MAO(マオ)のネタバレ解説・考察まとめ
『MAO』とは、高橋留美子によって2019年より『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載されている、現代に生きる少女と900年を生きる陰陽師達の冒険を描いたタイムスリップファンタジー漫画である。事故で両親を亡くした少女菜花(なのか)は、シャッター街に足を踏み入れた途端怪しげな世界に辿りつく。突如化け物に襲われる菜花。そこで出会ったのは一人の少年を連れた男摩緒だった。偶然出会った二人には意外な共通点が。スリル・陰謀・そして淡い恋心が魅力的なダークファンタジーだ。
菜花の祖父で本名は不明。菜花の両親が事故で死亡して以来、お手伝いの魚住フナと共に生活している。大正時代に行って戻ってくる間に生じる時間のずれの関係で長期間菜花が行方不明になっている時にも、心配はするが声を荒げて追及することもない穏やかな性格である。菜花自身も度々「優しいおじいちゃん」と述べている。
大正時代にタイムスリップした後の菜花が摩緒から与えられた解毒剤の影響によって記憶を取り戻した結果、菜花が事故に遭った際には危篤状態だったことが判明した。祖父の入院する病院に向かう途中大正時代にタイムスリップした幼い菜花は、摩緒と現代の菜花によって救われ現代に戻るが、猫鬼に器として目をつけられて襲われ心肺停止に陥る。搬送された先の病院にいた祖父は危篤状態から奇跡的な回復を見せ、大正時代の記憶を失った菜花と共に何事もなく過ごしてきた。
菜花から話を聞いた摩緒は「現代に逃げ延びた猫鬼が、死にかけた者の寿命を延ばした」ことを悟り、乙弥は祖父を生かした理由を「幼い菜花を護り、育てる存在が必要だったのではないか」と推察している。
また現代に逃げた猫鬼から菜花を護る為に飛ばした式神の魚住フナ曰く、菜花が不在の際はほとんど動かないか眠って過ごしていることが判明する。
魚住フナ(うおずみふな)
魚住フナ(うおずみふな)とは菜花の両親が事故死した後に現れた住み込みのお手伝いである。正体は人間ではなく、現代に逃げ込んだ猫鬼から菜花を護る為に摩緒が飛ばした守護の式神だった。形代が魚だった為「黒目が大きく目が丸い」といった魚の特徴が現れた外見をしており、正体を知った菜花も「子供心に人間離れした人だと思っていた」と述べている。猫鬼が大正時代から現代に逃げた後のいきさつを菜花に話した。
猫鬼から菜花を隠すため、菜花の妖力をそぎ落とす特性の薬草をブレンドしたスムージーを毎日提供している。事情を知った後の菜花が「スムージー必要無いんじゃないかな?」と飲むことを拒否した際には、「お嬢様(菜花)はまだ猫鬼と戦う方法を知りません。こちら(現代)にいる間は毎日飲んでいただきます」と圧力をかけている。
菜花が現代で初めて猫鬼と遭遇した際は猫鬼の結界を鎌一本で破り菜花の元へ駆けつけたが、家の中に侵入した際には術によって行動停止状態に陥っており悔しがっていた。菜花の祖父の事は「旦那さま」と呼んでいるが、菜花が不在の際ほとんど動かず眠り続ける様子を見て、「まるで菜花お嬢様の為だけに生きているようだ」と感じている。
白羽(しらは)
菜花に好意を寄せる男子学生で、博識で調べ物が得意なため菜花の調べもの(陰陽術や要石など)に度々付き合っている。「俺は何を調べさせられているんだろう」と疑問に思う事はあるが、困っている様子の菜花を見て「頼ってくれていいんだよ」と視線を向けてアピールしている。菜花の部屋に入った際には年頃の男の子の様にそわそわした表情を見せていた。
式神
乙弥(おとや)
乙弥(おとや)とは摩緒が人形に霊力を籠めて生み出された式神である。一人称は「手前(てまえ)」で常に丁寧な口調で話しており、てきぱきと仕事をこなすため菜花から「頼りになる」と評されている。帽子をかぶった少年の姿をしており、手には櫂のようなものを持っている。本体の人形が無事であれば胴体を分断されても復活できるが、あまり大きな傷だと修復することができない。
人形から生じた式神で土の属性を持っている為水の陰陽術には強く、封じられた百火の結界を解いて窮地を救ったことがある。また本体に翼を取り付けることにより空を飛ぶことができる。
与えられた命令に対しては沈着冷静にこなしており、主人である摩緒が瀕死の状態の際「このまま死んだら亡骸は深く埋めるように」という命令を受けても顔色一つ変えることはなかった。一方で菜花の機嫌を取るための外出から戻ってきた摩緒に「楽しかったですか?」と尋ねた際、「楽しかった」と答える摩緒の表情が普段通りだったことを受け、内心で「表情の読みにくい方だ」と述べていた。
紅子(べにこ)
