ブラックパンサー(MCU)のネタバレ解説・考察まとめ
『ブラックパンサー』とは、2018年公開のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。マーベル・スタジオ製作。2008年の『アイアンマン』から続くマーベル・シネマティック・ユニバース作品の第18作目。
アフリカの小国ワカンダを舞台に、ヒーローにして国王のブラックパンサーとワカンダの支配を目論むヴィラン・キルモンガーとの闘いを描く。
現在、アメリカで史上最も成功したスーパーヒーロー映画。
演 - マイケル・B・ジョーダン、セス・カー(少年期) / 日本語吹替 - 津田健次郎
本作のメイン・ヴィラン。
アメリカ人であり、コサ語も話すことができるが、ワカンダ国民と異なり訛りのないアメリカ英語を話す。
オークランドの貧民として育ち、アメリカの海軍兵学校を19歳で卒業し、MIT(マサチューセッツ工科大学)の大学院を出ている天才。アメリカ海軍特殊部隊Navy SEALsに所属し、アフガニスタンへ赴任。戦場ではゲーム感覚で人を殺し、「キルモンガー(死の商人)」と呼ばれるようになる。その後はアメリカの工作員となり、暗殺や外国政府の転覆を任務としていた。危険人物であるため、エヴェレットは以前から彼のことを知っていた。
殺人をまったく躊躇わず、必要とあらば自身の恋人すら射殺する非情な男。本人曰く「人が死ぬのは普通のこと」であるため。殺した人間の数だけ刻印を体に刻んでいる。
その正体は、ワカンダ人の父親とアメリカ人の母親とのハーフで、前国王ティ・チャカの弟ウンジョブの息子。つまりティ・チャラの従兄弟で、本名はウンジャダカ。オープニングで父親(ウンジョブ)からワカンダの話を聞かされていた子供が彼である。唯一の家族にして、黒人の社会的地位向上を志していた父がティ・チャカに殺され、更に幼い子供だった自身がたった一人でアメリカに置き去りにされたことからワカンダ王家を激しく憎み、父の悲願を果たすため王座奪還を狙う。
たった一人でアメリカの貧民街で育った経緯から、ワカンダ以外の世界で黒人がいかに苦しめられているかを強く理解している。そのため弱肉強食を絶対理論としており、世界を支配する側に回ろうとしている。しかしそのやり方は皮肉にも彼が忌み嫌っている権力者の支配方法と全く同じであり、劇中でもそれをティ・チャラに指摘されている。
このような過程を経て、現在の歪んだ恐ろしい人格となってしまった、悲しい悪役。ティ・チャラは「私達の先祖が犯した過ちが生み出したモンスター」と語っており、オコエからは「憎しみの権化」と評されている。
ズリがワカンダのスパイでウンジョブの死の一因だったことは知らなかったはずだが、ズリ(ジェームズ)とは面識があったらしく、後にズリを殺害する直前に「ジェームズおじさん(Uncle James)」と呼んでいる。「Uncle」はアメリカでは黒人の年長男性の親愛語に用いることがあり、「叔父 / 伯父」という意味ではない。
ティ・チャラに勝利し王座を奪った後は神秘のハーブと金色のパンサー・ハビットを手に入れ、もう1人のブラックパンサーとなる。
戦闘能力はかなり高く、射撃技術をはじめ、ティ・チャラとの格闘の決闘でも正々堂々の勝負で一度は実力で完全に勝利している。しかし、パンサー・ハビットを装着しての戦闘経験とヴィブラニウムの特性についての知識ではティ・チャラに分があったため、最終的にはティ・チャラの機転で一瞬の隙を突かれ敗北。
最期は父が話していた、ワカンダの世界一美しい夕陽を眺めながら死亡。治療を受ければ助かったが、生存してもその後は一生 投獄されることになるため拒否。
ジョーダンは監督のクーグラーとは3度目のタッグであり、本作でも主役級の活躍を見せる。
キルモンガーを演じるにあたってマルコム・X、マーカス・ガーベイ、ヒューイ・P・ニュートン、フレッド・ハンプトン、トゥパック・シャクールなどの黒人社会運動家を参考にしたとジョーダンは語っている。また、本作では『クリード チャンプを継ぐ男』でもジョーダンのトレーナーを担当したコーリー・キャリエトのもとで引き続きトレーニングを行った。
ワカンダ関連
ナキア(Nakia)
演 - ルピタ・ニョンゴ / 日本語吹替 - 皆川純子
ティ・チャラの幼馴染みで元・恋人。リバー族で、元ドーラ・ミラージュ。ワカンダのスパイとして世界各国でアフリカ系の難民などを救う活動をしている。
