メルエム(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ
メルエムとは漫画『HUNTER×HUNTER』に登場するキャラクターでキメラ=アントの王。自らが種の全てを託された王であるという自覚と自負を、生まれながらにして持っている。非常にプライドが高く、自身の発言・命令への拒否、偽り、誤魔化しは断じて許さない。口癖は「二度言わすな」。身体能力は他のキメラアントを遥かに凌駕しており、長く伸びた尾をムチのように振るい、相手を叩き潰すことを得意としている。
メルエムのプロフィール・人物像
CV:内山昂輝
メルエムとは漫画『HUNTER×HUNTER』に登場する第一級隔離指定種に認定されている昆虫で、非常に貪欲・凶暴な蟻キメラ=アントの女王から誕生したキメラ=アントの王である。身長は漫画の主人公であるゴンと同程度の小柄な体格をしており一人称は「余」。母である女王蟻は摂食交配という特殊な産卵形態をとり、他生物を食べることでその生物の特徴を次世代に反映させることができる。メルエムは女王蟻の腹を突き破って誕生した後、本能的にレアもの(念能力という体から溢れ出す生命エネルギー「オーラ」を自在に使いこなす力を持っている人間)が自らの強大な力(栄養)になることを感じ取りレアものを喰うために旅立つ。
自らが種の全てを託された王であるという自覚と自負を、生まれながらにして持っている。非常にプライドが高く、自身の発言・命令への拒否、偽り、誤魔化しは断じて許さない。口癖は「二度言わすな」。自分以外の全ての生物を「餌」として認識しており、同種である兵隊蟻を平然と殺し、喰らう。
王直属の護衛軍の三人であるネフェルピトー・シャウアプフ・モントゥトゥユピーにだけはある程度の仲間意識を持ってはいるが、意に沿わない行動を取った場合には自らの手で殺害する事に些かの躊躇いも抱かない。 身体能力は他のキメラ=アントを遥かに凌駕しており、一挙手一投足は常人には視認すらできず、師団長クラスの蟻でも時間潰しにすらならない。長く伸びた尾をムチのように振るい、相手を叩き潰すことを得意としている。何気ない殴打であっても、殴られた生物は基本的にバラバラに吹き飛ぶ。最終目的は地球上の全ての生物を「統一」し、キメラ=アントを更なる次元へと進化させることである。
メルエムの来歴・活躍
王メルエムの誕生
主人公ゴンと親友のキルアはゴンの父親であるジンを探しているうちにジンの弟子であるカイトと再会する。カイトはネオグリーンライフ(NGL)に流れ着いたキメラ=アントという虫の生態について調査していた。キメラ=アントは摂食交配という特殊な生態系を持ち、栄養価の高い生物が狙われた。最初に流れ着いた女王蟻は重傷の身を潜めた洞窟で魚や小動物などを食べてその間に兵隊蟻を産んでいった。そのうち、兵隊蟻たちに餌を探しに行かせ捕らえてきた動物や昆虫、さらには人間までも捕食対象にしてしまうようになった。
捕食対象である人間は栄養価が高く、特にレアものは栄養価が非常に高いと判断した女王蟻。腹の中で育つキメラ=アントの次期王となる蟻にたくさんの栄養を与えるため、兵隊蟻たちに人間をもってくるよう命令し次々と捕食していった。このことを危険視したネテロ会長率いるハンター協会は一つ星ハンターのモラウとノヴを引き連れNGLへ訪れていた。この間にもキメラ=アントは次々と人間を襲い捕食を続けついにキメラ=アントの王メルエムが女王蟻の腹を突き破って誕生する。
王が生まれ女王蟻が役割を終えると護衛軍は瀕死状態の女王蟻を見捨てて王に忠実な兵隊となった。そしてメルエムと護衛軍のネフェルピトー(通称ピトー)・シャウアプフ(通称プフ)・モントゥトゥユピー(通称ユピー)は新しい巣を求めて旅立っていった。
コムギとの出会い
