ウェルフィン(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ

ウェルフィンとは漫画『HUNTER×HUNTER』キメラ=アント編に出てくるキャラクター。摂食交配という特殊な生態を持つ女王蟻から生み出された狼の姿をしたキメラ=アント。元女王軍師団長。嗅覚が効く為、追跡能力に長けており、衣服や血の匂いで対象の動向を辿ることができる。警戒心と懐疑心が強く、ずる賢く立ち回る策士。東ゴルトー国の影の王を狙っていたが、同じキメラ=アントであるイカルゴとの戦闘で自分の前世を思い出し、反キメラ=アント派となる。キメラ=アント編終幕に大きくかかわる重要人物である。

ウェルフィンの前世は「ザイカハル」という名の人間で、イカルゴとは人間時代に仲間であった。
前世での幼少期、実の父親に殺害されかけるという辛い過去を持っており、その際に助けてくれたのが兄弟のように仲が良く、慕っていた「ジャイロ」だった。ジャイロとザイカハルは幼少期に互いに不幸な家庭環境で育っており、お互いに励ましあいながら必死に生きてきた様子が描かれている。ジャイロはのちにNGL自治国の創設者となり、団体の裏の王として君臨。ザイカハルもNGLに所属しており、この時に人間であったイカルゴとも行動を共にし、お互いに信頼しあっていた仲間だった。
NGLがキメラ=アントに襲われ、ザイカハルやイカルゴも仲間たちと一丸となって戦ったが虚しく、NGLは国家滅亡へと追い込まれる。
ザイカハル、ジャイロ、イカルゴはともにこの戦いで女王へ捕食され、キメラ=アントへと生まれ変わった。

ウェルフィンは女王軍師団長として任務を遂行し、メルエムの誕生によって女王死亡後はシャウアプフから能力を与えられて護衛軍に従っていた。ハンター協会のキメラ=アント討伐作戦により宮殿が混乱に陥る中、作戦の囮として宮殿の内部へ入ったパームを救出すべく、宮殿の地下へ潜入していたイカルゴと遭遇し、戦闘となる。
ウェルフィンは、イカルゴと出会うまで人間だった頃の記憶を忘れていた。
NGLを滅亡へ追いやったキメラ=アントは、NGLの人間にとって敵であり、ジャイロの敵である。それは、自分やイカルゴにとっても例外ではない。
ウェルフィンはイカルゴとの戦闘で前世の記憶を思い出し、自分たちの共通の敵はキメラ=アントであり、自分にとっての王は「ジャイロ」ただ1人だと自覚した。ジャイロに一目会えればそれでいい、という使命を見つけ、新たな目的のため行動をする。

ウェルフィンにとっての王(ジャイロ)

モントゥトゥユピー(中段)に戦闘を挑むウェルフィン(上段・下段コマ)

イカルゴとの戦闘のあと、前世を思い出したウェルフィンへイカルゴは伝言を預けていた。

キメラ=アントの王メルエムを倒すため、ハンター協会会長アイザック=ネテロが最後の手段として使用した、「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」という毒入り爆弾がさく裂した。
メルエムは爆発の後遺症で記憶喪失を発症しており、将棋に似た架空の盤上競技「軍議」を共に行っていた少女「コムギ」を思い出せなくなっていた。
メルエムは暇つぶしに様々な盤上競技を行い、対局の中で成長しプロを打ち負かしていった。ただこの軍議だけは、何度対局を重ねても少女コムギに勝つことができず、メルエムはいつしかコムギと軍議をして過ごす時間を楽しく思うようになっていた。

イカルゴたちはコムギを捕獲しており、その待ち合わせ場所をメルエムに伝えようとしていた。
一方シャウアプフはメルエム復活の為コムギ暗殺を計画していた。モントゥトゥユピーに、西棟付近の監視を命じ、メルエムにコムギのことが耳に入らないよう、自身の体のオーラを円形に広げる念能力の技術「円」で警戒させていた。念のオーラ「円」に触れているものは対象の姿・形を判別することができる。
しかしそこでモントゥトゥユピーは、ウェルフィンと出会う。
前世の記憶を思い出したウェルフィンにとって、従うべきは血のつながっていない弟・親友であるジャイロの意思であり、ジャイロこそが自分にとっての王であった。
王直属護衛軍であるモントゥトゥユピーを前に、覚悟を決めウェルフィンは戦闘を仕掛ける。
しかし、ウェルフィンが攻撃を行う寸前、モントゥトゥユピーは「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」の毒により息絶えた。

