物語シリーズの名言・名セリフ／名シーン・名場面まとめ

『化物語（上）』の「まよいマイマイ」におけるセリフ。
八九寺は暦に呼びかけるとき、「阿良々木」という苗字を毎回のように噛む。「阿良々々木」「ありゃりゃ木」「ラララ木」「ムララ木」「阿々良木」などと呼びかけた後、暦が突っ込み、それに対して八九寺が「失礼。噛みました」と返すのがお約束。物語が進むにつれ、「失礼。噛みました」の後に暦と八九寺で「違う、わざとだ…」「噛みまみた」「わざとじゃない！？」とやり取りを行うまでがお約束の展開となる。テンポの良い2人のやり取りが多くのファンの癖になった。

神原駿河の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「阿良々木先輩！頼むから――助けるべき相手を、間違えないでくれ」

『化物語（下）』の「なでこスネイク」におけるセリフ。
神原駿河（かんばるするが）は暦の一学年下の後輩の女の子だ。神原は戦場ヶ原を慕うあまり、彼女と恋人関係にあった暦を怪異の力で殺しそうになった。しかし忍野と暦の力で問題は解決し、暦とは恋のライバルでありながら友達のような関係になった。
その神原は忍野への負債を返済する過程で、なし崩し的に、同級生に呪いをかけられた少女の千石撫子（せんごくなでこ）の問題に関わることになる。暦たちは忍野の教えのもと、千石にかけられた蛇の呪いを解こうと試みるが、呪いが1つではなく2つだったことから儀式が失敗しそうになった。暦は無理やり千石を締め付ける不可視の蛇を引きはがして退治しようとする。しかしそんな暦を制したのが神原だった。蛇を引きはがされた時点で千石は呪いから解放されていた。「人を呪わば穴二つ」。千石から引きはがされた蛇は、彼女を呪った人物のもとへ帰っていく。暦は蛇を退治して、呪いをかけた人物も助けようとしていたのだ。
そんな暦に神原は「阿良々木先輩！頼むから――助けるべき相手を、間違えないでくれ」と声をかけた。普段は暦を盲目的に慕っている神原でも、肝心な時にはたしなめることができると示した場面である。

「誰かが誰かを好きになる気持ちだって、自然だろうが！」

『終物語（中）』の「しのぶメイル」におけるセリフ。
このエピソードではキスショットの1人目の眷属、初代怪異殺しとの関係が描かれる。初代怪異殺しはかつてキスショットにより人間から吸血鬼になったが、それを受け入れられずに自殺した経緯を持つ。しかし自殺して灰となっても生存し続けて、北白蛇神社で怪異の材料となる「よくないもの」をよせ集め、矮小化し忍野忍（おしのしのぶ）と名づけられたキスショットの来訪で復活を果たす。
復活した初代怪異殺しはキスショットとの和解を目論み、暦と接触する。忍は初代怪異殺しの復活を聞いても、複雑な心境から彼と会おうとはしなかった。しかし神原にはそれが許せなかった。会わずに済まそうとすることを「よくないこと」だと言い、真っ向から忍と対峙する。その中で飛び出たセリフが「誰かが誰かを好きになる気持ちだって、自然だろうが！」というものだった。
忍は「吸血鬼の主従は好き不好きで語るものではない」と言うが、「それを阿良々木先輩にも言えるか」と神原に返されると黙ってしまった。忍が初代怪異殺しに対して抱いていた複雑な感情は明らかにならなかったが、神原のこのセリフがあって、忍は初代怪異殺しとの決着を着けることができた。

千石撫子の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「今日以外は全部忙しいくらいだよ！」

『偽物語（上）』の「かれんビー」におけるセリフ。
千石は「なでこスネイク」以降、暦と交流を持つようになった。夏休みに入ったある日、暦は「今度撫子の家に遊びに来てね」と言われたことを思い出し、彼女に電話をかける。千石は今から遊びに行っても良いか尋ねられた際、とても驚いていた。暦が「今日いきなりが都合悪いなら」と別の日にしようとするが、千石は慌てたように「今日以外は全部忙しいくらいだよ！」と言った。引っ込み思案で気弱な性格の千石が、想いを寄せる暦に対しては強硬なアプローチを仕掛けていることが垣間見えるセリフである。

「片思いをずっと続けられたら――それは両想いよりも幸せだと思わない？」

『恋物語』の「ひたぎエンド」におけるセリフ。
千石は「なでこメドゥーサ」にて、精神に異常をきたして北白蛇神社のご神体を飲み込み、蛇神へと神化した。蛇神となった千石は自分のことを好きにならない暦を殺そうとする。しかし戦場ヶ原の交渉でそれは卒業式の日まで先延ばしにされることになった。その間に戦場ヶ原は怪異の専門家である貝木泥舟（かいきでいしゅう）に事態の解決を依頼する。
貝木は千石に接触して「人間に戻りたいか？」と尋ねた。しかし千石は「暦と恋人になれるとしても人間には戻らない」と答える。そして「片思いをずっと続けられたら――それは両想いよりも幸せだと思わない？」と続けた。
千石は内気かつ臆病な性格をしているように見えるが、本来は甘ったれで傲慢な性格だ。そして怠惰でもある。両想いになることを目指さないこのセリフは、千石という人物を如実に示したものとなっている。

羽川翼の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」

『化物語（上）』の「ひたぎクラブ」で初めて登場したセリフ。
羽川はかなりの博識で、暦から「お前は何でも知ってるな」と感心されることもしばしばある。そのたびに彼女は「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」と返している。初めてこのセリフが披露されたときには、「戦場ヶ原」という苗字が地名姓であり、「ひたぎ」という名前が土木関係の用語であることを語り、暦から感心されていた。それからも何かにつけて感心する暦に、「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」と返答しており、羽川を象徴するセリフとなった。

阿良々木暦に告白

『猫物語（白）』の「つばさタイガー」におけるシーン。
羽川は高校2年生から3年生にかけての春休みに暦と知り合い、惹かれはじめた。しかし告白することもなく時間がたち、やがて戦場ヶ原が暦の恋人となってしまう。それが大きなストレスとなり、「つばさキャット」や「つばさタイガー」の事件を引き起こすことになる。
「つばさタイガー」では苛虎（かこ）という危険な怪異を生み出してしまう。これを鎮めるため、羽川は障り猫を元に翼が創り出した「ブラック羽川」となり、1人で対峙する。しかし苛虎の方が強く、ブラック羽川は少しの時間稼ぎしかできなかった。だがそのおかげで暦が駆けつけることができ、苛虎は退治された。ブラック羽川から元に戻った羽川は、そこで初めて暦に自分の想いを告げる。暦には振られてしまったが、羽川が前に進むきっかけとなった。

忍野忍／キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの名言・名セリフ／名シーン・名場面