進撃の巨人 / Attack on Titan

『進撃の巨人』(しんげきのきょじん)は、諫山創による日本の漫画作品。『別冊少年マガジン』(講談社)で2009年9月9日発売の10月号(創刊号)から連載を開始し、2021年4月9日発売の5月号をもって完結した。略称は「進撃」など。
突如出現した「巨人」により人類は滅亡の危機に追いやられた。生き残った人類は「ウォール・マリア」「ウォール・ローゼ」「ウォール・シーナ」という巨大な三重の城壁を築き、壁の内側で100年の平和を実現した。
しかし、突如として出現した「超大型巨人」と「鎧の巨人」により壁は破壊され、100年の平和は終わりを迎える。
壁の外の世界を夢見る主人公の少年、エレン・イェーガーは壁が破壊されたことにより「ウォール・マリア」の中に侵入してきた巨人に母を目の前で食い殺されてしまう。その光景を前に、エレンは母の敵である巨人を「一匹残らず駆逐する」ことを誓う。
ダーク・ファンタジーという位置づけの本作だが、ファンタジー要素は少なく、科学やそれに沿った軍事など、現実的な面が多い。
国内外から人気を得ており、2010年12月には既刊2巻の累計のみで発行部数が100万部を突破し、アニメ放送開始後はさらに売上が伸び、同年の8月初頭時点で10巻までで2300万部を突破。2019年12月時点では1億部を突破している。

進撃の巨人 / Attack on Titanのレビュー・評価・感想 (2/6)

進撃の巨人 / Attack on Titan
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『進撃の巨人』、壮絶なサバイバルと心理戦のクロスロード

『進撃の巨人』は、人類が巨人に対抗するために戦う姿を描いたダークファンタジーアニメです。
母親を巨人に食われた主人公のエレン・イェーガーは、「巨人を駆逐してやる」という復讐心をもとに、調査兵団に入隊します。
複雑に絡み合うキャラクターたちの心理や緊迫した戦闘シーン、意外性のある物語性と伏線回収は不気味ながらも魅了するものがあり、何度も観返したくなります。

見所としては主人公エレンの成長と変遷、人類最強の戦士リヴァイのカリスマ性、そしてアニメが描く人間の業の深さと伏線回収が挙げられます。
その一方でファンに人気あるキャラクターであっても、巨人との戦闘によって容赦なく殺される無惨な姿に多くのファンから驚きの声が上がり、推しのキャラクターが死んだショックのあまりに観ることを途中で挫折する人もいます。

人類を救うために愛する人を殺して人類虐殺を食い止めますが、「争いの歴史は繰り返される」というメッセージを含んだ最終回は神回と称され、多くの人が涙を流しました。
また壁の外の世界に隠された秘密や、巨人の起源に迫るストーリー展開は、視聴者の想像力を大いに刺激します。
アニメのOPソングは毎回アニメの世界観にマッチしており、そのメロディーと歌詞のかっこよさかに多くのアニメファンが魅了されて話題になっています。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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さくさく読めるバトル漫画ではなかった

タイトルが印象的で斬新、人が食べられるショックなシーンも多くありますが、読み始めもさくさくと進むので読みやすい漫画だと思っていました。
絵は好みがあるので、早々に離脱してしまったり、キャラクターと名前が一致しなかったり、読みにくいなと感じる人もいるかと思いますが、ストーリーをメインで読み進めたい人には問題ないと思います。
魅力的なキャラクターやストーリー的に死ぬことはなさそうだからと安心して読んでいると、予想外な死に方や扱いを受けるので、キャラクターに感情移入しすぎてしまうと辛いかもしれません。そして、途中から話が複雑になり「何だったっけ?」と思うことが多少出てきます。

「まさかそんな展開になるなんて!」と驚きワクワクする設定や、キャラクターの過去等もあるので楽しめないことはないですが、
記憶力に自信があり、伏線回収や考察が好きな方には丁度いいかもしれません。ただ、軽快に進むバトル漫画が好みの人は途中で断念してしまうのではないでしょうか。
ギャグ要素もあり、笑えるシーンもありますがとにかく人が死ぬので推しが死ぬところを見たくない、シリアスなシーンが多いと気分が滅入るという人にはオススメできません。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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これ以上のアニメはない

最初は単に訳のわからない巨人が攻めてきたな程度しか思っていなく、なぜ攻めてきたか、なんの目的か、何年も攻めてきてなかったのになぜ急に攻めてきたのか、いろんな謎があるスタートでした。数話見ていくとそこの謎は一旦忘れてしまうほど、主人公や登場人物がどんな思いで訓練をし、巨人に対しての戦い方を学んでいったのかという点にかなり感情移入してしまっていました。立体起動装置というアンカーを刺して自由に飛び回る描写の映像クオリティにとてつもなく引き込まれ、憧れすら抱くくらい魅力的な移動手段でした。しかし武器はカッターナイフを大きくしたようなかなり古典的な武器で巨人と戦うことになります。少しずつ成長していき、巨人がウジャウジャいる世界を調査していく中で謎が解明していき、長編サスペンスを見ているかのような感情になります。
また他の作品にありがちな強いキャラが途中から越されていって評価を落とすというのがなく、進撃の巨人の最強キャラは最後まで評価を落とすことなく最強です。
主人公がなぜ残酷な世界になってしまったのかがわかってきて、闇落ちしていく様は本当に見てて辛くなります。少し長い作品ですが、時間を忘れてのめり込んで見たいという人にはかなりおすすめ。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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世界の見方が変わる考えさせられる漫画

