「人類最強の兵士」――リヴァイ・アッカーマンの魅力とは
2021年6月9日、34巻発売を最後に完結した大人気コミックス『進撃の巨人』。2009年9月から約12年の長き連載を経て、ついに人類の対巨人戦争が終結した。その最終回を記念して開催された「第4回キャラクター人気投票」で主人公をおさえて堂々1位に輝いたのは、「人類最強の兵士」――リヴァイ・アッカーマン。彼は所謂脇役であるが、アニメ化された漫画でよくある「主人公より人気出ちゃったキャラ」ランキングでも1位に輝くほど、進撃ファンに大人気のキャラクターだ。では、一体なぜそこまでファンは彼に熱をあげるのか。今回はリヴァイ・アッカーマンの魅力について掘り下げていく。
リヴァイ・アッカーマンの魅力は大きく2つ。1つは何といってもそのずば抜けて高い戦闘能力である。「1人で1個旅団並みの戦力がある」と称えられる程の強さを持ち、「人類最強の兵士」という異名にさえも名前負けしない。調査兵団の精鋭でさえも歯が立たなかった女型の巨人や獣の巨人に対しても、目に追えぬ速さで肉を削ぎ落として敵の戦意を喪失させる。漫画でもその迫力は凄まじいが、映像化した戦闘シーンはますますファンの心を惹き付けただろう。特にアニメ39話「痛み」におけるケニーとの攻防や、54話「勇者」での立体機動裁きは思わず身震いしてしまうほどの迫力なので、ぜひ一度見てほしい。
彼のもう1つの魅力は、戦闘時とのギャップである。まず彼は背が低い。身長160cmとその戦いぶりからは想像できないほど小柄であり、どんどん成長していく部下の背に「お前ら、図体ばかりでかくなりやがって」と零すシーンは思わずクスリと笑えてしまうだろう。それから重度の潔癖症だ。それは王都の地下街出身という過去に耳を疑ってしまうほどで、机や寝台の裏に潜む埃さえ見逃さない。アニメ15話「特別作戦班~反撃前夜2~」で、頭に三角巾を被って窓を勢いよく開ける彼の姿はなんとも言えぬ可愛さだ。そんな潔癖症がゆえに、付着した巨人の血に「汚ぇな……」と悪態をつくこともあるリヴァイだが、仲間の血濡れた手は躊躇なく掴むという仲間想いなところもある。そうした彼のギャップに多くのファンが虜となっているのだろう。
類まれな身体能力と実績で称えられ、作中でも重要な役割を担う「人類最強の兵士」。そんな彼に多くの人が魅力されるのは、彼がその強さをよく魅せようとするのではなく心うちにある人間らしいところを隠さずにいるからだろう。取り繕ったものではなく、ありのままの姿を貫く堂々とした姿勢こそが、リヴァイ・アッカーマンの魅力なのである。