焼きたて!!ジャぱん(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『焼きたて!!ジャぱん』とは2002年より橋口たかしが、『週刊少年サンデー』で連載した漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。
世界中の人々がプロのパン職人を目指していく世界を舞台に、本作の主人公である東和馬が米を超える日本独自のパンを完成させる夢を叶えるために、幾多の困難を乗り越えてパン職人を目指していく。パンの製法やパン用語を学べるだけでなく、仲間やライバルとの絆やギャグも楽しめる作品である。

『焼きたて!!ジャぱん』の概要

『焼きたて!!ジャぱん』とは2002年より橋口たかしが、『週刊少年サンデー』で連載した漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。世界中の人々がプロのパン職人を目指していく世界を舞台に、本作の主人公である東和馬が米を超える日本独自のパンを完成させる夢を叶えるために、幾多の困難を乗り越えてパン職人を目指していく。漫画は2002年5号・6号で連載され、2007年6号まで連載された。本作の人気からか、連載が終了した約11年後に「LINEマンガ」で続編がスタート。『焼きたて!!ジャぱん』は漫画だけでなくアニメでも放送されて、2016年には「Hulu」でも配信された。
新潟県魚沼市の田舎で育った主人公・東和馬が、姉の東稲穂(あずまいなほ)にパン屋へ無理やり連れて行かれた後、パンの美味さに惹かれパン職人を目指したことから物語は始まる。中学を卒業した和馬は大のパン嫌いだったお爺ちゃんや、家族のみんなを美味しいと驚かせるパンを作れるまで成長する。そして、大手ベーカリー・チェーンの「パンタジア」の東京本店で採用試験を受けることになる。後にパンを共に作っていく仲間である河内恭介(かわちきょうすけ)、梓川月乃(あずさがわつきの)、そしてパン職人新人王決定戦の優勝者・諏訪原戒(すわばらかい)と出会うことになる。多くの強敵と競う中で河内や月乃の過去を知ったり、「パンタジア」南東京支店の存亡を掛けたりなどさまざまな苦境に面する。しかし、今まで家族に作ってきた数々の「ジャぱん」と持ち前の手「太陽の手」、仲間とライバルの励みにより「パンタジア」本店勤務へ後一歩のところまで行く。単に自分の力でパン職人を目指すのではなく、師匠・仲間・ライバルの絆や支えによって成長していく物語である。

『焼きたて!!ジャぱん』のあらすじ・ストーリー

「パンタジア」東京本店・採用試験編

新潟県魚沼市(うおぬまし)の田舎で育った主人公・東和馬は、米を主食とする毎日だった。そんな中、パン食が食べたいと思う姉の東稲穂(あずまいなほ)によって、和馬は無理やりパン屋へ連れて行かれる。そこでパンを食べた和馬はパンの美味しさに魅了され、パン作りをするようになる。そして、和馬はパン屋の店主から、日本を代表するパン・「ジャぱん」を目指していることを知る。和馬もその意志を継ぐように、「ジャぱん」を目指してパン職人になることを決意する。

数々のパンを作ってきた和馬は10年後に中学を卒業し、「パンタジア」本店の採用試験を受けるために上京する。試験当日に遅刻してしまった和馬は5点減点されてしまい、不利な状況となる。しかし、それでも人並外れた温かい手「太陽の手」と数々のパンを作ってきた技術により、決勝戦まで残りクロワッサンを作ることとなる。しかし、パン職人新人王決定戦の優勝者・諏訪原戒(すわばらかい)に勝つために、「パンタジア」本店での勤務を目指す河内恭介(かわちきょうすけ)は、和馬と協力することを考える。そして、大げさな身の上話を和馬にし、同情を誘うのだった。それは、火事により父親の河内恭太郎と母親が亡き者となってしまったことにより、弟の河内恭平、妹の河内ひろみのために決勝戦に勝たないと路頭に迷ってしまうという話であった。しかし、母親は生きており、優勝しなかったからといって路頭に迷うわけではなかったのであった。そんな話を真に受けてしまった和馬は、ルール違反であることにも関わらず協力してしまう。決勝戦当日になったが河内の話を真に受け止めてしまった和馬は、河内のために決勝戦を辞退してしまう。それによって、最終的には河内だけが勝ち、優勝してしまう。しかし、後に和馬が河内のために辞退したことを知り、その優しさ故に河内も辞退する。

