シノン（ソードアート・オンライン）とは【徹底解説・考察まとめ】

「その価値観にわたしまで巻き込まないでよ！」

BoB予選決勝、キリトとシノンがマッチングし対決することになったのだが戦意を燃え滾らせるシノンに対して死銃の正体に気付いてしまったキリトにはあまり戦意が感じられなかった。自身の愛銃で狙うも避けるそぶりすらなかったためしびれを切らしたシノンが「たかがバーチャルゲームのたかがワンマッチ。あんたがそう思うのは勝手よ！でも、その価値観にわたしまで巻き込まないでよ！」と全力で戦えないことに対して最大限の怒りを込めてキリトにぶつけたセリフだ。作中の名言の多くには過去の辛い記憶を持つシノンが抱くゲームへの強い想いが埋め込まれており彼女にとってかけがえのないものであることが思い知らされる発言の1つである。

「なら！私をあなたが一生守ってよ！」

シノン自身、GGOにおいて数少ない女性プレイヤーだ。そんな中でキリトの女性に極めて近いアバターのせいで同年代でGGOをプレイしている子がいると勘違いしたシノンは恥をかかされてしまい開きかけていた心を完全に閉ざしてしまうのだった。が、BoB本戦にてキリトが共闘を申し出るが説得に応じることはなかった。後にキリトは、シノンが死銃のターゲットになっていると知り、何度も言葉を投げかけた結果シノンから出た言葉が「なら！私をあなたが一生守ってよ！」だった。それまで、ともに戦う人がおらず孤高でクールな装いをしていたシノンだが初めて嘘無く心を開いた瞬間であり、己の「弱さ」を他人に見せたのがわかるセリフである。

「理由は優勝するはずだった人がおみやげグレネードに引っかかったから」

死銃との決戦を終えたキリトとシノンが合流した際、最後の2人ということで勝敗をどうするかという話になった。
そこでキリトに自分を倒せと言われるが「傷だらけの人を倒したとしても自慢できない」と返す。そこでシノンが用意していたのがおみやげグレネード。ピンを抜く直前にキリトに向かて「第3回BoBは2人同時優勝だったんだって。理由は優勝するはずだった人がおみやげグレネードに引っかかったから」と優しく語った。本戦まで抱えていた鬱憤や本戦中の悩みや葛藤がキリトとの対話や戦闘で晴れたことで曇りなく心からこの結末を望むという意思が伝わってくるセリフである。その発言の後、ピンを抜き笑顔でキリトの手にグレネードを渡すがもちろんキリトはたじろぐがシノンが抱き着いて逃がすことなく2人で爆死した。

「あ、じゃあわたしもあれ欲しい。光弓シェキナー」

アスナたちと共にプレイするためALOにダイブしたシノン。エクスキャリバーのクエストを手伝うことになるのだがそのお手伝いの見返りの話になった際、「あ、じゃああれ欲しい。光弓シェキナー」と零した。
これにはあのキリトも「キャラ作って2週間でもうレジェンダリーウェポンをご所望ですか」と驚いてしまう。本来の駆け出しプレイヤーであればそんなふざけたこというなとなる発言だが、GGOにて狙撃手としてプレイしていたためALOでの弓の射程距離の短い今の装備では不満だったようだ。場違い発言というのもあるがシノンのひょうひょうとした性格がとてもうかがえる発言である。

「この剣を抜く度に…心の中でわたしを思い出してね」

エクスキャリバーのクエスト終盤にて崩壊するダンジョンにて瓦礫と共に落ちてゆく”エクスキャリバー”をシノンが魔法と弓で拾い上げたシーンの後にあったセリフである。
エクスキャリバーまで200m近くある距離だったためその場にいた皆が拾い上げられると思っていなかった。そのシーンだけ見れば本当にかっこよく、その場にいたみんなにも賞賛されていたが、その剣をキリトに手渡した際「この剣を抜く度に...心の中でわたしを思い出してね」と発言し、キリトに好意を寄せていた面々が大半の女性陣からは嫉妬のまなざしを向けられることとなった。

