パンズ・ラビリンス(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『パンズ・ラビリンス』とは、「パシフィック・リム」「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロ監督による、内戦後もゲリラ戦が続くスペインを舞台にしたダークファンタジー。母の再婚相手である軍人が暮らす山奥の砦にやって来た少女が、つらい現実から逃れるため童話の世界に浸っていく物語で、現実世界と少女が見る幻想世界が巧みに絡み合うストーリー展開。06年スペイン・メキシコ・アメリカ製作ながら第79回アカデミー賞で撮影賞・美術賞他を受賞。07年・日本公開。
『パンズ・ラビリンス』の概要
『パンズ・ラビリンス』とは、「シェイプ・オブ・ウォーター」(17年)でアカデミー賞監督賞&作品賞を受賞した監督ギレルモ・デル・トロが、1940年代の内戦後もゲリラ戦が続くスペインを舞台に、つらい現実から逃避するために童話の世界に惹きこまれ、やがて切ない最期を迎える無垢な少女の姿を描いたダーク・ファンタジー。
第79回アカデミー賞で脚本賞・作曲賞・外国語映画賞他6部門にノミネートされ、撮影賞・美術賞・メイクアップ賞を受賞した。他に全米批評家協会賞・最優秀作品賞、スペインのアカデミー賞とも言われるゴヤ賞7部門(脚本賞・新人女優賞・撮影賞・特殊効果賞・編集賞・音響賞・ヘアメイク賞)受賞など、多数の賞を獲得している。
ギレルモ・デル・トロがスペイン内戦を舞台に描いた作品に、少年が主人公のホラー・ファンタジー「デビルズ・バックボーン」(01)があるが、その第二弾とも言えるのがこの「パンズ・ラビリンス」。デル・トロは脚本も兼ねている。「ゼロ・グラビティ」(13)でアカデミー賞・監督賞を受賞したアルフォンソ・キュアロンが製作に参加している。
本作を見たスティーヴン・キングは、「美しさとエモーショナルな残忍性に完全に魅了された。この風変わりな大人のおとぎ話は、『オズの魔法使い』以来のベストファンタジーだ」と称賛している。
主人公オフェリアを演じるイバナ・バケロは、オーディションを受けた1000人もの少女達の中から彼女こそ役柄にぴったりと選ばれ、デル・トロが彼女のために当初の年齢設定を変更したそうだ。
共演は、「ハリー、見知らぬ友人」(00)でフランスのセザール賞男優賞を受賞したスペイン出身のセルジ・ロペス、アルフォンソ・キュアロン監督「天国の口、終わりの楽園」(01)に出ているマリベル・ベルドゥ、ベルドゥと共演した「ベルエポック」(92)のアリアドナ・ヒル、スペイン映画の鬼才アレックス・デ・ラ・イグレシアの「ビースト 獣の日」(95)「どつかれてアンダルシア(仮)」(99)に顔を出しているアレックス・アングロ。
そして、迷宮の番人・パンに扮したのはダグ・ジョーンズ。彼は、デル・トロ監督の「ヘルボーイ」(04)では半漁人エイプ・サピエン、「シェイプ・オブ・ウォーター」では不思議な生き物など、特殊メイクによる異形のキャラクターを演じたことで広く知られる俳優だ。
音楽は、「デビルズ・バックボーン」でも音楽を担当したハビエル・ナバレテ。切なくもの悲しいメロディーが胸に響く。
「パンズ・ラビリンス」はアメリカではR指定だったが、日本ではPG12指定(12歳未満の鑑賞には成人保護者の助言や指導が必要)として公開された。
『パンズ・ラビリンス』のあらすじ・ストーリー
おとぎの国へ
1944年のスペインは内戦終結後も、新たな独裁主義政権と武装したゲリラたちが戦いを続けていた。おとぎ話を読むのが好きな少女・オフェリアは、身重の母カルメンと母の再婚相手が住む森の砦に向かっていた。
再婚相手は独裁政権陸軍のヴィダル大尉で、彼はレジスタンス一掃の任務についていた。
オフェリアが読んでいたおとぎ話は、大地の下にある嘘や苦痛の無い魔法の王国のお姫様の話だった。
