犬夜叉（アニメ・漫画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

珊瑚（さんご）

CV：桑島法子
妖怪退治を生業とする少女。
ポニーテールと黒いピタっとした戦闘服で戦う。
普段は髪を下ろして桃色と白色の着物を着ている。ギャップが楽しめる。

近隣の殿様の依頼を受け親族と共に妖怪退治に出かけた際、弟・琥珀を操られ、家族を皆殺しにされる。
自身も庭に生き埋めにされたが自力で土を掘って生還した。
実家は四魂の玉の生まれた場所にあり、その地を守る一族だった。
一族を殺した黒幕が奈落であったということを知り、奈落を追う犬夜叉に同行する。

飛来骨という妖怪の骨をならした巨大な武器を自在に操る。
雲母（きらら）という巨大な猫に近い妖怪を飼っている。
後に、弟である琥珀が1度死んだ命を四魂の玉によって繋ぎ止められて奈落の配下となっている事実を知り、葛藤する。

恋愛には非常に不器用で、弥勒に思いを寄せながらも、素直に伝えることができない。
また、どんな女性にも「子どもを産んでくれ」と頼む弥勒から1度も子どもをせがまれたことがないことに悩む場面も見られる。
終盤では弥勒との間に無事女児の双子と男児を産んでいる。

七宝（しっぽう）

CV：渡辺久美子
狐妖怪。
立派な狐妖怪だった父親のようになることを夢見ている子ども。
父親の仇である飛天・満天兄弟（まんてんきょうだい）を犬夜叉が倒したことで吹っ切れ、仲間入りした。

恋愛に関しては非常に大人びた意見を吐くことが多く、おませ。恋に落ちやすい。
一人称は「オラ」、語尾に「～じゃ」をつけて話す。

変身能力があり、狐火を使ったり玩具になったり変幻自在。
まるい風船のようなものに変身することが多く、落下時や空中から攻撃する妖怪を相手にするときなど仲間を助けることも多い。

犬夜叉の関係者

桔梗（ききょう）

CV：日髙のり子
巫女。
強大な力を持つ四魂の玉を浄化し、邪悪な心を持つ人間や妖怪から守る務めを果たしていた。

強力な力を持っていたが、犬夜叉と恋に落ちたことにより霊力が低下する。
四魂の玉の力に毒されながらも、正しいことのために使えば四魂の玉の清らかなる力を発揮できるのではないかと考え、犬夜叉に「四魂の玉を使って人間にならないか」と持ち掛ける。

同時期、ひどい火傷を負って落ち延びてきた盗賊・鬼蜘蛛に想いを寄せられ、鬼蜘蛛の邪悪な心と弱さに惹きつけられた妖怪たちが結びつき奈落となる切欠を作る。
結果、奈落の策略により犬夜叉の姿をした奈落に四魂の玉を奪われ、心ない言葉によってひどく傷つく。
犬夜叉を封印した後、四魂の玉と共に焼け死ぬことを望み、火の中で死ぬ。

後に墓土と遺骨から体を作られ蘇り、他人の魂なしでは生きられぬ死人となる。
死人となっても清らかな魂を持ち、様々な方法で奈落を阻止する。
死んでも犬夜叉を諦めきれなかったため、かごめに対しては陰険である。
妹に楓がおり、楓が妖怪に襲われ右目を失ったことに責任を感じている。

敵対勢力

殺生丸（せっしょうまる）

CV：成田剣
犬夜叉の異母兄。
父、母ともに大妖怪であるため、妖怪として高い能力を誇る。
白い豊かな長髪と、額に月、頬に2筋の赤い紋様が特徴の美男子の姿をしている。
爪から強力な毒を出す「毒華爪」を持つ。
真の姿は巨大な犬である。
いつも邪見という子妖怪を傍に置いている。

父親が人間の娘とその間に生まれた半妖をかわいがっていたことを快く思っていない。
父の死後、形見の品に天生牙を貰ったものの、その刀は何も切れぬ刀であったため、もうひとつの形見である鉄砕牙を手に入れるため犬夜叉を襲う。

犬夜叉に左腕を切り落とされ、さらに次に会ったときは鉄砕牙の「風の傷」を喰らい満身創痍で森にひそんでいるところを、口のきけぬ人間の少女・りんに介抱される。
りんに癒された殺生丸は後に、森で人食い狼に噛み殺されたりんを天生牙で蘇らせる。

奈落に利用されたこと、奈落の分身・神楽が目の前で奈落によって死んだことなどがきっかけで奈落を追うようになる。
また、神楽の死を悼む気持ちから天生牙で「冥道斬月破」を打てるようになる。

