三人の騎士(ディズニー映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『三人の騎士』とは1945年にアメリカで公開されたウォルトディズニー製作の映画作品である。1943年に公開された『ラテンアメリカの旅』の続編であり、前作と同様にオムニバス形式となっている。ドナルドダックの元にラテンアメリカの友達からバースデープレゼントが届き、中南米地域の文化を見たり体験したりするストーリー。本作の続編として1948年に『メロディタイム』内の短編アニメーション「サンバは楽し」、2018年にはスピンオフとしてアニメーションシリーズ『三人の騎士の伝説』が製作されている。
パンチートがピニャータから出てきたアルバムを開き、2人にメキシコ誕生にまつわる話を聞かせた。そして次々にページをめくるとメキシコの美しい街並みや湖、人々の様子が描かれている。2人が美しい眺めに大喜びしていると、パンチートは「これはまだほんの始まりだよ」と言って次のページをめくる。そして口笛で“空飛ぶサラペ”を呼びつけると3人でサラペに乗り込み、本の中へ入った。
メキシコ~ツクアロ、ベラクルス、アカプルコ (Mexico: Pátzcuaro, Veracruz and Acapulco)
3人はまず初めにパツクアロへ向かった。パツクアロでは水辺の上を飛びながらゆったりと過ごしている。
次の場面では人々がメキシコの伝統的なカントリーミュージックに合わせて踊っている。ドナルドとホセも真似しながら踊ろうとするが、リズムを掴めずなかなかうまく踊れない。パンチートの手拍子に合わせてようやくリズムを掴めるようになり、2人も楽しそうに踊り始めた。ダンスが終わると3人は再びサラペに乗り、今度はベラクルスに向かう。
ベラクルスでも人々が土地特有のダンス「リロンゴ」を踊っていた。パンチートはミュージシャンの演奏に合わせて歌いだしている。ドナルドは輪になって踊っている女性たちに目を奪われ、一緒に踊りたがるが躊躇して踏み出せずにいた。ドナルドの様子を見ていたホセとパンチートがドナルドの背中を押し、ドナルドは恥ずかしがりながら1人の女性の前に歩み出る。そして女性と一緒に踊るが、パンチートから古臭いと指摘を受け、ドナルドが本気を見せる。ドナルドのダンスに合わせてホセがミュージシャンと一緒に曲調を変えていく。ドナルドと一緒に踊っていた女性も初めは戸惑う表情を見せていたが、次第にリズムを掴めるようになり2人で楽しく踊っている。するとサラペが現れて3人を迎えに来た。女性との別れを惜しんでサラペから降りたがるドナルドをホセとパンチートが必死に抑えながらアカプルコへと向かった。
アカプルコの浜辺では沢山の女性たちが遊びに来ており、ボール遊びをしたり、のんびりとくつろいだりしている。美しい女性たちに大喜びした3人は高速でサラペを飛ばし、急降下して女性たちにちょっかいをかける。ドナルドは他の2人が見ていない隙に水着に着替えて1人だけ浜辺に飛び降りた。暫くすると2人はドナルドが居ないことに気が付き、そしてドナルドが女性たちを独り占めして満足そうに遊んでいるところを発見した。ドナルドは目隠しをしながら追いかけっこをしていて周りが見えていない。その隙にホセがドナルドをサラペに乗せ、無事に合流できた。ドナルドは相変わらず自分が女性と遊んでいると思い込んでおり、ホセに抱き着いて頬に何度もキスをしている。そして自分がキスをしているのは美しい女性ではなくホセだと気付き、浜辺から遠く離れてしまっていると分かり名残惜しそうにアカプルコを後にする。
ユー・ビロング・トゥ・マイ・ハート (You Belong To My Heart)
浜辺に戻りたがるドナルドをなだめるため、パンチートはメキシコシティの夜景を見せる。夜景は次第に星空へ変わり、美しい女性がYou Belong To My Heartを歌っている。ドナルドはアカプルコの浜辺を忘れてすっかり彼女に夢中になり、夢見心地になってしまう。場面はドナルドの空想の世界に変わり、美しい女性と色とりどりの花々が写しだされている。ドナルドはその中をハチのように飛び回りながらうっとりと過ごしていた。しかし女性の顔から突然小さなホセとパンチートが現れた。
ドナルドの白昼夢 (Donald's Surreal Reverie)
花が女性の顔とパンチートの顔交互に変わるようになり、次第にピニャータに変わる。ピニャータが割れるとアカプルコの浜辺で出会った女性たちが踊ったり遊んだりしている。そして再び場面が変わるとドナルドは花になっており、リズムに合わせて他の花たちと揺れていた。ドナルドはここでも踊っている女性に心を奪われている。次の場面では荒野が広がり、カドナルドはウボーイのような格好をした女性やサボテンたちと一緒に踊っている。女性の後を追いかけていると彼女の姿がサボテンに変わり、破裂する。そして今度はホセとパンチートが現れて3人で闘牛を始めだす。ホセがドナルドの闘牛飾りについている花火に火をつけると大量の花火が打ち上げられ、物語が終わる。
ディズニー映画『三人の騎士』の登場人物・キャラクター
