MAO(マオ)のネタバレ解説・考察まとめ
『MAO』とは、高橋留美子によって2019年より『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載されている、現代に生きる少女と900年を生きる陰陽師達の冒険を描いたタイムスリップファンタジー漫画である。事故で両親を亡くした少女菜花(なのか)は、シャッター街に足を踏み入れた途端怪しげな世界に辿りつく。突如化け物に襲われる菜花。そこで出会ったのは一人の少年を連れた男摩緒だった。偶然出会った二人には意外な共通点が。スリル・陰謀・そして淡い恋心が魅力的なダークファンタジーだ。
鐘呼(しょうこ)
鍾呼(しょうこ)とは大正時代で終末論を唱えている宗教団体鐘臨教(しょうりんきょう)の代表で、様々なお告げをもたらしてはお守りなどのグッズを買わせる商売をしていた。人の寿命を操ることができる人物がいるとの噂を受けて、乙弥と菜花が潜入捜査を行う。
鍾呼は幼いころ失せ物や探している人物を見つけ出せる声が聞こえており、最初は小さな占い所を開設した。その後鍾呼の能力に目をつけた父親によって宗教団体が設置されどんどん規模が大きくなっていったが、徐々に鍾呼の能力は失われていく。鍾呼と父親はインチキで団体を維持していたが、鍾呼の能力に疑いを持った信者たちは父親が殺害していた。
その後摩緒たちによって真相が暴かれ鍾呼は父親ともども逮捕される。連行される間際鍾呼は近々巨大地震が起きることを予言し人々に逃げるよう訴えるが、騙されていたと憤る人々には届かない。しかしその後まもなくして本当に予言通り関東大震災が怒り、町は大きな被害を受けたのだった。
宝生かがり(ほうしょうかがり)
宝生かがり(ほうしょうかがり)とは大正時代の人間で、「呪いの針」を用いて相手を呪い、身体の自由や意思を奪う呪い屋の娘である。かがりの扱う針の呪術はもともと御降家の家宝であった「傀儡の針(くぐつのはり)」が宝物殿消失のどさくさで紛失し、宝生家に伝わっていたものである。傀儡の針の威力は強力で、摩緒を獣の姿に強制的に変化させることができるほどである。
かがりは女学校で呪いごっこなどの遊びを行っていたが、その行為を咎めた娘を呪った為摩緒の元に情報が入り接触する。白眉や幽羅子と組んでおり、菜花が女学校に潜入してきた際には菜花に針を打ち込んで操作し幽羅子の元へ案内した。
プライドが高く、かがりの使った針の精度が低いと摩緒に指摘された際には怒りをあらわにしている。しかし勢いに任せて放った針は摩緒の結界によって跳ね返され、摩緒を幽羅子がいる場所へと案内する羽目になった。
綾女という姉がいるが仲は非常に悪く、姉の事を嫌悪している。自分が御降家に呼ばれたのは実力ゆえだと思っていたが、綾女が家業を継ぐのに忙しいから断ったというのが真相だった。
加神双馬(かがみそうま)
加神双馬(かがみそうま)とは大正時代の人間で、加神家には代々獣を体内に宿して使役する家宝の巻物が伝えられていた。当初は相馬の兄が獣を宿していたが兄は獣を御することに失敗し死亡する。双馬は「自分なら獣を自在に操ることができるのではないか」と考え体内に取り込むが、制御に失敗して暴走しているところを摩緒に救われた。
摩緒の治療によって双馬は命を救われ回復を見せるが、同時に双馬は取り込んだ獣を失ってしまうという恐怖にかられてしまう。ある時摩緒が外出中白眉の結界によって呼び出された双馬は、新たな獣と傀儡の針を手渡され「この針を摩緒に刺せば獣の使い方を教えてやる」と持ち掛けられた。
その後摩緒を呼び出した双馬は針を使って摩緒を獣化し、待ち構えていた白眉が摩緒を操る。駆け付けた百火と菜花の活躍によって変化は解けるが、双馬は自ら白眉の手先となって摩緒のもとを去っていった。
命を救われ、強さを持った摩緒に対してはある程度敬意をもって接しているが、何かと邪魔だてしてくる菜花に対しては容赦なく攻撃を仕掛けている。
その後は首の修行を受けたため、双馬の獣はより強力になっている。攻撃を受けてもすぐに再生していたが、地血丸の攻撃には耐えられずバラバラになって消滅してしまった。
蓮次(れんじ)
蓮次(れんじ)とは大正時代の人間で、常に携えている「月琴(げっきん)」という楽器の中に、火の陰陽術の極意「苛火虫(かかちゅう)」を飼っている。苛火虫は蟲毒の中に術者が負の感情を入れ込んで作り上げる術で、羽虫のような小さい姿をしている。耳や口から相手に苛火虫を取り込ませ、不知火の命令により政治家や華族を焼死させていた。摩緒たちは頻発する謎の焼死事件を追っていたが、女郎小屋から逃げ出そうとした少女を捕らえていた男を燃やしたことで術の痕跡が残り、摩緒たちと接触した。