地上に憧れていたお姫様はある日地上に出たが、その瞬間に太陽の光で目がくらみ全ての記憶を失ってしまった。そして寒さと病の痛みに耐えながら死んでしまった。お姫様の死を嘆いた魔法の王国の王様は、お姫様の魂がいつか別の肉体に宿り戻ってくると信じ待ち続けるという話だった。
車中でカルメンが気分が悪くなったので車を停めて休憩している間に、オフェリアは近くを散策した。
そこで奇妙な形の石を見つけ、そばにあった不思議な顔をした石像の目に入れてみた。その石はぴったりはまり、中から虫のナナフシが出てきた。オフェリアは驚いたが、妖精を見たのだと自分なりに解釈した。車に戻るオフェリアの後を追いかけるように、ナナフシが飛んでいた。
砦であったヴィダル大尉は、高圧的な態度でオフェリアは好きになれなかった。
ナナフシを見つけ飛んでいく後を追ったオフェリアの前に、岩壁で囲まれた門が現れた。少し中に入ると後ろから声をかけられた。家政婦のメルセデスは、「奥は迷宮だから入らないように」とオフェリアに優しく言った。
その夜長旅で体調のすぐれないカルメンは、地元の医師のDr.フェレイロに診察してもらい、液状の睡眠薬をもらった。
診察後にメルセデスがフェレイロと何かを話し、薬のようなものを手渡されているのをオフェリアは偶然見かけた。メルセデスは驚いた表情をしたが、オフェリアは何も言わずに扉を閉め母のベッドに入った。
夜も更けたころ、何かの音でオフェリアは目を覚ました。
ナナフシがベッドのシーツの上を這って、オフェリアに近づいてきた。オフェリアはおとぎ話の本を開き、妖精の挿絵をナナフシに見せた。するとナナフシは挿絵を同じ姿に変身し、彼女を昼間の岩壁の門の奥へと導いた。
石段を下りていくと、大きな羊の角のようなものを生やした生き物がいた。その生き物は「自分は迷宮の守護神パンだ」と言い、オフェリアをモアナ王女と呼んだ。
モアナ王女は大地の下の魔法の王国の姫だった。
オフェリアは否定しようとしたが、パンは彼女に「月の女神の娘で、左肩に印がある」と言った。
パンはオフェリアに「王国で王が待っているから、前の姫のままなのか人間になっていないか調べる」と言った。
オフェリアは満月の夜が訪れる前に、3つの試練に耐えなければならなかった。
パンは未来が分かるという「道を標す本」をオフェリアに渡し、闇の中に消えていった。オフェリアは早速本を広げたが、中は白紙で何も書かれていなかった。
第一の試練
翌朝オフェリアは、晩餐会に着る衣装を母から渡された。
服を着る前に風呂に入ったオフェリアは、パンからもらった本を開いてみた。すると文字と絵が浮かび上がり、第一の試練が記された。
風呂の鏡で肩を見ると月の印が目に入った。
オフェリアはドレスに着替えてから、最初の試練である大きなイチジクの木に向かった。
本にはイチジクの大樹が、大ガエルのせいで死にかかっていると書いてあった。大ガエルの口に魔法の石を放り込んで退治し、その腹の中から黄金の鍵を取り出せば大樹が花を咲かせると書いてあった。
オフェリアは本を頼りに大樹を見つけ、ドレスを脱いで木にかけた。そして用意した石を持って樹の中に潜りこんだ。泥だらけになって奥に進むと、太った大ガエルがいた。
オフェリアは石を虫と思わせて、大ガエルに食べさせようとした。
作戦は上手くいき、石を飲み込んだ大ガエルは内臓のようなものを吐き出しぺちゃんこになった。そこで鍵を見つけたオフェリアは、手を伸ばしてそれを取り上げた。
そのころ砦では山の中腹で煙が上がったと報告を受けたヴィダルが、ゲリラだと確信しそちらに向かっていた。そこには誰もいなかったが焚き火の後があり、抗生物質のアンプルが落ちていた。
オフェリアが帰る途中に見かけたメルセデスは、ランプで誰かに合図を送ろうとしていたようだった。
ドレスを汚し晩餐会もすっぽかしたオフェリアは、カルメンに叱られ夕飯が抜きになった。