生まれてからすぐに旅立った王メルエムは閉鎖された国「東ゴルドー共和国」を支配下にし拠点を作った。そして民衆を集め、念を込めた拳で殴り生き残った人間だけが念能力に目覚めるのでその人間を兵隊にし、世界を支配しようとしていた。まとまった数の人間が集まるまでメルエムは、退屈しのぎに人間とさまざまなテーブルゲームを始めた。そしてメルエムとの勝負に負けた人間は用無しとして即座に殺されてしまった。そんな中、軍儀(『HUNTER×HUNTER』の世界に存在する空想のゲームで囲碁や将棋のようなもの)の天才であるコムギと出会った。早速メルエムとコムギは対局を始めた。コムギは全盲で歩くときは杖をついており、適当に結んだボサボサの髪と常に鼻水を垂らして一見パッとしない雰囲気をしていた。しかし、それまでの人間と違いいくら対局を行っていくうえでメルエムが成長し強くなっても勝てる気配が全く見えてこなかった。
焦れた王は精神を揺さぶるために「賭けをしよう」と提案し「お前が勝ったらなんでもくれてやる、ただし負けたら左腕を貰う」と言うと、コムギは散々悩んだあげく「腕じゃなくて命で良いですか?」と言った。 「目の見えない自分はコレ(軍儀)以外に出来ることはない、負けたらゴミなのだ」と返答、しかし「ただそうなるとゴミを渡すことになってしまう、それは失礼なのではないか」と見当違いの事で悩んでいた。その答えに、王は覚悟と精神においてコムギに劣っていた事を自覚した。そうして自身よりも遥かな高みにいるコムギとの対局を続けていくうちに自らの価値観に変化が生じ始め戸惑いを抱く。このことを良しとしなかったプフの言葉の誘導により暴力こそがこの世でもっとも強い能力であると元々の価値観を思い出し、軍儀という暇つぶしを終わらせるためにコムギを殺そうとコムギの元へと向かった。しかしそこではコムギがとても大きなカラスに襲われて血だらけになっていた。メルエムは思わずコムギを助け、なぜ助けを求めてこなかったのか詰問すると「早朝ですから…ご迷惑をおかげすてはいけないと…」と釈明された。メルエムはコムギを諭すように「迷惑なことなど何もない…貴様は大事な客だ」と温かい言葉をかけた。そして、先ほどまで殺そうと思っていた者に対して不意に出た自らの言葉にメルエム自身戸惑っていた。
その後人間の中にも少数ながら価値を認めるに値する存在がいると認識し、己の力を暴力による抑圧ではなく、現在の不平等な社会を破壊し、弱者を庇護することで理不尽な格差の無い世界を創設するために使うことを決意した。メルエムとコムギの対局を近くで静観していたプフはコムギの影響で人間に対する価値観が変わっていくメルエムをみて、この先人間を兵隊として地球を支配する計画にコムギはメルエムの心を乱すものとして邪魔な存在になるのではないかと懸念した。
メルエムVSネテロ
コムギとの軍儀に明け暮れていたメルエムだったが、ついに選別(念能力を目覚めさせることができるかどうか)の日が近づいてきていた。ネテロは古くからの友人である暗殺一家ゾルディック家のゼノに依頼し、ゼノの能力である「ドラゴンダイブ」で直属護衛軍であるピトー、プフ、ユピーをメルエムから遠ざけメルエムに決戦を挑もうとした。しかしこのドラゴンダイブは空から念弾のようなものを落とす無差別な攻撃の為、一般人であるコムギにも直撃し重傷を負ってしまった。ドラゴンダイブによる攻撃でメルエムを心配し駆け付けたピトーに、メルエムはピトーの能力「ドクターブライス」でコムギを治療するよう命令し場所を変えて応戦するとネテロに告げた。ネテロは残忍で冷酷なキメラ=アントの王というイメージとあまりにかけ離れていたため戸惑ったが、人間にとって脅威となることは間違いないと判断しメルエムの指示に従って場所を変え、戦うこととなった。
ついにネテロとメルエムの決戦が始まった。ネテロは自身の能力である「百式観音壱乃掌」を繰り出し攻撃するが、メルエムは無傷であった。メルエムはネテロの百式観音の攻撃を受けてこの域に達するまでの想像を絶するネテロの鍛錬の過酷さに想いを馳せ「天晴じゃ!褒めてつかわす」と告げた。この態度にネテロは「蟻が!」と完全にブちぎれてしまう。しかしどれだけ強力な技をネテロが繰り出してもほぼ無傷のメルエムとの戦いは長期戦となった。徐々に体力を削がれていくネテロの一瞬の隙をついたメルエムはネテロの右足と左腕をもぎ取った。それでも全く闘志に衰えがみえないネテロはいよいよ奥の手である百式観音「零」という技でネテロの全オーラを目も眩むような恒星に匹敵するほどの光の弾に変えて放つ無慈悲の一撃を放った。しかしそれを喰らってもメルエムは致命傷になるほどのダメージは受けなかった。
