機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人（漫画）のネタバレ解説・考察まとめ

木星帝国の元兵士。18歳。
木星戦役の際はデス・ゲイルズという特殊部隊を指揮する立場にあり、トビアたち宇宙海賊軍を幾度となく追い詰めた。
戦後は木星に帰る手段も無く地球で暮らしていたようだが、どのような経緯があったのかコックになっていた。たった三年で料理人として相当なレベルに達しており、トビアたちが思わず我を失うほどに美味な料理を振る舞い「俺は何をやってもうまくできる」と豪語した。
生身でもMSパイロットとしても超一流の実力を誇り、「前総統の地球滅亡計画は正しかった」と今なお言い切る木星帝国至上主義者。しかし地球での生活の中で多少は丸くなったのか、トビアと軽口を叩き合ったり、「休むのもパイロットの仕事だろう」と呆れながらも仲間を案じたりと、前作の彼と比べてかなり落ち着いた性格になっている。
「高能力者収集官カラスの最も優秀な生徒」という肩書きを背負っていたが、実際はカリスト兄弟こそがナンバーワンであり、ギリはナンバーツーだったようである。そのプライドの高さからカリスト兄弟を強烈に敵視し、彼らを木星帝国の現総統の座から引きずり落すためだけにトビアに協力を申し出る。
コロニー・レーザーを巡る最後の決戦の中、カリスト兄弟と対決。一対一の戦いではしぶとく食らいつくも、兄弟の同時攻撃には対応できず機体に大きなダメージを受ける。その状態で発射寸前のコロニー・レーザーに突撃し死亡するも、機体の爆発でレーザーの射角が僅かにズレたため、結果として地球を救うこととなった。

バーンズ・ガーンズバック（CV:飯塚昭三）

屈強な体格をした壮年の男性。元は木星帝国の兵士で、木星戦役の際はデス・ゲイルズの一員として、トビアたち宇宙海賊軍と幾度となく戦った。戦後は地球に留まり、トビアと再会した時は木こりになっていた。
ベテランのMSパイロットであり、性能の劣る機体でも敵軍のエースに肉薄するほどの技量を持つ。豪放磊落かつ良識的な人物で、「鋼鉄の7人」作戦への参加も二つ返事で承諾する一方、「危険すぎるからお前は来るな」とトビアを案じた。
ギリと違い、三年前の木星帝国の地球侵攻は間違いだったと考えているらしく、作戦への参加はその罪滅ぼしや、どうせ一度は捨てた命との想いもあったようである。
かつて事故で息子を失って以来、死を求めるが如くヘルメットを被らず出撃することを心掛けていたが、「仲間のために少しでも長く生きねばならない」と最終決戦でその誓いを破る。「鋼鉄の7人」最初の戦死者となったが、彼が稼いだ僅かな時間によってギリは特攻し、レーザーの狙いを狂わせることに成功した。

ローズマリー・ラズベリー（CV:まるたまり）

派手な容姿をした女性。30歳。
木星圏では有名な凄腕の女傭兵で、元デス・ゲイルズの一員。
金と血生臭い騒ぎを好む物騒な性格で、報酬さえきっちり払えば決して裏切らない生粋の仕事人。限りなく生存率ゼロに近い「鋼鉄の7人」作戦にも、「私に戦争を持ってきてくれるなんていいところがある」、「報酬たんまり」、「燃える」と大喜びで参加した。
木星戦役終結後、本人曰く「真面目に働こう」と経歴を偽ってアナハイム社に就職。ミノフスキー・ドライブ実験機イカロス（正式名称はスピードキング）のテストパイロットとなる。しかし地球近郊宙域での実験中の事故で大気圏に落下。なんとか地表までは辿り着くも、崖にハマって機体を動かせなくなり、責任を問われることを嫌って逃走。以後はストリップダンサーとして生活していた。
木星帝国の大軍勢を相手に最後まで生き残り、決戦前の宣言通り同じく生き残ったミノルと結婚。しかし享楽的な性格は相変わらずで、夫となったミノルからも呆れられているようである。

ブラック・ロー運送

ベルナデット・ブリエット／テテニス・ドゥガチ（CV:夏樹リオ）

本作のヒロイン。16歳。
木星帝国前総統クラックス・ドゥガチの娘であり、本名はテテニス・ドゥガチ。ベルナデットという名は、三年前に宇宙海賊軍に偶然保護された際に名乗ったものだが、以後それを使い続けている。
貴人としての閉ざされた環境から解放され、憧れ続けた地球で、トビアたちと過ごす日々を満喫していたが、その間に木星帝国が地球を脅かす新たな計画を進めていたこと、その阻止のために多くの者が傷ついていたことをエウロペから教えられて衝撃を受ける。木星帝国を正しく導くことこそ自分の役目と自覚し、トビアとの別離を決意する（宇宙海賊軍の主要人物であるトビアは、木星帝国では大罪人であり、彼を傍らに置いたまま統治することは不可能なため。また、彼自身を暗殺の危険に晒すことにもなる）。
「鋼鉄の7人」作戦の成功を信じ、“ベルナデット”としての自分を捨てて“テテニス・ドゥガチ”として木星帝国に帰還。木星圏で暮らす人々のために尽力する彼女の前に、記憶喪失を語る青年が現れるシーンで、本作は幕を閉じる。

オンモ（CV:根谷美智子）

ブラック・ロー運送社長にして、今も地球圏に残る木星帝国残党軍に睨みを利かせる宇宙海賊軍の現統領。元はクロスボーン・ガンダムの製造元である軍事会社サナリィの技術者で、今でも各地にファンが多い愛嬌溢れる女性。
戦術や戦略面で目立った活躍は無いが、組織をまとめる手腕に長けており、影のカリストに敗北したトビアを気遣ったり、エウロペがスパイなのではないかと疑いドレックに監視を命じたりと裏方仕事に徹していた。

ウモン・サモン（CV:宮澤正、田中和実）

宇宙海賊軍の一員。程々にスケベな老人で、幾多の戦場を戦い抜いた古参兵。ベテランのパイロットだったが木星戦役後の戦いで負傷し、現在はMSの整備を担当している。
随所で“老いてますます元気いっぱい”なところを発揮し、ムードメーカーとして一行を盛り上げた。

ヨナ（CV:滝田樹里）

宇宙海賊軍のMSパイロット。女性。
MSの操縦技術はそこそこだが、肉弾戦の技量に長ける。作中でのやり取りからすると、トビアに格闘技を教えたのは彼女であるようだ。
影のカリストのサナリィ月面開発実験所襲撃の際、瓦礫の下敷きとなり重傷を負う。以後は治療に専念しながらトビアたちの戦いを見守った。

ジェラド（CV:森貞文則）

宇宙海賊軍のMSパイロット。男性。
ナイフ投げの達人で、パイロットとしての技量もかなりのもの。しかし本作ではどちらも披露する場に恵まれず、ヨナと共にサナリィ月面開発実験所襲撃の際に瓦礫の下敷きとなる。ヨナよりは怪我が軽かったのか、見舞いに来たトビアにリタイアするしかなくなったことを詫びていた。

トゥインク・ステラ・ラベラドゥ（CV:釘宮理恵）