マーガレット（ペルソナ4）の徹底解説・考察まとめ

マーガレットの概要

マーガレットとは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の4作目に登場する女性キャラクターである。『ペルソナ』シリーズ全作品に登場する、ペルソナ使い達を手助けする不思議な青い部屋・ベルベットルームの住人。ベルベットルームの主・イゴールの造魔であり、主と共にペルソナ使いであるP4主人公の活動の手助けをしている。彼女が属するベルベットルームは、作品事で構造が異なるものとなっており、『ペルソナ4』ではリムジンを模した作りの部屋となっている。その為、リムジンの高級さや上品さに合わせてか、マーガレット自身も青いスーツ姿と大人っぽい格好に身を包んでいる。なお、開発スタッフ曰く「有能な女性秘書」をイメージしているとのこと。ファンの間では、前作『ペルソナ3』およびそのリメイク作品『ペルソナ3 ポータブル』に登場したベルベットルームの住人・エリザベスとテオドアがどこか子どもぽかった為、それに対抗してこのような形になったのではないかと推測されている。なお、マーガレット自身はエリザベスとテオドアの姉という設定でもある。長女としての威厳のようなものが、今のマーガレットのキャラクター性を生み出したとされる。
また特殊条件下で戦う事ができる、『ペルソナ4』の隠しボスキャラクターでもある。『ペルソナ4』内、最強のボスキャラクターだと言われている。

マーガレットが『ペルソナ4』に初登場するのは、物語序盤、P4主人公がベルベットルームに訪れた時の事である。そこでP4主人公がイゴールから、この部屋の住人として紹介されたのがマーガレットであった。その後はしばらくの間、部屋に訪れる客人とその客人の手伝いをする部屋の住人という関係であったが、ある時、彼女が1人で留守をしていた最中にP4主人公がベルベットルームへ足を運んだ事により、2人の関係に大きな変化が生まれる。主がいない時に現れたP4主人公にマーガレットは驚くも、これも何かの導きなのだと、P4主人公との間に絆「コミュニティ」を結ぶ事にする。この「コミュニティ」というのは、『ペルソナ3』以降の『ペルソナ』シリーズに取り入れられた仕様であり、主人公が周囲の様々な人々と絆を結ぶ事で発生するシステムとなっている。コミュニティには「ランク」と呼ばれるものが存在し、絆を結んだ人と交流を図り仲良くなっていく事でランクをあげる事が可能となっている。これにより敵との戦闘時や新たなペルソナ製作時に有利になる条件を手にする事ができる。

P4主人公と交流を図っていく事を決めたマーガレットは、P4主人公自身の事をよく知る為、彼に「特殊な条件を持ったペルソナの制作」を依頼するようになる。「ペルソナ」は、心の底に潜む「もう1人の自分」が実体化したものであり、「困難に立ち向かうための人格の鎧」として、P4主人公達が敵の「シャドウ」と戦う時に召喚する存在である。つまりペルソナを所持する人物の「心」に反映して生まれる存在となっており、マーガレットはそんなペルソナ達の姿を見て、P4主人公自身を推し量ろうと考えたのだ。

こうしてマーガレットはベルベットルーム住人としてではなく、マーガレット個人として、P4主人公との交流を持つ事になったのだった。

マーガレットのプロフィール・人物像

性別：女
生年月日：不明
年齢：不明
身長：170cm
体重：不明
コミュニティ：女帝
CV：大原さやか
演者（舞台）：中島亜梨沙（舞台『VISUALIVE「ペルソナ4」the EVOLUTION』）

不思議な青い部屋・ベルベットルームの住人。ベルベットルーム主のイゴールの造魔だといわれている。リムジンをイメージした構造の『ペルソナ4』のベルベットルームにあわせてか、青色の上品なスーツのような服装を着た女性の姿になっている。ウェーブかかったプラチナブロンドの髪を後ろでまとめているが、最初に発売された『ペルソナ4』のソフトであるPS2版では、銀色というよりも金髪に見えるといわれていた。後に次々と発売されていく『ペルソナ4』関連の作品の中で、銀髪だと断定しやすいカラーリングに変色された。

グラマラスな容姿の美女であり、普段の態度もその外見から受ける印象同様に上品かつ大人らしいものとなっている。大人故の余裕をもった「お姉さん」のような印象を受けるクールビューティーキャラである。だが、女帝コミュを通してマーガレットと交流を図っていく内に、次第に実は結構天然でお茶目なところがある事も発覚する。また交流を深める中で、イゴールの事を茶化していると思われる歌「長い鼻の唄」を歌う様も見せている。アニメ『Persona4 the Animation』でも、本シーンを元にしたシーンが制作されており、アニメ版の場合はマーガレットの隣りにいたイゴールが彼女の事を睨むという描写が挟まれた。だが、マーガレットがそれに気づいた様子はなかった為、天然無自覚で自分の主を茶化していると推測される。

