うる星やつら(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『うる星やつら』(うるせいやつら)とは、高橋留美子の漫画作品で、浮気性の少年と宇宙人の少女を中心に描かれる、日本の高校から宇宙の果てまでを舞台にした壮大無比にしてハチャメチャなラブコメディ。地球の未来を賭けた“追いかけっこ”で鬼星の少女ラムに勝利した諸星あたるは、この時に発した言葉を誤解されて彼女から婚約者扱いされることとなる。女好きなあたるは熱烈な愛情と嫉妬深さを隠そうともしないラムから逃げ回るが、次々と来訪しては傍迷惑な事件を起こす珍客を相手にする内、彼女と強い絆で結ばれていく。
あたるが浮気するたびにラムが口にするセリフ。大抵はこの後電撃による制裁が行われる。
彼女の尽きることのないあたるへの熱烈な愛情がどこから湧いてくるのかと感心してしまう。『うる星やつら』の定番のやり取りであり、ファンにとってはお馴染みの光景である。
あたる「好きな人を好きでいるために、その人から自由でいたいのさ」
劇場版第2弾『ビューティフルドリーマー』より。この作品は監督である押井守の趣味や思想が非常に色濃く出ており、原作ファンの中には「『うる星やつら』というより、『うる星やつら』の世界観を使用した押井守の映画」という者もいるが、あたるのこのセリフに関しては彼の内面をよく表していると評価する声が多い。
ここでいう「好きな人」とは、もちろんラムのことである。身勝手な物言いではあるが、あたるが本心ではラムを愛していること、自分がそれに応えられるか分からないからこそ彼女の好意を正面から受け取れないことを端的に言い表している。若い頃に聞けば「軟弱な」と呆れ、ある程度歳を取ってから聞けば「本気だからこそ向き合えないこともあるよね」と納得できなくもない、あたるの複雑な心境が見えてくる。
ラム「一生かけても言わせてみせるっちゃ!」 あたる「いまわの際に言ってやる!」
本作の最後の最後に交わされた、ラムとあたるのセリフ。この期に及んでもなお「好きだ」とはっきり言わないあたるに呆れ、諦める様子も無いラムの恋心とバイタリティに感心し、同時にそんな2人の関係になんだかほっとしてしまう。
しかしよくよく見ていくと、ラムは「一生あたるから離れない」と宣言しており、あたるはあたるで「自分が人生の最後を迎える時には、ラムは必ず側にいる(あるいはラムが息を引き取る時には自分は必ず彼女の側にいる)」ことをまったく疑っていない。非常に迂遠で回りくどくて、見守る側からすればもどかしいことこの上無いが、実質的にはプロポーズと言ってもいい言葉である。
これから先もこの2人は、きっと様々な騒ぎを起こして、その都度周囲を振り回し、それでも人生が終わるその時までずっと一緒にいるのだろう。そんな風に信じさせてくれる、物語のラストを飾るにふさわしい名シーンである。
『うる星やつら』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
大成功につながった“ヒロイン交代”
後発の作品に多大な影響を与えた、日本漫画史上にその名を残す傑作SFラブコメディ『うる星やつら』。逃げ回るあたるをラムが空を飛んで追いかける様は、マンガやアニメのファンの中では「作品を見たことはないけど知っている」というほどに有名だが、実はラムは物語のヒロインとして設定されたわけではないことはあまり知られていない。
当初本作のヒロインだったのはしのぶで、彼女とあたるを中心としたラブコメディに当て馬のような形でラムが加わるというのが作者である高橋留美子が想定していた内容だった。しかし好意全開であたるを追い回すラムは当時としては非常に斬新なキャラクターで、予想外の人気に加えて話が作りやすいといった作劇上の都合もあり、しのぶを押しのける形で正ヒロインに抜擢。やがてあたるとの腐れ縁にも似た関係を築いていった。
メガネ役声優・千葉繁の躍進
1980年代という中にあって、アニメ、ゲーム、映画と今でいうメディアミックスを果たした『うる星やつら』は、ここに参加した声優たちにとっても大きな転機となった作品である。中でも本作での演技が声優としての再評価につながったのが、ラム親衛隊のリーダーであるメガネを演じた千葉繁だ。
本作までの千葉繁といえば、『天才バカボン』のお巡りさんなどハイテンションなギャグキャラを演じることが多く、メガネもまた当初はそういった扱いだった。しかし劇場版作品などではたびたびシリアスな長セリフを語るシーンが描かれ、その際に見せた真面目かつ鬼気迫る演技に「千葉繁はこんな声も出せるのか」とファンも制作側も驚愕。以降はギャグキャラだけでなく、ごく真面目なキャラやコメディチックな中に狂気を感じさせるキャラクターのオファーも届くようになったという。
『うる星やつら』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):松谷祐子『ラムのラブソング』(1話~77話)
OP(オープニング):小林泉美『DANCING STAR』(78話~106話)
OP(オープニング):成清加奈子『パジャマ・じゃまだ!』(107話~127話)
OP(オープニング):CINDY『Chance on Love』(128話~149話)
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目次 - Contents
- 『うる星やつら』の概要
- 『うる星やつら』のあらすじ・ストーリー
- 地球を賭けた“追いかけっこ”
- 混沌の恋模様
- 闇の世界からの誘い
- 未来を懸けた“鬼ごっこ”
- 『うる星やつら』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 諸星あたる(もろぼし あたる)
- ラム
- 地球人
- 三宅しのぶ(みやけ しのぶ)
- 面堂終太郎(めんどう しゅうたろう)
- 藤波竜之介(ふじなみ りゅうのすけ)
- ラム親衛隊:メガネ/パーマ/チビ/カクガリ
- 宇宙人
- テン
- おユキ
- 弁天(べんてん)
- ラン
- 『うる星やつら』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ラム「うちという者がありながら!」
- あたる「好きな人を好きでいるために、その人から自由でいたいのさ」
- ラム「一生かけても言わせてみせるっちゃ!」 あたる「いまわの際に言ってやる!」
- 『うる星やつら』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 大成功につながった“ヒロイン交代”
- メガネ役声優・千葉繁の躍進
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- ED(エンディング):小林泉美『I, I, YOU & 愛』(55話~64話)
- ED(エンディング):小林泉美『夢はLOVE ME MORE』(78話~106話)
- ED(エンディング):リッツ『恋のメビウス』(107話~127話)
- ED(エンディング):CINDY『OPEN INVITATION』(128話~149話)
- ED(エンディング):Steffanie『エヴリデイ』(150話~165話)
- ED(エンディング):南翔子『GOOD LUCK ~永遠より愛をこめて』(166話~195話)
- ED(エンディング):MAISONdes『トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ』(2022年版)