「パンタジア」本店新人戦編

「パンタジア」南東京支店で勤務する・梓川月乃(あずさがわつきの)は、2人の素質を見込んで和馬と河内を南東京支店で雇う。そこで、店長・松代健の存在を知った和馬達は、店長に認めてもらうために馬でも食べるような「馬味いパン」を作ることになる。河内が作ったパンは馬でも食べたが、和馬が作ったパンは馬に食べてもらえなかった。しかし、和馬の作ったパンは「馬味いパン」を超えるほどの味だったため、松代に認めてもらえたのであった。
松代に認めてもらったものの、目の前に立つ「サンピエール」により、南東京支店が困難な状況に陥っていることを知る。しかし「サンピエール」の店長・摸糊山剛(もこやまつよし)と、南東京支店の存亡をかけた闘いになってしまい、余計ピンチな状況になってしまう。だが、何とか引き分けとなって、南東京支店を守ることができた。

「パンタジア」新人戦の招待状が和馬達の元に来たことにより、和馬達は「パンタジア」新人戦の優勝を目指す。予選を通過するために河内と喧嘩することもあったが、それがライバル関係の絆となり予選を通過する和馬達であった。そして、新人戦当日になったが、またもや遅刻してしまった和馬は減点されてしまう。さらに、1回戦ではバターロールを作る上で重要なバター選びで失敗したため、不合格になったかと思われた。しかし、300度以上の温度で3分間焼成する「べーパーアクション」という製法を用いて、新人戦1回戦を突破する。2回戦では月乃の異母妹・梓川水乃に、月乃を姉呼ばわりすることを条件に勝負することとなる。最高のメロン果汁を使用する相手に、メロンパン勝負では勝ち目がないかと思われた。しかし、別々にパンを焼いて間にメロンペーストを塗るという策により、和馬は勝負に勝つ。ただ、水乃は月乃のことを姉呼ばわりしない上に、月乃が「パンタジア」の後継者争いを辞退するよう新たな条件を出す。それによって、今度はコアラの着ぐるみを着ているコアラに勝たなければならないようになる。3回戦では焼きそばパン勝負だったが、焼きそばさえも作れない和馬。しかし、修行により焼きそばパンを作れるようになり、「パンタジア」名古屋支店に勤務する・S(スペンサー)H・(ヘンリー)ホコーに勝つ。和馬はようやく準決勝戦でコアラと闘うことになる。しかし、それはかつて闘った摸糊山であった。和馬に敗北した摸糊山は本気モードになり、以前よりも苦戦することになってしまった。しかし和馬は通常の温度よりもかなり低温で、長時間焼成する「超低温時間焼成」を用いたパンを作り、摸糊山と引き分けになる。「パンタジア」の後継者争いを辞退しなければならない水乃だったが、月乃の許しによりなしとなった。

いよいよ決勝戦となり、和馬、河内、諏訪原、冠茂と4人が残った。河内は冠と闘うことになったが、月乃の異母姉・梓川雪乃の非道な手により無残な敗北をしてしまう。それは雪乃がタンパク質分解酵素である「エンド・プロテアーゼ」を恭介の生地に仕込ませたために、恭介は生地をこねることすらできずに敗北してしまったことである。その敗北により、戦意を失ってしまった和馬だったが、河内の励ましにより戦意を取り戻す。そして、戦意を取り戻した和馬は鉄の10倍以上の赤外線を放つ「ペターライト」を使用し、諏訪原に苦戦することなく勝つ。決勝戦では冠と闘うことになったが、雪乃によって「ペターライト」を粉々に破壊されてしまった和馬は、勝ち目がないかと思われた。しかし、蛋白強化剤と呼ばれる添加物「バイタルグルテン」を2倍にしたものを使用し、見事優勝する。優勝した和馬はフランスへ留学することとなり、河内も冠からフランス留学への権利を貰ったことにより、フランスへ留学することとなる。