オフェリアが風呂場で汚れた体を洗っていると、ナナフシが飛んできた。彼女はナナフシに迷宮に連れて行くよう頼んだ。
オフェリアが迷宮に行くとパンは、「鍵はすぐ必要になる」と言い白いチョークを渡した。
次の朝オフェリアは風呂場に行って本を開いた。これからどうなるのか問いかけると、白いページが真っ赤になった。同時にカルメンが苦しむ声がし部屋に行くと、彼女の腰の辺りが真っ赤になっていた。
フェレイロの診断により、カルメンは絶対安静になった。
オフェリアは別の部屋で寝ることになった。オフェリアの部屋を用意していたメルセデスに、オフェリアは突然「森のゲリラを助けているのね」と話しかけた。
勘のいいオフェリアはフェレイロに薬をもらったり、ランプで合図していたメルセデスの行動からゲリラの味方だろうと察していた。
第二の試練
眠っていたオフェリアは枕元に現れたパンに起こされ、「第二の試練を早く果たせ」と責められた。
パンは第二の試練の道案内をする妖精が入った筒を彼女に渡した。
第二の試練は白いチョークで壁に扉を描き中に入って、部屋の扉を鍵で開け中の物を持ち帰ることだった。
パンは「第二の試練の場所には豪華料理があるが、絶対食べてはいけない」とオフェリアに忠告した。
彼女は筒を肩にかけ砂時計をセットして、白いチョークで扉を描いた。砂時計の砂が全部落ちると扉が消えてしまうので、それまでに試練を果たさなければいけなかった。
部屋には豪華な食事が並び、テーブルの奥には怪物のペイルマンが座っていた。オフェリアは筒の中から妖精を部屋に放った。
妖精は部屋の隅にある、小さな扉が3つ並んでいる所に飛んで行った。「ここだ」と妖精が指した扉は鍵で開かず、隣りの扉に鍵を入れるとすんなり開いた。中には黄金の短剣があった。
オフェリアは短剣を手にして気が緩んだのか、妖精の制止を振り切りブドウを2粒食べてしまった。するとペイルマンが動き出し、皿に置いてある眼球を眼に嵌めこみオフェリアに迫ってきた。
慌ててチョークで描いた扉まで戻ったが、辿り着く直前に扉が閉まってしまった。砂時計の砂が全部落ちてしまったからだった。
オフェリアは必死で天井に自分が抜けるくらいの扉を描き、ペイルマンが足を掴もうとしたところで部屋に戻ることができた。
その夜オフェリアはパンの声で目を覚ました。
オフェリアは妖精の筒をパンに返したが、筒から出てきた妖精が彼女が禁を破ってブドウを食べたことを告げた。
怒ったパンは「オフェリアは試練に負けた。王国に戻れず魂は永遠に、人間の世界にとどまる」と言って姿を消した。
オフェリアは悲嘆にくれ涙を流した。
現実の世界
ヴィダルは砦にフェレイロを呼んだ。ヴィダルが捕まえたゲリラの生き残りを、拷問に耐えられるよう見てもらおうとした。
その時ヴィダルはフェレイロの鞄の中に、ゲリラの焚き火後にあったアンプルによく似た物があるのに気づいた。彼が確認しようと外に出た隙に、フェレイロはゲリラの男に頼まれ注射を打って安楽死させた。
ヴィダルが確認したところアンプルは同じものと分かり、フェレイロがゲリラの味方だと確信した。ゲリラの男の所に戻ったヴィダルは、フェレイロが男を安楽死させたと知り彼を銃殺した。
お手伝いの女がカルメンの急変を告げた。ヴィダルは軍医を呼んでカルメンの出産に当たらせたが、赤ちゃんを産んだカルメンは死んでしまった。
葬儀が終わり義父と暮らすことが耐えられないオフェリアは、砦から出ていこうと荷造りを始めた。フェレイロが母に処方した睡眠薬も鞄に入れた。
メルセデスは生まれた子を世話していたが、ヴィダルに「拷問した男が、ここにスパイがいると吐いた」と言われた。自分がスパイだと感づかれたとメルセデスは思った。
逃げることをオフェリアに告げると、自分も連れて行って欲しいと懇願された。最初は断ったが2人で逃げることにした。
雨の中砦から抜け出したが、逃げると予想して待ち構えていたヴィダルに捕まってしまった。
