幸田 実果子(こうだ みかこ)

CV:宍戸留美
ヤザガクの服飾科の生徒。誰よりも服飾に情熱があり、ヤザガクでも一目置かれる存在。中学生時代、目立つ存在という理由でいじめられていた。小学校3年生の夏休みに自分で耳にピアスの穴を開けている。ツトムとは幼馴染で、実果子から見るとサルに似ているので、サルのように扱うことが作品初期は多かったが、ツトムの本当の気持ちに気づき交際を始める。感情的になることが多く、泣くことが多い。気分転換や気持ちの入れ替えに髪の毛をいじることがあり、金髪になったり、ピンク色のショートヘアになったりする。自分の気持ちに素直になれず、よく悩む。身長150cm。6月20日生まれ。

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