この作品の最後は誰もが予想もつかなかった衝撃の展開であり、とても深いメッセージ性のあるラストとなっている。
主人公エレンが人類の敵である巨人を駆逐するために立ち上がる物語であるが、本当の敵は歴史の末に生み出された国と国との深い因縁関係そのものであった。しかし、せまりくる他国の敵を倒していくだけでは解決しないと知ったエレンは、自らを悪役に仕立て上げ、最強の巨人となり、両国が協力して世界を救うために、自分を殺させるという展開で終わる。
主人公以外の登場人物はだれもその主人公の思わくに気付いておらず、主人公が死んでから、その計画を思い知らされることになる。
この作品の途中から主人公は仲間と敵対するように別行動を取り始め、仲間は困惑するばかりか、読者もほとんどの人が急な展開に困惑したと思う。ネットでも様々な考察が上げられたが、ほとんどの人の予想をはるかに超える展開であった。
そしてこの物語の考えさせられる要素の一つとして、物語の設定が現実に置き換えられるという点である。
この物語の設定では、片方の国が自国に壁を築き、閉鎖的になってしまったが故、お互い理解しあえぬまま、時代が流れている。その時代背景を知らなくなった国民たちは、歪んだ偏見で歴史を改ざんし、お互いを憎しみ合っているが、現実世界でも、戦争はやまず、国同士はお互いの内情を理解し合えないまま、自国の保身のために戦争を続ける。この風景はまさにこの進撃の巨人の設定と同じであるように思う。
この考えされられる漫画はもはや娯楽の域を超えている。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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人間の優しさと悲しさが詰まった大叙事詩!人類全員進撃の巨人を見ろ!

『進撃の巨人』を知らない人がまだこの世の中にいることが信じられない…。そのくらい、人間にとっての共通神話となってもいいであろうこの物語。
巨人と人間の戦いとして幕を開けたこの物語は、いつの間にか人間同士の悲しく、残酷な戦いの物語となっていた。

人が人として生まれたはずなのに、いつの間にかこの世には格差と差別があり、そして支配するものと支配されるものがいた。
人類史の中で変わらない共通の暴力と悲しみの連鎖を、諫山先生は丁寧に、そして凄まじいドラマを持って描いたのだ。

未だに読み終わった人々の間でも考察が続けられていることから、難解な物語というイメージを持つ人も多いだろう。
しかし、その難解さがわからなくてもきちんと物語の大筋は掴めるし、登場人物全員の背景やキャラクターも理解できる。
その分彼らの死が本当に辛くなってしまうという弊害はあるが、ここまで一人一人のキャラを粒立てて描くことができるのはやはり諫山先生の才能なのだろう。

戦争は悪人によって引き起こされるのではないという、誰もが忘れてしまう事実を、この『進撃の巨人』という物語は力強く描き出している。
人類史における暴力を、巨人というテーマで描くことでここまで読者を惹きつけ、考えさせられる物語が未だかつてあっただろうか。

『進撃の巨人』を知らない人が羨ましい。
最初からあの重厚な物語が読めるのだから。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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最初からずっと伏線だらけ

普段漫画を全巻買うことが滅多にないのですが、「進撃の巨人」は面白く、全巻購入しました。
漫画はアニメには描かれていない細かい所まで描写されています。また、アニメでは本編中ずっとシリアスなので、見逃していた「諫山先生ギャグ」を漫画で発見することが出来てめちゃくちゃ嬉しかったです。
漫画は最初からずっと伏線だらけで、何度も何度も他の巻に戻り「こういうことだったのか」という伏線を回収するのも面白かったです。

人間の生にしがみつく様、生と死をこんなに恐ろしく、でも現実的に描いている作品は初めてでした。最初アニメを見た時は血などが飛び交うシーンが多く、苦手意識がありましたが、見ていくうちに、人間の汚い部分や、意地悪な部分って誰にでもあるよねと思い、とても興味津々で読んでました。
最終的にはエレンが黒幕でしたが、エレンはエレンなりのミカサやアルミン、他の104期生の仲間に対して強い思いがあったから、ああいう風になってしまったのかなと思います。

人生は選択肢だらけという言葉がありますが、この「進撃の巨人」はまさにその通りだなと心から思う作品でした。アニメを見た方も見てない方も是非「進撃の巨人」を読んで欲しいです。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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そこには善も悪も正義もない。生きた軌跡を辿る物語

──あの日、人類は思い出した。奴らに支配されていた恐怖を…鳥籠の中に囚われていた屈辱を…。

人を食べる巨人、そのインパクトと残虐さと恐ろしさにまず目がいく進撃の巨人という作品。
前半は人類VS巨人という構図や、巨人や壁の中の謎に面白さを見出し、そして母を目の前で食べられたエレンの憎しみに共感し、応援しながら読んでいた人も多いと思う。わたしもそうだった。
徐々に明かされる巨人の力を持つエレンの謎、巨人になれる人間や同期の裏切りと絶望…。中盤になると物語は加速的に展開していき、いつの間にか、人類VS巨人という構図から、人類VS人類という構図に変化していた。
この時点でわたしは昔離脱してしまった。
なぜなら、あまりにもリアリティの高い「戦争」であり「政争」だったからだ。
憲兵団との戦いになる頃には、104期生は「人間」を殺すことへの葛藤と業と覚悟を背負わざるを得なく、その苦しみがまざまざとキャラクターに影を落とす。倫理がありながら、策士でメンタルの強さがあるゆえに輝くアルミン、大義が見いだせずに憔悴していくジャンなど、それぞれの性格が現れたリアルな「人を殺すことへの向き合い方」に「人間味」がありすぎて疲れてしまうのだ。
巨人を殺すだけの頃は良かった。シンプルだった。自分たちのまっすぐな覚悟と大義と決意があり、恐怖を乗り越えようと抗い戦う彼らを応援しているだけでよかった。
けれど、進撃の巨人は壁を乗り越える熱い物語ではなかったのだ。
壁の中に生きる人類たちが、より良く生きるために潰し合いに発展してしまう、ヒューマンドラマだったのだ。その時のわたしはそう思った。

