マリー(ペルソナ4)の徹底解説・考察まとめ
マリーとは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の4作目のリメイク作品『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』(P4G)に登場するキャラクターである。ペルソナ使いである主人公の活動の手助けをする、不思議な青い部屋・ベルベットルームの住人見習いの少女。しかし実際のところは、たまたまベルベットルームに辿り着いただけの少女であり、正体は不明。部屋に辿り着く以前の記憶は全て失っている。自分が何者であるかを思い出す為、P4主人公やその仲間達と交流を図っていくようになる。
無愛想な反面、子どもっぽく、感情的になりやすい一面を持つ少女・マリー。そんな彼女には、彼女の性格にぴったりな口癖が存在する。それが「ばかきらいさいあくさいてー」というものだ。
マリーが感情的になった時に口にするセリフとなっており、非常に子どもっぽい悪口の羅列となっている。ひらがなで言う辺りも子どもっぽさが際立っている要因の1つだと推測できる。本来ならば当てられる漢字がある言葉をひらがなだけで述べる台詞は、頭の悪そうな印象を与えるものだが、ツンデレに近しいマリーの性格を省みると、一周回って可愛さや愛しさを与えるものに変わってくる。実際、プレイヤーからは「可愛い」という感想が多数寄せられてもいる。
またバリエーションがいくつかあるようで、「ばか」ではなく「さいてー」や「さいあく」から始まる場合もあれば「きらい」から悪口が始まる場合もある。その時の彼女の感情の高ぶり具合によって激しさが変わるようで、恥ずかしさが極まった時等は文末が「さつじんしゃ」と物騒な単語になる場合もある。特に、ベルベットルーム内に時折落ちているマリーのポエムをP4主人公が拾った時などは、恥ずかしさが頂点に達するらしく、このような物騒な単語を交えて言う事が多い。
マリーの性格がよくわかる、彼女を代表する可愛い名セリフである。
「…あんな風になりたい。」
P4主人公との町散策がきっかけで、特捜隊と交流を図っていくようになったマリーが、特捜隊のメンバーに対して抱いた思いを口にしたセリフ。記憶が一切ないせいか、人との付き合い方があまり上手くはないらしいマリー。特捜隊のメンバーと出会った時も、最初は彼らがどうして自分に接してくるのかがわからず、戸惑いの表情を浮かべていた。だが、交流を深めていく内に次第に彼女の中に変化が生まれていく。特捜隊と過ごす時間を楽しく思うようになったマリーは、自分も彼らのような明るく賑やかで前向きな姿になりたいと思うようになったのだ。そうして、「…あんな風になりたい。」というその思いを口にすると共に、自分の思い出せない過去と向き合う事を決める。
人と関わる事に疑問すら持っていたマリーが、誰かと仲良くする事の意味を見出した瞬間だといえるこのセリフ。マリーの成長を深く感じられるセリフだといえる。
「…焦らなくていいよね。記憶がなくったって、作っちゃえばいいんだ。」
見つからない自分の「記憶」に対し、1つの答えを導き出した時のマリーのセリフ。
自分の思い出せない過去と向き合う事を決めたマリー。だが記憶探しは思った以上に困難で、全く情報が得られない事や、何かを思い出そうとする度に頭に走る頭痛が嫌になってしまい、マリーは次第に投げやりな気持ちになっていく。けれど同時に、記憶がない事に不安を抱いているのも事実だった。けれどP4主人公達と過ごしている内に、マリーにはいくつもの皆との思い出、つまりは「記憶」が生まれていっていた。P4主人公の言葉によりそれに気づいたマリーは、過去は思い出せなくても、これから作り増やせる「記憶」がある事に気づく。そして「…焦らなくていいよね。記憶がなくったって、作っちゃえばいいんだ。」と、自分の不安に対し答えを導き出す。
マリーの前向きな気持ちと成長を感じると共に、P4主人公達特捜隊との時間が彼女にとってとても大事なものである事を深く感じられる名セリフだ。
マリーの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
詳細が不明であった「真の黒幕」の深堀りの為に生まれたマリー
『P4G』の追加キャラクターとして誕生したマリー。実はその誕生の理由には、原作『ペルソナ4』ではあまり詳細を語られなかった真の黒幕・イザナミについて、深堀りをする為であった事が発覚している。
『ペルソナ4』のラスボスとして、物語の最後の最後にようやくその正体をP4主人公達の前に顕にするイザナミ。だが、一連の事件の黒幕であった事実以外は語られる事はなく、『ペルソナ4』では退場を余儀なくされてしまう。名前が日本神話に誕生する女神「伊邪那美命(いざなみのみこと)」から取られていると推測されていた事から、何かしらの「神」的な存在である可能性だけがファンの間では推測されていた。
そんななか登場したマリーによって、ようやくイザナミが八十稲羽市の土地神であった事が判明する。マリーが登場した『P4G』は、『ペルソナ4』では存在しなかった「3学期」の時間軸が存在する等、原作には詰め込みきれなかったのであろう要素が沢山つまったものに仕上げられている。マリーもまた、そのような他の要素達と同じく、原作では語りきれなかった要素を補足する為に作られたキャラクターだったと推測できる。