メルセデスを女だと見くびり、ヴィダルは1人で拷問をしようとした。
拷問道具を選ぼうと背を向けた時、メルセデスはいつもエプロンに隠し持っていたナイフでヴィダルの背中を刺した。
驚いて振り向いた彼の胸や腕にもナイフを立てた。最後には膝立ちになった彼の口にナイフを入れ引き裂いた。
そのまま逃げ出したメルセデスだったが、ヴィダルの部下のガルセスに追いつかれてしまった。自害しようとクビにナイフを当てた時、銃声と共にガルセスが倒れた。
メルセデスの弟のペドロが間に合い、他の兵士たちも撃ち殺された。メルセデスはペドロを見て安堵の涙を流した。
最後の試練
1人部屋に残されたオフェリアの前にパンが現れ、最後のチャンスを与えた。それは弟である赤ちゃんを連れて、共に迷宮へ行くというものだった。
なぜ弟を連れて行くのかパンに尋ねようとしたが、「質問はしてはいけない」と答えてもらえなかった。
夜が更けてからオフェリアは、赤ちゃんがいるヴィダルの部屋に忍び込んだ。ヴィダルは切られた唇を縫っていて、オフェリアに気がつかなかった。
ヴィダルの部下がゲリラが砦を襲撃したと報告に来たため、ヴィダルは部屋を出て行った。
オフェリアはテーブルに置かれた酒の入ったグラスに睡眠薬を入れ、赤ちゃんを連れ出そうとした。しかし運悪くヴィダルが戻ってきたので、慌てて物陰に隠れた。
ヴィダルは戻るとテーブルの上の酒を飲んだ。オフェリアは忍び足でドアに向かったが、ゲリラが放った爆弾が鳴りドアを見たヴィダルに見つかってしまった。
「赤ん坊を放せ」と迫ってきたが、睡眠薬が効いてヴィダルの意識が朦朧としてきた。
オフェリアは赤ちゃんを抱きかかえて外に駆け出した。その後をフラフラになりながら、ヴィダルは銃を抜いて追ってきた。
オフェリアは石壁の門をくぐり、迷宮に向かって必死に走った。
迷宮にたどり着くとパンが待っていた。
パンは「赤ちゃんを私に」と言ったが、彼女が見つけた短剣を持っていた。
何をするか尋ねると「王国の扉を開けるには、無垢な者の血が数滴必要だ。これが最後の試練だ」とパンは答えた。
弟が傷つけられると知ったオフェリアは、彼を渡すことを拒絶した。するとパンは急に態度を変え、弟を渡せと迫ってきた。
オフェリアに追いついたヴィダルは、赤ちゃんを抱いた彼女が何もないところに向かって話しているのを目にした。
ヴィダルはオフェリアから赤ちゃんを取り上げてから彼女を撃った。オフェリアは銃で撃たれた腕を見つめて倒れこんだ。
ヴィダルが赤ちゃんを抱えて石壁の門まで戻ると、メルセデスやゲリラたちが待ち構えていた。
死を覚悟したヴィダルはメルセデスに、「俺の息子だ」と言って赤ちゃんを差し出した。ヴィダルは「自分がいつ死んだか息子に伝えろ」とメルセデスに言った。しかし彼女は「名前さえ教えない」と冷たく断った。その後ヴィダルはペドロに銃殺された。
メルセデスはオフェリアを探し、迷宮の入り口で虫の息の彼女を見つけた。
オフェリアの元に駆け寄り子守唄のメロディを口ずさんだ。
オフェリアの血が、石段の下の満月を映す水たまりに落ちると地下の王国の扉が開いた。国王の声で起き上がったオフェリアは、美しい服に身を包みモアナ姫となっていた。
国王は「無垢なる者の代わりに血を流したことこそ、最も重要な最後の試練だった」と言った。パンも姿を見せ、オフェリアの選択が正しかったとお辞儀をした。
オフェリアは王国に戻り、王女として迎えられたことを嬉しく思った。
そしてオフェリアは息絶えた。
メルセデスは涙を流し続けたのだった。
『パンズ・ラビリンス』の登場人物・キャラクター
オフェリア(演:イバナ・バケロ、吹替:宇山玲加)
おとぎ話の本が好きな空想好きで無垢な少女。
妊娠中の母の再婚相手である軍の大尉が暮らす森の中の砦に一緒に行くが、義理の父となった大尉を好感を持てないでいる。大尉の冷酷な行動を垣間見るたびに、嫌悪感はますます強くなっていく。
