機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人（漫画）のネタバレ解説・考察まとめ

宇宙海賊軍の一員。平時は事務、有事の際は管制官を担当している。
木星戦役時にトビアが小惑星で出会った同年代の少女で、その終結後に宇宙海賊軍に参加。トビアと出会うまで両親と小惑星というごく限られた世界しか知らなかったため、どこか浮世離れした雰囲気を持っている。
前作から本作までのクロスボーンの物語は、彼女が文章にまとめたものであるとされている。

木星帝国（ジュピター・エンパイア）

光のカリスト（CV:笹沼尭羅）

木星帝国現総統。右半身の肌は白、左半身の肌は褐色という異様な姿をしている。
エウロペの弟であり、彼女は「同じ母から生まれた」と言っているが、カリスト兄弟は自らを「生まれる前に実験室で分けられた」と言う。これがどういった意味なのかは不明。
超常的な能力を備えた『サイキッカー』と呼ばれる存在であり、双子の弟である影のカリストとは五感を共有している。さらにテレパシーのような力で意思を疎通することが可能で、たとえそれぞれが地球と木星に居ようとリアルタイムで情報を伝えることができる。エウロペ曰く、同じ感覚を持つ二人の人間、あるいは二つの体を持つ一人の人間。
MSパイロットとしては、超一流という言葉ですら生温いほどの技量を誇り、弟とのコンビネーションでギリをも一蹴した。
木星帝国に全てを捧げ、その輝かしい発展のために“神の雷”計画を実行せんと目論む。自らの行いの正当性を微塵も疑わない異常な精神の持ち主だが、その歪んだ信念は「自分たちは正しいことをしているのだから、どれほどの罪を犯しても許される」という一種の逃避の表れでもあった。
最終決戦の最中、影のカリストの死の感覚を感じて狂乱したところをトビアに攻め込まれ、機体に大きなダメージを受ける。コロニー・レーザーを破壊され、“神の雷”計画の失敗を悟りつつ、私怨を晴らすかのようにトビアを狙うも、クロスボーン・ガンダムの機能をフル活用した彼の戦術の前に敗れる。

影のカリスト（CV:笹沼尭羅）

光のカリストの双子の弟。右半身が褐色、左半身が白という兄とは逆の姿をしている。
サイキッカーとしての能力のため、光のカリストとは二人で一人のような存在であり、“現総統の半身”と称される。
周囲には秘していたものの、実はエウロペの心を一方的に盗み見ることも可能で、彼女を不自然にならないよう泳がせることで本人も気づかぬままスパイに仕立てていた。
“神の雷”計画の障害になるものを排除するため、少数の部下と共に地球圏に潜入。姉であるエウロペの心を読んで彼女の行く先々に現れ、タイムリミットまでに木星圏に向かう唯一の手段であるミノフスキー・ドライブを潰して回った。
双子の兄同様にMSパイロットとして桁違いの実力を持ち、地球圏での戦いにおいてトビアたちを終始圧倒し続けた。
大量虐殺以外の何物でもない“神の雷”計画を「正しき行い」と断じ、そのために実の姉すら利用するという高潔さとその裏返しの残忍さを持つ人物。しかし、イカロスを巡る攻防戦の最中、防衛に当たっていたエウロペの死（実際には彼女が“自分は死んだと本気で思いこんだ”だけである）を感知した時は勝利を高らかに宣言しつつも激しく慟哭したり、殊更に自らの正当性を主張する様を「地球に住む数億の命を奪うことに本当は恐怖している」とトビアに看破されて動揺するなど、心の奥底では姉への情と、自分たちの行いに対する罪の意識を抱えていた。
地球圏での戦いで死亡するも、その意識は光のカリストが回収し、人間の脳と同じ機能を持つバイオユニットに移植。最終決戦においてもトビアたちの前に立ちはだかるが、それが本当に影のカリストと同じ人格なのか、光のカリストの妄想なのかはどちらとも取れる形で描かれている。

クラックス・ドゥガチ（CV:永井一郎、麦人）

木星帝国前総統。三年前の木星戦役で死亡しており、本作には登場しない。
ベルナデットの父であり、地球の豊かさを妬むあまりその滅亡を望み様々な計画を進めていた。“神の雷”計画もその一つである。

カラス（CV:茶風林）

木星帝国の工作員にして、高能力者収集官。三年前の木星戦役で戦死し、本作には名前のみの登場となる。
ギリやエウロペ、カリスト兄弟に兵士としての戦い方を教えた人物。敵対していたトビアの才能を高く評価し、自らの手で育てることに執着していた。

カーティス

エウロペの元恋人。五年前、宇宙海賊軍との戦いで死亡した。この別離をきっかけにエウロペはクラックス・ドゥガチの後妻となることを決意するが、カーティスの戦死も含めてカリスト兄弟の策略であることまでは彼女も知らなかった。
エウロペ曰く、優しさ故に自らを窮地に追い込んだり、不必要な重荷を抱えたりといった「バカなところ」がトビアに似ているらしい。

地球連邦軍

ハリソン・マディン（CV:青羽剛、平川大輔）

地球連邦軍の大尉。第17機動中隊の隊長であり、教官だったミノルから“青い閃光”の異名を受け継いだ凄腕のMSパイロット。
真面目かつ実直な軍人で、意外と天然気質なところがある。一方で緊急事態への対応は非常に柔軟で、“神の雷”計画のことを知った後は自分の持ちうるあらゆる権限を利用してトビアたちをサポートした。
「鋼鉄の7人」作戦には参加せず、トビアたちが失敗した場合に備えて少しでも被害を減らせるよう各所へ精力的に働きかけた。結果としては無駄足だった上に、その熱意が裏目に出て政府上層部に疎まれ、軍から追い出されることとなる。
その後ブラック・ロー運送に再就職するも、慣れない仕事に四苦八苦する日々を送っている。
なお、前作から本作までの間に発表された短編において、ロリコンの気質があることが判明した。

サナリィ

オーティス

サナリィ月面開発実験所の責任者。常に厄介事を運んでくるトビアたちのことを好ましくは思っていないが、彼らの実力と実績も評価しており、渋々ながら協力する。
“神の雷”計画のこともデータを見てすぐに信用し、迷惑そうな顔をしつつもミノルたちテストパイロットチームを紹介した。
その後も物資やMSを提供したりと、「鋼鉄の7人」作戦成功のため様々な支援を続けた。

ミューラ

サナリィ月面開発実験所の技術者。
影のカリストによる襲撃で全ミノフスキー・ドライブとそのデータが破壊されても、「私は諦めない、いつか必ずミノフスキー・ドライブを完成させてみせる」と言い切る豪胆な女性。
機動戦士Vガンダムの主人公、ウッソ・エヴィンの母親ミューラ・ミゲルを彷彿とさせる名前と立場の人物だが、性格がかなり異なるため同一人物であるかは不明。