ティ・チャラと別れた経緯は不明だが、現在でも仲は良好で、本心では今でも愛し合っているらしい。
ティ・チャカの葬儀およびティ・チャラの王位継承の儀式へ参加するためにワカンダに戻る。以降は苦悩するティ・チャラを励ますなど陰で支え続ける。キルモンガーが王座に就いた際には、王室に留まろうとするオコエに「私はティ・チャラとこの国を愛していた。国に尽くすよりも国を救う」と強い意志を告げる。
最終決戦ではリバー族の武器リング・ブレードを駆使してキルモンガーと闘う。
スパイの仕事で国外の苦しめられている人々を見てきたため、ワカンダの閉鎖的な現状には疑問を抱いていた。そのため、エンディングでティ・チャラがオークランドに建設予定の国際支援センターでは支援プロジェクトの監督を任された。
終盤ではティ・チャラと復縁し、ワカンダ王妃となることが示唆されている。
原作コミックでは、ティ・チャラはX-MENのメンバーであるストーム(オロロ・マンロー)と結婚していて、ナキアは「マリス」という名のヴィラン。
シュリ(Shuri)
演 - レティーシャ・ライト / 日本語吹替 - 百田夏菜子
ティ・チャラの妹にして天才発明家のワカンダ王女。16歳。劇中で登場するワカンダの技術のほとんどは彼女が開発したもの。
若さ故に考えは柔軟で、あまり伝統や格式にこだわっていない。新しい発明や国外の文化を取り入れることに積極的。そのため、伝統を重んじるエムバクからは嫌われている。
プロデューサーのネイト・ムーア曰く、世界で最も賢い人間であり、トニー・スターク(アイアンマン)よりも優れているという。
オコエ(Okoye)
演 - ダナイ・グリラ / 日本語吹替 - 斎賀みつき
ワカンダを守る精鋭部隊「ドーラ・ミラージュ」の隊長にしてティ・チャラの右腕的存在。国家に忠誠を誓う気丈な戦士。王国最強と言われている。
キルモンガーが王座に就いた際にはナキアから共に逃げることを薦められるが、「自身はあくまで王座に忠誠を誓った身であり、王が誰であろうと国に尽くす」と主張し、残ってキルモンガーに仕える道を選んだ。しかし本心ではキルモンガーが危険人物であることは理解していたため、終盤でティ・チャラの生還をきっかけに反旗を翻し、キルモンガーと交戦。
スキンヘッドを好んでいるらしく、釜山に潜入した際にはウィッグを着用していたがかなり鬱陶しく思っていた。
ラモンダ(Ramonda)
演 - アンジェラ・バセット / 日本語吹替 - 幸田直子
ティ・チャラとシュリの母親にして、ワカンダの女王。家族と国を愛する聡明な女性で、国王と共に長老達との会議の場にも出席している。夫のティ・チャカがオークランドで犯した過ちは知らなかったらしい。
演じるアンジェラ・バセット曰く、ラモンダとシュリは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でサノスのインフィニティ・ガントレットにより消滅はしていないという。
ズリ(Zuri)
演 - フォレスト・ウィテカー、デンゼル・ウィテカー(青年期) / 日本語吹替 - 玄田哲章、後藤光祐(青年期)
ワカンダの王位継承の儀式を取り仕切る高僧で、ティ・チャラの良き相談相手でもある。若い頃はスパイで、ティ・チャカの命令でウンジョブの監視役を行っていた。
スパイだった頃はジェームズと名乗り、アメリカ人のふりをしてウンジョブに近づき、彼の動向をティ・チャカに報告していた。後にワカンダ人であることを話し、ウンジョブは友人だと思っていたジェームズに裏切られたと激昂し、彼を殺そうとする。それを止めようとしたティ・チャカにウンジョブは殺されることになってしまい、間接的にキルモンガーの暴走の原因の一つとなってしまった。
青年期を演じたデンゼル・ウィテカーは、フォレスト・ウィテカーと血縁関係はない。
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アントマン(MCU)のネタバレ解説・考察まとめ
マーベル・コミックのスーパーヒーローの中でも、身の丈1.5センチの最小ヒーロー「アントマン」を実写映画化した作品。元泥棒の主人公が、天才科学者が発明した、体の大きさを自在に縮小できる特殊スーツを身に包み、科学者の指示のもと、アリたちの助けを借りて邪悪な敵に立ち向かう。2015年制作。