アニメ化されたことを機に、数年ぶりに読み返してみると、その印象はまた覆される。
人間同士の戦争や潰し合い、それはたしかにある。裏切りも、政治も、ままならない大義のないぶつかり合いもあった。けれどそれを乗り越え、海に出た時に見たエレンと、その先にある世界。
初めて、エレンは主人公では無いのかもしれない、という気付きがあった。
わたしはエレンの「自由になりたい」「抑圧されたくない」「自分を虐げ、自由を奪うものを駆逐したい」という考え方に、大変共感しながら読んでいた。けれど、エレンはひどく危ういと思う。

後半の始まりは、壁の中である「パラディ島」ではなく、外の世界に広がる「マーレ」から始まる。そこでは、壁の中が島であること、名前がついていることが初めて明かされ、マーレにも壁の中があり、おびただしい数の人が生きていた。
狭い世界から、広い世界への転換。そして、エレンという男の、調査兵団の「侵略者」という描かれ方。

諫山先生には本当に脱帽する。
ここまで壁の中の人類への共感性や応援したいという気持ちを煽りながら、エレンに不穏さをチラつかせ、全ての立場を逆転させたのだ。
アルミンの超大型巨人によって、踏み潰され、蹂躙されるマーレの人々は、ベルトルトによって蹂躙された壁の中の人類と同じだった。あの日のエレンと同じだった。そして、エレンが蹂躙している描写もある。

進撃の巨人はループが非常に良く出来ている。
物事が巡り巡って繰り返されているのだ。
それはパラディ島とマーレもそうだし、単行本の表紙になっている場面もそうだし、戦士として育てられたライナーが悪魔は人だと気づき、戦士に憧れたガビも同様にそれに気づくことも、憎しみによってサシャを殺したガビがその憎しみでカヤに憎まれることもそうだ。

「わたし達はずっと……同じことを……同じことを繰り返してる……」

ガビのこの言葉のとおり、物語では繰り返し憎しみと暴力の連鎖が描かれている。

サシャの父親は、「生きる者を殺して喰らう”森”の生き方、そしてその森はただ、サシャたちが暮らす森だけの話ではなく、全世界が他人を殺して生きていく森なのだと気づいた」と語る。
故に、この憎しみの連鎖を大人が止めなくてはならない、とナイフを手放す。

繰り返される人類の負のループの答えが、これなのだとわたしは思う。

加速していく展開、己の自由のために人類の虐殺に踏み切るエレン、人類に対しての諦念から繁殖機能を消そうとするジーク、それらを止めたい調査兵団たち。複雑に絡み合う謎と思惑の中で、最後に残った答えは「森から抜け出す」こと。

ミカサが選んだ決断、エレンが選んだ決断、始祖ユミルの苦しみ。
エレンを抱きしめるミカサの微笑みと結果は、サシャの父の答えと重なる。

愛と欲望、自由、憎しみの連鎖、そこから抜け出すこと。
それを丁寧に描きながらも、諫山先生の鋭い皮肉性、つまり現実の人間をあまりにもリアリティな肉付けを持って描く結末には感嘆のため息と、一抹の虚しさが残る。

一見、平和な世界が訪れ、希望に満ち溢れたように見えても、時を経るうちに、やがて人類はまたぶつかり合い、戦争を起こし、愚かなことを繰り返していく。
それが人間であり、人類なのだ。

答えを示しておきながら、現実を描く。
諫山先生の手腕にはため息しか出ない。

進撃の巨人は愛の物語でも、正義の物語でも、誰かが勝つ物語でもない。エレンが主人公でも、きっとない。

この世界が辿った歴史を、ただエレンという男を取り巻く視点から、事実を描いただけだったのだ。
わたしはこのマンガを心底恐ろしく思い、そして陶酔している。
この物語は、ただ、そこにあるだけだった。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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最高の作品

主人公のエレン・イェーガーは幼い頃から壁の中で暮らしていた。
この世界では壁の外には巨人がいると言われており、調査兵団以外の者は誰ひとりとして外に出ようとする者はいなかった。
そんな中エレンと仲のいいミカサ、アルミンが外の世界について話す。アルミンは外の世界に憧れており、エレンは調査兵団に入りたいと思っていた。

平凡な毎日を送っていたある日、突然壁が巨人によって破壊された。
一瞬何が起きたか分からなかった民衆だが、巨人が穴から村に入ってきた時にはもうパニックに陥っていた。
「エレンたちも逃げなきゃ」とアルミンが話しかけるが、エレンとミカサは自分たちの家の方へ向かう。しかし自分たちの自宅があるはずの場所は、壁の瓦礫が飛んできてぺしゃんこに潰れており、家の中にいた母は足が瓦礫に潰されて動けない状態になっていた。
そこへ憲兵団のハンネスが現れ、同時に巨人もやってくる。エレンの母に「子供たちを連れて逃げて」と言われたハンネスだが、巨人に立ち向かおうとした。だがあまりの恐怖にエレンとミカサを担ぎあげその場から離れる。その瞬間巨人が母を瓦礫から引きずり出し食ったのだ。その光景をミカサとエレンは目の前で見てしまった。

