東方憲助（ジョジョリオン）の徹底解説・考察まとめ

東方憲助のプロフィール・人物像

東方憲助（ひがしかた のりすけ）とは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第8部『ジョジョリオン』の登場人物で、主人公東方定助（ひがしかた じょうすけ）の身元引受人。記憶喪失の定助に名前を与え、東方家の養子として迎え入れた。東方家の4代目家長であり、杜王町で東方フルーツパーラーを営んでいる。東方家の家長は代々「のりすけ」を襲名するため、本名は「東方常助」である。7部『スティール・ボール・ラン』で登場した「ノリスケ・ヒガシカタ」の子孫であり、東方家の長男が代々発病する謎の病気を治す方法を探している。
始めは定助を養子に迎え入れたことにも裏があるような態度をとっており、悪役のような振る舞いが目立った。しかし物語が進むにつれ、定助を養子に迎え入れた理由が東方家の呪いである病気を治すためであったりと、東方家の家長として父親として祖父としての一面が見えてくる。普段は明るくふざけたような態度を取ることが多いが、フルーツパーラーを成功させるなど、頭の良さと狡猾さが伺える。
東方家の呪いを解くために必要なものが「ロカカカ」の実であることがわかり、その実を手に入れるため定助と協力関係になる。スタンドは匂いの形を見ることができる「キング・ナッシング」であり、「ロカカカ」を狙ってくる「岩人間」との戦いや「ロカカカ」を探す際に活躍した。
長男の「東方常敏」が秘密裏に「新ロカカカ」の実を栽培していることが露呈した際に、憲助が常敏を追求したことでスタンド攻撃を受け倒れてしまう。その後入院し、物語の最終回で退院することが明らかになって、第8部『ジョジョリオン』は完結した。

東方憲助の来歴・活躍

「東方定助」の身元引受人になった東方家家長「東方憲助」

『ジョジョの奇妙な冒険』第8部『ジョジョリオン』における主人公である、東方定助の身元引受人になったのが東方憲助だ。広瀬廉穂（ひろせ やすほ）の幼馴染である東方常秀（ひがしかた じょうしゅう）の父親である。廉穂が定助の事を「ジョースケ」という、昔飼っていた犬に似ていると言ったことから名前が付けられた。
憲助は明るく気さくに振る舞って部屋の案内をしていたが、常秀が駄々をこねると賄賂を渡したり、定助に「言いつけ」は絶対だと脅しをかけるなど二面性が窺える。憲助は定助に目が不自由な末娘の東方大弥（ひがしかた だいや）の世話役を命じた。困惑する定助に対してさらに2階には上がらないよう言いつけた。
大弥が定助を誘惑し、虜にしようとしているところを偶然見た憲助は「ぶっ殺す！」と定助に殺意を向けていたが、大弥の行動を見て「いいぞ捕らえろ」という意味深な言葉を残して離れていった。

東方憲助の目的

東方定助は自らの正体を突き止めるため、吉良吉影（きら よしかげ）の死について調査していた。東方憲助の孫にあたる東方つるぎ（ひがしかた つるぎ）を追跡していた定助は、果樹園を通りかかった。そこに憲助が現れる。定助は東方家は怪しいと感じ、つるぎに尋問をするつもりであった。それを聞いた憲助は定助の質問に答え始めた。
定助の「吉良吉影を殺したのか」という質問に「殺していない」と答えた。吉影は憲助にとっても重要な人物であり、自らの目的のため必要な人物であった。憲助の目的とは東方家に代々伝わる病の治療法を探すことであった。10歳になると東方家の長男は、皮膚が岩のようになる原因不明の病にかかる。この病を克服するための方法を模索しており、吉影はこの方法を見つけて死んだということであった。
二人の人間が融合した存在である定助の半分は、憲助にとっても重要人物だった吉影である。東方家の呪いを解くために、すでに呪いを解く答えを出していた吉影が融合した後の存在である定助が必要だと考え、憲助は定助の身元引受人になっていた。この話を聞いた定助は、東方家の長男でもある憲助に対して「どうやって病を治したんだ」と問われると、「プライベートな内容であり、両親が自らを犠牲にして自分は助かった」と詳細は伝えなかった。
一定の回答を得た定助であったが、すでにつるぎから攻撃を受けていたため、つるぎを尋問することに変わりはない意志を示した。すると憲助はつるぎの行動に疑問を持ち、「一緒に行く」と言い出した。
憲助を完全に信用できていない定助は、憲助のスタンドについて質問した。すると憲助は「チラッとだけだぞ」と自らのスタンドを少しだけ見せたのであった。