紅子(べにこ)とは華紋が使役している式神で、牡丹の花から生じている。華紋の代理として摩緒の迎えに赴くなどの仕事を行うこともあるが、華紋が摩緒の診療所で一晩宿泊した際には見張りとして鎌を携え警戒していた。
蛟(みずち)
蛟(みずち)とは不知火が使役している式神で、口から水の術を吐き出し攻撃する。不知火のいる社まで摩緒を連行しようとした際には、「子供の病を治す」という約束の元摩緒の蟲毒壺を人間の母親に盗ませたが、摩緒が現れた後は「用済みだ」と親子を切り捨てようとするなど冷酷な性格をしている。蓮次が約束を破り往来で人を殺した際には警告に現れていた。
『MAO』の用語
蟲毒(こどく)
蟲毒(こどく)とは呪術の一つであり、虫やムカデなど様々なものを一つの場所に閉じ込めて喰い合いをさせ生き残った一匹が強力な呪いに変ずるものである。平安時代猫鬼の身体と融合することで900年もの時代を生きてきた摩緒だが、身体は限界に近く蟲毒の汁を定期的に飲んで体力を回復させていた。しかし不知火の手先である式神の蛟によって壺が割られてしまい、乙弥が一から作り直している。摩緒によるとこれまで摂取してきた蟲毒の汁は乙弥が数百年をかけて完成させた一品だったそうだが、最初の蟲毒が出来上がるまでに四十九日かかると言われている。なお猫鬼や蓮次が扱っている苛火虫も蟲毒から生み出されていた。
破軍星の太刀(はぐんせいのたち)
破軍星の太刀(はぐんせいのたち)とは、御降家の後継者に選ばれた摩緒がその証として師匠から賜った刀である。しかし破軍星とは北斗七星の第七星に当たり、その方角はすべてが凶であるという不吉な刀だった。摩緒や紗那は不吉な刀であるという事を認識していたが、百火や華紋は「便利な刀だな」と発言している。
館を襲撃してきた猫鬼の首を切り落とした刀であるため刀も呪われており、猫鬼に呪われたもの以外が刀に触れるとたちまち血を噴き出して絶命する。百火も摩緒と再会した直後刀を奪い、血を噴き出して完全に死亡していた。
野党や盗賊によって刀を手放すことはあっても、破軍星の太刀は最終的に必ず摩緒の元へ戻るようになっている。摩緒が白眉の結界によって攫われた際には、摩緒の元へ向かおうとしている破軍星の太刀を菜花が持ち、華紋や百火と共に摩緒の救出に向かった。
なお菜花は猫鬼に呪われているため刀を扱うことができるが、コントロールすることができないため式神である乙弥の身体を真っ二つにしたことがある。
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目次 - Contents
- 『MAO』の概要
- 『MAO』のあらすじ・ストーリー
- 謎の世界と陰陽師
- 呪われた者達
- 摩緒の過去
- 猫鬼の復活
- 後継者争い
- 新しい武器と夏野の謎
- 猫鬼とよみがえった男
- 新たな水の術者
- 呪い屋の姉妹
- 『MAO』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 摩緒(まお)
- 黄葉菜花(きばなのか)
- 平安時代の陰陽師
- 百火(ひゃっか)
- 華紋/朽縄(かもん/くちなわ)
- 夏野(なつの)
- 真砂(まさご)
- 白眉(はくび)
- 不知火(しらぬい)
- 大五(だいご)
- 御降家(ごこうけ)の関係者
- 猫鬼(びょうき)
- お師匠様
- 紗那(さな)
- 幽羅子(ゆらこ)
- 灰丸(はいまる)
- 藻久不(もくず)
- 大正時代の人物
- 鐘呼(しょうこ)
- 宝生かがり(ほうしょうかがり)
- 加神双馬(かがみそうま)
- 蓮次(れんじ)
- 御手園芽生(みたぞのメイ)
- 流石(さすが)
- 貂子(てんこ)
- 現代の人物
- 菜花の祖父
- 魚住フナ(うおずみふな)
- 白羽(しらは)
- 式神
- 乙弥(おとや)
- 紅子(べにこ)
- 蛟(みずち)
- 『MAO』の用語
- 蟲毒(こどく)
- 破軍星の太刀(はぐんせいのたち)
- 陰陽術
- 火の陰陽術
- 木の陰陽術
- 水の陰陽術
- 土の陰陽術
- 金の陰陽術
- 関東大震災
- 要石(かなめいし)
- スムージー
- 平安時代の屋敷
- 御降家(ごこうけ)
- 五色堂(ごしきどう)
- 捨童子の家(すてどうじのいえ)
- 大正時代の拠点
- 診療所
- ミルクホール
- 『MAO』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 摩緒に抱き着いて赤くなる菜花
- 華紋「おまえごときが真砂を呼び捨てにするんじゃねえっ!」
- 『MAO』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『MAO』と『犬夜叉』のコラボ