機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(鉄オル)のネタバレ解説・考察まとめ
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』とは、2015年10月から2016年3月に第1期(第1話~第25話)、2016年10月から2017年4月に第2期(第26話~第50話)が放送されたアニメ作品。「機動戦士ガンダム」シリーズの一作である。
火星の民間警備会社に所属する少年の三日月・オーガスは、ガンダム・バルバトスに乗って戦うことになる。生き抜くために戦いを繰り広げる少年少女たちの成長や挫折といった人間ドラマが濃密に描かれている。
石動・カミーチェ
ガエリオと対峙したマクギリス。
阿頼耶識システムを備えたガエリオの機体相手に、マクギリスはバエルで善戦する。
しかし一瞬、生まれた隙を突く形で繰り出されたガエリオの攻撃。
自らの終わりを覚悟したマクギリスの機体を、石動の機体が身を挺して庇う。
死の淵にありながらもなお、彼はマクギリスに対して残った部隊をまとめ、鉄華団と戦場を去るよう、マクギリスに告げる。
その言葉にすまない、と告げ、マクギリスは窮地を脱する。
そんな石動に対し、ガエリオは、お前もまたマクギリスが語る理想の犠牲になっている、それがわからないのかと告げる。
石動は、たとえ流血の先であってもマクギリスの下でなら夢を見ることができた、と切れ切れに言葉を返す。
ギャラルホルンにおいて、自分のような後ろ盾のない人間は明日の夢すら見られない。
名門セブンスターズのひとつに生まれついたガエリオに、それはわからない。
私は准将の、と言葉を口にしたところで、石動は絶命する。
オルガ・イツカ
戸籍の書き換えにより、鉄華団の団員たちが新たな人生を始められるかもしれない。
その一縷の望みにかけ、個人情報の書き換えの手続きのため、先に火星を脱していたクーデリアのいるアドモス商会へと向かったオルガ達。
そこで彼は、薪苗やタカキ、アジーが自分たちの力になってくれることを知る。
絶望的な状況の中、微かに見えた希望の光を感じながらオルガはアドモス商会を後にする。
しかし外に出た瞬間、銃弾がチャドを襲う。
更にライドが狙われそうになったのを察したオルガは、身を挺してそれを庇う。
そして薄れそうな意識を奮い立たせ、三日月から受け取っていた拳銃で応戦する。
静寂に包まれた現場。
飛び出してきたクーデリア、アトラが見たのは、血まみれになりながらも前へと進もうとするオルガの姿だった。
俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!だからよ、止まるんじゃねぇぞ…。
切れ切れに言葉を吐きながら、それでも前へ、前へと進み続けていたオルガだったが、やがてその動きも止まってしまう。
鉄華団の団長であるオルガの死は、視聴者に強い衝撃を与えた。
しかし同時、オルガの死の真相が『たまたまその場にいたノブリスの部下が、たまたまそこにやって来たオルガたちを見つけ、上司であるノブリスの判断も仰がずに、ラスタルへ媚を売るために銃殺した』と言うものであったこと。
また指名手配されている身であるにもかかわらず、オルガ達が変装もせずにアドモス商会を訪れていたこともあって、一部の視聴者からは、あまりにも物語の進行的に雑すぎる死に方ではないか、と言う意見も寄せられている。
ちなみに後にスタッフが明かした没シナリオは『オルガが自動販売機でジュースを買おうとして、その隙に銃殺される』と言う内容だった。
だがこれは、そもそもそれに至るまで一度も自動販売機が描かれていないこと、そしてそれを描くだけの時間がなかったと言う理由で却下されたとのこと。
マクギリス・ファリド
ガンダム・バエルの入手に成功したマクギリスだったが、彼の思い通りにことが進むことはなかった。
鉄華団が衰退の一途をたどると共に、マクギリスの道も閉ざされていく。
そしてついに彼はラスタルを討たんと、単身、その座礁艦に乗り込む。
しかしそこで彼を待ち受けていたのが、かつての旧友であったガエリオだった。
ガエリオの銃弾に撃たれ、マクギリスの野望は完全に断たれる。
ガエリオに問い詰められ、マクギリスは心中を吐露する。
ガエリオやカルタには、本当に友情を感じていたこと。
けれどそれを認めると、今までの自分の思いを見失ってしまうそうだから、あえてそうではない振る舞いをしていたこと。
そしてガエリオの妹であるアルミリアに対しては、政争の道具としてではなく、本当の愛情を抱いていたこと。
そしてその後に続く言葉を口にしかけたマクギリスを、ガエリオが制する。
お前が言おうとしている言葉が俺の想像通りなら、俺は許してしまうかもしれない。
だから言わないでくれ。カルタのために、アインのために…俺はお前を。
ガエリオもまた、友情と敵意の間で葛藤していたのだ。
その言葉を聞いたマクギリスは、静かに事切れていくのだった。
ハッシュ・ミディ
アリアンロッドの包囲網から、1人でも多くの団員を逃すべく、奮闘を続ける三日月たち。
その中にはハッシュの姿もあった。
だが僅かな隙を突かれ、コクピットに敵の攻撃が直撃する。
それを気遣うように、足を止めた三日月に対し、ハッシュは言う。
ここは俺の持ち場です!止まんないで、先行って…。ぜってぇ、追いつくんで!
