ガリバーの宇宙旅行(アニメ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ガリバーの宇宙旅行』(ガリバーのうちゅうりょこう)とは、1965年に東映系の劇場で公開された劇場用アニメ映画。東映動画の劇場用アニメ映画第8作目であり、初の宇宙SF作品でもある。スタジオジブリで長年監督を務めている宮崎駿も製作に参加していた。
主人公の少年テッドは、生きることに”希望”を持たない少年だった。ある日テッドは、かつてさまざまな冒険をしたことで有名なガリバー博士に出会う。そしてのら犬マックや兵隊人形の大佐などの仲間と共に、宇宙に浮かぶ「青い希望の星」に向けて冒険の旅に出るのだった。
『ガリバーの宇宙旅行』の概要
『ガリバーの宇宙旅行』(ガリバーのうちゅうりょこう)とは、1965年3月20日に東映系の劇場で公開された劇場用アニメ映画。東映動画(現:東映アニメーション株式会社)の劇場用アニメ映画第8作目であり、初の宇宙SF作品でもある。上映時間は80分。アイルランドの風刺作家ジョナサン・スウィフトの名作『ガリヴァー旅行記』がモデルになっている。キャッチコピーは、「月がにっこり星がきらきら 宇宙へ一とび テッド少年の大冒険!」。人気歌手・坂本九や俳優・小沢昭一、宮口精二などが声優として起用されており、作中の挿入歌の何曲かは坂本九が歌っている。『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』などで有名なスタジオジブリで長年を監督を務めている宮崎駿も製作に参加していたことで有名。しかし製作会社・東映動画のリソース不足などの影響で製作が中断したりなどしており、視聴者からだけでなく、社内人間からの評価も良くなかった。
主人公の少年テッドは、両親のいない孤児。生きることに苦労しており、”希望”を持たない少年だった。ある日テッドは、かつてさまざまな冒険をしたことで有名なガリバー博士に出会う。そしてガリバー博士が最後の冒険の目的地を宇宙とし、そこに行くために宇宙ロケットを作っていることを知った。しかしガリバー博士は老いを理由に宇宙へ行くことをすっかり諦めていた。テッドはそんなガリバー博士を説得し、のら犬のマックや兵隊人形の大佐などの仲間と共に、宇宙に浮かぶ「青い希望の星」に向けて冒険の旅に出るのだった。
『ガリバーの宇宙旅行』のあらすじ・ストーリー
ガリバー博士との出会い
主人公のテッドは両親がいない孤児である。生きる希望もなく、ただボーッと日々を生きていた。そんなある日、テッドはのら犬のマックとおもちゃの兵隊人形・大佐(たいさ)と出会う。マックの提案でテッド達は夜の遊園地に忍び込み遊ぶことにした。しかし遊んでいる途中で警備員に見つかってしまう。警備員から逃げるために、テッド達は遊園地にあった大きなロケット花火に乗って火をつける。花火は空高く打ち上げられ、テッド達は警備員から逃げ出すことに成功した。しかし花火は徐々に高度を落とし、ついには墜落してしまう。
落ちた先は暗い森の中。その中に一件の家が建っていた。テッド達がその家を尋ねると、そこはかの有名なガリバー博士の家だった。ガリバー博士は様々な国を冒険したことがある冒険家で、その活躍をテッドは映画で見たことがあった。しかし目の前にいるガリバー博士はかなり年老いていた。戸惑うテッドにガリバー博士は宇宙へ行くことができる宇宙ロケットを見せてくれた。たくさんの国を冒険してきたガリバー博士は、人生の最後に望遠鏡で見ることができる宇宙にある青色をした惑星へ冒険をすることを決めた。しかし宇宙船「ガリバー号」を作っている内にすっかり年老いてしまい、ガリバー博士は宇宙へ旅立つことをすっかり諦めていた。そんなガリバー博士に、テッドは自分も一緒に宇宙へ行きたいと言い出す。「希望があります」とそう言うテッドの言葉を聞き、ガリバー博士は宇宙へ旅立つ決心をした。
宇宙へ出発
テッド、マック、大佐は厳しい訓練に耐え、無事に宇宙へ出発する資格を得た。そしてガリバー博士は助手のカラスのクロー、そしてテッド達3人と、「ガリバー号」で「青い希望の星」と名付けた惑星を目指して旅に出る。宇宙での旅は楽しく、時にはトラブルにも巻き込まれた。それでもテッド達は順調に冒険を続けていく。そしてついに「青い希望の星」に近づいた時だった。何者かの宇宙船に導かれ、「ガリバー号」は「青い希望の星」の近くにある「紫の星」に強制着陸させられてしまった。テッドやガリバー達を招いたのがその惑星のお姫様だったことがわかった。王宮に招かれたテッド達は、お姫様から「青い希望の星」がどのような惑星かを聞かされる。
もともと「紫の星」の人々は、「青い希望の星」に住んでおり、高い科学文明を持っていた。先祖達が作ったロボットは実に優秀で、人々の生活は豊かなものだった。しかしある日、ロボット達が暴れ出し、人々に反旗を翻した。ロボットのせいでそのまま「青い希望の星」に住むことが難しくなった人々は、現在住む星に移住。それでもロボットが追いかけてきて攻撃してくるので、さらい移住ができる惑星を探しているとのことだった。自分達が「青い希望の星」と呼んでいた星がとんでもない星だったことを知り、テッド達はがっかりする。
すると突然サイレンが鳴り響いた。それはロボット達の襲撃を知らせるものだった。人々はそれぞれシェルターに入って隠れたが、シェルターごとお姫様とマックが攫われてしまった。王様や科学者達はお姫様が攫われたことを嘆く。しかし助けに行くのは不可能だとして、行動を起こす前から諦めていた。それを見たテッドは、自分達がお姫様とマックを助けに行くと決意。希望を捨てずにロボット達と戦う術を探し始めた。