モナコカップ編

フランスへの留学は、「パンタジア」の有望な新人が参加する「モナコカップ」を目的としたものであり、和馬達は日本代表としてそれに参加することとなる。しかし、「モナコカップ」は「パンタジア」本店よりも厳しいものとなるため、「PG(パンタジアグループ)」最高とされる「マイスター」の称号を与えられた人物であるマイスターの妹・ソフィの元で修行をすることとなる。ソフィの元で修行を終えた和馬達は、修行をさせてくれたソフィへのお礼として、フランスの中でもトップのパン職人の家計・カイザー家を倒すために優勝することを誓う。

「モナコカップ」の公開試合(エキシビション)の日となり、日本を代表とするパンをアピールすることとなったが、河内の策によりとんでもない事態になってしまう。それは日本の倍率を一気に上げるために、河内がデコレーションブレッドとなることだった。一気に倍率が上がったが、非難を食らった上に減点されてしまうのであった。不利な状況となってしまったが、和馬達の奮闘により本戦一回戦まで突破する。しかし、そんな日本を潰すために「サンピエール」のオーナー・霧崎雄一(きりさきゆういち)は、「モナコカップ」の運営委員長・"ユルリック・ラメ"と本戦二回戦の場所を変更する。和馬達は無人島の端っこで試合することになった上に渦に巻き込まれたり、山火事に巻き込まれたりなどとんでもない惨劇に遭う。それでも何とか本戦二回戦をクリアするが、霧崎の謀略によりなかったことになった上に、生きて帰ってこれないといわれる洞窟で試合することになってしまう。しかし、モナコ秘密警察のリーダー・ファラオの助けで何とか脱出し、課題の甘くて美味しいパンを完成させてクリアする。

いよいよ準決勝となり、各国の誰かが最も美味しいパンを作っていれば勝ちというルールにより、和馬ばっかりに頼りっきりだと考える河内と諏訪原は燃える。しかし、カイザー家の長男・グランカイザーが持つあらゆる固さのパンをこねることが可能な「女神の手(ラ・マン・デユヌ・デエヌ)」によって作られたパンにより、結局和馬なしでは勝てない状況になってしまう。一方和馬は試合に必要な食材の調達のために、世界中の食材が集められている「モナコ宮殿」に行ったきりで、制限時間が迫っているのに帰ってこないのであった。だが、制限時間があと少しという場面でやっと和馬が登場し、最高のスポーツパンを持って来たことにより日本が勝利する。

決勝では各国の一人ひとりが闘うことになり、今度こそ自分達も活躍できると意気込む河内と諏訪原。しかし、ホコーに加えて霧崎の技術を100%コピーした”シャドウ・ホワイト”、菓子職人選手権の覇者”モニカ・アデナウアー”と闘うことになり和馬達はかなり苦戦する。だが、タイムスリップさせてしまうほどの和馬のパンにより優勝する。

『焼きたて!!25』編

「モナコカップ」で優勝し賞金を得た和馬達に、霧崎は新たな提案を出して勝負を申し込む。それは和馬達が勝ったら霧崎の所有する株を全て貰えるが、負けたら優勝した賞金を持っていかれてしまうということだった。罠の可能性もあるため躊躇するが、世界中に美味しいパンを広げられる機会でもあるため、和馬は勝負を受けるのだった。『焼きたて!!25』というテレビ放送を通して、各地でパン勝負をすることになった和馬達はまざまな強敵と闘うのだった。日本最強のアイドル料理人集団「CMAP」やかつての強敵摸糊山、「ごはんですよ!」で有名な三木のり平などさまざまな強敵と闘い、完全な勝利まであと一歩のところまで行く。

