白（NARUTO）の徹底解説・考察まとめ

薬草を摘みに森へ出かけた白は修行に明け暮れているナルトと出会う。里1番の忍者・火影を目指して修行するナルトに白は「君には大切な人がいますか？ 人は…大切な何かを守りたいと思ったときに 本当に強くなれるものなんです」と問いかける。ナルト自身も忍者学校時代の恩師・うみのイルカが命を狙われた時に彼を守るため馬鹿力を発揮して敵を倒したり、再不斬と初めて戦ったときにはカカシが「俺の仲間は絶対に殺させやしない」と約束し、命がけで戦ってくれた経験があり、「それはオレもよく分かってる」と理解を示した。その言葉を聞いた白は笑顔を見せ「君は強くなる」と伝えた。大切な人について問いかけた際、白は言葉には出していないが、脳裏に孤独だった自分を拾ってくれた時の再不斬の姿が浮かんでおり、白にとっての大切な人が再不斬であることが提示されている。

「ボクは大切な人を護りたい… その人の為に働き その人の為に戦い その人の夢を叶えたい… それがボクの夢 その為ならボクは忍になりきる あなた達を殺します」

第七班と再不斬、白の決戦の舞台となった波の国の橋の上。白は再不斬の命令でサスケ、後から合流したナルトと戦うこととなる。心優しい性格の白はナルトたちを殺したくはなかったが、彼らの存在が再不斬の目的達成の妨げになるため、「ボクは大切な人を護りたい… その人の為に働き その人の為に戦い その人の夢を叶えたい… それがボクの夢 その為ならボクは忍になりきる あなた達を殺します」と心を殺して2人の殺害を決意し、容赦なく襲い掛かる。自分の心を殺して人を殺害できるほどの精神力をナルトとサスケは持ち合わせておらず、同年代ながら白の強さはもちろん忍者としての覚悟、生き方も圧倒的な差があると思い知らされることになる。

「再不斬さんはボクが 血継限界の血族だと知って拾ってくれた 誰もが嫌ったこの血を…好んで必要としてくれた…嬉しかった…！！」

ナルトは悪人である再不斬のことを”大切な人”として慕う白がどうしても理解出来なかった。白は血継限界のせいで両親を失い、人々から迫害されてきたこと、誰からも必要とされず生きることの苦しみを語った。そんな自分に再不斬が声をかけてくれた時のことを思い出し「再不斬さんはボクが 血継限界の血族だと知って拾ってくれた 誰もが嫌ったこの血を…好んで必要としてくれた…嬉しかった…！！」と涙ながらに告白した。白から純粋に慕われているにも関わらず再不斬は白のことを道具として見ており、白もそれを十分理解してそばいるため、ナルトはやはり戸惑いを隠せなかった。

「再不斬… さん……… ありがとう…」

第四次忍界大戦にて穢土転生の術により復活した白と再不斬は、最後に戦ったカカシと再び対峙することになる。再不斬が共に転生されたことで白は、自分が守り切れなかった、道具として役に立てなかったことを悔やんでいたが、白は最期に再不斬を守りぬいたこと、再不斬が白のことを道具と思っておらず感謝していたことを伝えた。その言葉に白は驚き、「再不斬… さん……… ありがとう…」と涙を流して感激した。

白の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

白の没デザインは熊

再不斬と白は当初デザインが違っており、再不斬は金太郎がモチーフの大男、白は巨大な熊だった。しかし、当時の担当編集者から「初めての敵はカッコよくないとダメ」と没にされ、現在のデザインとなった。

ナルトへ大きな影響を与え回想で度々登場

白の存在や「大切な人のために戦う」という信念はナルトに大きな影響を与えており、死後も度々回想で登場する。音隠れの里と砂隠れの里が共謀して木ノ葉を襲った「木ノ葉崩し」で砂隠れの下忍・我愛羅（があら）と戦うナルト、サスケ、サクラは、他人を信用せず自分だけを愛し、自分のために戦う我愛羅の強さに苦戦する。その時ナルトは、白の「人は大切な何かを守りたいと思ったとき…本当に強くなれるものなんです」という言葉と彼の最期の姿を思い出し、本当の強さは我愛羅のように自分のために戦うときではなく、大切な人を守るときに発揮できると気付いた。満身創痍のサスケ、人質に取られてしまったサクラを守るため、ナルトはサスケが驚くほどの力を発揮し、我愛羅を倒すことが出来た。
再不斬と同じ霧の忍刀七人衆の1人・黒鍬雷牙（くろすききらいが）と戦った際、彼に従う少年・蘭丸（らんまる）と出会う。病弱な蘭丸は雷牙のサポートありきで生活が出来ており、彼が倒れて1人になってしまった時には死を望んでいた。その姿にナルトは白を重ね、今度は命を救おうと懸命に励まし保護する。ナルトの協力で1人で生きる力を手に入れた蘭丸は、村のカレー屋で元気に働き始める。

ゲームオリジナルストーリーでは原作よりも先に穢土転生

作中では第四次忍界大戦で初めて穢土転生をされているが、PlayStation 2専用ソフト『NARUTO-ナルト-ナルティメットヒーロー2』のオリジナルストーリーにてすでに穢土転生をされている。こちらも薬師カブトと彼の上司で音隠れの里の長・大蛇丸（おろちまる）が術を発動し、白に木ノ葉の里を襲うように命じた。その後里内でサスケと戦い、敗れたことで術が解ける。再不斬も復活していたが共に行動することは叶わず、「再不斬さん…」と最後に名前を呼んで消滅した。