ロボットとの戦い
テッド達は、「紫の星」の科学者達と共にロボットを倒す方法を探した。そしてロボット達の弱点がH2O(水)であることを突き止めた。テッド達はたくさんの水を用意して「ガリバー号」に乗り、「青い希望の星」へと行く。「ガリバー号」の侵入に気がついた巨大なボスロボットは、他のたくさんのロボットに出撃命令を出す。捕らえられていたマックはそれを見て、新しいロボットを生み出しているスクラップ工場を破壊するため走り出した。その間もロボットの進軍は続き、テッドとロボット達が対峙する。テッドはロボット達の攻撃を避けながら水鉄砲で敵を撃ち続つ。思った通りロボットの弱点はH2O(水)であり、テッドの攻撃を受けたロボットは次々に崩れ落ちた。ボスロボットは全軍に出撃命令を出した。ガリバー博士はこの隙にお姫様とマックを探すようにクローに言う。クローは言われた通り、マックとお姫様の捜索へ飛び立った。
テッドは自身の身長ほどある水風船などを駆使して、次々にロボットを倒していく。その頃マックはスクラップ工場への侵入に成功し、新たなロボットが生み出されるのを阻止した。ロボットが補充されなくなり、残るはそしてボスロボットとの戦いになった。テッド達はボスロボットに追いかけ回され窮地に陥る。戦いの中でテッドはボスロボットの中に入れることを知った。テッドはボスロボットの中に侵入し、ボスロボットを操縦していた複数のロボットを倒すことに成功。制御を失ったボスロボットは暴れ回り、ついには自滅した。
ロボット達がいなくなった後、テッド達はお姫様を探す。そしてお姫様が入ったシェルターを発見した。眠り続けるお姫様の顔にテッドは持っていた水を少しつけてやる。するとお姫様を覆っていた殻(服)が壊れ、中から本当の姿のお姫様が出てきた。「紫の星」の人々はロボットを作るのと一緒に自分達をもロボットにしてしまっていたのだ。テッドはそれに気がついていた。「青い希望の星」は新しく生まれ変わる。その希望を与えたのがテッドだったのだ。
『ガリバーの宇宙旅行』の登場人物・キャラクター
主要人物
テッド
CV:坂本九
『ガリバーの宇宙旅行』の主人公。両親のいない孤児であり、生きることに苦労していた。そのため生きることに対して”希望”を持っていなかった。しかしガリバー博士との出会いで”希望”を持つようになり、性格も一気に前向きになる。老いを理由に冒険に出ることに足踏みしているガリバー博士の背中を押し、仲間と共に宇宙にある「希望の星」への大冒険へ出た。
ガリバー博士(ガリバーはかせ)
CV:宮口精二
かつてさまざまな冒険を繰り広げたことで有名な博士。作中の映画館内で公開されていた映画『ガリバー旅行記』の主人公。世界各地を冒険して周り、最後の冒険の目的地を宇宙にすることを決めた。しかし宇宙に行くためのロケットを造っている間に時間経ちすぎてすっかり老いさらばえてしまう。宇宙へ行くことをすっかり諦めていたが、テッドの後押しにより、仲間と共に最後の大冒険へと出た。
テッドとガリバー博士の旅の仲間
マック
CV:堀絢子
図太い神経を持ったのら犬。食い意地が張っている。テッドと出会い、イイところに連れて行ってやると言って遊園地へ誘った張本人である。テッドの良き友人になり、ガリバー博士と共に宇宙旅行へと旅立った。
大佐(たいさ)
CV:小沢昭一
背中のネジを巻くと動くおもちゃの兵隊人形。階級が大佐なので、テッドからはそのまま「大佐」と呼ばれている。頑固おやじのような物言いをし、保守的な考えを持つ。遊園地に行くのも宇宙旅行に行くのも危険だからと最初は反対したが、多数決という数の暴力に流され、しぶしぶテッドやマックに付き合う。
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目次 - Contents
- 『ガリバーの宇宙旅行』の概要
- 『ガリバーの宇宙旅行』のあらすじ・ストーリー
- ガリバー博士との出会い
- 宇宙へ出発
- ロボットとの戦い
- 『ガリバーの宇宙旅行』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- テッド
- ガリバー博士(ガリバーはかせ)
- テッドとガリバー博士の旅の仲間
- マック
- 大佐(たいさ)
- クロー
- 紫の星
- 王女
- 王様
- 科学者たち
- その他
- 「青い希望の星」のロボット
- キューピッド
- ナレーター
- 『ガリバーの宇宙旅行』の用語
- 『ガリバー旅行記』
- 青い希望の星
- 紫の星
- 『ガリバーの宇宙旅行』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- テッド「でも 希望があります!」
- 『ガリバーの宇宙旅行』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 若き日の宮崎駿も製作スタッフとして参加
- 『ガリバーの宇宙旅行』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:坂本九「遊園地の歌」
- 挿入歌:西六郷少年少女合唱団、東京ルナ・アルモナコ「ガリバー号マーチ」
- 挿入歌:坂本九「地球の歌」
- 挿入歌:ダニー飯田とパラダイス・キング「ロボットたちの歌」