苛火虫の出処である月琴を壊されそうになったため、身を挺して月琴を護り摩緒に腕を斬り飛ばされる。重傷を負うが「摩緒と百火に復讐する」という強い恨みを不知火に気にいられ、治療を受けて腕を繋げ生存した。
普段は身売りされた子供を店に引き渡す仕事をしており、不知火とは金銭によって雇われた関係である。
御手園芽生(みたぞのメイ)
御手園芽生(みたぞのメイ)とは大正時代の女性で、不知火から「延命の園(えんめいのその)」と呼ばれる庭の世話を任されている。看護服を着こみ腕を斬り飛ばされ重傷を負った蓮次の看病も担当しているが、治療中の腕を見て怯む蓮次に「怖いんですか?人殺しのくせに」と笑顔で淡々と述べている。木々や植物を操る「木の陰陽術」を使用することができる。
かつて芽生は故郷の「御手園村」を地上げ屋に狙われ、外国人である父や村人を惨殺されたという過去を持つ。その時死にかけた命を救ってくれたのが不知火であり、彼に絶対の忠誠を誓っている。身体の中には「魄の種」というものが埋め込まれており、一時的に命を繋いでいる。
流石(さすが)
修験者風の格好をした少年で、不知火の協力者である。代々の家業として水を操れる不思議なほら貝を使い、人為的な旱魃と雨ごいを繰り返してお金を稼いでいた。実は「水鞠家」という御降家に連なる水の呪術師の末裔であり、強力な力を持っている。不知火ですら解呪に苦労した摩緒の強力な呪いを一瞬で解いていた。
貂子(てんこ)
貂子(てんこ)とは摩緒たちが頻繁に訪れている喫茶店「ミルクホール」で働いている女性で、正体は貂(てん)の妖である。摩緒が猫鬼を追っていることを知っており、不可解な事件が起こった際の情報提供や、服など必要物品の差し入れを行っている。百火や華紋など摩緒の兄弟子が現れるようになってからは「ミルクホール」でミーティングを行うこともあるが、閉店時間を過ぎているのに店主が許可したことを不思議がっていた。
車に撥ねられ重傷を負いつつも相手の男(種彦)に傷を与えるほどの力を持ち、数日で回復するなど生命力も高い。本来の姿になると動物の目のように黒目になり、式神のようなものを飛ばして摩緒に助けを求めた。
摩緒の事は「摩緒先生」と呼んでそれなりに付き合いが長く、摩緒に気があるようなそぶりを見せた女性に「摩緒先生は女性の好みが厳しいから好きになっては駄目ですよ」とからかっている。
現代の人物
菜花の祖父
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目次 - Contents
- 『MAO』の概要
- 『MAO』のあらすじ・ストーリー
- 謎の世界と陰陽師
- 呪われた者達
- 摩緒の過去
- 猫鬼の復活
- 後継者争い
- 新しい武器と夏野の謎
- 猫鬼とよみがえった男
- 新たな水の術者
- 呪い屋の姉妹
- 『MAO』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 摩緒(まお)
- 黄葉菜花(きばなのか)
- 平安時代の陰陽師
- 百火(ひゃっか)
- 華紋/朽縄(かもん/くちなわ)
- 夏野(なつの)
- 真砂(まさご)
- 白眉(はくび)
- 不知火(しらぬい)
- 大五(だいご)
- 御降家(ごこうけ)の関係者
- 猫鬼(びょうき)
- お師匠様
- 紗那(さな)
- 幽羅子(ゆらこ)
- 灰丸(はいまる)
- 藻久不(もくず)
- 大正時代の人物
- 鐘呼(しょうこ)
- 宝生かがり(ほうしょうかがり)
- 加神双馬(かがみそうま)
- 蓮次(れんじ)
- 御手園芽生(みたぞのメイ)
- 流石(さすが)
- 貂子(てんこ)
- 現代の人物
- 菜花の祖父
- 魚住フナ(うおずみふな)
- 白羽(しらは)
- 式神
- 乙弥(おとや)
- 紅子(べにこ)
- 蛟(みずち)
- 『MAO』の用語
- 蟲毒(こどく)
- 破軍星の太刀(はぐんせいのたち)
- 陰陽術
- 火の陰陽術
- 木の陰陽術
- 水の陰陽術
- 土の陰陽術
- 金の陰陽術
- 関東大震災
- 要石(かなめいし)
- スムージー
- 平安時代の屋敷
- 御降家(ごこうけ)
- 五色堂(ごしきどう)
- 捨童子の家(すてどうじのいえ)
- 大正時代の拠点
- 診療所
- ミルクホール
- 『MAO』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 摩緒に抱き着いて赤くなる菜花
- 華紋「おまえごときが真砂を呼び捨てにするんじゃねえっ!」
- 『MAO』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『MAO』と『犬夜叉』のコラボ