老化したウェルフィンの最期の一言

宮殿へ向かう道中、モントゥトゥユピーの亡骸を見つけたシャウアプフとメルエムは、群衆の中でウェルフィンと出会う。メルエムはウェルフィンから放たれる自身へ向けられた敵意に気付いており、モントゥトゥユピーの変わり果てた姿ついてもウェルフィンの仕業かと尋問を行っていた。しかし、メルエムが言葉を投げかける途中でシャウアプフはメルエムを制止し、辞めるように訴えた。その真意は、シャウアプフにとってメルエムに秘密にしている少女「コムギ」の存在の手がかりが尋問により明らかになるのを避ける為だった。
自身の発言を遮られたメルエムは強烈な殺意をシャウアプフに向けるが、死への覚悟と強い信念を受け条件を飲む。そしてメルエムの殺意は、モントゥトゥユピーの仇でもある、目前のウェルフィンへと向けられた。
ウェルフィンはまさに捕食される直前、その一瞬でシャウアプフとメルエムのやり取りを見て必死に考えていた。
目の前で何度も仲間を殺されている姿を見ているウェルフィンにとって、自分がメルエムに捕食される数秒先の未来は見えていた。
メルエムの凄まじいまでの殺意の念を浴び、死の恐怖を実感したウェルフィンは一気に老化し、みるみるうちに変わり果てた姿となっていく。
死を目前にし、「死にたくない」、「生きたい」という心の叫びの中で、次に発言する“最初の一言”が自分の“最期の一言”になると確信していた。

目まぐるしく働いた脳が絞り出した言葉が、「コムギ…?」の一言であった。
その名前はメルエムが忘れていた少女の名。共に軍議をし、ネフェルピトーに治療までさせて命を救った大切な存在のことだった。

ウェルフィンのその後

メルエムがコムギを思い出したことによって、2人は残り僅かな限られた時間を軍議を打つことで過ごすことを選ぶ。
一方で、ウェルフィンはコムギを思い出させてくれたと感謝され、メルエムからその場を見逃され、一命を取り留める形となった。これにより、キメラ=アント編は終盤へと向かう。
ウェルフィンはその後、東ゴルトー共和国の長官ビゼフと、報酬狙いでビゼフを助けて逃亡を共にしていた、イカルゴと同じハギャ隊の兵隊長ヒナと合流。ヒナのお付きをしていたレイナを彼女が住んでいた村へ送り届けると、ジャイロを捜しに流星街へと向かうのであった。

ウェルフィンの関連人物・キャラクター

ジャイロ

NGL自治国の創設者であり、裏の王。
NGL自治国は機械文明を排除し自然の中で人々が生活する国である。
しかしこれは表向きの顔で、裏では巷で流行している麻薬の製造や流通、銃や武器の持ち込みなどを行っており、ジャイロはこれらを取りまとめていた。
ウェルフィンと同様、幼少期に父親から虐待を受けており、 12 歳の頃に父親を殺害し逃走。そしてその9年後にNGLを設立する。キメラ=アントに襲撃を受けNGLが滅亡、自身も捕食されるが、ジャイロは他のキメラ=アントと異なり女王蟻への忠誠心をはじめから持たずに、自我を持ったまま生まれ変わった。
記憶を失うこともなく、「ジャイロのまま生まれ変わった」と言われているが、作中では姿は明らかにされていない。