三人の騎士
ドナルドダック
CV:クラレンス・ナッシュ(字幕版)/山寺宏一(吹き替え版)
本作の主人公であり、「三人の騎士」のうちの1人。ディズニーを代表するアヒルのキャラクター。短気で怒りっぽく、他のキャラクターや道具、動物などから雑な扱いを受けることが多い。作中ではマジックなどのパフォーマンスをするが、他のキャラクターと比べるとあまり得意ではない。また、多くの女性に心を奪われては始終追いかけまわしている。
ホセ・キャリオカ
CV:ジョゼ・オリヴェイラ(字幕版)/中尾隆聖・一部の歌は藤島新(吹き替え版)
ドナルドと同じく「三人の騎士」のメンバー。ブラジルのリオデジャネイロ出身のオウムのキャラクター。いつも穏やかで紳士的な印象だが、アラクアンに対しては短気な一面も見せる。ダンスや楽器、マジックなど芸術的な才能がある。1943年公開の「ラテンアメリカの旅」でスクリーンデビューをし、本作は2度目の出演。故郷のブラジルを愛しており、前作に引き続きブラジルの魅力を熱弁している。ドナルドと同様に女性に目が無い。
パンチート
CV:ホアキン・ガライ(字幕版)/古川登志夫・歌は藤島新、スペイン語部分は原語版流用(吹き替え版)
ドナルド、ホセと共に「三人の騎士」の1人。フルネームは「パンチート・ロメロ・ミゲル・フニペロ・フランシスコ・クインテロ・ゴンザレス」。ディズニーキャラクターの中で最も長い名前と言われている雄鶏のキャラクター。常にハイテンションで明るく前向きな性格。メキシコ・ベラクルスの場面ではダンサーと踊りたいが躊躇しているドナルドに対し、「行けよ」と背中を押す兄貴肌な一面も持つ。投げ縄が得意。ドナルドとホセ同様に女性が好きだが、2人ほど熱中することはない。
その他のキャラクター
パブロ
CV:なし
本作『さむがりやのペンギン パブロ』の主人公。南極に住んでいるが、他のペンギンたちと違い寒さが大の苦手。ストーブの友人“スモーキー・ジョン”といつも一緒にいる。熱帯の島を目指して旅に出る。旅の出発に何度も失敗し、仲間から呆れられても作戦を練り続ける根気の強い一面を持つ。
アラクアン
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目次 - Contents
- ディズニー映画『三人の騎士』の概要
- ディズニー映画『三人の騎士』あらすじ・ストーリー
- ドナルドへのバースデープレゼント
- 映写機
- さむがりやのペンギン パブロ (The Cold-Blooded Penguin)
- アマゾンの鳥たち
- 空飛ぶロバ (The Flying Gauchito)
- ブラジルの本
- バイーア (Baia)
- 元の大きさに戻る方法
- メキシコからの箱
- ラス・ポサーダス (Las Posadas)
- 空飛ぶサラベの旅
- メキシコ~ツクアロ、ベラクルス、アカプルコ (Mexico: Pátzcuaro, Veracruz and Acapulco)
- ユー・ビロング・トゥ・マイ・ハート (You Belong To My Heart)
- ドナルドの白昼夢 (Donald's Surreal Reverie)
- ディズニー映画『三人の騎士』の登場人物・キャラクター
- 三人の騎士
- ドナルドダック
- ホセ・キャリオカ
- パンチート
- その他のキャラクター
- パブロ
- アラクアン
- ガウチョ
- ヤヤー
- ディズニー映画『三人の騎士』の用語
- ヤヤー
- 三人の騎士
- ピニャータ
- サラペ
- ディズニー映画『三人の騎士』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 実写とアニメーションの融合
- 『三人の騎士』歌唱シーン
- ドナルドの白昼夢
- ディズニー映画『三人の騎士』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ドナルドダック初主演
- 実写とアニメーションを融合させた最初の作品
- 賛否両論ある作品
- 主題歌「三人の騎士」の歌詞は3パターン存在する
- ディズニー映画『三人の騎士』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:ドナルド、ホセ・キャリオカ、パンチート『The Three Caballeros/三人の騎士』
- 挿入歌:『Baía/バイーア』
- 挿入歌:ホセ・キャリオカ『Have You Been to Bahia?/バイーアに行ったことがあるかい?』
- 挿入歌:ヤヤー『Os Quindins de Yayá/オス・キンジンス・ジ・ヤヤー』
- 挿入歌:カルロス・ラミレス『Mexico/メヒコ』
- 挿入歌:ドラ・ルス『You Belong to My Heart/ユー・ビロング・トゥ・マイ・ハート』
- 挿入歌:『La Sandunga/ラ・サンドゥンガ』
- 挿入歌:『Jesusita en Chihuahua/ヘスシータ・エン・チワワまたはジェシー・ポルカ』