八木山夜露との戦い

会話をしていた定助と憲助の2人に危機が迫っていた。背後に気配を感じ周囲の異変に気がついた時にはなぜか、植木鉢が四方を囲んでいた。四方を囲む植木鉢が突如中心に集まり、定助にものすごい勢いで衝突してきた。衝突し割れた植木鉢は体に食い込んでいくが、定助と憲助は協力してこの状況を乗り切った。そこに隠れていたつるぎが登場し、定助をおいて憲助に帰るよう忠告する。
攻撃してくる本体を探す2人に対して、今度は栗が集まろうしていた。その中で憲助は自らが幼少期に岩になった瞬間を思い出していた。病を克服したい一心で敵に利用されている孫のつるぎを説得しようとする憲助であったが、説得している間に定助は栗に襲われてしまう。つるぎを説得しなんとか攻撃を避けることに成功した2人は、つるぎから犯人の名前を聞くことになった。
敵の名は八木山夜露（やぎやま よつゆ）で、その正体は過去に東方家の家を設計した人物であった。夜露の姿を見失い焦る定助であったが、憲助は匂いが見えるスタンド「キング・ナッシング」で夜露の追跡を始めた。すぐ近くに迫った2人であったが、夜露の姿が見当たらない。しかし定助は夜露に触れられ、夜露が容易に見つからない理由に気づいた。
夜露は岩のような体質を持つ「岩人間」であった。そのため周囲の自然と同化し、容易に見つけることができなかったのだ。岩と同化しながら夜露はさらなる攻撃を仕掛ける。夜露のスタンド「アイ・アム・ア・ロック」は触れた相手を中心に夜露が決めたものが集まる能力であった。次に夜露が集めたものは大量の農薬であった。農薬は体内に侵入すると死に至る劇薬だ。
農薬が定助に激突し絶体絶命かと思われたが、定助は防御ではなく攻撃を行い、夜露と共に海へ入った。定助は憲助にネットを探させ、重りのついたネットを夜露の体に巻き付け沈めようとした。しかし沈める前に「岩人間」の皮膚呼吸をするという特性が仇となり、夜露の体は崩れて溺死した。定助と憲助は夜露が持っていたフルーツが東方家の呪いを解くものだと確信し、そのフルーツを調査していくことになる。

東方フルーツパーラー

八木山夜露との戦い後、夜露が所持していた謎のフルーツを犬が咥えていた。そのフルーツを犬から取り上げたが、つるぎがそのフルーツを食べようとする。しかし憲助は正体のわからないフルーツを孫に与えるわけもなく、食べようとするつるぎを止めた。キング・ナッシングで元の形を再現し、初めてみるフルーツであることが明らかになった。さらにキング・ナッシングに匂いを記憶させることで、射程内に謎のフルーツの匂いがあれば、自動的にキング・ナッシングが発動するようになった。
謎のフルーツについて調べるため、東方フルーツパーラーに向かうことになった定助と憲助。そこで憲助は定助に自慢のメロンパフェを振る舞う。自らのビジネス手法とメロンパフェを例にしながら、定助に謎のフルーツへのたどり着き方を教えていた。
メロンパフェを2人で食べていると、2人の前に東方家の長男である東方常敏（ひがしかたじょうびん）が現れる。長男との久しぶりの再会に喜ぶ憲助であったが、定助は衝撃を受けることになる。常敏が落としたハンカチにキング・ナッシングが発動した。つまりこのハンカチには謎のフルーツ匂いがついていたのだ。常敏がフルーツについて何か知っていると確信した定助は常敏の調査を開始する。

田最環との戦い

ある日、東方家に衝撃的なニュースが飛び込んでくる。24年間彼氏がいなかった東方家の長女である東方鳩（ひがしかた はと）が、突然彼氏を家に連れてくるということであった。連れてきた彼氏の名は田最環（だも たまき）で、杜王町でクリーニング屋を営んでいる23歳ということであった。しかしどう見ても23歳に見えない中年の見た目をしており、家族は困惑していた。
自己紹介を聞いている間に東方家には危機が迫っていた。家中に謎の手形が現れ、手形に触れた者たちが柔らかくなっていたのである。1人また1人と犠牲者が増えていく中、ついに田最環が正体を現した。田最環のスタンドは、手形に触れた相手を極限まで柔らかくすることができる「ビタミンC」であった。憲助はシャンパンを飲んでおり、体が柔らかくなったことで、シャンパンの炭酸で体に穴が開こうとしていた。そんな中、田最環は憲助に岩人間たちとの連絡が取れなくなっている事実と、憲助を犯人として疑っていることを話した。
始めは抵抗していた憲助であったが、家族全員が危ない状況であることを考え、定助の存在とその正体が「空条仗世文」であることを話してしまうのであった。そして田最環は過去の因縁から定助を消すため定助に狙いを定めた。
しかし最後まで田最環を信じようとしていた鳩が、自身のスタンド「ウォーキング・ハート」で串刺しにして田最環は重傷を負ってしまう。重傷を負って逃げようとする田最環を定助が追撃し、撃破した。

東方花都の出所

東方邸のソファーに我が物顔で座っている女性を見て東方家は騒然となる。その姿を見た憲助は腰を抜かした。この女性の名は東方花都（ひがしかた かあと）と言い、憲助の元妻であった。15年間刑務所で過ごしており、出所したその足で東方邸にやってきたのであった。殺人罪で捕まっていた花都とは獄中で離婚しており、彼女はその代償として憲助にお金を要求しにきたのであった。母親の顔を見たことがない、もしくは覚えていない子供達が引いていたため、花都は一旦はホテルに泊まることを決め出ていった。
そんな中、東方邸を偵察している怪しい人物がいることを突き止めた定助と憲助は調査を開始した。そして再び東方邸に現れ、ハンモックで憲助のお酒を飲んでいる花都を見つけると憲助は罵った。その様子を観察していた花都は憲助が何かをたくらんでいることを見抜く。そのことを長男の常敏に電話で伝えた。東方邸を偵察している人物こそが常敏であり、常敏は母親からの忠告で新たな行動を取り始めた。

東方家崩壊と再生