その後、無事に村から脱出できたがエレンは心に決めた。
「巨人は全員駆逐してやる」と。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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壮大な伏線祭り

進撃の巨人といえば、名前すら聞いたことないという人は少ないだろう。超がつくほど有名な作品で、2023年1月末に漫画界のカンヌと呼ばれる「アングレーム国際漫画祭」において、特別賞を受賞した。そんな偉大な賞を手にした進撃の巨人はなぜあれほど人気であり、引き込まれるのだろうか。私は読み手を興奮させる技術である「伏線回収」に理由があると考える。
まず、タイトルすらも伏線だ。「進撃の巨人」と聞けば、「ああ、人間vs巨人の話かな」と思うだろう。しかし、「進撃の巨人」とは主人公のエレン・イェーガーが継承した巨人の名称である。では、普通の巨人はなんなのかというと、他の国に捕虜にされた同じ民族であり、巨人化する薬を打たれて「無垢の巨人」としてエレンらの領地を襲っていたのだ。つまり調査兵団は、自国の領地を広げるために同じ民族を殺していたということだ。巨人がどこからきたのか、正体は一体何なのか、といった伏線は第1話からずっと張られていたのである。
また超大型巨人が第1話で突如姿を消した理由も、元々人間だからである。無垢の巨人とは違い、特殊な巨人は意識的に人間に戻ることができた。消えたと思ったら、実は調査兵団の中にスパイとして紛れていたという、予想もしなかった展開だ。
これ以外にも伏線はさまざまな箇所に散りばめられている。まだ読んだことない人はもちろんのこと、1度読破した人ももう一度読み返してはいかがだろうか。2度目だから気付くことも山ほどあるだろう。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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進撃の巨人 絶望的で残酷故に輝く世界

『進撃の巨人』という名前は聞いたことがあるけど、どんな内容なのかはよく知らない、という方に向けて、この作品の魅力をお伝えしたいと思います。『進撃の巨人』は、日本の漫画作品の一つであり、アニメ化もされており、その物語は美しく残酷で一度は見るべき作品です。物語の展開、世界観、進むたびに明らかになる真実は常に衝撃的で、同時に新たな謎を生みます。世界観を構成する概念やキャラクターの思考も深く考えさせられます。

進撃の巨人は、人を喰らう「巨人」と呼ばれる存在が跋扈する世界で、人類は巨人の侵入を断つ巨大な壁の中で暮らしています。主人公のエレン・イェーガーは、家族や友人と平穏な日々を暮らしていました。しかし、彼の平穏な日常は、ある日突如現れた超大型巨人により壁と共に破壊され、侵入してきた巨人達により蹂躙され、それが彼の運命を大きく変えることになります。
巨人たちと戦いながら、真実を探求していく過程で、巨人の正体はなんなのか、この巨大な壁はどうやって作られたのか、数々の衝撃的な事実や謎が明らかになります。

『進撃の巨人』の世界観は独特であり、その壮大なスケール感に圧倒されることでしょう。また、物語が進むたびに謎が解けていく様子は、視聴者を引き込み、続きが気になって仕方がなくなります。この作品は、人間の本質や世界の構造にも触れており、単なるエンタメに留まりません。

特筆すべきは、登場人物たちの描写です。彼らは緻密な心理描写を通じてリアリティを持ち、視聴者は彼らと共に成長し、苦悩や喜びを共有することができます。それにより、物語の世界に自然と引き込まれていくのです。

まだ『進撃の巨人』を見ていない方は、漫画でもアニメでもいいので是非一度見てみてください。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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食わず嫌いはもったいなかった

実は『進撃の巨人』を初めて読んだ時、エレンが初めて巨人になったあたりでリタイアした。
あまりにグロくて意味がわからなくて、絵もイカつくて怖くて、ただ気分が落ち込むだけのような気がしてしまい、それ以上読み進める気になれなかったのだ。
しかし単行本がついに完結したということを聞き、時間がある時に一気に読んでみようと二度目のトライをしたら、まんまとハマってしまった。
絶望の連続で暗い気持ちになったのは間違いないけれど、絡まった糸がほどけていくような、少しずつ謎が明らかになっていく展開がとてもスリリングかつスピーディーで、つい引き込まれてしまう。
全巻読み終えたら、間髪入れずにまた第一巻を開いてしまった。
この作品は、二度目に読むとさらに面白い。リタイアして再チャレンジという意味ではなく、結末や展開を知った上で読むと、という意味でである。
序盤からさまざまな伏線が組み込まれており、謎に感じた部分は後からちゃんと種明かしがされる。
まるでロジカルな推理小説を読んだ後のような読後感なのである。
ただ読者を引き込みたいだけではない、意味・意義のある伏線であるため、ストーリー上の無理や歪みが生じることなく、むしろ深みが生まれている。
連載期間の長い大作は終わり方が難しいとよく言われるが、おそらくこの作品は連載開始当初から結末まで考えられていたのだろうと思えるほど、まとまりのある終わり方になっている。その点も大変高評価である。
ストーリーを追うだけでも充分楽しめるものであるが、エルディアと世界の対立が何を暗喩しているのか、どんな教訓を伝えようとしているのか、それらを考察して他者と意見を取り交わすことも、この作品の醍醐味だろう。
『進撃の巨人』は、私にとって何度でも読み返したい、出会って良かったと思える作品となった。
一度読む手を止めてしまった人も、食わず嫌いで手に取っていない人も、先入観を捨てて物語に飛び込んでみてほしい。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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「人類最強の兵士」――リヴァイ・アッカーマンの魅力とは

