髪留め（ジョジョリオン）とは【徹底解説・考察まとめ】

髪留めの概要

髪留めとは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険 Part8 ジョジョリオン』に登場する岩生物。広瀬康穂（ひろせ やすほ）の回想にのみ登場する。普段は髪留めに擬態しており、自身を髪につけた相手の頭部に寄生し、精神を追い詰める幻覚を作り出す。康穂は離婚した父親に見捨てられる幻覚によって自殺未遂を起こした。その後、病院で偶然髪留めに遭遇した吉良吉影（きら よしかげ）が踏みつぶしてしまったことで死亡する。

髪留めのプロフィール・人物像

髪留めに擬態した岩生物で、人間の頭部に寄生して生きている。中学生の広瀬康穂（ひろせ やすほ）が露天商から購入した。「ピンク色の宝石がついた清の時代の装飾品」として売られていたが、真っ赤な偽物だ。
寄生された人間は皮膚が岩のように硬化して砕けることでフケのようなものが出はじめ、やがて最大限のショックを受ける幻覚を見せられる。
スタンド能力は持っていない様子。康穂が入院した病院で偶然居合わせた吉良吉影（きら よしかげ）が踏みつぶしたことで死亡した。その後、残骸は康穂が保管している。

髪留めの来歴・活躍

中学時代の不思議な思い出

東方定助（ひがしかた じょうすけ）や豆銑礼（まめずく らい）と共にアーバン・ゲリラとの戦いを乗り切った広瀬康穂（ひろせ やすほ）は、中学時代の不思議な体験を思い出していた。
康穂が10歳の頃、両親は離婚した。康穂に離婚の原因はわからなかったが、康穂は変わらず父親が大好きなままだった。逆に、父親の話を頑なにしたがらず、康穂が父親に会うことにあまりいい顔をしない母親とは徐々に距離ができていった。あるとき、康穂は父親とふたりで出かける約束をする。父親との「デート」をうんと可愛い姿で楽しみたい康穂は、露天商が売っていた「清の時代の髪留め」を7800円で購入する。しかし、これをきっかけに康穂は徐々に追い詰められていく。
母親は素敵な髪留めと父親とのデートに浮かれる康穂に無関心だった。髪留めで頭がいっぱいの康穂はクラスメイトの誕生日を忘れてしまい、クラスの女子生徒たちの非難を浴びてしまう。さらに、父親と会う前日に康穂の全身からフケのようなものが大量に発生する。皮膚科で薬を出してもらったことでフケは収まったが、デートの日の朝、康穂の寝ていた枕元から髪留めが忽然と消えていた。
康穂は半狂乱になって髪留めを探す。康穂は自分に嫉妬した母親が髪留めを隠したのだと考え、かねてからの母娘の確執が決定的に表面化してしまった。母親が外へ飛び出そうとする康穂の手を掴むと、康穂の指先の皮膚がフケのように崩れたことでつかみ損ね、体勢を崩した康穂は頭を打って気絶してしまった。
このときの康穂は知る由もなかったが、髪留めの正体は髪留めに擬態した岩生物だった。康穂の髪の中に潜んでいた髪留めは康穂の頭部の皮膚に口吻のようなものを刺し、何かを吸い出しはじめる。
康穂が目を覚ますと、恋しかった父親が枕元にいた。父親は髪留めを「かわいい」と褒め、康穂はこの上ない安らぎを覚える。しかし、父親は康穂に「新しい恋人ができて今度子どもも生まれるから、もう康穂には会いに来れない」と言う。それを聞いた康穂はふらふらと立ち上がってバスルームへ向かった。康穂は知らなかったが、この父親は髪留めが作り出した幻覚だった。
頭を打った康穂を寝かせて医者を呼んだ母親は、バスルームで手首を切ってしまった康穂を発見する。
康穂は病院へ運ばれ、手当を受けた。頭と手首の怪我はどちらも大事なく、短い入院で済んだ。このとき康穂は顔を見なかったが、担当の女医に「自明の下では、見過ごされていいことなどひとつとしてないの。大切で…意味があるのよ…。自分のことだけを見つめているとそれは見えない。大切なことがそのうち見えるといいわね」という言葉をかけられる。そして、彼女の息子だという青年が「髪留めを踏んで壊してしまった」と謝ってきた。青年いわく、髪留めはフェイクの石を使った安物だった。
このときの女医こそ定助が助けようとしている吉良・ホリー・ジョースターであり、青年は吉良吉影だった。康穂が正体不明だった定助を助けたのは、決して偶然などではなかったのだ。

髪留めの関連人物・キャラクター

広瀬康穂（ひろせ やすほ）

『ジョジョの奇妙な冒険 Part8 ジョジョリオン』のヒロインで、19歳。記憶喪失の定助に出会ったことをきっかけに「進むべき最善の方向・選択」を示すスタンド「ペイズリー・パーク」に目覚め、ロカカカを巡る事件に関わっていく。
中学生の頃に露天商から髪留めを買い、気づかないまま餌食にされる。髪留めの見せる幻覚によって自殺未遂を起こすが、吉良・ホリー・ジョースターの治療で事なきを得た。

広瀬康穂（ジョジョリオン）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

広瀬康穂（ひろせ やすほ）とは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険 Part8 ジョジョリオン』の登場人物で、高い検索能力を持ち、物事を「最善の方向」へ導くスタンド「ペイズリー・パーク」の使い手。19歳。
本編のヒロイン。杜王町が震災に見舞われた直後に発生した「壁の目」に全裸で埋まっていた記憶喪失の東方定助を救い、彼を東方家の養子にする橋渡しをする（定助の名付け親も彼女）。
定助に対しては好意的で何かと世話を焼く。彼と共に数多くの事件や戦いに巻き込まれ、そのスタンド能力と機転で勝利に貢献する。

髪留めの名言・名セリフ／名シーン・名場面

康穂の父の幻覚

髪留めは頭を打って気絶した康穂の頭から何かを吸い出し、目を覚ました康穂は父親の幻覚を見る。父親は康穂の望んだとおり髪留めを「かわいい」と褒めてくれたが、「新しい恋人と子どもができた」「康穂に会う時間はもう作れない」と康穂に別れを告げる。心の支えだった父親に捨てられた康穂は手首を切って自殺を図ってしまった。
髪留めが康穂の皮膚を岩のように硬化させてボロボロにすることで発生したフケのような物質が、康穂が最も愛した父親の姿を作り出し、康穂を最も絶望させる言葉を吐く光景は読者を戦慄させた。