ブリジット・ジョーンズの日記(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブリジット・ジョーンズの日記』とは、2001年に公開されたロマンティック・コメディ映画。原作は作家ヘレン・フィールディングの同名コラムで、結婚相手が見つからない女性の寂しい本音を赤裸々に描いている。ブリジットはちょっと太めのシングル女性で、お酒と煙草が止められず、恋も仕事も失敗ばかり。そんなブリジットの等身大の姿が、世の女性の多くの共感を呼び、異例の大ヒットとなった。温かくて親切で正直な愛すべきキャラクター、ブリジットの恋と仕事を巡るドタバタ劇を描いたコメディ満載のハートフルストーリーだ。

『ブリジット・ジョーンズの日記』の名‌言・‌名‌セ‌リ‌フ‌/‌名‌シー‌ン・‌名‌場‌面

ブリジット「気分はすっかり銀幕の女神」

オープンカーで映画女優を気取るも、風で髪がボサボサになったブリジット

ダニエルに週末旅行に誘われ、オープンカーで美しい田舎道を走り抜ける。
ブリジットは「気分はすっかり銀幕の女神」と有頂天だ。
しかし女優のように優雅には振舞えず、髪を覆っていたスカーフは風に飛ばされ、髪は爆発したようにボサボサになってしまう。
ブリジットのコメディチックな性格が垣間見え、笑いをさそう場面である。

ブリティッシュ・ジョークの数々

ベットでジョークを言い合うブリジット(左)とダニエル(右)

今作は皮肉やウィットに富んだセリフが多く、観客を大いに楽しませてくれる。
例えばベットの中のブリジットとダニエルのセリフにそれがよく表れている。
ブリジット「今あなたがやったことって、国によっては違法行為よ」
ダニエル「その通り。その点ではイギリスってほんと素晴らしい国だよな」
ブリジット「だよね。こんないいセールスポイントを、首相は何でスピーチでアピールしないんだろ」
権力に批判的で機知に富んだ、ブリティッシュ・ユーモア満載の映画である。

ブリジット「ここに残ってあなたの近くで働くなら、まだサダム・フセインのお尻ふきやる方がましだわ。」

ブリジットのサダム発言に色めき立つ出版社の同僚

ダニエルの裏切りを知って、ブリジットは人生をやり直すために転職し、ダニエルに退職を申し出る。
上司のダニエルはそれを止めようとするが、ブリジットは「ここに残ってあなたの近くで働くなら、まだサダム・フセインのお尻ふきやる方がましだわ。」と言い放つ。
それを見ていた会社の同僚達はその威勢の良さに、色めき立つ。
ドジでおっちょこちょいのブリジットだが、最低男ダニエルに啖呵を切るこのシーンは、きっぱりとしていて胸がスカッとするシーンだ。

『ブリジット・ジョーンズの日記』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

浮気男ダニエルのその後

最後のエンドクレジットで、ダニエルのその後が明かされている。
そこでダニエルは隣に女性を従え、マークとブリジットが結ばれたことを祝福している。
そして隣の女性を「ポーリーン」と紹介するが、その女性に「ポーラ!」と訂正されてしまう。
この辺りがダニエルの最低男たる所以だ。

レネー・ゼルウィガーの徹底した役作り

普段はスマートなレニー

今作の制作陣には、月並みな配役はやめて「敢えてアメリカ女優に英国女性を演じさせる」という意図があった。
テキサス出身のレニーが主役を演じることにイギリス中は大反対したが、それ程イギリス国民は原作のブリジットに思い入れがあり、この映画はより注目を浴びた。
監督のシャロン・マグワイアは「(『風と共に去りぬ』の)スカーレット・オハラを英国女優が演じた仇を取る」という思いもあったと述べている。
レニーはわざわざイギリスに引っ越し、英国の雰囲気を体で感じながら、実際の出版社で働いた。
そして自らの生活習慣変えて、体重を増やすなど役作りに没頭した。

トナカイのクリスマスセーター

ダサいセーターを着たマーク(左)とそれを贈った母親(右)

新年のパーティーで、マークがトナカイ柄のセーターを着ているシーンが登場する。
これはマークの趣味ではなく、母親がせっかくプレゼントしてくれたのだからと仕方なく着ていたことが後に判明する。
この映画により「アグリー・クリスマス・セーター」と呼ばれる、クリスマスらしい派手な色使いの悪趣味なセーターを着ることが流行った。
1990年代~2000年代にかけて、高級ブランドもこういったセーターをこぞって発売し、有名人やセレブが着用したり、ジョークギフトとして人々の話題になった。
悪趣味であればある程「ダサかわいい」として人気があり、ブラックジョークを愛する欧米人らしい流行である。

『ブリジット・ジョーンズの日記』の主題歌・挿入歌

挿入歌:ジェイミー・オニール「オール バイ マイ セルフ」

実家の新年のパーティー後、ブリジットはロンドンの自宅アパート帰宅する。
したくもない見合いをさせられ、マークに辛辣にけなされたブリジットは、ワインを片手にこの曲を歌いながら自分を慰めた。
「オール・バイ・マイセルフ」は、1975年にエリック・カルメンが発表した曲で、今作ではジェイミー・オニールがカバーしている。
「All by Myself」とは「独り」という意味で、孤独を感じる女性の心情を歌ったこの曲は、落ち込んだブリジットの気持ちをよく表している。

挿入歌:チャカ・カーン「アイム・エブリ・ウーマン」

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