2021年6月9日、34巻発売を最後に完結した大人気コミックス『進撃の巨人』。2009年9月から約12年の長き連載を経て、ついに人類の対巨人戦争が終結した。その最終回を記念して開催された「第4回キャラクター人気投票」で主人公をおさえて堂々1位に輝いたのは、「人類最強の兵士」――リヴァイ・アッカーマン。彼は所謂脇役であるが、アニメ化された漫画でよくある「主人公より人気出ちゃったキャラ」ランキングでも1位に輝くほど、進撃ファンに大人気のキャラクターだ。では、一体なぜそこまでファンは彼に熱をあげるのか。今回はリヴァイ・アッカーマンの魅力について掘り下げていく。
リヴァイ・アッカーマンの魅力は大きく2つ。1つは何といってもそのずば抜けて高い戦闘能力である。「1人で1個旅団並みの戦力がある」と称えられる程の強さを持ち、「人類最強の兵士」という異名にさえも名前負けしない。調査兵団の精鋭でさえも歯が立たなかった女型の巨人や獣の巨人に対しても、目に追えぬ速さで肉を削ぎ落として敵の戦意を喪失させる。漫画でもその迫力は凄まじいが、映像化した戦闘シーンはますますファンの心を惹き付けただろう。特にアニメ39話「痛み」におけるケニーとの攻防や、54話「勇者」での立体機動裁きは思わず身震いしてしまうほどの迫力なので、ぜひ一度見てほしい。
彼のもう1つの魅力は、戦闘時とのギャップである。まず彼は背が低い。身長160cmとその戦いぶりからは想像できないほど小柄であり、どんどん成長していく部下の背に「お前ら、図体ばかりでかくなりやがって」と零すシーンは思わずクスリと笑えてしまうだろう。それから重度の潔癖症だ。それは王都の地下街出身という過去に耳を疑ってしまうほどで、机や寝台の裏に潜む埃さえ見逃さない。アニメ15話「特別作戦班~反撃前夜2~」で、頭に三角巾を被って窓を勢いよく開ける彼の姿はなんとも言えぬ可愛さだ。そんな潔癖症がゆえに、付着した巨人の血に「汚ぇな……」と悪態をつくこともあるリヴァイだが、仲間の血濡れた手は躊躇なく掴むという仲間想いなところもある。そうした彼のギャップに多くのファンが虜となっているのだろう。
類まれな身体能力と実績で称えられ、作中でも重要な役割を担う「人類最強の兵士」。そんな彼に多くの人が魅力されるのは、彼がその強さをよく魅せようとするのではなく心うちにある人間らしいところを隠さずにいるからだろう。取り繕ったものではなく、ありのままの姿を貫く堂々とした姿勢こそが、リヴァイ・アッカーマンの魅力なのである。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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進撃の巨人の伏線回収が凄い

最も進撃の巨人の伏線回収でわかりやすいのは、第1話の父グリシャの視線です。将来調査兵団に入隊したいと言ったエレンに対してグリシャは「帰ったら、ずっと秘密にしていた地下室を、見せてやろう」と語っていますがこの時のグリシャの目線はエレンではなくおかしな方向を見ております。第1話の時は私は地下室が気になっていましたが、読み返した際に違和感を覚えました。そして後のストーリーで、グリシャは未来のエレンを見ていた事が判明します。30巻121話でエレンとジークは2人の父親のグリシャの過去の記憶を巡る事になりましたがここでエレンは自身と父親が継承していた「進撃の巨人」の能力をジークに明かしました。この力で未来の継承者であるエレンの記憶を見たグリシャは間接的に未来のエレンを見ていたのです。未来のエレンとジークの姿については3巻12話にも描かれており連載当初から意識されていたと考えられています。1話の時点でグリシャの視線が進撃の巨人の能力の伏線となっていると考えるのは難しく読み返して初めて気が付く為、この時は私は鳥肌が立ちました。1話からこの伏線をはり121話で回収をする事に驚愕します。これだけでなく、進撃の巨人には数多くの伏線があります。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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読めば読むほど深みにハマる名作

テレビアニメ化や実写映画化を果たし、一時期は社会現象ともなった作品。
序盤は王道の少年漫画らしく少年少女の葛藤や巨人への恐怖に対する反骨心が強く描かれているが、終盤になり世界構造が明らかになるにつれ物語は複雑に、物々しい空気を纏っていきます。
特に物語開始当初の一つの到達点とされていた海にたどり着いて以降はそれまで描かれていた物語の時間軸から時が経ち、これまで閉ざされていた世界の謎が次々と明かされていきます。わからなかったことが明らかになることにカタルシスを感じる人にとってはそこを読み進めることで深い感動を得ることができるかもしれませんが、自分のわからないことがあるまま物語が進行してしまうのが嫌という方には終盤の空気感は合わないかもしれません。
特に単行本最終巻の本編最終ページの描写には謎が多く、ネット上でも物議を醸していた印象です。
実写映画に関してはオリジナル要素を多分に含む構成であり、独自の世界設定で賛否両論のままに物語は完結しましたが、テレビアニメに関してはファイナルシーズンが未完結であり、原作漫画で明かされなかった謎や伏線に対する回答が追加されるかもしれません。
完結した漫画ですが、まだまだ今後の展開が楽しみな作品だと思います。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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社会現象を巻き起こした「進撃の巨人」

