読めば読むほど深みにハマる名作
テレビアニメ化や実写映画化を果たし、一時期は社会現象ともなった作品。
序盤は王道の少年漫画らしく少年少女の葛藤や巨人への恐怖に対する反骨心が強く描かれているが、終盤になり世界構造が明らかになるにつれ物語は複雑に、物々しい空気を纏っていきます。
特に物語開始当初の一つの到達点とされていた海にたどり着いて以降はそれまで描かれていた物語の時間軸から時が経ち、これまで閉ざされていた世界の謎が次々と明かされていきます。わからなかったことが明らかになることにカタルシスを感じる人にとってはそこを読み進めることで深い感動を得ることができるかもしれませんが、自分のわからないことがあるまま物語が進行してしまうのが嫌という方には終盤の空気感は合わないかもしれません。
特に単行本最終巻の本編最終ページの描写には謎が多く、ネット上でも物議を醸していた印象です。
実写映画に関してはオリジナル要素を多分に含む構成であり、独自の世界設定で賛否両論のままに物語は完結しましたが、テレビアニメに関してはファイナルシーズンが未完結であり、原作漫画で明かされなかった謎や伏線に対する回答が追加されるかもしれません。
完結した漫画ですが、まだまだ今後の展開が楽しみな作品だと思います。