映画『君の名は。』で瀧が三葉の名前を忘れてしまった理由【ネタバレ解説・考察まとめ】

神様が気まぐれを起こすといわれる「カタワレ時」がやってくると、その目の前にはお互いの姿が現れ二人の中身も戻ったのである。
ここでやっと二人は初めて顔を合わせたことになる。
瀧は3年前に別れ際に三葉が渡した組紐を三葉に渡し、彗星の落下から糸守を守る作戦を引き継ぐ。

ここで瀧が三葉に「お互いの名前を忘れないように手に名前を書いておこう」と提案する。
油性ペンで瀧が三葉の手のひらに名前を書き、三葉が瀧の手のひらに名前を書こうとした瞬間にカタワレ時が終わってしまう。
やっと会えたというのにカタワレ時が終わるとお互いの姿が見えなくなってしまった瀧と三葉はお互いの名前すらも忘れてしまう。

名前すらも忘れてしまった三葉と瀧。
だが、三葉は友人の協力を受けながら瀧から引き継いだ彗星落下から住民を守る約束を遂行する。
糸守の町は消滅してしまったが、住民の被害は避難命令によってでなかった。
三葉が死んでしまう歴史を書き換える事には成功したのだ。

そして三葉と瀧はお互いのことを忘れてしまった状態でそれぞれの新しい生活をスタートさせた。

お互いを忘れてしまった二人

数年が立ち新たなスタートを切った二人は「ずっと何かを、誰かを探している」と感じながら生活を続けていく。

いつもと変わりのない毎日が過ぎていく中、ある日瀧は電車に乗っていた。
すると向いの電車の窓に見えた女性に強く心を惹かれ、その女性を探すために電車を降りる。

探し回った結果四ツ谷の神社の階段で彼女を見つける。

急に声をかけるのをためらった瀧だが、すれ違ってから意を決して「ずっと君を―」と声をかけると女性は嬉しそうな表情浮かべ「私も」と答える。

二人同時に「君の名前は？」と問いかけ合った場面でこの映画は終わりを迎える。

なぜ瀧は三葉の名前を思い出せなかったのか

瀧が三葉の名前をどうしても思い出せなくなった理由。

それは最後の入れ替わりの内容が三葉をあの世から還らせる入れ替わりだったからである。

入れ替わりには3年のずれはあるが、同じ生きている状態での入れ替わりだったため代償や引き替えるものも無くお互いある程度の記憶は残っていた。

三葉が彗星落下の被害で亡くなり入れ替わりが起こらなくなり、瀧が口噛み酒を飲んだ時に三葉と会うことができたが、3年前には三葉はすでに亡くなっているため、一度亡くなった三葉をあの世から還らせるための代償として自分の一番大切なものを差し出した。

一番大事なものとしてお互いの記憶を差し出したため、名前を思い出すことができなかったのである。

瀧にとって三葉は一番大切なものだったのだ。