タイトルまで!? 伏線だらけの「進撃の巨人」
「進撃の巨人」。
あなたはこのタイトルから、どんな物語を予想するだろう?
物語は主人公エレンの幼少期から始まる。エレンは、母と父そして同い年の少女ミカサと「シガンシナ区」という街に暮らしていた。とてものどかで、住人たちの活気も溢れるごく普通の街。
ただ1つ普通と違っていたのは、街の周囲を約50メートルもの壁に覆われていたことだった。この壁は住人たちを”あるもの”から守るためにあった。
その”あるもの”とは…そう「巨人」である。エレンたち住人は、人を食らう「巨人」におびえながら日々暮らしていた。
そんなある日。50メートルの壁をゆうに超える「超大型巨人」の出現により、壁は破壊されてしまう。
侵入してきた巨人から逃げ惑う人々。破壊される大切な街。ただでさえ最悪な状況の中、エレンをさらなる絶望が襲う。それは最愛の母の死だ。倒れてきた家屋の下敷きになり動けなくなった母は、巨人に食われてしまったのだ。
その様を、エレンは目の前で見ていた。母を食らう巨人をものすごい形相でにらみつけながら、エレンは誓った。
「駆逐してやる!」
これは物語の序盤で起こる展開だ。
主人公の母が無残な死を迎え、エレンは悲痛な表情で叫びをあげる。「1匹残らず巨人を駆逐する」と。
あまりに衝撃的な展開…だからこそ、読者はこう思わされる。
これは「エレンたち人間が、敵である巨人を倒す物語である」と。
だが違った。これは「人間vs巨人」の物語ではない。「人間vs人間」の物語だったのだ。
巨人の正体。信じていた友の裏切り。行方不明の父が残したカギと地下室。
物語のあらゆるところにちりばめられた伏線を回収し、登場人物だけでなく、読者をも裏切っていく展開はまさに圧巻だ。
なかでも極めつけは、この「進撃の巨人」というタイトル。
このタイトルにこめられた意味を知ったとき、思わず「そういうことか…」と声が漏れてしまったほどだ。
あなたにもぜひこの衝撃を味わってほしい。