「お前は、神でも悪魔でもないわ。ただの人間よ！」

「アリシゼーション War of Underworld編」にて、ベルクーリが道連れにしたガブリエルは1度強制ログアウトさせられたが、自身のGGOアカウントである”サトライザー”のアバター情報をコンバートさせ再びアリスのもとに舞い戻る。そこにシノンが駆けつけガブリエルと対峙する。GGOの中ではサトライザーとしてプレイしているガブリエルと面識があったため彼を恐れ身動きが取れなくなっていた。そんなとき、シノンがリアルでかけていた死銃事件でキリトがつけていた電極のペンダントがUWにて出現しシノンの窮地を救う。そのペンダントを手にしたシノンはガブリエルに立ち向かうことを決意、キリトの存在を強く感じ神器アニヒレート・レイをGGOでの愛銃ウルティマラティオ・へカートIIへ変身させる。魂のこもった弾丸を放ちガブリエルに打ち込む。ガブリエルや以前のシノンのように力を誇示するだけが真の強さではないと気づき、過去を受け入れトラウマを克服したことで成長したシノンがキリトたちと生活する中で見つけた真の強さを見せつけるセリフである。

シノンの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

死銃事件後の過去を受け入れたシノン

キリトの死銃事件調査をきっかけに自身の抱えていた悩みや葛藤を他人に見せることができるようになり、人の助けを借りて少しずつ前に歩めるようになったシノン。シノンの抱えていた問題を解決する引き金になればとキリトたちが計画したシノンが救った母子との対面を経て、自身の抱え続ける罪とその反対の助けられた命をみて自身が救われる権利もあると知った。それまでは自分が奪った命にばかり視点が向きトラウマを克服できずにいたが、母子との対面をきっかけに100あった罪の意識がなくならない程度に減っていき、過去の出来事を完全に否定し今の自分をも否定するようなことはなくなった。それをきっかけに発作を起こすこともなくいじめにも抗える強さを手に入れた。シノンはキリトたちと一緒に過ごす中で少しずつ今までの自分にかけていたものを拾い集めながらさらなる強さを身に着けていくのだ。

キリトに対する好意の重さ

シノンは死銃事件を知る前に恭二に告白されたことがあったが、当時はトラウマを克服できていなかったこともあり恋愛に前向きになれないと語っていた。だが、恭二に襲われ命の危機に陥ることもあったが結果的にはキリトに救われキリトの身体を張ってでも助けてくれたその姿勢に惚れていた。シノンの好意はとどまることを知らず、恋人のアスナを前にしても頬にキスをしたり言い寄るような発言をしたりと悪意こそ莫れシノンの肝の座りようはすごい。特に愛情の深さが窺われるのが、死銃事件終盤でキリトが恭二に毒を注射されたと思われたシーンでキリトを毒から守った電極をペンダントにし肌身離さず身に着けていたところである。好意のあり方は人それぞれであるようにシノンのキリトに対する好意の行方は未だ不鮮明である。シノン以外のキリトに想いを寄せていたヒロインたちは基本的に引き下がるか振られるか失恋かで幕引きとなっているがシノンに関しては幕引きとまではいっていない。

MORE DEBAN村に正式加入

これはアニメの余談ではなく、ラノベの余談となる。
アニメでもアスナ・リーファに続き下着姿を公開されてしまったシノン、追い打ちをかけるように悲報が続く。SAOのラノベでは、全盛期を終え出番が極端に減ったヒロインが加入させられるMORE DEBAN村があるとされている。ラノベではリズ、シリカ、リーファの3人が名前を変えて「YATTA！DEBAN DA！」と、「YATTA！」がリズ、「DEBAN」がシリカ、「DA！」がリーファという形で形成された。シノンも例外ではなく15巻にて正式加入が発表されてしまった。だが、ここで注目するべきは4人の中でシノンとリーファはWar of Underworld編にて長尺の戦闘シーンがあるということだ。あまり触れてはいけないのが長尺なし姉妹の方である。2人はクラインたちとALOのプレイヤーに直談判するシーンはあれどそこまでの長尺ではなかった。シノンはリーファと似た扱いではあるが1シリーズでメインヒロインを飾っていた功績か度々出番が保証されている。ちなみに「YATTA！DEBAN DA！」のスピンオフがあるためシノンにスポットが向けられたスピンオフも可能性はある。