日本のみならず、世界でも超有名な作品。
原作からアニメ、実写まで派生し、一時は社会現象を巻き起こしたほどです。
人類と巨人の生存競争を描いたストーリーであり、人間を捕食対象とする巨人に人類が立ち向かうといった構成となっています。
その戦力差は圧倒的であり、個体によっては10m以上の巨人に人類は無残にその身を食いちぎられるといった惨状の最中、
軍隊を形成し、巨人の進撃に抗う様相が読者の心を惹きつけたと思います。
しかし物語の中身はかなり濃密で、人類VS巨人の一見シンプルな話とは程遠い内容となっています。

■あらすじ
人類は巨人の脅威から逃れる為、約100年以上前に構築した高さ50メートル程の広大な円形上の壁の中に逃げ込み、その中で生活している状況から物語は始まります。
壁は全部で3重式になっており一番外からフォールマリア・フォールローゼ・フォールシーナの命名し、
これらの壁内に身を投じる事で巨人の進撃を阻み、何とか平和を掴んだように思えますが、
活動領域が壁内のみに留められた事で食糧自給難などの問題に加え、まるで鳥かごに閉じ込められたような窮屈な日々を送る様でした。
そんな状況に疑問をもっていた主人公エレン。
失われた領土、そして自由を奪還する為、対巨人用に結成された「調査兵団」の入団を夢見ていました。
しかしながら、母親からは大反対。
戦術を研究・駆使し、洗練された兵団でさえも巨人の前には圧倒的戦力差があり、
打倒の為、壁外に果敢に進出するも、多くの兵士が食い殺され、生存兵が命からがらに帰館してくる様を見ているからです。
それでも巨人打倒を強く思うエレン。
いつか巨人を駆逐し外の世界へ羽ばたいてみせると友人アルミンと息巻いていた矢先、超絶望が襲いかかることに。
高さ50mある壁外から突然顔を覗かせる超大型巨人の顔。
その後、この巨人の攻撃によりフォールマリア(一番外側の壁)が破壊され、無数の巨人たちが壁内に侵入してきました。
老若男女問わず、無慈悲にも巨人たちにその身を食いちぎられていく地獄絵図が展開されていくことに。
エレンはアルミンはそして人類の運命はいかに…。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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人生で1度は読みたい作品

この作品を読んで「こんな漫画初めて!」となってしまうような作品です。
具体的にどんなところが良かったのか詳しく説明します。

まず一つ目は全く展開が読めないところです。
この作品では主要キャラでも平気で死にます。
なので読んでいる時に、「お願い、死なないで!」と思いながら戦闘シーンを読むことができました。
この緊張感はあまり他の作品では感じたことのない気持ちで本当にここの世界に入ったような気持ちになります。

2つ目は精密な伏線とその回収です。1話から貼られた伏線がストーリーの後半まで繋がっているものが多く、
気づいた時には、鳥肌が立ってしまうような伏線も多数ありました。
これは作者さんが物語の流れをしっかりと考えてから書いた結果でしょう。
そのおかげか、このような残酷なストーリーの作品は主人公が強くなるほど面白く無くなってしまうことが多いのですが、
進撃の巨人は後半になるにつれて面白くなっていくような作品です。

最後に3つ目はキャラクター一人一人の魅力です。
この漫画には必要のないキャラクターは登場しません。
始めモブかと思われた地味なキャラクターが実はストーリーの重要人物だったなんてことはザラにあります。
そこがストーリーを予想しずらくしている部分だと思います。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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「進撃の巨人」はシリアスな題材なのに疲れない

人類は“巨人”によって支配され、巨大な壁の中での生活を余儀なくされていた。
100年壊されることのなかった壁に人類は安心して生活していたが、突如現れた“超大型巨人”によって壁は破られ、再び人類の生活は脅かされてしまう。
その5年後、主人公のエレンたちは“調査兵団”へ入団し、巨人を討伐し謎を解明すべく壁の外へ出向く。

「進撃の巨人」は、一言で言うと戦争の話である。
戦争が描かれている作品の視点には様々なものがあるが、この作品は“愛情”が重きを置いているひとつと言える。
キャラクターの家族、恋人とのエピソードや思い出などが、少しずつだが丁寧に描かれている。
また戦争に立ち向かっていく恐怖や、生きるか死ぬかの状況での行動や表情など、人の心情がリアルに描かれていて、感情移入しやすい。
度々登場人物の発言や表情で、読者が騙される箇所があり、真相が分かったあともう一度読み返すと納得できるところが非常に面白い。
そして伏線が多くちりばめられており、単行本のすみからすみまで見逃せないため、2度以上読むのがおすすめだ。
何度も読むのは大変な気もするが、この作品は絵でしっかり表現されている箇所と、大きな吹き出しが多い。
またユーモアのあるコマや擬音、どこかでみたことがある巨人の出現など、シリアスな中でくすっと笑える遊びがバランスよく隠されている。
そのため、読みごたえがあるにも関わらず、さくさくと疲れずに読むことができる。
物語の土台として、作者は北欧神話を取り入れているそうだ。
世界史的な要素もあり、色々な観点から楽しめるだろう。
作中の文字や壁の実際の広さ、作中の世界地図や日の登りかたさえも注目してみてほしい。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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アニメ進撃の巨人75話までを見て