ついに万策尽きたネテロは最終手段にでることになる。それは「ミニチュアローズ」、通称薔薇と呼ばれている人類が生み出した悪魔の兵器である小型核爆弾だった。ネテロはその兵器を自らの体に埋め込んでいたのだ。その時のネテロの顔はまさに死神のようでメルエムは底知れぬ人間の悪意が全てつまったような言いようのない悪寒を感じていた。しかし、そのただならぬ気配に危機感を感じるが時すでに遅し。ネテロの心臓が停止することを条件に起爆するよう施されていた兵器はネテロが自ら心臓を止めたことにより起爆し、周囲は超高熱の火の海になり、薔薇のような特大の雲がはるか上空まで打ちあがった。これによりネテロは死亡。メルエムも肉体は焼き尽くされ木炭のようになってしまい両手両足ともに吹き飛んで瀕死の状態となってしまった。しかし、まだ息があったためすぐに駆け付けたプフとユピーの体の一部を食べ回復した。
だが、ネテロのミニチュアローズには毒が仕込まれており、後にこのミニチュアローズによる攻撃を受けたメルエムはもちろん、駆け付けたプフとユピーもこの毒に侵されてしまった。
メルエムの最期
ネテロの最終手段であったミニチュアローズの攻撃を受け瀕死の状態からなんとか回復したメルエムだったが、その体は遅行性の毒に侵され衝撃のためか記憶も失ってしまっていた。そのためコムギの存在も忘れてしまっており、さらにコムギによる影響を良しとしないプフの誘導によって当初の王の価値観に戻りかけていたが、東ゴルドー共和国に帰還して出遭ったキメラ=アントの1人ウェルフィンを問い詰めた際に零れた「コムギ」と言う単語に反応して全てを思い出した。
全てを思い出したメルエムはコムギの居場所を捜索する。コムギはゼノのドラゴンダイブにより一時致命傷を負っていたが、ピトーのドクターブライスにより回復し、キメラ=アント討伐隊により隔離されていた。メルエムは隔離された場所で眠っているコムギをみつけ「起きろコムギ!打つぞ」と起こした。二人は再びいつものように軍儀を打つがメルエムは唐突に自分が毒に侵され余命が長くないことを告げた。そして「最期をコムギ…お主と打って過ごしたかった」と自らの思いを何の脚色もなく素直に吐露した。毒に侵されているメルエムと一緒に過ごすことにより毒が感染してしまうためメルエムは遠まわしにコムギをこの場から去るように促したが、コムギはメルエムの発言を遮るように軍儀をパチっと差し、「メルエム様。ワダす今とっても幸せです。不束者ですがお供させてください」とコムギも自らの心情を洗いざらい吐き出した。メルエムは驚きの表情を浮かべこの瞬間のために「自分は生まれてきた」のだと気付いたのだった。徐々に衰弱し目も見えなくなりコムギの居場所を言葉で確認しながら軍儀を続けようとするが、疲れ果て「少し眠る」と言い残しコムギに抱かれながらメルエムは死亡した。
メルエムの能力
食うことで自分のものに出来る能力
メルエムは食べることにより強くなる。特にレアものを食べることによりその能力を自分のものにすることができる。ネテロとの戦いではネテロのミニチュアローズにより瀕死状態となったがプフとユピーの体の一部を食べることにより復活し、それぞれが持っていた能力を自身のものにし、なおかつより強力なものへと昇華させている。
高次元の”円”
「念能力」というのは、オーラとよばれる生命エネルギーを用い戦闘などを有利にする独自の特殊能力であり、主に四大行から成り立っている。円とはその中のオーラが拡散しないように、体の周囲にとどめる「纏」と精孔を広げて、通常以上のオーラを出す「練」を使った、高等応用技である。キメラ=アント編で「モントゥトゥユピー」「シャウアプフ」を取り込んだことで、円もさらに高次元の能力へと昇華した。メルエムの円はオーラを無数の光子に変えて周囲に放つ。光子は消えることなくあり続け一粒一粒はごく微小ながらオーラを出している。メルエムは光子が付着したものの形態や性質感情などを読み取ることが出来る。