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目次 - Contents
- 『ブラックパンサー』の概要
- 『ブラックパンサー』のあらすじ・ストーリー
- 1992年 オークランドにて
- ティ・チャカの死
- 謎の男 エリック・スティーブンス
- ティ・チャラの国王即位
- ティ・チャカとの再会
- 釜山に侵入 エヴェレット・ロスとの再会
- エリックの襲撃
- エリックの正体
- ウンジョブとの再会
- ティ・チャラの復活 ティ・チャカとの対面
- 最終決戦
- エンディング オークランドにて
- ポストクレジット ティ・チャラの決意/ホワイトウルフ
- 『ブラックパンサー』の用語
- ワカンダ王国
- ヴィブラニウム
- ウォードッグ
- ワカンダ・フォーエバー
- ドーラ・ミラージュ
- ソコヴィア協定
- 装備・武器
- パンサー・ハビット
- 神秘のハーブ
- EMPビーズ
- リング・ブレード
- ヴィブラニウム・ガントレット
- ヴィブラニウム・スピア
- ソニック・スピア
- スニーカー
- キモヨ・ビーズ
- リモート・アクセス・キモヨ・ビーズ
- シールド・バリア
- ソニック・アーム・キャノン
- ヴィークル
- マグレヴ・トレイン
- ロイヤル・タロン・ファイター
- ドラゴン・フライヤー
- ブラックパンサー・ジェット
- LEXUS LC500
- 『ブラックパンサー』の登場人物・キャラクター
- メイン・キャラクター
- ティ・チャラ / ブラックパンサー(T'Challa / Black Panther)
- エリック・"キルモンガー"・スティーヴンス / ウンジャダカ(Erik "Killmonger" Stevens / N'Jadaka)
- ワカンダ関連
- ナキア(Nakia)
- シュリ(Shuri)
- オコエ(Okoye)
- ラモンダ(Ramonda)
- ズリ(Zuri)
- ウカビ(W'Kabi)
- エムバク(M'Baku)
- アヨ(Ayo)
- ティ・チャカ(T'Chaka)
- ウンジョブ(N'Jobu)
- CIA
- エヴェレット・ロス(Everett K. Ross)
- その他
- ユリシーズ・クロウ(Ulysses Klaue)
- バッキー・バーンズ / ウィンター・ソルジャー / ホワイトウルフ(Bucky Barnes / Winter Soldier / White Wolf)
- ギャンブラー(Thirsty Gambler)
- 『ブラックパンサー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「ワカンダ・フォーエバー!」
- オコエ「国に尽くしなさい」ナキア「いいえ、私は国を救う」
- 世界一美しい夕陽
- ティ・チャラ「危機に瀕した時、賢者は橋を掛け、愚か者は壁を造る」
- 『ブラックパンサー』の評価・興行成績
- 評価
- 興行成績
- 『ブラックパンサー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『007』へのオマージュ
- モーション・キャプチャー俳優 アンディ・サーキス
- 『ムーンライト』との関連
- ホワイトウルフ
- 1992年・オークランド
- 『ブラックパンサー』の音楽・挿入歌
- ルドウィグ・ゴランソン『ブラックパンサー(オリジナルスコア)』
- ルドウィグ・ゴランソン, バーバ・マール『ワカンダ』
- ルドウィグ・ゴランソン『United Nations/End Titles』『A Kings Sunset』
- 『ブラックパンサー ザ・アルバム』
- ケンドリック・ラマー, SZA『All The Stars』
- ケンドリック・ラマー, ザ・ウィークエンド『Pray For Me』
- Vince Staples & Yugen Blakrok『Opps』
- その他の楽曲
- Babes Wodumo、Mampintsha『Wololo』
- PSY, Snoop Dogg『HANGOVER』
- Mozzy『Sleep Walkin』
- Run the Jewels『Legend Has It』