「進撃の巨人」とはどんな物語か?と聞くと大体の人は巨人が人間を喰らっていくダークな物語と答えると思う。
この作品は、怒りや苦しみだけでなく仲間を思うことの大切さや家族愛など、いろいろな面で考えさせられるものとなっている。
物語は、調査兵団の壁外調査の様子から始まる。主人公のエレン・イェーガーが登場するのはこの後だ。
同居人であるミカサ・アッカーマンと薪を集めに行っていた帰路、調査兵団に入団したいと言いだすエレン。
それを全力で止めるミカサ。そんな中壁外調査を終えた調査兵団が帰ってきていた。
本来であれば凱旋と言うのであろうが、その姿は凱旋と言うには程遠かった。
そして、100年破られていなかった『壁』が超大型巨人のたった1発の蹴りによって破られてしまった。
これは135話ある中のほんの触りである。
とても展開がスピーディー、かつ内容もしっかりと作られており、何と言っても登場人物の目を見ていただきたい。
「美しい」の一言だろう。
ただ一つ、ファイナルシーズンに入ってからの内容がとても難しく、重い。
理解するのに何度見返したことだろうか。
それと同時に、何度も見直させる程面白いと思える作品に出会った事は未だかつて無い。
原作は最終話を迎え全ての謎が明かされた。アニメの最終話がとても楽しみだ。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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進撃の巨人、完結!!!!

わたしが人生で一番ハマった漫画です。
初めて漫画の題名を知った時は正直興味も湧きませんでしたし、きっと読まないだろうなと思っていました。
しかし、ふとしたきっかけにアニメの第一話を観ました。
1話からものすごい衝撃を受けてその日はもう一晩中進撃の巨人を観ていました。
アニメから入った私ですが漫画も揃えました。
この漫画、伏線が物凄いんです。
思わぬところで繋がっていたりして、読みながらワクワク、鳥肌が止まりませんでした。
初めは正体不明の巨人を倒していく話なのかなと思いましたが、話が進むにつれ実は今まで敵と思っていた巨人は自分たちと同じ人種だと言うことが分かります。
第一話で衝撃が走ったエレンの母を食べた巨人も実は凄く関わりのある人間だったことも後々分かります。
そのように常人では想像、想定できないことがどんどんおこります。
ただ、マーレが出てきたあたりで巨人が出ず文字ばかりの話が続く所は理解しながら読むのがなかなか難しかったです。
そこで離脱しちゃう人も多いようです。
その話の後がクライマックスに向けてどんどん面白くなってくるので、是非是非おすすめします!!
まだ最終話は読めてないですが楽しみすぎます。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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先が読めない展開が面白い

人類と巨人の闘いを描いた進撃の巨人。
この物語の面白さは人類と巨人の争いを淡々と描いているのではなく、巨人は一体どこからきて、何故人を捕食するのかなど、少しずつこの世界の真実が明らかになっていく展開が面白い。
さらに、仲間だと思っていた人物が壁を破壊した巨人の正体であったり、壁の外には海があり、その向こうにはマーレという大国があったりと、先が全く読めない展開にわくわく感が止まらない。
人類は壁の中にだけ存在しており、壁の外の人類は全て巨人に食い殺されたという歴史を教えられていた人々は、これは全て嘘であり、人類は滅んではいなかったという真実を知ることになる。
人類が必死に戦い続けていた巨人は人間であり、マーレの生物兵器として利用されていたのだ。
ここからこの物語は人類と巨人の争いから、人と人との争い、戦争へと話は展開していくのである。
さらに面白いのが、主人公の心境の変化も見逃せない。
巨人を全て滅ぼしてしまえば自由を手にすることができると信じていた主人公。
しかし、本当の闘いはマーレという大国だけではなく、世界を相手にしなければならないという真実を知ることになる。
そんな主人公はやがて絶望感に陥り、いつしか感情も薄れていってしまうのだ。
人類の希望であった主人公がいつしか、人類にとって脅威の存在として描かれ始めていくのである。
さらにこの物語の面白いところは、宗教、政府、王家、人種、歴史など、現代の我々にも通じる問題点などを考えさせられる内容も含まれているのだ。
是非この作品を手にしてもらいたい。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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巨人だけじゃない!伏線回収好きにはたまらない作品

第1話から伏線となることが現アニメにも繋がっていたりと、1話も見逃せない内容です。
伏線回収があるアニメが好きな人に自信を持ってオススメしたいです!

巨人はどこから来てどこから湧いて出てきているのかなど、全く想像もできないままストーリーが進み、巨人は人間が作り出していたとこを知った時は洗脳が解かれたような感覚になったことを強く覚えています。
その日常生活では味わえない感覚を『進撃の巨人』ではアニメや漫画でも体験できると思います。

更にキャラクターも個性的で、主人公エレンは生き急ぎすぎるところがあり、そこをフォローするのが頭脳派のアルミン。
更に家族を殺され主人公エレンと共に住むことになったミカサ。

それと私が一番に惹かれたキャラクターを。
よくあるクールなイケメンキャラというと、人の心がなく何を考えているのかわからないで主人公やヒロインが振り回されるイメージでしたが、後に登場するリヴァイ兵長は部下を見捨てない心を持ち、主人公の気持ちを優先し動いてくれます。そんなクールキャラのイメージを私の脳内で覆すくらい変えてくれたリヴァイ兵長。
彼の誕生日12月25日は誕生日パーティーが行われるほどの人気ぶりです。

さて、話は戻りますが巨人を作り出したのが人間で、そしてその作り出していた人間側にも生活があり、これからどうなっていくのかまだまだ楽しみです。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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そこにいる恐怖と爽快なアクションの連続