しかし三日月はわかっていた。ハッシュがもう助からないであろうことは。
それでも三日月は、ハッシュに対して、こう言葉を返す。
わかった。ここはお前に任す。頼んだぞ、ハッシュ…!
三日月に追いつこうと、そしていつか、三日月を追い越そうとしていたハッシュにとって、持ち場を任せることを認めた三日月のその言葉は、最大の賛辞以外の何ものでもなかった。
くそぉ…やっぱりかっけぇなぁ…!
三日月に対してのその思いを吐き出して、ハッシュは死亡する。
昭弘・アルトランド
三日月と共に、しんがりをつとめる昭弘。
しかしそんなふたりを、ダインスレイブの猛攻が襲う。
ダインスレイブの蹂躙を受け、機体は半壊、昭弘自身も瀕死に近い重傷を負う。
そんな昭弘に止めを刺そうと、部下たちの制止にも耳を貸さずにイオクは戦場へと飛び出す。
しかしイオクが自らを名乗った瞬間。
昭弘は、自らに止めを刺そうとしている相手がタービンズ崩壊の元凶であり、更にはラフタが命を奪われた元凶とも言える男であると知る。
最後の力を振り絞り、昭弘はイオクの機体に巨大シザーズを突き立て、その動きを封じる。
そしてイオクを機体ごと、圧し潰しに掛かる。
情けない叫びを上げ、何とかして脱出を試みようとするイオク。
彼を助けようと部下たちが飛び出すも、時すでに遅し。
イオクの機体はぺしゃんこに折りたたまれてしまった。
生きてりゃ、いいこともあるもんだな―てめぇを、この手で殺れるとは…。
その一言を残し、昭弘は戦場に散って行った。
三日月・オーガス
鉄華団の団員を守り抜くために。
オルガの意思を守り通すために。
昭弘と共にしんがりをつとめていた三日月。
多勢の敵陣に対しても奮闘していた三日月だったが、圧倒的攻撃力を誇るダインスレイブを前には太刀打ちすることができなかった。
機体は大破。三日月自身も瀕死の重傷を負う。
しかしそれでも、三日月は止まらない。
ほとんど機体と同化しながら、敵機を倒していく。
薄れゆく意識の中で、三日月は、何も持っていなかった自分の手に、今は多くのものが溢れていることを思う。
オルガと共に目指していた、ここではないどこか。
そこに自分たちは既にたどり着いていたのだ。
そんな三日月と相対するのは、ジュリエッタ。
彼女との戦闘の最中、ようやく三日月は力尽きる。
敵でありながら、三日月の存在に大きな影響を受けたジュリエッタは、表向きは悪魔を討ち取った、とこの戦いを表現する。
しかしのちに彼女は、三日月たちはどこまでも人間だった、と口にしている。
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目次 - Contents
- 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の概要
- 物語の舞台
- 地球
- 火星
- 宇宙空間
- 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の登場人物・キャラクター
- 鉄華団
- 三日月・オーガス(みかづき・オーガス)
- オルガ・イツカ
- ビスケット・グリフォン
- ユージン・セブンスターク
- 昭弘・アルトランド(あきひろ・アルトランド)
- ノルバ・シノ
- ヤマギ・ギルマトン
- タカキ・ウノ
- ライド・マッス
- チャド・チャダーン
- ダンテ・モグロ
- アストン・アルトランド
- ハッシュ・ミディ
- ザック・ロウ
- デイン・ウハイ
- ナディ・雪之丞・カッサパ(ナディ・ゆきのじょう・カッサパ)
- メリビット・ステープルトン
- デクスター・キュラスター
- クリュセ独立地区
- クーデリア・藍那・バーンスタイン(クーデリア・あいな・バーンスタイン)
- アトラ・ミクスタ
- フミタン・アドモス
- クッキー・グリフォン / クラッカ・グリフォン
- 桜・プレッツェル(さくら・プレッツェル)
- ギャラルホルン
- マクギリス・ファリド
- ガエリオ・ボードウィン
- アイン・ダルトン
- クランク・ゼント
- カルタ・イシュー
- ラスタル・エリオン
- イオク・クジャン
- ジュリエッタ・ジュリス
- 石動・カミーチェ(いするぎ・カミーチェ)
- テイワズ
- マクマード・バリストン
- ジャスレイ・ドノミコルス
- タービンズ
- 名瀬・タービン(なぜ・タービン)
- アミダ・アルカ
- ラフタ・フランクランド
- アジー・グルミン
- その他の人物
- アグニカ・カイエル
- 蒔苗 東護ノ介(まかない とうごのすけ)
- 昌弘・アルトランド(まさひろ・アルトランド)
- イズナリオ・ファリド
- アルミリア・ボードウィン
- ノブリス・ゴルドン
- ガラン・モッサ
- 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の登場機体(モビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器)
- 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のあらすじ・ストーリー