「冥道残月破」は切った相手をそのまま冥界へ送り込む技。
なかなか完全な円形で打つことは敵わなかったが、りんが冥界で2度目の死を遂げたことで完璧な「冥道残月破」を打てるようになる。

最終話では「どちらでも暮らせるよう」人里に試験的に住むりんに反物を贈っている。
また、最終話の続きを描いたドラマCD『あさって』の中では、りんに対して「いつでも心は繋がっている」というような告白をしている。

りん

CV：能登麻美子
殺生丸に付き従う人間の少女。
野盗に家族を殺された天涯孤独の身で、その時のショックで言葉を話せなくなっていた。犬夜叉との戦いで重傷を負って動けなくなっていた殺生丸を見つけてこれを介抱し、彼に関心を寄せられる。その後狼に襲われて命を落とすも、殺生丸の持つ1度だけ死者を蘇らせる力を持つ刀“天生牙”によって息を吹き返す。
この出来事から殺生丸を慕い、行動を共にするようになる。殺生丸からも目をかけられ、年の離れた兄と妹のような絆を紡いでいく。作中でもトップクラスの実力者である殺生丸と敵対した者は、彼との直接対決を避けてりんを狙うこともたびたびあったが、どれほど危険な目に遭っても殺生丸の側を離れず、彼を健気に信じ続けた。
四魂の玉を巡る戦いが終わった後、かごめたちが暮らす村に預けられる。人として生きる道も、殺生丸と共に歩む道も、どちらを選ぶこともできるようにするためだが、殺生丸はちょくちょく贈り物を持って彼女に会いに来ているそうである。

奈落（ならく）

CV：森川智之、家中宏
盗賊・鬼蜘蛛が桔梗を想う気持ちにつけこみ、鬼蜘蛛の心と体を拠り所に集まった無数の妖怪の集合体。
人間である鬼蜘蛛をつなぎにしたため、半妖である。

変身するのが得意で色々な人間に成り代わって過ごしている。
かごめと犬夜叉の前にはもっぱら病弱な若殿の姿で登場する。
弥勒の祖父に風穴の呪いを与え、珊瑚の家族を奪い、珊瑚の弟・琥珀に四魂の玉を仕込んで手下としている。

四魂の玉の力と、自分の体を使って分身を作るのが趣味で、鏡使い神無（かんな）、風使い神楽（かぐら）をはじめ、人の心を読む悟心鬼（ごしんき）、獣郎丸（じゅうろうまる）影郎丸（かげろうまる）の双子、鬼蜘蛛の心の不完全体・無双、鬼蜘蛛の邪心そのものである赤子（あかご）、幻術を使う夢幻の白夜（むげんのびゃくや）などを生み出した。
その数は8体に上る。

いずれも奈落が生み出した妖怪たちだが、皆それぞれ違う性格をしており、奈落とは目的も違う。
奈落のほうもある程度は野放しであるが、風使いの神楽が殺生丸に恋をし、肩入れをしだしたときは投獄の上拷問にかけ、彼女が風になるよう仕向け殺害。

四魂の玉のかけらを集め、完全な妖怪になるのが目的である。
そのため桔梗を想う鬼蜘蛛の気持ちを邪魔だと感じ、鬼蜘蛛の心を捨て去ろうと色々な手段を講じている。
赤子という形で鬼蜘蛛を捨て去るまでは、桔梗の存在に揺れ動かされるところも多かった。

最後は空中に浮かぶ巨大な黒い球体となり、かごめの「正しい願い」によって四魂と共に消滅する。

『犬夜叉』の用語

四魂の玉

四魂の玉とは、荒魂、和魂、奇魂、幸魂という4つの魂が宿る宝玉。
四魂の玉は妖力を高めるといわれ、人にも妖怪にも力を与え、どんな願いも叶えるとされる。

四魂の玉が誕生したのは、戦国時代からさらに1000年前。
翠子という強い力を持った巫女がおり、妖怪たちは彼女に対抗するべく皆で合体技を喰らわせることに。
合体した妖怪たちは彼女を飲み込んだが、彼女は魂を奪われる直前、妖怪たちの魂を自らの魂に取り込み弾き出した。
そのとき彼女の胸から玉となって放たれたのが四魂の玉。

強大な妖力と強大な霊力を持ったその玉の中では翠子と妖怪たちの魂が、依然苛烈な戦いを繰り広げている。

四魂の玉は不滅の存在であるが、たったひとつの「正しい願い」によってのみ消滅するといわれており、物語最終局面でかごめが玉と共に玉の持ち主であった奈落を消滅させることで物語に幕が下ろされる。