なお、マリーにはもう1つのコンセプトとして「外からベルベットルームにやってきた人間にストーリー性を持たせる」というものが存在しているという。ベルベットルームは『ペルソナ』全シリーズを通しても、ペルソナ使いである者達以外の人間が外からやってくる事はない部屋となっている。つまり、マリーのような「ペルソナ使い以外」がやって来た事はないのである。原作の要素をさらに掘り下げるだけ事に加え、今までのペルソナシリーズになかった事に挑戦する。それがマリーに与えられた役割だったようだ。
マリーの正体に気づいていたベルベットルームの住人・マーガレット
物語前半、記憶喪失で行く宛もなく彷徨った結果、ベルベットルームに辿り着く事となったマリー。本来ならば主のイゴールと、彼が作り上げた造魔(住人)達しか住めない部屋にマリーが住めたのは、一重にマーガレットのおかげである事が『P4G』の公式設定資料集によって発覚している。資料集に記載されている情報によると、マーガレットがマリーとP4主人公の「運命のつながり」を感じ取った為に、ベルベットルームに住まわせたのだという。マリーとP4主人公が深い関わりを持つようになるのは、物語が多少進んでからの事ではあるが、その出会いそのものは物語序盤で既に行われている。その為、この時にマリーとP4主人公の間にできた縁のようなものをマーガレットが感じ取ったのではないか、と推測されている。
また同時に、マーガレットがマリーの正体に気づいていた事も資料集にて明らかにされている。マーガレット曰く、マリーの正体を完全にではないものの大概は把握していたという。その上でP4主人公達と交流を深めていく中でマリーがどのような道を辿る事になるか、その運命を見守っていたのだそう。マーガレットがいつどのタイミングでマリーの正体に気づいたかは不明だが、気づいていた上であえて何も言わずに運命を見守っていたマーガレットの冷静で、どこか人智を超えた眼差しには、やはり彼女が人間とは一線を画した存在である事を改めて認知せざる得ないものがある。
メインヒロインとして登場したアニメ『Persona4 the Golden ANIMATION』
『P4G』では、コミュを通してでしかP4主人公や特捜隊のメンバーと絡めなかったマリーだが、本作をもとに制作されたアニメ『Persona4 the Golden ANIMATION』(P4GA)では、メインヒロインとして扱われていた。その為、ゲームでは関わる事のなかった本編イベントにも登場したりと、ゲームよりも優遇された登場率となっている。
メインヒロインに据えられた理由としては、『P4GA』が『ペルソナ4』ではなく、『P4G』をもとに制作されている事が大きな要因なのではないか、と推測されている。マリーは『P4G』で追加されたキャラクターであると同時に、真の黒幕・イザナギに関わる重要キャラクターである。その為、このような立ち位置になったのだといわれている。
なお『P4GA』では、第11話のみマリー役の声優・花澤香菜がエンディングの歌唱を務めた。普段は歌手・平田志穂子が歌唱を務めている本エンディングは、マリー自身に焦点をあてた内容の楽曲となっている。流れる映像もマリーの出生に関わる描写がわかる人にはわかるように行われており、ファン歓喜の映像に仕上がっている。
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目次 - Contents
- マリーの概要
- マリーのプロフィール・人物像
- マリーの能力
- 第1形態:マリー
- 気絶防御
- 断絶の壁
- メギドラオン
- 火雷
- 拒絶の殻
- 第2形態:クスミノオオカミ
- 気絶防御
- 振り払い
- 暴れ悶え
- マハラギダイン
- マハブフダイン
- マハガルダイン
- マハジオダイン
- 火雷
- 霧吸
- 自閉の殻
- 拒絶の叫び
- マリーの来歴・活躍
- 八十稲羽市の駅前でP4主人公と出会う
- マリーの記憶探し
- 思い出してしまった自分の正体
- マリーの救出とクスミノオオカミとの戦闘
- 真の黒幕イザナミとの戦闘とマリーのその後
- マリーの関連人物・キャラクター
- P4主人公/番長
- マーガレット
- イゴール
- 花村陽介(はなむら ようすけ)
- 里中千枝(さとなか ちえ)
- 天城雪子(あまぎ ゆきこ)
- 巽完二(たつみ かんじ)
- 久慈川りせ(くじかわ りせ)
- クマ
- 白鐘直斗(しろがね なおと)
- イザナミ
- マリーの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「ばかきらいさいあくさいてー」
- 「…あんな風になりたい。」
- 「…焦らなくていいよね。記憶がなくったって、作っちゃえばいいんだ。」
- マリーの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 詳細が不明であった「真の黒幕」の深堀りの為に生まれたマリー
- マリーの正体に気づいていたベルベットルームの住人・マーガレット
- メインヒロインとして登場したアニメ『Persona4 the Golden ANIMATION』