オフェリアにとって砦での暮らしは居心地が悪く、辛く感じることが多かったが、おとぎ話の世界に浸ることで、その辛さを忘れようとしている。
砦のお手伝いをしているメルセデスと親しくなり、彼女がゲリラの味方をしていると知っても誰にも話さず秘密を守る。
最後は、大尉の怒りに触れ、命を落としてしまう。
ヴィダル大尉(演:セルジ・ロペス、吹替:諸角憲一)
森の中の砦を指揮している独裁政権軍の大尉。
とても冷酷で、臨月の妻(オフェリアの母)を山奥の砦まで呼び寄せたのも、自分のそばで息子を生ませたいという勝手な理由からである。妻やオフェリアには愛情の欠片も持ち合わせず、出産時に妻は死んでもいいが息子は無事に生ませろと医者に言い放つほどだ。非情なわりに自分の跡取りだけは何としても欲しいよういだ。
捕えたゲリラに惨いリンチを加えたり、自分を裏切った医者を情け容赦なく射殺したり、残忍な行動が祟ったのか、最後はゲリラ達に取り囲まれ弾丸を受け死んでしまう。
メルセデス(演:マリベル・ベルドゥ、吹替:塩田朋子)
砦でお手伝いをしている地元の女性。ゲリラの弟ペドロに協力し、ゲリラ達の家族との連絡係をしたり、砦の物資をこっそりかすめては弟達に渡している。
オフェリアと親しくなり、彼女が心細くなってメルセデスに頼ってきたときは子守唄を口ずさんで慰めることもある。
ゲリラに協力していたことがヴィダルにばれ、リンチされかかるがエプロンに巻き込んでいたナイフで彼の唇を切り裂いて逃げるという勇ましいところを見せる。
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目次 - Contents
- 『パンズ・ラビリンス』の概要
- 『パンズ・ラビリンス』のあらすじ・ストーリー
- おとぎの国へ
- 第一の試練
- 第二の試練
- 現実の世界
- 最後の試練
- 『パンズ・ラビリンス』の登場人物・キャラクター
- オフェリア(演:イバナ・バケロ、吹替:宇山玲加)
- ヴィダル大尉(演:セルジ・ロペス、吹替:諸角憲一)
- メルセデス(演:マリベル・ベルドゥ、吹替:塩田朋子)
- カルメン(演:アリアドナ・ヒル、吹替:瀬尾恵子)
- Dr.フェレイロ(演:アレックス・アングロ、吹替:伊藤和晃)
- ガルセス(演:マノロ・サロ)
- ペドロ(演:ロジェール・カサマジョール)
- パン(演:ダグ・ジョーンズ、吹替:山口りゅう)
- ペイルマン(演:ダグ・ジョーンズ)
- 大ガエル
- ナナフシ&妖精
- 『パンズ・ラビリンス』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「世の中は残酷なのよ。それを学ばなくては。たとえ傷ついても」
- 「豚は さばいてやる」
- 「無垢なる者の代わりに君は血を流した。それこそが最も重要な最期の試練だった」
- オフェリアが第1の試練で大ガエルをやっつける
- 第2の試練でペイルマンに襲われるオフェリア
- オフェリアに子守唄のメロディを口ずさむメルセデス
- 現実世界で死を迎えるオフェリア
- 『パンズ・ラビリンス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ギレルモ・デル・トロは実際にパンを目撃したことがある
- 主役のイバナ・バケロにとってヴィダル役セルジ・ロペスは、現場ではとても人懐こい人だった
- 『パンズ・ラビリンス』メイキングブック邦訳版が発売される
- ペイルマンのフィギュアが発売される
- 『パンズ・ラビリンス』の主題歌・挿入歌
- ハビエル・ナバレテ作曲「Long, Long, Time Ago (Pan's Labyrinth)」
- 『パンズ・ラビリンス』の関連動画
- 『パンズ・ラビリンス』日本版予告編
- 『パンズ・ラビリンス』海外版予告編