ジョジョとその元ネタになった映画まとめ
「ジョジョの奇妙な冒険」から見える、荒木飛呂彦氏の洋画好き。ジョジョ以前の読み切り作品から既に洋画の影響を垣間見ることが出来るが、その好きさは映画の書籍「荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟」（集英社新書）を発行してしまうほど。ジョジョでは全ての部から満遍なく影響を見て取れ、同様に映画が好きな人には思わずクスリとなるエピソードも。ここではそんな「ジョジョの奇妙な冒険」の中でも、ロードムービー色の強い「第三部・スターダストクルセイダース」から幾つかを紐解いて見てみる。
ジョセフとアブドゥルが、ホテルの中で相手に磁気を帯びさせるスタンド使い、マライアに襲われている時間と同時間の物語で、ポルナレフが突然敵の敵スタンド使い「アレッシー（セト神）」に襲撃され、スタンドの能力で小さいこどもにされてしまう。
子供をいたぶることが大好きであるというアレッシーは、執拗な攻撃でポルナレフを追い回す。
シャイニング（1980年・スティーブン・キング原作、スタンリー・キューブリック）
あらすじ
ある冬、ロッキー山上にあるオーバールックホテルの番人として職を得た、小説家志望のジャック・トランス。
猛吹雪で隔離されたホテルの中で不安定になっていくジャックが少しずつ狂っていき、妻と子は彼からなんとか逃れようとホテルを逃げ回る。
アレッシーから逃げるポルナレフが部屋に閉じこもって鍵を閉めた後のシーン。
開かない扉を斧でぶちこわし、不気味な笑いと表情で部屋の中をのぞき込むシーンである。
部屋を覗き込むシーン比較図
映画のパッケージにも採用される程にインパクトが強いシーンである。
キューブリック監督はこの、主演のジャックの「狂気に満ちた表情」を取るために、たった2秒程の映像を2週間、200近く撮り直しをした。
「シャイニング」ではホテルで狂気に囚われた主人公が家族を殺害しようとするが、アレッシーは「自分より弱い存在」を快楽のために殺害してきたことが、最も大きな違いである。
ダービー（兄）とコメディ
ダービー(D'ARBY)（兄）
弟はDIOの秘書として仕えている。
カイロでDIOの館の情報収集を続けるジョースター一行。
なかなか情報が得られない中、カフェにて「近くのネコがどっちの干し肉にネコが食いつくか」という賭け勝負を仕掛けてきたのは、エジプト九栄神・オシリスのスタンド使い・ダービー(D'ARBY)という男だった。
ポルナレフは勇んで賭けに乗るがダービーのイカサマで負け、代償としてスタンドの能力によりポルナレフはコインになってダービーに囚われる。
スティング（1973年・ジョージ・ロイ・ヒル）
コメディ映画。詐欺師の手法を解説したデヴィット・W・モラー著「詐欺師入門」という本を基づいて作られていることから「犯罪映画」として分類されることもある。
あらすじ
詐欺がバレて追われる身となった、30年キャリアをもった伝説的詐欺師が、友人を殺したギャングのボスに復讐するため、相手の元に乗り込む。
ギャングのボスはニューヨーク・シカゴの町を牛耳るとんでもない大物で、一筋縄ではいかない相手だが、持ち前の詐欺の腕で復讐を成し遂げる。
「スティング」が元になっていると言われるシーンは以下のシーンである。
「スティング」ではポーカーのシーンであるが、「ジョジョ」では表面張力ゲーム、と言われるゲームに変わっている。
丁度ポーカー勝負でわざとダービーの名前を間違えるジョセフのシーンである。
「スティング」では伝説の詐欺師である主人公が、友人の仇である大物ギャング・ロネガンの名前を「ロニガン」「ロニマン」と間違えて挑発するシーンだ。
名前を間違えるのは相手を挑発する為に適している。
荒木氏は映画の中でも、ホラーやサスペンス、とりわけ「スティーブン・キング」原作のような、いい意味での理不尽さが秘められた傾向の映画を好んでいる。
他にも有名な海外ドラマ「X-File」も影響を受けており、こちらは最新作も放映された作品だ。
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