イカルゴ

タコの姿をしたキメラ=アント。タコなのにイカルゴという名前で作中でも突っ込みを受けていた。
ライオン型のキメラ=アントで、後にレオルに改名するハギャが率いる隊の兵隊長を務めている。見た目はふざけたように見えるが意外と男前で覚悟を持っている。
仲間思いで、キメラ=アントでありながら、敵を殺すことを躊躇う優しい性格が垣間見える。
キメラ=アント討伐作戦に参加していたキルア=ゾルディックと対峙しするが、戦いに負け捕まってしまう。仲間を売ることができず、負けを認め自ら命を絶とうとするところで、その男気を認められ命を助けられた。
その後別のキメラ=アントと戦い、動けなくなっているキルア=ゾルディックを助け、お互いに友情が芽生える。
ここからキルア=ゾルディックと、主人公でありキルアの親友であるゴン=フリークスと行動を共にし、キメラ=アント討伐に参加している。
人間だった頃の記憶があり、NGLでウェルフィンと仲間であった。
ウェルフィンとの戦闘での会話からお互いに信頼し仲の良い同志であったと思われる。

renote.net

ヒナ(ヒリン)

うさぎの姿をしたキメラ=アントで、イカルゴと同じハギャ隊の兵隊長。同じハギャ隊の兵隊長であるトンボ型のキメラ=アント「フラッタ」と共に行動をしていることが多い。ウェルフィンが策士タイプで裏の王を狙ったのに対し、ハギャは表立って“王”を目指しており、そのサポートをしていた。しかしキメラ=アント討伐作戦により、送り込まれたハンターによって深手を負わされ、東ゴルトー共和国へ移動。キメラ=アント編序盤で女王に捕食された少女レイナの生まれ変わりであるシドレに、身の回りのことをさせている。
念能力の中では珍しい除念の能力を持っており、除念中はお腹が大きくなる。
壊れた宮殿から抜け出す際にビゼフ長官を助け、物語の最後では、ウェルフィン・ビゼフ長官と共にレイナを村へ送り届け、ジャイロを捜しにウェルフィンたちと共に流星街へと向かう。

シドレ(レイナ)

キメラ=アント編序盤で女王に捕食された少女レイナの生まれ変わり。キメラ=アントに一番初めに捕食された人間であり、ここからキメラ=アントは栄養価の高い人間を襲うようになる。雑務兵の為、念能力は使うことができず、ハギャ(レオル)隊の配下でヒナの付き人をしている。キメラ=アントと人間の戦い終結後には、ウェルフィンとヒナに送ってもらい、自身の故郷NGL自治国で暮らす。

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ノブナガ=ハザマ(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ

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ノブナガ=ハザマとは、冨樫義博の作品である『HUNTER×HUNTER』に登場するキャラクターである。クモと呼ばれる盗賊集団・幻影旅団の初期メンバーで、旅団内では特攻の役割を担っている。戦闘に長けており殺人に一切の躊躇がない冷酷さを持つ。その反面、自らが気に入った人物に対しては情に厚く、尋問中の主人公・ゴンがノブナガを腕相撲で打ち負かした際には、旅団への入団を誘った。また常に刀を持ち歩き、素早い抜刀で標的を殺害できる。一族を滅ぼされたクラピカと旅団で激しい争いを繰り返している。

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シルバ=ゾルディック(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ

シルバ=ゾルディック(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ

シルバ=ゾルディックとは漫画『HUNTER×HUNTER』に登場するキャラクターであり、暗殺一家ゾルディック家の当主。ゴンの友達キルアの父親。長身、長髪で筋肉質な見た目は周りのものを委縮させるほどの威圧感がある。過去には幻影旅団の団員と戦って暗殺したことがあり、暗殺者としては一流の腕を持つ。キメラアント編ではヂートゥを一撃で叩き潰している。

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ウボォーギン(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ

ウボォーギン(HUNTER×HUNTER)の徹底解説・考察まとめ

ウボォーギンとは、冨樫義博の漫画作品『HUNTER×HUNTER』に登場する盗賊集団「幻影旅団」の一員である。ライオンの鬣を思わせる髪型と、筋骨隆々の大柄な体格が特徴。頑丈な肉体と、拷問を受けても動じない精神力を持つ。念系統は「強化系」で、自身の肉体を武器とする。念を使わずとも十分強く、たった1人で武器を持つ複数の敵を屠った。幻影旅団に恨みを抱くクラピカに拉致され倒されるが、自身の死に際しても決して仲間を売ることはなかった。

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