エノーラ・ホームズの事件簿(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『エノーラ・ホームズの事件簿』とは、2020年にNetflixで公開されたイギリスのミステリー映画である。原作はアメリカの作家ナンシー・スプリンガーの小説『エノーラ・ホームズの事件簿シリーズ』。名探偵シャーロック・ホームズに妹のエノーラがいたらという設定で、好奇心旺盛で破天荒なエノーラが、失踪した母の捜索をきっかけに、政治家の息子であるテュークスベリー侯爵の事件に巻き込まれ、母から教わった知識や武芸を使い、解決を目指していく物語。

ウィムブレム卿はテュークスベリーのおじさんにあたる。テュークスベリーとその祖母と一緒に暮らしている。テュークスベリーが失踪し、列車を停めて捜索させている。テュークスベリーが貴族院に入ることに理解があり、実際入ってからも身なりを褒めているシーンがある。テュークスベリーとの仲は悪くない。

テュークスベリー夫人(演:ハティ・モラハン)

テュークスベリーのおばさんにあたる。ウィムブレム卿と同様、テュークスベリーとその祖母と一緒に暮らしていた。

テュークスベリーの祖母(演:フランシス・デ・ラ・トゥーア)

作品の黒幕。イギリスの栄光は変わらないと古い考えにこだわり、選挙の改正法には反対していた。テュークスベリーが持つことになる投票権一票を無効にするため、殺し屋を雇ってテュークスベリーを狙う。物語後半で失踪していたテュークスベリーがエノーラと一緒に屋敷に戻ってきて、山高帽の殺し屋と一戦交えるも、殺し屋が倒れてしまう。こうなったらと、殺し屋が使っていた銃を握り、テュークスベリーに向かって撃つ。孫を手にかけるほど、イギリスの在り方に執着していた。テュークスベリーの知恵により、祖母が撃った弾では命を奪うことができず、祖母は無事に捕まった。

『エノーラ・ホームズの事件簿』の用語

ワードゲーム

エノーラの母はワードゲームが好きで、エノーラも幼少期から触れてきた。エノーラの名前も逆さから読むことで意味を知ることができる。母が身を隠すため、仲間たちと情報をやり取りするために使われている。エノーラは母の失踪後、母とコンタクトを取るため暗号を新聞に載せる。

ダッシュ

エノーラが小さい時、肌身離さず連れ回していた人形の名前。女王の犬の名前からとられている。母の失踪後、母の枕の下から見つかり、シャーロックがエノーラに届けてくれる。この人形によって、母から大切に思われていると確信できた。

ハリソン先生の花嫁学校

当時は女性の社会進出が進んでおらず、良い家柄の男性に嫁ぐのが幸せだという考えが多かった。そこで、女性らしい作法を学ぶ学校が求められた。作中でエノーラは、マイクロフトと面識があるハリソン先生が校長を務める花嫁学校に入学させられる。そこでは上品な笑い方、食べ方、歩き方、刺繍などの授業が行われていた。

選挙法改正

イギリス議会の選挙制度の改革。選挙権を持つ人には極端な差があり、資金を持っている支配層のみで政治を行なっていた。そのうち支配層の中でも衰退してくる地区が出てきたり、支配層外だが資金力を強めるものが出てきたりした。衰退してしまった地区に多くの選挙権が残り、発展途上の富裕層には選挙権が与えられていないというような不都合が生じ、3回に渡って選挙法が改正されていく。作品の舞台である1884年は3回目の改正が行われる時期だ。一部を除き、イギリス全土を人口に比例した小選挙区に分割し、より平等な選挙が行われるようになる。

『エノーラ・ホームズの事件簿』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ユードリア・ホームズ「未来は自分次第」

エノーラが母からもらった手作りのカードを頼りに見つけた封筒の中に入っていたメッセージカードには「未来は自分次第」と書かれている。この時代の女性にとっての幸せな未来は良い花嫁になること、という考えが一般的だった。女性も社会に進出することを訴えていた母は、エノーラにも自分でやりたいことを考え、自分の道を進んで欲しかった。物語の終盤のエノーラの語りの中にも入っているこの言葉。母の失踪のおかげで自分のやりたいことを見つけたエノーラ。困っている人、迷っている人に手を差し伸べられる人になりたいと、探偵の職を選ぶのだ。

シャーロック・ホームズ「母さんはお前を並外れた子だと思っていた。僕もだ、エノーラ」

今まで家庭、政治などに興味を持たず、目の前の謎ばかり追いかけていたシャーロック。無理やり花嫁学校に入れられてしまったエノーラを心配し、様子を見に来た。母の失踪の謎を探っているシャーロックに、こんなところまで手がかりを探しにきたのかと噛み付くエノーラ。しかしシャーロックは考えを少し改めたようだ。エノーラのことに関心を持ち、常識にとらわれない言動、母の捜索をした推理力を誉める。シャーロックはエノーラに「母さんはお前を並外れた子だと思っていた。僕もだ、エノーラ」と言う。家族にあんなに無関心なシャーロックから出た言葉とは思えない。シャーロックほどの推理力がある人間がそうだと言うなら、母から愛されていたこと、特別に思われていたことを確信できる。心が折れかけていたエノーラはこの言葉で前を向く。この言葉を噛み締めるエノーラの表情にも注目だ。

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