物語シリーズの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『物語シリーズ』は『化物語』をはじめとする西尾維新による小説のシリーズ。『化物語シリーズ』と呼ばれることもある。21世紀初頭の日本の田舎町を舞台に、阿良々木暦と「怪異」にまつわる物語が描かれる。
『物語シリーズ』では西尾維新独特の言葉遊びが存分に発揮されており、多くの名言・名セリフや名シーン・名場面が生まれている。名言・名セリフの中にはアニメ主題歌の曲名の由来となった言葉もある。

「儂らは過去を水に流してはならんのじゃ。それでも、歩み寄ってはならん理由はなかろうよ」

『偽物語(上)』の「かれんビー」におけるセリフ。
忍は春休みに暦と決裂して以来、誰とも口を利くことなく、恨めしそうに無言で周囲を睨んでばかりいた。しかし「かれんビー」において、暦の妹の阿良々木火憐(あららぎかれん)が貝木に「囲い火蜂」という怪異をうつされたことを機に、話始める。暦は忍に対して謝ろうとしたが、それを遮り「儂らは過去を水に流してはならんのじゃ。それでも、歩み寄ってはならん理由はなかろうよ」と言った。
春休みに決裂した2人が、新たな関係性を築くことになる重要なセリフである。

「ぱないの!」

『偽物語(下)』の「つきひフェニックス」で初登場したセリフ。
ドーナツが大好きな忍がミスタードーナツのお店に連れて行った際に、ショーケースに並べられた大量のドーナツを前にして大興奮し「ぱないの!」と叫んだ。「初期の高貴で冷酷な性格、中期の無口な性格が微塵も残っていない」と暦に呆れられたほど可愛らしくはしゃいだ姿で、ファンを驚かせた。その後も興奮した際に「ぱないの!」と言うようになり、忍野忍を代表するセリフとなった。

阿良々木火憐の名言・名セリフ/名シーン・名場面

火憐の兄妹に対する思い

『偽物語(下)』の「つきひフェニックス」におけるシーン。
このエピソードで、暦は末妹の阿良々木月火(あららぎつきひ)が「しでの鳥」という怪異が人間に擬態した存在であることを知る。怪異の専門家である影縫余弦(かげぬいよづる)に「人間を騙している悪だ」と言われ、少なからず動揺した暦。彼はその後、何も知らない火憐に対し「お前さ。僕のために死ねるか?」と訊いた。火憐は「死ねるよ。だから何?」と即答する。「月火のためには?」と訊かれた際にも、「笑いながら死んでやる」と答えた。そしてさも当たり前のように「月火はああたしの妹なんだ――当然だろ?」と言う。火憐の迷いのない言葉が暦の背中を押し、暦は怪異である月火のことを家族として愛すること、彼女を退治しようとする影縫余弦と戦うことを決心したのだった。

阿良々木月火の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「プラチナムカつく」

『偽物語(上)』の「かれんビー」におけるセリフ。
「かれんビー」では火憐と月火が中学生の間で起きたトラブルを解決するために動いた結果、貝木に一杯食わされてしまう。暦はその経緯を月火から聞こうとするが、怒られたくない月火はどうにか話題をそらそうとする。その中で出てきたのが「プラチナむかつく」である。月火は自分の口癖だと言っているが、暦は一度も聞いたことがなかった。なお「プラチナむかつく」は「プチむかつく」の派生であり、そこまで怒っているわけではないと語っているが、暦に「そんな口癖知らない」と言われた時は激怒しながら「プラチナむかつく!」と言っている。
非常に語感のいいセリフで、『偽物語』のアニメのオープニング「白金ディスコ」の由来にもなった。

忍野メメの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「きみが勝手に1人で助かるだけだよ、お嬢ちゃん」

『化物語(上)』の「ひたぎクラブ」におけるセリフ。
戦場ヶ原には体重がないということを知った暦は、怪異の専門家である忍野メメのもとへ彼女を連れていった。胡散臭い恰好をした忍野に戦場ヶ原が「私を助けてくださるって、聞いたのですけれど」と言うと、忍野は否定して「きみが勝手に1人で助かるだけだよ、お嬢ちゃん」と返した。人を食ったようなセリフであり、実際に戦場ヶ原は気分を害したが、忍野にとってこれは自身の重要な信条である。忍野は人と怪異の間に立ち、どんな時でも「自分は助けない、相手が自分で勝手に助かるだけ」というスタンスを徹底し、「力を『貸す』」という言い方をしている。これは『化物語』の前日譚である『傷物語』でも同様だ。

「何かいいことでもあったのかい?」

『化物語(上)』の「ひたぎクラブ」におけるセリフ。
怪異によって体重がなくなり、困っている戦場ヶ原に対して「きみが勝手に1人で助かるだけだよ、お嬢ちゃん」と人を食ったようなセリフを吐く忍野。それに対して戦場ヶ原は怒った様子を見せるが、それでも忍野は「何かいいことでもあったのかい?」と挑発的な態度を崩さなかった。他にも暦が怒っている場面などで、このセリフを使用しており、忍野メメを象徴するような言葉となっている。

貝木泥舟の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「偽物のほうが圧倒的に価値がある」

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