なお、前作『ペルソナ3』およびそのリメイク作品である『ペルソナ3 ポータブル』（P3P）にて登場するベルベットルームの住人、エリザベスとテオドアの姉である事も明らかにされている。『ペルソア4』作中でエリザベス・テオドアの名前を聞く事はないが、代わりに度々2人の事だと思われる発言が行われている。後に発売された『ペルソナ3』と『ペルソナ4』のクロスオーバー作品『ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス』（PQ）と『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』（PQ2）にて、2人と共演を果たす。エリザベスからは「お姉さま」、テオドアから「姉上」と呼ばれている。

マーガレットの能力

ジークフリード

マーガレット召喚するペルソナの1体。アルカナは「剛毅」である。

モデルはドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』の主人公「ジークフリート」。「サイフリード」という呼称もある。『ニーベルゲンの歌』の中で勇者として様々な活躍をする。北欧神話に登場する英雄「ジグルド」と同一の存在だともいう。
「バルムンク」と呼ばれる剣を持っており、悪竜「ファフニル」を討ち倒す。結果、ファフニルの血を浴びて半不死になる。だがその際、木の葉が邪魔をして背中の一点にのみ血を被る事ができず、そこが彼の急所となってしまう。後に敵対していたデンマークの将軍「ハーゲン」にその急所を攻撃され、絶命した。

ラグナロク

火炎属性の攻撃技。
敵1体に特大ダメージを与える事ができる。

メルトダウン（PS2版の名称）／プロミネンス（Vita版の名称）

火炎属性の攻撃技。
敵全体に特大ダメージを与える事ができる。

ロキ

マーガレット召喚するペルソナの1体。アルカナは「愚者」である。

モデルは北欧神話に登場する悪戯好きの神「ロキ」。同じく北欧神話の神であるオーディンの義兄弟であるが、神々の敵である巨人「ヨトゥン」の血を引いてもいる。焼き殺した魔女の心臓を食べた事から魔力を得たとも伝えられている。
性格は、飽きっぽく悪戯好きという子どものようなもの。それ故に、伝説上では多くのトラブルを引き起こす問題児扱いの神となっている。ある時、悪戯が過ぎた結果、オーディンから寵愛を受けていた光の神「バルドル」を間接的に殺害してしまった事から、永遠に毒を浴び続ける罰を受ける羽目になってしまう。その後、発生した戦争「神々の黄昏（ラグナロク）」では、罰から開放され、自身の半身である巨人族側に寝返る。紙の一族「アース神族」の王国である「アースガルド」の見張り番であった白き神「ヘイムダル」と戦い、「互いの心臓を互いの頭部で突き刺す」という形で相打ちとなった。

『ペルソナ4』の次作にあたる『ペルソナ5』にて、ロキを召喚するペルソナ使いが登場するが、キャラクターデザインは『ペルソナ4』とは全く異なるものとなっている。

ニブルヘイム

氷結属性の攻撃技。ロキ専用の特有スキルでもある。
敵1体に特大ダメージを与える事ができる。

コキュートスペイン

氷結属性の攻撃技。
敵全体に特大ダメージを与える事ができる。

オオクニヌシ

マーガレット召喚するペルソナの1体。アルカナは「皇帝」である。

モデルは日本神話に登場する神「大国主命」。日本の土地に現れた神々と国津神の代表的な存在として語り継がれている。オオクヌヌシという名以外にも「オオナムチ」、「オオモノヌシ」等の名前が存在する。日本神話に登場する異界の地「根の国」にて、神「建速須佐之男命（たけはやすさのおのみこと）」が課してきた難しい問題に打ち勝ち、彼の娘である「須勢理毘売命（すせりびめのみこと）」と共に出雲の国（島根県出雲市）を築いたといわれている。その事から出雲に纏わる神話において、最も重要な神として扱われている。その他にも様々な伝承、逸話を残している。
また国作りに貢献した神の1人ともされており、神「少名毘古那神（すくなびこなのかみ）」と共に呪術・医術・農耕に関する知識も生み出したという。国作りを終えた後は神「瓊瓊杵尊（ニニギノミコト）」を筆頭とした天津神達に国を譲り、出雲大神社の祭神となったとされる。

『ペルソナ』シリーズの基となった作品、『女神転生』シリーズにおいても一部登場している作品がある。『女神転生』シリーズでは、物語の重要な敵として主人公達の前に立ちはだかる事が多い。

真理の雷