「壁」によって守られた国があり、その壁の外に巨大な人型の生物、通称「巨人」が大量に徘徊している世界が舞台のダークファンタジー世界の物語です。

人類は巨人にとっての食べ物であり、巨人とは意思疎通ができません。また、人類と巨人の力の差は圧倒的で、人類は巨人に食われるだけの日々を送っていました。
ですが、その巨人から身を守るための「壁」を作り、その「壁」のおかげで100年の間、平和に暮らしていました。
しかし、ある日突如として超大型巨人が現れ「壁」が壊されます。人々はなすすべなく巨人に食われるのみ。
人類の文化レベルはルネッサンス期程度のものです。巨人は一瞬で傷を回復するため巨人には大砲も鉄砲も効きません。人々はただ逃げ惑うしかありませんでした。
しかし時は流れ、人類は「立体機動兵器」という人類の英知により生み出された兵器により反撃にでます。大砲も鉄砲も効きませんが後頭部うなじ下部を斬撃することで倒すことができると分かったため、ワイヤーとガスの噴射を使って巨人の首筋を斬ることにしました。しかしこれは、とてつもなく危険な作業であり、人々の戦いへの葛藤や絶望を生み出しています。
ワイヤーによる戦闘はアニメで見るととてつもなくスピーディーでかつスタイリッシュな戦いになっています。特に巨人の首を斬る瞬間はとても爽快です。ですが、超近接戦闘による絶望感も半端なく、恐怖と爽快感を合わせて視聴することになるでしょう。
物語の展開は、なぜ巨人が生まれたのか、壁とは何なのか、外の世界はどうなっているのかを少しずつ描いており、多くの犠牲者を出しているため、毎回ハラハラドキドキの連続です。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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進撃の巨人の魅力とは何か

まず、「進撃の巨人」とはどんな話なのか。何を描いているのか。「どんな作品?」とこの作品を見たことがない人から聞かれたとき少し言葉に詰まって困る人は多いだろう。悩んだ挙句「すごい作品だから見て!」と言うしか無くなってしまう。
しかし、なぜ説明に困ってしまうのか。それは、それぞれのseasonによってどんな作品か、答えが変わってくるからだ。
season1ではグロテスクなホラー作品でありながらも、親が死んだ少年少女が訓練兵として仲間の助けを借りながら大きな敵(巨人)に立ち向かうという、ファンタジー作品にありがちな展開も踏襲している。
season2では訓練兵時代に同じ釜の飯を食った仲間それぞれの話にフォーカスがいく。その先にはまさかの同期による裏切りや意外な過去が明かされるが、ここでもまだ『進撃の巨人』の世界とは何なのかは分からない。
season3part1ではさらに、「巨人と戦う」という前作のテーマから離れ、「巨人とは何なのか」を隠し続ける王政府との戦いになる。ここでは巨人の存在すら忘れかけるくらい人間ばかり出てくる。
season3part2ではついに「世界の歴史の秘密」が明かされる。そこに到達するまでの戦いの描写は、命と戦果を天秤に掛ける「戦争」を想起させられる。
season4ではついに、外の世界の出来事がメインになる。
外の世界では第二次世界大戦時のような生活をしており、飛行船が飛び、機関銃の弾が塹壕の上を飛び交うような戦争をしていた。ここでは現実の人類の歴史をオマージュするような形になっており、初期の頃の「巨人を駆逐する」というセリフでも全く意味が変わる。
このように全体を掴もうとすると、どんどん世界が広がる作品なので、重大な秘密をネタバレしてしまいそうになる。「巨人の秘密」や「この世界の秘密」を明らかにするという話だと言ってしまうと進撃の巨人の全てを表せていないような気がしてしまう。
私が思うこの作品の魅力は登場するキャラクター全員が人間味があり、作中のキャラクターと同じ視点で秘密は何なのか知りたくなるところだ。
口では語らないはずの心の中の声をそのまま台詞にしているアニメはよくある。これには登場人物の心の中を見ている人全員が共有できるという、良い点がある。しかし、現実では心の中を全て口に出して言ってしまうような人物は居ないに等しく、現実に接する人間らしさが失われてしまう。進撃の巨人では、心の動きは表情やキャラクターの言葉の端にみられる。それ故に、見る人や解釈によって違う見方が出来てしまう。だからこそこの作品は人々を魅了するのではないか。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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独特な世界観とその展開に引き込まれること間違いなし

進撃の巨人は諫山創先生によって描かれた、巨人と壁に囲まれた中で育った人類の戦いの物語である。
発行巻数は34巻と少ないが、そのストーリーや内容の濃さから34巻分以上の満足度があることは疑う余地がない。
さらに驚くべきはその構成である。1巻から順に読んでいくと巨人と壁中人類の争いの話だが、途中から世界観が広がり、壁の外さらには海の向こうに人類が存在していることがわかる。
主人公のエレン・イェーガーは超大型巨人及び鎧の巨人侵攻時に母親を殺されてしまう。その出来事をきっかけに巨人を1匹残らず駆逐するという信念を抱き、人類の叡智を集めて結成された巨人討伐部隊「調査兵団」へと入団することとなる。しかしながら、意気揚々と初出撃した作戦で巨人に喰われてしまう。これがなんと5巻目の話である。
進撃の巨人はここからが面白くなってくる。
巨人に喰われたエレンは後に巨人となって味方を守るため巨人と戦うのだ。この時点で読者に巨人は人だったのか?と疑問を抱かせ、その後の話で回収していく。
結局は海の向こうの人類が巨人の力を使い戦争をしていた。壁中人類の先祖はその戦争から逃れるために、巨人の力を利用して壁を築き、閉じこもってしまったのだ。
世界に巨人の力があることにより起こってしまった戦争と壁。それらを全て断ち切るためにエレンは前進する。
進撃の巨人は一通り読み終わっても、途中から再び読んでみるとまた新たな発見があり、とても奥が深い作品となっている。