「魔王」編

霧崎は自分が作ってしまった人間を洗脳するパン・「魔王」によって自我をなくし、パンと人間の融合生命体「ヒューパン」になってしまう。「魔王」の販売によって人々を「ヒューパン」化し、全世界を支配しようと企む霧崎は、それを阻止しようとする和馬達にある条件を出して勝負を申し込む。それは和馬達がパン勝負で勝ったら「魔王」の販売を阻止し、負けたら「魔王」を食べるということだった。和馬達はその勝負に勝つために、東馬次郎から古代小麦を貰う必要があった。しかし、和馬の「ジャぱん」を嫌う馬次郎はそれを阻止すべくある条件の下で、恭介に和馬と勝負させるのであった。それは和馬とのパン勝負で勝ったら恭介は古代小麦を貰える代わりに、和馬は「ジャぱん」の開発をやめるということだった。しかし、その勝負で馬次郎の好きな日本酒やぬかみそを使用したパンを和馬が作ったことにより、馬次郎に「ジャぱん」の開発の継続を認めてもらった上に古代小麦まで貰えたのであった。そして、霧崎と勝負する日になり、和馬は古代小麦を使用して最高の「ジャぱん」を完成させる。それによって正気の霧崎を取り戻したが、本当の姿を表した「魔王」と闘うことになってしまった和馬達であった。しかし、和馬の作ったパンを食べた河内により、「魔王」は倒されるのであった。

「地球温暖化防止」編

「魔王を」倒し、「ヒューパン」化を阻止した和馬達はいつもの日常に戻り、それぞれの生活を送る。そんな中、河内はモルジブ人の少女・ミーシャに会い、地球温暖化を防止するよう頼まれる。和馬達にも相談したところ、河内、黒柳、ピエロが「ジャぱん」を食べ、そのリアクションにより地球温暖化を防止するということであった。黒柳、ピエロが地球温暖化の防止に失敗してしまったことにより、河内のリアクションによって地球温暖化を防止することに期待する和馬達であった。「ジャぱん」を食べた河内はダルシムになり、世界中の陸を浮かび上がらせたことにより、地球温暖化は防止できなくとも沈没を防止するのであった。その活躍により、和馬達はまた平和な日常へと戻り、3年後に和馬は国民栄誉賞を受賞する。

『焼きたて!!ジャぱん』の登場人物・キャラクター

主要人物

東和馬(あずま かずま)

CV:小林由美子
本作の主人公であり、”太陽の手”の持ち主。姉の稲穂に連れていかれたSt.Pierre(サンピエール)で、パンの美味しさを知り日本独自のパン・「ジャパン」を作ることを目指すため、パン職人になることを決意する。
月乃から貰ったカチューシャで、長髪の前髪を押さえており、喋り方は語尾に「だ」が「じゃ」に変化した訛りとなっている。その他、「~なんじゃ」、「するんじゃから」なども使用。
パン用語はろくに知らないが、天才肌によりパンタジア新人戦で優勝したり、モナコカップで優勝したりなどパンではトップの実力を持つ。しかし、パン以外の料理に関しては苦手で、焼きそばすらもまともに作れなかったほど。国語が大の苦手だが、数字に関しては非情に強い。
数々の苦難を乗り越えて、最終的に究極のジャぱんによって世界を救い、国民栄誉賞を受賞した。

河内恭介(かわち きょうすけ)

CV:阪口周平/幼少時代:杉本ゆう
本作の準主人公であり、和馬と同じパンタジア本店採用試験を受けた青年。大阪府八尾市出身で自らの稼ぎで弟や妹を養っており、「なんやて!?」が口癖のいじられキャラ。努力家で熱血漢な性格だが、臆病者でもあるためほとんどネタ扱いされてしまう。当初は汚い手を使ってでも合格するつもりだったが、和馬の優しさに心を打たれ、採用が決まっても辞退する。物語が進むにつれて、仲間を優先的に思いやるほどまで成長し、世界を救うために大きな活躍をした。しかし、その代償に最後もネタキャラで、終わってしまうのであった。

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