- 第1期
- CGS編
- 鉄血編
- テイワズ編
- ブルワーズ編
- コロニー編
- 地球降下編
- 地球編
- 第2期
- 夜明けの地平戦団との戦い
- 地球支部からの撤退
- ハシュマルとの激闘
- テイワズからの離脱
- 革命軍への合流
- 敗北と逃走
- オルガの死
- 最後の戦いとその後の結末
- 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の用語
- 世界観・設定
- 厄災戦
- ヒューマンデブリ
- 勢力・組織
- クリュセ・ガード・セキュリティ(CGS)
- 鉄華団
- ギャラルホルン
- セブンスターズ
- 月外縁軌道統合艦隊アリアンロッド
- 革命軍
- 4大勢力
- アーブラウ
- テイワズ
- タービンズ
- 地名
- 火星(かせい)
- クリュセ
- 技術・兵器
- 阿頼耶識システム(あらやしきシステム)
- ダインスレイブ
- 火星ハーフメタル(かせいハーフメタル)
- 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の主題歌・挿入歌
- 第1期
- OP(オープニング):MAN WITH A MISSION「Raise your flag」第1話~第13話
- OP(オープニング):BLUE ENCOUNT「Survivor」第14話~第25話
- ED(エンディング):MISIA「オルフェンズの涙」第2話~第13話、第21話
- 第2期
- OP(オープニング):SPYAIR「RAGE OF DUST」第26話~第38話
- OP(オープニング):KANA-BOON「Fighter」第39話~第50話
- ED(エンディング):TRUE「STEEL-鉄血の絆-」 第14話~第26話
- ED(エンディング):GRANRODEO「少年の果て」第27話~第38話
- ED(エンディング):Uru「フリージア」第39話~第50話
- 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の名シーン・名場面
- 登場人物・キャラクターたちの死亡シーン
- フミタン・アドモス
- ビスケット・グリフォン
- カルタ・イシュー
- 名瀬・タービン/アミダ・アルカ
- ラフタ・フランクランド
- ノルバ・シノ
- 石動・カミーチェ
- オルガ・イツカ
- マクギリス・ファリド
- ハッシュ・ミディ
- 昭弘・アルトランド
- 三日月・オーガス
- 鉄華団の日常生活
- 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の名言・名セリフ
- オルガ・イツカ「あの目に映る俺は、いつだって最高に粋がって、カッコいいオルガ・イツカじゃなきゃいけねぇんだ」
- 昌弘・アルトランド「生まれ変わりがホントか嘘かそれももうすぐ分かるよ…。先に確かめてくるね兄貴…兄ちゃん…」
- 三日月・オーガス「オルガ・イツカ。連れていってくれるんだろ?俺は次どうすればいいんだ?」オルガ・イツカ「ああ分かったよ!連れてってやるよ!どうせ後戻りはできねぇんだ、連れてきゃいいんだろ!途中にどんな地獄が待っていようとお前を…お前らを俺が連れてってやるよ!」
- メリビット・ステープルトン「こんなの間違ってる!ビスケット君だってフミタンさんだってこんなの望んでない!絶対に間違ってる!間違ってるのに…どうしてなの?もう…何も…言えない」
- アストン・アルトランド「俺はお前に…フウカに… 出会わなければよかった。 ヒューマン・デブリは感情なんて 持ってたら生きていけない。 仲間が殺されても悲しんでたら潰される。 俺たちは自分の心を殺して生きてきたんだ。 なのに…なのに…本当に…お前らに… 出会わなければよかった…だって… 死にたくないって思いながら… 死ななくちゃいけないんだからな… でも…ありがとう………」
- 昭弘・アルトランド「生き残ってくれてありがとな」
- ノルバ・シノ「俺ら家族だろ?身内でどうとかピンと来なくてよ」「俺みてぇなの、好きになってくれる物好きもいてよぉ… ユージン、いろんなヤツがいるここが俺は好きだ。 守りてぇよ、鉄華団を」
- アトラ・ミクスタ「ならクーデリアさんも作りましょう、一緒に! 三日月の赤ちゃん!」
- 三日月・オーガス「けど今は…。俺にはオルガがくれた意味がある。なんにも持っていなかった俺のこの手の中に…こんなにも多くのものがあふれてる。そうだ、俺たちはもうたどりついてた…」
- ラスタル・エリオン「なるほど」
- タカキ・ウノ「クーデリアさんがいつか言ってくれた。多くの世界を見て知識を深めることで自分の選択肢を広げられるって。俺分かってきた気がするんです」
- ライド・マッス「オルガ・イツカを覚えてますか?」「ああこっちも終わった」
- 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の魅力
- 登場人物・キャラクターの個性
- モビルスーツ同士の戦闘
- 善悪の判断が付け辛い人間ドラマ