ウェルフィン(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ

ウェルフィンとは漫画『HUNTER×HUNTER』キメラ=アント編に出てくるキャラクター。摂食交配という特殊な生態を持つ女王蟻から生み出された狼の姿をしたキメラ=アント。元女王軍師団長。嗅覚が効く為、追跡能力に長けており、衣服や血の匂いで対象の動向を辿ることができる。警戒心と懐疑心が強く、ずる賢く立ち回る策士。東ゴルトー国の影の王を狙っていたが、同じキメラ=アントであるイカルゴとの戦闘で自分の前世を思い出し、反キメラ=アント派となる。キメラ=アント編終幕に大きくかかわる重要人物である。

ビゼフ長官

東ゴルトー共和国長官で、マサドルディーゴ総帥の部下。
マサドルディーゴ総帥が怠惰ですべてをビゼフへ丸投げしている為、実際は東ゴルトー共和国の政治・国情勢を管理している裏の総帥。
東ゴルトー共和国がキメラ=アントに侵略され、王直属護衛軍にマサドルディーゴ総帥と共に捉えられるものの、有能さを買われメルエムの管理下に置かれることとなる。
ウェルフィンは東ゴルトー護衛軍として近づき、当初はビゼフ長官を没落させ、この立ち位置を狙っていた。キメラ=アント討伐隊の突入で宮殿が崩壊した際、ヒナに助けられ逃亡を計画。
キメラ=アント編終結後は、自身が犯罪者となった境遇から、ウェルフィンやヒナと共に流星群へジャイロを探す旅に同行する。

メルエム

キメラ=アントの王。生まれながらにして、王としての自覚と自負があり、他のすべての生き物を「餌」として認識している。体格は小柄だが、身体能力は他のキメラ=アントをはるかに凌駕し、長い尾を鞭のようにして対象を叩き潰す。一人称は「余」。
捕食した対象のオーラ量、能力を奪い取り昇華させ強化することができる能力を持っている。身体を傷を癒すことや部位損傷を治すことも可能。念系統では放出系。
モントゥトゥユピーとシャウアプフを摂取したあとは、巨大な岩山を消し飛ばす威力を持つビームを発射したり、宮殿の周囲数キロを覆う超広範囲の「円」を展開している。
冷酷非道、唯我独尊な性格で気に入らない者は排除する。王直属護衛軍と共に、念能力者を捕食する為に行動しており、東ゴルトー共和国を制圧。最終的には地球上の全生物を「統一」することが目的であった。しかし余興として行っていた盤上競技「軍議」の対局で、少女コムギと出会い、メルエムの心境に変化が生まれる。
ウェルフィンの一言でコムギを思い出したメルエムは、ウェルフィンを生かしコムギと共に最期の時を過ごすことを選ぶ。

renote.net

シャウアプフ

蝶のような姿をしたキメラ=アントで、王直属護衛軍。通称プフ。
念系統は操作系で、羽から催眠効果のある鱗粉をまいて暗示をかけたり、オーラの流れから相手の思考を推測することもできる。
タキシードを着て整った顔出ちをしており、一見クールなキャラクターに見えるが、メルエムへ対する忠誠心が強く、メルエムが絡むと我を忘れて取り乱す姿も描かれている。
自身の中に理想的な王の姿があり、メルエムを絶対的王として君臨させるべく、緻密に計画を練る頭脳派。
計画遂行の為にコムギの存在が疎ましく、メルエムが記憶喪失のうちにゲームと称して気を引き、コムギ暗殺を目論む。シャウアプフは、コムギを守るようメルエムから指示を受けている同じ王直属護衛軍のネフェルピトーを欺く為、コムギの声帯模写を行い、連絡係であるウェルフィンの前で電話をかけている。この時の一瞬の記憶が、ウェルフィンの最後の一言を紡ぎだした。

renote.net

モントゥトゥユピー

魔獣と混成型のキメラ=アントで、王直属護衛軍の一人。
シャウアプフとは真逆で直情的で、猪突猛進な性格をしている。人間の混ざっていないキメラ=アントの為、人間性よりも本能や直感が強く、個に対しての執着が薄い。
念系統は変化形で、自分の身体の形を自由に変化させることができる。翼を生やしたり、眼球を腕に増やすなども可能である。また、怒りのエネルギーを蓄積し爆発させることで、強大な威力を持った攻撃を行う。
戦闘の中で「怒り」をコントロールできるようになり、戦闘スタイルに変化が現れる。また、敵に敬意を払ったり義理立てる場面も見られたりと、徐々に人間らしい振る舞いを行うようになっていく。
ウェルフィンは短絡的なモントゥトゥユピーの性格を知って、会話から必要に応じて情報を小出しにするなど狡猾に立ち回るシーンが描かれている。メルエムが戦闘で瀕死に陥った際、シャウアプフと共に自らの肉体を分ける。その後、シャウアプフのコムギ暗殺計画に協力するべく西棟の監視に向かう途中で、ウェルフィンと対峙し勝負を挑まれる。

ウェルフィンの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「コムギ…?」

ウェルフィンの活躍・名場面はなんといっても、この発言。
単行本 30 巻「No. 313 一言」での発言で、キメラ=アント編のクライマックスシーン。
シャウアプフの秘密であり、メルエムの忘れていた少女の名前を呼ぶ一コマ。
ウェルフィンが生死の狭間で、記憶を頼りに紡ぎだした一言であり、キメラ=アント編を終結へと導いた一言であり、掲示板の「なんJ」などでも「コムギ…?」の一言で王を止めたとして高い評価を受けている。

「正直に話すって…楽だな~~って思ってよ…」

イカルゴの戦闘後、前世の記憶を思い出しながら、正直に自分の気持ちを吐き出したウェルフィンが呟いた一言。
疑り深くずる賢い性格で、用心深く周囲を警戒していた為、これまで自分の気持ちを正直に吐くことがなかったことから出た言葉だった。人間の頃に仲間だったイカルゴを思い出し、さらに戦闘の中で気迫ある漢気を見せたイカルゴを信用し、ウェルフィンが自分の本心を出した瞬間だった。

ウェルフィンの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

名前の由来は「well fin」で意味は「物語を良く上手に終わらせる」

ウェルフィンの一言によって、キメラ=アント編の物語が大きく動き出し、終結へと向かったが、ウェルフィンの名前にその思いが込められているのではと考えられている。

ウェルフィンの名前は、英語で「良い、上手に」という意味の「well」 と、フランス語で「終わり、最後」という言葉の「fin」に分解することができる。
このことからファンの中で、冨樫が伏線として名前に意味を持たせており、「物語を良く、上手に終わらせる」という由来で名づけられたのではないか、もしくは、「FINALE」「フィナーレ」からもじったのではないか、と噂されている。
冨樫本人は明かしていないが、これまでの「HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)」の物語や冨樫の作品を鑑みて、名前をつかった伏線の可能性は十分に考えられるだろう。
どちらにしてもウェルフィンがキメラ=アント編を終結に向かわせ、人類と蟻との長い闘いに終止符を打った重要人物だったということに変わりはない。

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