メルエムの関連人物・キャラクター
コムギ
東ゴルドー共和国出身の少女。軍儀の棋士にして世界チャンピオン。全盲で歩くときは杖をついている。適当に結んだボサボサの髪と常に垂らした鼻水で一見ぱっとしない雰囲気をしている。喋り方は舌足らずで東北弁風、一人称は「ワダす」。 普段はおっちょこちょいで日常生活もままならない。軍儀を打つときだけ開眼し雰囲気が一変するが見えてはいないようだ。選別が始まるまでの王・メルエムの余興として宮殿に呼ばれメルエムと軍儀の対局をし、その過程でメルエムの精神を大きく揺さぶり価値観も変えていった。
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ゼノ=ゾルディックとは『HUNTER×HUNTER』の登場人物で、主人公ゴン=フリークスの親友であるキルア=ゾルディックの祖父。暗殺一家ゾルディック家の一員。キルアに対して甘い一面があり、家族の意に反しハンターの道を進むキルアを見守っている。オーラと呼ばれる生命エネルギーを龍に変化させ自在に操る変化系の能力者。ハンター協会会長を務めていたアイザック=ネテロと古くから付き合いがあり、表社会と裏社会を統べる者同士で持ちつ持たれつの関係を築いている。登場人物の中でも、トップクラスの実力の持ち主である。
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ノブナガ=ハザマ(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ
ノブナガ=ハザマとは、冨樫義博の作品である『HUNTER×HUNTER』に登場するキャラクターである。クモと呼ばれる盗賊集団・幻影旅団の初期メンバーで、旅団内では特攻の役割を担っている。戦闘に長けており殺人に一切の躊躇がない冷酷さを持つ。その反面、自らが気に入った人物に対しては情に厚く、尋問中の主人公・ゴンがノブナガを腕相撲で打ち負かした際には、旅団への入団を誘った。また常に刀を持ち歩き、素早い抜刀で標的を殺害できる。一族を滅ぼされたクラピカと旅団で激しい争いを繰り返している。
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シルバ=ゾルディック(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ
シルバ=ゾルディックとは漫画『HUNTER×HUNTER』に登場するキャラクターであり、暗殺一家ゾルディック家の当主。ゴンの友達キルアの父親。長身、長髪で筋肉質な見た目は周りのものを委縮させるほどの威圧感がある。過去には幻影旅団の団員と戦って暗殺したことがあり、暗殺者としては一流の腕を持つ。キメラアント編ではヂートゥを一撃で叩き潰している。
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ウボォーギン(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ
ウボォーギンとは、冨樫義博の漫画作品『HUNTER×HUNTER』に登場する盗賊集団「幻影旅団」の一員である。ライオンの鬣を思わせる髪型と、筋骨隆々の大柄な体格が特徴。頑丈な肉体と、拷問を受けても動じない精神力を持つ。念系統は「強化系」で、自身の肉体を武器とする。念を使わずとも十分強く、たった1人で武器を持つ複数の敵を屠った。幻影旅団に恨みを抱くクラピカに拉致され倒されるが、自身の死に際しても決して仲間を売ることはなかった。
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